病院のエレベーター
135:1/4:2006/02/25(土) 02:41:35 ID:A+2skTrf0
自分が子供のころの話。
両親の付き合いで誰かの(多分二人の共通の知り合いかなんかだと思う)お見舞いに行ったんだ。
何故か病室には入れてもらえなくて、その階の待合室で弟と絵本を読みながら待ってた。
自分は子供の頃に身体が弱くてよく入院してたから、時間を潰すのはさほど苦痛なことではなかったんだけど一つ下
の弟はどうしても暇を持て余してた。うぜーと思いながら相手してたんだけど騒げば怒られるし、どうしようかなー
って思ってたら様子を見に来た親が売店で買い物してきていいよとお金をくれた。お菓子を与えておけば弟が静かに
してるだろうと思ったらしいw
病院のエレベーター
正直病院の中を歩き回るのは好きじゃなかったんだけど、当時幼稚園ぐらいだった弟を一人いかせるわけにもいかず
仕方なく一緒に売店に行くことにした。
大人ばかりの病棟ってかなり怖かった記憶がある。よく入院していた病院の小児病棟は子供が怖がるから他の病棟の
人は立ち入り禁止になってたから余計に(他はどうか知らないけどこれが普通なの?)そんで地下にある売店までエレベーターに乗って行ったんだ。
お菓子を買ってご機嫌な弟の手を引っ張って病棟に帰ろうと思ったんだけど、道を間違えたのか乗ったエレベーターが
どうしても見つからない。人に聞こうにも人が通らない。仕方ないので売店に戻ろうしたらようやくエレベーター発見。意気揚々と乗るものの何故か今居る階よりも下に行くボタンしか無い。今思えば職員専用とか一般の人が使うものでは
なかったかもしれないけど、それに気付くはずもなくw
好奇心から一番下に行ってしまった。ドアが開くとそこは真っ暗。ここで取敢えずビビるwwww怖くなって下から二番目に
行くと薄暗く、白い服みたいなものを着た人がたくさん居た。本気でビビる。
病院のエレベーター
一人が自分達に気付き、優しい感じで
「ここにはきちゃ駄目だよ」みたいなことを言ってきたので泣きそうになりながら改造しないでと謝ったはず。どことな
く当時夢中になってた特撮の悪役とダブってここに居たら改造されてしまう!と思ったんだろうな。
その人は笑いながら「しないしない。けどいつまでもいたら改造しちゃうかも」らしきことを言って弟大泣き。自分も本
気で泣きそうだった。悪いことをしたのかと思ったのかその人は売店があった場所まで送ってくれて、病室の階にいける
エレベーターまで送ってくれた。
その時点でエレベーターにトラウマが出来てたんだけどさwwwwんでエレベーター乗ったものの上の階に行くボタンに二人とも手が届かないw他の人も乗ってない。
確か病室は七階とか八階とかそこら辺で、どんなに頑張っても届かない。仕方なく自分を踏み台に弟が手が届くとこまで
ボタンを押した。人が乗り込んできたら押してもらおうとか、途中から階段で行こうとか考えてた。
運良く途中の階で足にギブスをしたお兄さんが乗ってきた。
病院のエレベーター
すると「●階を押してあげて下さい」って声がした。
お兄さんは自分達を見て「いいですよー」とか言ってボタンを押してくれたんだ。
でもさ、エレベーターには自分と弟しか乗ってなかったんだよ。あれー?とか思って後ろを向いても誰もいない。でもお
兄さんは何も気にしてなくて、もしかして自分が言ったのかなって思った。お兄さんが何か話しかけてそれに答えてる内に病棟についた。お兄さんにお礼を言ってエレベータから出て、もう一回お礼言っておこうと後ろを向いたらお兄さんがいない。
その代わり両腕の無い人が一瞬見えた。ぱっと見、性別はわからんかったけど何となく女性っぽい?
