気に入らない女は殺す..大阪西成区連続女性バラバラ殺人事件

1985年5月から1994年3月までのおよそ9年間で大阪市で4人の女性と1人の少女が殺害された事件。
大阪連続バラバラ殺人事件 – Wikipedia

1995年4月10日、大阪府警は洋品店の倉庫から紳士用のスラックス78本を盗んだとして大阪市西成区の鎌田安利(当時54才)を逮捕した。
鎌田安利事件

この取り調べで鎌田の指紋を鑑定したところ、1件の殺害犯人から警察に送られてきた｢挑戦状｣の手紙に付いていた指紋と一致。
鎌田安利事件

捜査本部が鎌田を厳しく追及した結果、５人の殺害を自供した。
鎌田安利事件

鎌田は愛媛県大州市で生まれた。実家は旅館などに割り箸を納入する商売をしていたが、本人は「有名旅館の跡取だ」などと言っていた。
大阪・連続女性バラバラ殺人事件

父親が亡くなったのを機に高校を2年で中退。大阪へ出て板前修業をするが、20歳の時に地元に戻って結婚した。一男一女をもうけているが、妻と死別。
大阪・連続女性バラバラ殺人事件

それからは奈良県大和高田市の靴下製造工場に勤務したあと、職を転々とするが、子どもを連れて大阪市西成区に移った。
大阪・連続女性バラバラ殺人事件

飲み屋の女性と再婚して、子ども達もこの女性を慕っていたが、結局、外に女をつくり家を出て、妻が子どもの面倒を見た。わずか数ヶ月の結婚生活だった。
大阪・連続女性バラバラ殺人事件

それから鎌田は衣類やアクセサリーを自転車に積んで、飛田新地や釜ヶ崎筋の飲食店の女たちに売り歩くようになる。肩書は衣料品販売だが、それらはすべて盗品で、逮捕されることも度々だった。
大阪・連続女性バラバラ殺人事件

太った体型･満面の笑顔･ボロボロのジャンバーにズボンという格好は｢愛嬌がある｣と女性達には評判で、皆から｢鎌ちゃん、鎌ちゃん｣と呼ばれていた。
鎌田安利事件

声が小さく、気が弱そうで、とても人を殺すようなオッチャンには見えない。ペットのマルチーズ犬を自転車の籠に入れて走る等、“子供好きの愛想のいいオッチャン”で通っていた。
『地下鉄サリン事件』の陰に隠れた凶悪殺人事件――“鬼畜死刑囚”鎌田安利が引き起こした犯罪を振り返る – みんなが寝静まった頃に

1985年5月中旬、家出中の主婦(46歳)と立ち飲み屋で知り合い、自宅アパートに連れ込んだ。
大阪連続バラバラ殺人事件　凶悪事件・未解決事件・未成年犯罪まとめ

その後絞殺。女性の名前も知らないまま、その遺体をバラバラに切断し、神戸市西区の雑木林に遺棄した。
大阪連続バラバラ殺人事件　凶悪事件・未解決事件・未成年犯罪まとめ

1985年6月、知的障害者施設を抜け出して通天閣界隈で遊んでいた女性（19歳）に声をかけて、寿司屋に入った後アパートに連れんだ。
大阪・連続女性バラバラ殺人事件

ここで関係を持ったが、お小遣い1万円を渡したところ「少ない」と言われ、殺害。遺体をバラバラにして奈良県広陵町の竹薮に遺棄した。
大阪・連続女性バラバラ殺人事件

「女性はオレが殺した。捕まえられるものなら捕まえてみろ！」――。奈良県警高田署にこんな“挑戦状”が送られてきたのは、殺害から3ヶ月後の9月6日のことだった。
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消印は大阪府堺市周辺で、白色の市販封筒に“高田警察署長様”と宛名書きされ、裏には“怪人22面相”と書かれていた。筆跡を隠す為か、定規を当てながら黒のボールペンで書いたような文字が並んでいた。
『地下鉄サリン事件』の陰に隠れた凶悪殺人事件――“鬼畜死刑囚”鎌田安利が引き起こした犯罪を振り返る – みんなが寝静まった頃に

