古典文学モチーフのおすすめ漫画

ものしり子
古典文学をわりと忠実に漫画化した作品から、自由に想像をめぐらせて描いた作品まで。元の古典も読んでいる人間の目からみて、「これは原作の魅力を捉えて描いているな」と思った作品を選んでご紹介します。随時更新予定。

古典文学というと難しそう…と思ってしまいませんか?
『源氏物語』なんて1000年以上昔の物語。無理…
そう思ってしまうのも無理はありません。
しかし逆に言えば、1000年以上たっても読みつがれているということは、それだけ面白かったり感動する作品だということです。
時代と言葉の壁のせいで読めないなんて、あまりにももったいない!

漫画で古典を読んでみよう!

ありがたいことに、古典文学を漫画化した作品にはいいものがたくさんあります。
古典の勉強のため読むのにも、楽しんで読むのにもおすすめできる作品がたくさん。
ここでは、元になった作品別に

・源氏物語
・百人一首
・枕草子
・堤中納言物語
・とりかへばや物語
・とはずがたり
・古事記

の順番でご紹介します。

『源氏物語』モチーフの漫画

わずか一冊で『源氏物語』五十四帖が読めてしまう!
かわいらしい絵柄で、よく場面のエッセンスを掴んだ4コマ漫画です。
ほのぼのして見えますが、光源氏の栄華がかげりを見せていく過程がしっかり描かれています。
わたしは『まろ、ん?』を読んで、切なくて泣きました。

『百人一首』モチーフの漫画

豊かな叙情性と自在な発想で、『百人一首』の世界を描き出しています。
作者はみんな大好き今日マチ子、一首1ページ、一冊完結で読みやすい!
内容はもとの和歌から大きく飛躍してみせるものから、わりと元の歌に近いものまで様々ですが、
人物はたいてい現代の人に置き換えられています。
古典研究者の先輩に貸したら「泣いた」といわれて、嬉しかった作品。

百人一首関連でもっとも有名な作品といえばこれ。
百人一首の歌からのびのびと発想をめぐらせて物語を広げています。
監修は和歌文学研究の第一人者、渡部泰明氏です!
公式サイトには用語解説などもあって勉強にぴったり。
アニメにもなりました。

『枕草子』モチーフの作品

上の説明文の通りな作品。全一冊で読みやすいです。
『枕草子』本文にちょっと誤植があったり、惜しい…点がないでもないのですが、
『枕草子』をぐっと自分にひきつけて読んでみるというのは、いいアプローチだと思います。
わたしは最後の場面でボロボロ泣いてしまって、
『枕草子』ってこういう作品だよなあ…と思いました(そうでない人もいると思いますが!)

『堤中納言物語』モチーフの作品

主人公チコは『堤中納言物語』の『虫愛づる姫君』のような、ちょっと変わり者のお姫様。
ここでは『堤中納言物語』モチーフの作品としてあげましたが、
どちらかといえば『堤中納言物語』のみならず『源氏物語』『紫式部日記』『枕草子』など、
様々な平安朝文学の世界に学びながら描いている作品です。
女房奉書らしきものが登場するなど、宮中女房の生活をしっかり掘り下げて楽しく描いています。
平安朝文化に親しみたい人におすすめ!

『とりかへばや物語』モチーフの作品

平安朝の物語の中でも特に尖ったストーリーで知られる『とりかへばや物語』の漫画化。
全13巻完結なのでここにあげた作品の中では長いほうですが、ストーリーが面白いのでサクサク読めます。
電子書籍ではよく無料キャンペーンもやっているので、試し読みででも読んでみてください。

『とはずがたり』モチーフの作品

『逃げるは恥だが役に立つ』の、海野つなみさんの作品。全5巻。
タイトルからは全然わからないのですが、『とはずがたり』に基づいています。
『とはずがたり』は鎌倉時代中頃の名門出身の女房、後深草院二条の日記。日記文学とされていますが『源氏物語』等の影響が強く、前半の恋の展開はすさまじいの一言です。
教科書にはでてこない作品がモチーフなだけにちょっと読みにくいかもしれませんが、
わたしは「あとがき」に書かれた、わからないものを追い求める姿勢の真摯さにすっかり惹かれてしまいました。『逃げ恥』がヒットしてうれしかったです。

『古事記』モチーフの作品

『この世界の片隅に』で世に広く知られることになった、こうの史代さんの作品。
その名の通りボールペンで描かれた神々の絵は、混沌とした古事記の世界にぴったりです。
わたしはイザナミとイザナギが柱を回って出会うシーンで泣いてしまった(泣いてばっかり)
のですが、『古事記』を読んでいたときはまさか泣くなんて思わなかったシーンだったので、
漫画ってすごいなあと思いました。

いかがでしたか?

※ここで紹介する作品の多くが、漫画家さんのオリジナルの解釈を交えて描いています。
原文に忠実なわけではありませんので、古典に親しみ、アレンジを楽しむ本としておすすめなのだとご理解いただければさいわいです。
そういうの邪道…と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実は昔から、日本の古典の読者は原作にアレンジを加えながら楽しんできました。
(例えば今残っている『とりかへばや物語』は、原作ではなくアレンジ後の作品です。)
むしろアレンジするほうが王道なくらいかもしれません。
のびのび古典を楽しんでいただけたら嬉しいです!

【おまけ】まだ読んでないんですが…

近藤ようこさんも古典から近代・現代まで、日本の文学に取材した作品を描かれていますね。
わたしはまだ古典以外のモチーフの作品しか読んでいないのでここにあげられないのですが、
読んだら追加したいと思います。

【おまけ2】いい漫画ってたくさんありますよね!

よかったらこちらもどうぞ。
『千歳ヲチコチ』はこちらのまとめでも推してます。

https://matome.naver.jp/odai/2153950017792587801
2018年10月24日