ぽかーんとしてる内にドアは閉まったんだけど、素で「くぁwせ(ry」状態。
(((((((( ;゚Д゚)))))))しながら弟に今のなにって聞いても(゚д゚)?なんかあったのー?みたいな顔。
後で聞いた話では最初から最後まで誰もいなかったそうだ。お兄さんとの会話も弟には聞こえなかったらしい。
病院のエレベーター
霊感なんてないけど、怖い話とかあなたの知らない世界とか好きだったから余計ガクブル。絶対に幽霊だと確信。
お見舞いが終わった両親に説明するものの「アンタの勘違いでしょ」と返される。それどころか売店よりも地下に行ったこと
をすげー怒られたwんで翌週くらいにまた同じ人を見舞いに連れてこられたわけ。
そのときはたまたま看護婦さんが相手してくれたのよ。その人に地下のこととかエレベータのこと話したの。
そしたらさ病院では時々そういう不思議なことがあるんだって教えてくれた。ただ話を会わせてくれただけかもしれないけど。だけどこの病院には売店より下の階はないなんて言うのさ。後から確かめに(両親とね)行ったらやっぱりない。
だったら自分が見た部屋はなに?話した人はだれ?こっちは弟も見てたし今でも怖かったから覚えてるって言うし。十年以上前の話だけどまだはっきりと覚えてるんだよね。これ以外には怖い体験なんてしてないんだけど。
本当長文でごめん。
病院のエレベーター
今日でお別れ
449 :1/2 :2009/10/16(金) 20:55:29 ID:j8GmJZLk0
20歳頃付き合ってた5歳年上の女がすごい生意気だった。
最初は俺が惚れて1年ぐらいかけてやっと付き合えたのだが俺が下手に出すぎたのか俺はペット状態。
口ぐせは「○○(俺)のくせに生意気」こんな女でも好きだったので2年ほど付き合ってたが彼女の傲慢さは増す一方。何回か喧嘩したけど改善されず。自分は俺に内緒でコンパとか行きまくってるくせに俺が妹から電話かかってきただけでもブチ切れ。
女友達も全部いなくなって自分でもなんでこんな女と付き合ってんのかわからなくなった頃相手の浮気が発覚。もうさすがに我慢できずに大喧嘩になったがこの女言うに事欠いて
「私と○○なら私は5回ぐらいは浮気してもいいはず。それぐらいで釣り合えるんだよ」とか開き直って反省の色なし。もう俺の中で何かが弾けて復讐開始。
「うん。わかった。俺なんか付き合ってもらってるだけで幸せやのになんか勘違いしてたかも。ごめん。」
「わかればよろしい。肩揉んで?」
こんなやりとりでその日は終了。
今日でお別れ
それから5年、彼女が33歳になるまで付き合って、もちろんお互いの親も公認で、
俺はそこそこの収入を得る仕事に就き彼女のまわりはみんなこんないい彼氏はいない、と言われ結婚はいつ?な状態に。プライドの高い彼女からは絶対結婚を匂わすようなことは言ってこず、
女の友達から呼び出しをくらい早く結婚しろとつつかれて翌日に、
「大事な話がある」と彼女を呼び出して観覧車に乗って
「これを受け取ってほしい」と指輪の箱を渡す。
必死で嬉しさを噛み殺しながら「え?なに?」と冷静を装って箱を開ける彼女。中には「今日でお別れ。バイバイ」と書いた紙が1枚。
「・・・・・は?・・・・・・え?」という彼女に「別れようぜ。お前みたいな女もう無理」
というとハァハァうめきだして「ちょ・・・ちょとま・・・・待って・・・え・・・」と苦しそう。
今日でお別れ
それをニヤニヤして見つめながら
「誰がお前みたいな女と結婚するかよ。俺はお前のペットじゃねーんだよ。この観覧車が下に着いたらもう俺に話しかけるなよ」そう言うと一層息切れ(?)が激しくなり座ってさえいられないのか床にズルズルと倒れこむ。
俺のひざに手をかけて起こしてほしそうにするその手をすぐに払いのけるとバタっと倒れこむ彼女。観覧車が1周する間に7年間溜まった文句を全部吐き出し下に着いたときに
彼女を抱えて観覧車を降りフラフラの彼女を降りてすぐの柵のところに放置して帰った。気分爽快だった。
今日でお別れ
受信と発信
519 :ちょっと投下:2011/12/23(金) 12:06:27.61 ID:27KwqXLO0
今のご時勢に必要かなと思って投下する。もう20年くらい前になる話だけど、当時俺は親戚のツテで寺に修行に行ってたのね。
理由は、まあ若いうちはみんな持ってる厨二病な超人願望ね。
まだオウムとかの事件が出る前だったし。520 :ちょっと投下:2011/12/23(金) 12:10:06.68 ID:27KwqXLO0
名前を言えばあああそこかってわかるほどの有名な歴史のある場所。
そこで半出家状態で毎日修行してたわけよ。
もちろん修行だからそれなりに厳しいわけだけど、外部の人間でもあるから、
多少は内弟子?レベルの人たちよりもお客様扱いされてた。