そこには、殺を寿司屋に連れて行ったこと、性交してから殺したことなど犯行のプロセスや遺体の状況が詳細に書かれていた。
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女性の胃の内容物から寿司のご飯粒が検出されたことや、ヴァギナや乳房が切り取られていたことは報道陣にも隠されており、まさに犯人と警察しか知らない“秘密の暴露”だった（当時の捜査幹部）。
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1ヶ月後、捜査が自身に近づいている事を知り、「東京に行っていて犯行は不可能」とする新幹線の使用済み切符を同封した実名つきの釈明状を送りつけた。
大阪・連続女性バラバラ殺人事件

1987年1月、大阪市住吉区で9歳の少女を、いたずら目的で自宅アパートに連れ込む。いたずらをしようとするが騒がれたため絞殺。
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遺体は豊能町の山林に捨てた。鎌田が遺体をバラバラにしていたのは運搬のためで、体の小さい少女に関してはバラバラにしていない。
大阪・連続女性バラバラ殺人事件

殺害後、身代金3000万（のちに1000万）要求の電話を小学校に4回かけた。
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1993年7月、近所でホステスを自宅アパートに連れ込み、関係を持とうとするも金の交渉を持ち出され、彼女に貢いでいた鎌田は逆上して絞殺。
大阪連続バラバラ殺人事件 – Wikipedia

女性にとって鎌田はいつも札束を持って現れる客であり、誘いに乗って彼のアパートにやって来た。
大阪・連続女性バラバラ殺人事件

遺体は風呂場で解体した後、レンタカーで運んで豊能町に捨てた。
大阪・連続女性バラバラ殺人事件

1994年3月、大阪市中央区在住の女性を自宅アパートに連れ込み、関係を持ったが、金の交渉がこじれたため絞殺。
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鎌田がたびたび盗品の洋服を売るのに出入りしていた居酒屋で働いていた女性は、破格の値段の服を購入していた。遺体は箕面市の山林に捨てた。
大阪・連続女性バラバラ殺人事件

殺害の動機も短絡的なもので、援助交際に纏わる金銭トラブル等から殺している。謂わば“流し”の犯行で、特に付き合いも無い行きずりで知り合った女性を殺害している。だから、捜査線上にも浮かんでこなかった。
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事件を起こす度に一時的に行方不明になり、新しいアパートに転居するのが癖だった。被害者5人を殺害した現場のアパートは全部違う。
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鎌田が殺人容疑で再逮捕されたのは、オウム真理教・麻原逮捕の4日前のことだった。
『地下鉄サリン事件』の陰に隠れた凶悪殺人事件――“鬼畜死刑囚”鎌田安利が引き起こした犯罪を振り返る – みんなが寝静まった頃に

地元紙は報道したが、鎌田の事件は一連のオウム事件の陰に隠れ、その後の続報等は殆ど報道されなかった。
『地下鉄サリン事件』の陰に隠れた凶悪殺人事件――“鬼畜死刑囚”鎌田安利が引き起こした犯罪を振り返る – みんなが寝静まった頃に

鎌田は裁判中、終始一貫して無罪を主張。学生誘拐事件では「知り合いの男性が殺害し、遺体は頼まれて捨てただけ」と主張。残りの事件についても「親交のあった会社社長が共犯者」と主張した。
大阪連続バラバラ殺人事件 – Wikipedia

1999年3月24日 – 大阪地方裁判所で死刑判決。
大阪連続バラバラ殺人事件 – Wikipedia

5件の殺人事件の間に、2度の窃盗罪で服役しており、確定判決を間に挟んだ罪は併合されないという刑法の規定により、2つの死刑判決が下される。

2005年7月8日、「女児を殺し、安否を気遣う父親に身代金を要求するなど非人間的な所業。非情な犯罪を重ねており、人命尊重の念はみじんもうかがわれない」と上告棄却。死刑が確定した。
大阪連続バラバラ殺人事件 – Wikipedia

2008年、「死刑の執行は明確な殺人行為だと思えてならない」と制度への不満を明かしていた。
鎌田安利死刑囚（大阪女性5人殺害事件）と吉田純子死刑囚（福岡看護師連続保険金殺人事件）　刑執行 2016/3/25 岩城光英法相命令 – 来栖宥子★午後のアダージォ

2015年には「びょうきで字が思うように書けません。それがいちばんつらい」と記していた。
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2016年3月25日、死刑執行。75歳という高齢での死刑執行は極めて珍しかった。
日本：死刑執行に対する抗議声明 : アムネスティ日本 AMNESTY