道徳の授業「お母さんせいきゅう書」
『日曜日の朝、たかしが二階から降りてきて朝食の食卓に付いた時のこと。たかしはお母さんのお皿の横に丁寧にたたんだ一枚の紙を置きました。お母さんはそれを呼んで不思議そうな顔をしましたが、すぐにいつもの優しそうな顔に戻って繰り返しその紙を読みました。
たかしの置いた紙は次のような内容だったのです。
「お母さんへのせいきゅう書
お使い代 100円
おそうじ代 200円
おるす番代 200円
合計 500円」読み終わった後、お母さんは何も言いませんでしたがにっこり笑いました。
お昼の食事の時になって、お母さんはたかしのお皿の脇に500円をそっと置きました。
たかしはそれを見て、上手くいった!と嬉しくなりました。
ところが、お金と一緒に小さな紙切れが置かれていました。
たかしが取り上げてみるとそれはお母さんからの請求書でした。
お母さんの請求書 – あがりカフェ~全力親父、時々あがり~
その紙には次のような内容が書かれていました。
「たかしさんへのせいきゅう書
親切にしてあげた代 0円
病気の時に看病してあげた代 0円
洋服や靴やおもちゃ代 0円
食事代や部屋代 0円
合計 0円」たかしははっとしました。
一回、二回…。たかしは繰り返し読むうちに涙があふれてきました。
(ぼくは自分のことしか考えずにお母さんに請求書を出してしまった。
なのにお母さんは…)しばらくじっとしていたたかしはお母さんの元へ駆け寄り、さっきお母さんからもらった500円を返してこう言いました。
「お母さんごめんなさい。このお金は返します。
そしてこれからはせいきゅう書なんかはなしで、何でも手伝わせてください。」 』
お母さんの請求書 – あがりカフェ~全力親父、時々あがり~
元ネタは?
一般にはブラッドレーの請求書と呼ばれるもので、家族愛の大切さについて教えるためのものです。
今思えば、そのときの授業は刷り込みとしての意味合いが強かったなぁと。
もともとは家族愛のすばらしさを教えるはずが、実際にはお金へのネガティヴな刷り込みとして使われていたように感じられます。
お母さんの請求書という刷り込み 愛は幸福を担保しない – ケーススタディの人生
今回話題になってるのが、クローズアップ現代の話
「家族にはお金を求めないのが当然だ」といった意見が、大勢を占めました。ところが、1人の男の子が異なる意見を口にしました。
生徒
「子どもっていいな。えらいことするとお金がもらえるから、私も子どもがいいな。」手元のメモには、「私は0円なのよ、お母さんの気持ちになってみなさいよ。せっかく家事とかをしているのに。子どもっていいな。えらいことをするとお金をもらえるから」と書かれていました。
“道徳”が正式な教科に 密着・先生は? 子どもは? – NHK クローズアップ現代+
お母さんは、家事に対してお金をもらいたいのではというこれまでにない意見。ざわつく子どもたち。岡尾先生は改めて問い直します。
岡尾あすか先生
「でも、お母さんは0円の請求書を渡した。お金がほしい、いいなと思うんだったら…。」生徒
「たしかに、1円、10円、100円でも書いて渡せばいい。」男の子はそれ以上、意見を言うことはありませんでした。男の子の家庭は共働き。仕事をしながら自分のために家事もこなす、母親のことを思っての発言だったのです。
生徒
「お母さんは家事とかしているから、お金をいつももらえないから、お金をもらいたいって気持ちがあってこれを書いた。」ねらいどおりに授業を進めようとするあまり、男の子の意見をくみ取ることができなかった岡尾先生。道徳の授業の難しさを感じました。
“道徳”が正式な教科に 密着・先生は? 子どもは? – NHK クローズアップ現代+
この男の子はそれ以上はなさず、男の子はクラス中から笑われ泣いてしまったようです。
Twitterの反応
鈴木祐介@7_color_world
ジョージ2世@GEORGE221
.@enusakucm さんの「道徳の授業で「お母さんの家事にもお金を払うべき」という子供の意見が「母の愛は無… twitter.com/i/web/status/9…
もがみ@大⚾️睦布教活動中@mogami_yuhra
「家族は無償の愛を提供すべき」ってのを考えさせるんじゃなくて「家族なんだからしてもらって当たり前」って考えを改めさせるようにするなら、とても良い教材だと思う。それぞれ出来る事に差があるけど、家族だからと何も無しにはしないで感謝で埋める事は必要だよ。
まぼ@eolhwyn
すごくもやもやしたから未だに覚えている。
子どもの頃の私は、このお母さんを怖いと感じたんだ。
村田しずか@szk19
すーさん@susie_nowonsale
社会:お父さんの架空請求書どうよこの
朝起きぬけからのクズっぷり
きさらぎ@@kisaragi2011
もも@名古屋@netbooker_momo
riu@riu2018
大和紫@yamatomurasaki
この請求書を見て「皆はどう思った?」
そしたら「こんなに色々してくれてるのに0円はおかしい」
「お母さんももっと休むべき」っていう意見が出るはず。
あさみ@アサミミミッミ@a_chang_0322
当時は「看病するのに子供からカネを巻き上げようとしていたなんて、悪い母親だなあ」という感想を抱いてたっけ(ポプ子じゃないけど、意味がわかってない)
黒猫@katze0000000
しょっこ@shokko317
無償だけど、相手に何ができるかが大事だ
「家族なんだからしてもらって当たり前」って考えを改めよう
してもらったら「ありがとう」これは家族内でも大事って事を学べば良いと思う。
本教材では「子供の気持ち」を考えるべき
母親がどういう気持ちで書いたかはどうでも良い。
子供たちが「色々やってもらってるんだな」という認識が持てるかどうかにかかってると思う。
やってもらって当然の無償の愛は存在しないと思うから。