修行じゃない時は、たまに雑談したりしてたんだけど、その話の内容がかなり面白かった。
『受信と発信』 – 怖い話まとめブログ
521 :ちょっと投下:2011/12/23(金) 12:14:25.16 ID:27KwqXLO0
ぶっちゃけ浮世離れした話の世界で、娑婆だと普通に電波扱いされるレベルな。
気とか経絡とかチャクラとか仏とかそういう話。
まあ修業的な話はともかく、みんなに関係ありそうなのは、社会や国家に関する話だよな。
今の日本に関する話だと思うので共有したい。523 :ちょっと投下:2011/12/23(金) 12:23:22.92 ID:27KwqXLO0
師匠「洒落君(俺のことね)、君、法学部だって?」
「あ、はい、そうです」
「そうか。じゃあ下山したらその仕事に?」
「まだ、その何というか考えられないですね。自分が何になるか」
「どうせなるなら偉くなりなさいよ。衆生救済は仏道だよ」
そんな感じの話してたら、ちょっと考えてた後に、話が進んだ。
「洒落君、ついてきなさい」
『受信と発信』 – 怖い話まとめブログ
524 :ちょっと投下:2011/12/23(金) 12:28:07.67 ID:27KwqXLO0
季節は冬で結構な寒さなんだけど、一緒に外に出たのよ。山の上だから風が寒い。
見晴らしのいい場所で師匠は俺に、
「あれ、見てごらん」と、御山の天辺のアンテナ?みたいな物を指した。(後で調べたら相輪というらしい)
「はあ、あのロケットみたいなやつですか?」
「あれ、何だと思う?」
まあ普通に考えたらただの飾りなんだけど、今までの経験からそういう話じゃないわな。525 :ちょっと投下:2011/12/23(金) 12:31:04.85 ID:27KwqXLO0
「えーと・・・アンテナみたいな物ですか?御仏の力を受信するとか(笑・・・」
「半分正解」
「え!本当ですか?」
「そ、寒いから戻ろう(笑」
中に戻ってきた俺たちは、相輪の話に戻った。
「洒落君、さっきアンテナって言ったよね?そのとおり、アンテナなんだよあれは。
アンテナというのは、機能が二つある。受信と発信だ」
『受信と発信』 – 怖い話まとめブログ
526 :ちょっと投下:2011/12/23(金) 12:35:51.34 ID:27KwqXLO0
「受信の方は、気脈と繋げて情報や気を受信するんだよ。発信の方は、こちらからの情報を送信する。
全国にある寺はみんなそうだよ。これは宗派関係ない。日本全国の寺を繋げる」
要するに、携帯のアンテナみたいなものらしい。
当時はそんな言葉知らんかったが、今で言うインターネットやネットワークみたいなものだろう。527 :ちょっと投下:2011/12/23(金) 12:38:33.94 ID:27KwqXLO0
「それでその気を各寺やその地域に下ろすんだ。そういうことなんだよ」
「なるほど、そうだったんですか。でもどうしていきなりアンテナの話を?」
「あれで流す気は、質がある。質はわかるよな?」
「あ、はい。おかげさまで。それは堕落した寺からとかそういうものですか?」
「もちろんそれもある。でも、大半の寺からはそんなの出ないよ。
問題は、寺から流す対象の娑婆の質だよ」
『受信と発信』 – 怖い話まとめブログ
528 :ちょっと投下:2011/12/23(金) 12:41:49.70 ID:27KwqXLO0
話によるとこうだ。
要するに、寺は相輪でネットワークを作り、いい気を各地域に流す。
でも流す地域がひどいと焼け石に水らしい。
「汚れた水に新しいきれいな水を流せば薄まる。でも限度があるよね。
日本の寺を作った方たちは、こういう仕掛けをつくって国づくりしたのだと思う。中央の集権化も含めてね。
寺が昔は住民の管理や集会所や学校だったことは知ってるだろう?」
今で言うルーターみたいなもんなのだろう。529 :ちょっと投下:2011/12/23(金) 12:45:07.74 ID:27KwqXLO0
「質が悪くなれば、当然社会は乱れる。人間の心が汚れるからね」
「今はどうなのでしょう?」
「陛下が崩御されてから悪くなる一方だよ・・・行き着く先は考えたくないな」
「どうしたらいいのでしょうか?」
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530 :ちょっと投下:2011/12/23(金) 12:51:57.85 ID:27KwqXLO0
「そこでさっきの話になる。君が仕事につくのなら偉くなりなさい。
いい薫陶を与えなさい。人間は水だよ。方円の器に入れば方円になる。
大切なのは、我々のような専門だけでは国全体の気を良くするなんて無理なんだよ。
結局、国民全体の気をなんとかしないとね」531 :ちょっと投下:2011/12/23(金) 12:55:54.80 ID:27KwqXLO0
「自分のことだけではなく、他人のために考える。動く。布施をする。
ああ、布施というのはお寺にじゃないよ。他人にだ。
挨拶でも笑顔でもいいんだ。他人のために善を為そうとする時に、無私の奉仕の行動がいい気を出すんだ。
感謝もね。結局感謝というのは貪(むさぼり)の反対なんだよ。
感謝と利他の気が住民の気として大量に出れば、アンテナにのって全国にまわる」
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532 :ちょっと投下:2011/12/23(金) 12:58:17.58 ID:27KwqXLO0
「神社も仕組みは違うだろうけど、たぶん似たようなものだろう。昔の人が作った仕組み。
神や仏というのはね、外部にいるんじゃない。仏性はだれにだってある。
大仰な話ではなくて、心に仏の姿を思っていい気を出せばそれでいいんだ。
そのためのテクニックが仏とか神なんだよ。
普段生活してるとそんないい気なんて出さないからな。
人間としての理想の姿。慈悲とかな」533 :ちょっと投下:2011/12/23(金) 13:02:35.95 ID:27KwqXLO0
「天変地異というのはね。必ず人間の心が起こしたものなんだよ」
当時俺はあんまりこの話に重大性を持ってなかった。学生だしね。
でも社会に出て、今の惨状を見るとよくわかる。
要するに、人間の心や気が社会や自然に影響を与えるってこと。電波な話だったけど、必要かなと。
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灯台
234 名前:固定特異点 :01/08/30 18:45 ID:3zg0npmQ
むかし読んだ本に紹介されていた話です.
時代は20世紀の初頭,場所はアメリカの東海岸北部のある町(ニューヨーク州とかメイン州のあたり?)
で起こった出来事だそうです(うろ覚え).
以下,直接話法で.
その町の海岸には険しい崖が多く,漁船の事故が頻発していた.
そこで,町の人々は州知事に請願を出し,海岸沖にある小島に灯台を建てて貰う.
2人の男が灯台守として派遣され,3日に一回のペースで交代しながら灯台を管理することになった.交代の日が来ると,一方の灯台守が灯台のある小島までボートを漕いで行き,もう一方がそのボートを漕いで本土に戻るわけである.
小島には非常時のための予備のボート,一か月分の食料などが用意されていた.
お蔭で海難事故もめっきりと減り,地元の人々も一安心していたある日のこと,
この地方特有の大嵐が前触れもなく町を襲った.
灯台
嵐は一週間にわたって猛威を振るい,農作物を中心に多大の被害をもたらした.
当然,灯台守の交代など不可能であった.
大嵐の中,ただでさえ崖やら暗礁やらでいっぱいの海をボートで渡れるはずもない.
ようやく天候が回復し,灯台守Aは大急ぎでボートを漕いで小島に渡った.
はやく相棒の灯台守Bを休ませてやりたい・・・,と思ったのか.
ところが,小島に着いても相棒の姿はどこにもない.
それどころか,灯台の荒れようが尋常ではない.
嵐の被害ではない.
雨風が吹き込まないはずの屋内の荒れようが酷い.
机や椅子などの燃えるものは全て無くなり,それどころか床板まで剥がされている.
地下室の非常食は全て食い尽くされており,また非常用ボートも消えていた
一体なにが・・・?と,そのとき,暖炉の上に置かれた業務日誌が,灯台守Aの目に飛び込んできた.
そこには,びっしりと全ページにわたって相棒Bの手記が記されていた.
灯台
○月△日:今日も嵐.いつになったら静まるのか.
・・・・・・
□月*日:すでに2ヶ月以上も嵐が続いている.
食料が尽きて久しい.この風雨では
海に出て魚を捕まえることも適わない.
・・・・・・
□月☆日:体力の限界を感じる.なぜ救助が来ない
のか?ひょっとして俺を残して全世界が
消え去ったのか?・・・・・・
▽月◎日:嵐がようやく和らいだ.外に出ても一面
の霧で様子がわからない.が,今を逃す
と一生脱出できないかもしれない.いち
かばちか,この島を出ることにする.
灯台
最後の方はインクが切れたのか,血らしきもので記されていた.
当然ながら,それ以後,Bの姿を見たものは誰もいない.
死体も,ボートの残骸も,何も見つかっていない.
以 上.長くなって済みません.あんまり恐くは無いですが,
ちょっと無気味ですよね.
で,一体なにがあったのか,ですが,考えられる理由として
① 本当に,その小島だけがミステリーゾーンに行っちゃった(謎解きになってない).
② Bの発狂あるいは自作自演.
③ お腹が空いて,一人で非常食全部食べちゃった.
で,もっともらしい話をでっち上げて出奔した.
灯台
悪行の果て
俺は、五年前に結婚してすぐにアパートを借りて嫁と2人で暮らし始めた。
すぐに町内会に入会して、二年目には早くも班長の役が回って来た。回覧板や広報誌などの配布と町内会費の集金などが基本的な毎月の仕事。
厄介なのは集金業務で、いつ伺っても留守の家が数軒あって、中でも一番面倒な家は、Kさん宅だと聞いていた。
80過ぎの爺さんが一人で暮らしている。Kさんは足腰が悪く耳も遠いらしい。近所付き合いは無く、どちらかと言うと嫌われ者の部類だと聞かされた。
班長の引き継ぎの時には、Kさんはいつも居留守を使って町内会費を払いたがらないから根気よく通って、毎月必ず集金して下さい。あの爺さんは確信犯で、耳が聞こえないフリをしているだけ。全く人を馬鹿にしている。…と少し興奮気味にアドバイスされた程だった。
悪行の果て : 怖い話らぼ −怪談・都市伝説まとめ−
班長になって9ヶ月目。Kさん宅へ集金に伺い、靴があることを確認した後いつもの様に大声で『Kさーん!町内会費をお願いしまーす!』と叫ぶ。
いつもと同じで反応は無い。そして、いつもの様にもう一度叫ぶ。これを3回繰り返すと奥の部屋からKさんが『おう。今行く…』と返してくる。俺は、話に聞いていた程厄介な爺さんではないと思っていた。
しかし、今月は5回繰り返しても反応が無い。仕方なく出直す事にして、2時間後に再びKさん宅へ伺った。さっきと同じように叫ぶが反応は無い。3回目の叫びに、ようやくKさんが反応して『お前は来るな…』と言ったように聞こえた。
その言葉に少し腹が立った俺は、もう一度『Kさん!お願いしますよ!』と叫んだけど反応はなかった。
悪行の果て : 怖い話らぼ −怪談・都市伝説まとめ−
仕方なく明日改めて伺う事にしたが、さっきのKさんの言葉が気になって、その足で前年の班長宅へ相談に行った。前班長は、明日私が君の代わりに集金に行ってやると言ってくれた。
翌日の夕方、前班長はKさん宅へ伺っていつものように何度も叫んでみたようだが、反応は無く、しびれを切らした前班長は家に上がって奥の部屋に向かったらしい。Kさんが居るであろう部屋の襖を開けると、暖房も入っていない身震いするような寒い部屋の布団の中に、Kさんが横になっていたという。
前班長は近づいて『Kさん!Kさん!』と呼び掛けてみたが反応は無いので、思い切ってKさんの身体を揺らしながら、顔を覗き込んだその瞬間、前班長は固まった。Kさんはすでに死んでいたらしい。
警察の調べに寄るとKさんの死因は脳卒中。しかしそれとは別に重大な問題があった。
それは、身体の至る所に煙草で焼きを入れられた痕や爪で引っかかれた傷が見つかったという。
悪行の果て : 怖い話らぼ −怪談・都市伝説まとめ−
警察の捜査が進む中。Kさんが亡くなって半月後、前班長は突然精神障害を患って入院した。
聞くところによると前班長の状態は、夜な夜な『助けてくれ~!許してくれ~!俺が悪かった!』と病室のベッドの上で叫びながら怯えているらしい。
警察は捜査の末、Kさんに暴行を加えた犯人は前班長と断定した。
班長だった当時、Kさんの対応に業を煮やした末、集金の度に弱っているKさんの身体に熱い煙草で焼きを入れたり、爪で引っ掻くなどの陰湿な暴行を繰り返していたようだ。
亡くなったKさんの怨念が、前班長の精神を狂わせているのか…。それとも自責の念に駆られた前班長が、Kさんの幻を見て狂ってしまったのか…。
Kさんが俺に言った『お前は来るな…』には、Kさんの様々な思いが込められていたような気がする。おそらくKさんは自分の死期が近い事を悟って、最後の気力を振り絞って、その言葉を発したんだと思う。上手く言えないが、そんな気がする。
悪行の果て : 怖い話らぼ −怪談・都市伝説まとめ−
…最近、病院に行き前班長の様子を見て来た人の話では、とても正視出来ない程に変わり果てた姿だったという。
家族には見捨てられ、親戚にも見捨てられ、友達にも見捨てられ、病室のベッドに縛り付けられ、日々壊れ続けて行く前班長を見捨て無いのは、ただ一人。Kさんだけ。
悪行の果て : 怖い話らぼ −怪談・都市伝説まとめ−
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