【北朝鮮の思惑】考えうる最悪のシナリオ
北朝鮮の究極の目標
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北朝鮮にとって究極の目標は朝鮮半島の再統一。核と弾道ミサイルの開発はあくまでそれを実現する手段である。私は、北朝鮮が在韓米軍の撤退を突破口にして、じわじわと半島の再統一を進めるのではないかと考えている。
来たる米朝首脳会談で、核・弾道ミサイルの「完全に検証可能で不可逆的な廃棄(CVID)」と在韓米軍の撤退が合意されるとして、その後の朝鮮半島を想定してみた。そこには日本にとって受け入れることができない「近未来」が広がっている
「金委員長は駐韓米軍の撤退を提案する」河井自民党総裁外交特別補佐(ニュースソクラ) – Yahoo!ニュース
朝鮮半島の統一は北朝鮮の最終的な目標であるといってもいいでしょう。それは単なる韓国との融合でなく、金委員長の実行支配である。
しかし、それには在韓米軍の存在は邪魔でしかありません。
米朝国交正常化により、朝鮮戦争の「歴史的な」終戦宣言。
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そして南北融和ムードの中、在韓米軍は段階的に撤退する。国連制裁が解除され北朝鮮への各国からの「人道」支援や経済活動は活発化。特に、同胞意識を強く持つ韓国で南北交流機運がかつてなく盛んになるであろう。
安価で勤勉な北の労働者を求めて、南の企業が続々と進出、投資や共同事業を興して南北双方に利益をもたらすであろう。離散した家族の交流も自由になる。こういったことの積み重ねによって、南の北に対する警戒感は次第に薄らいでいく。
「金委員長は駐韓米軍の撤退を提案する」河井自民党総裁外交特別補佐(ニュースソクラ) – Yahoo!ニュース
南北の”壁”がなくなり文大統領の功績は称えられると思われるが、北の軍事力を保持したままかりそめの融和がもたらす先には。
5-10年後に北朝鮮の韓国への侵攻も
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一方、北朝鮮においては国民の金正恩委員長に対する支持はいっそう強固になり、朝鮮人民軍の武装は充実強化され、軍人の士気も高まる。そしてそのまま5年か10年が経ったある日の朝、満を持した北朝鮮人民軍がソウルへ侵攻を開始するのだ。
米軍の駐留がなければ、ソウルはたちまち北朝鮮の手に陥ちる。敗走を重ねる韓国軍が、最後の砦であるプサン周辺に追い詰められたところで、韓国は降伏を宣言。北朝鮮が圧倒的に有利な立場で和平と統一国家樹立の交渉が行われ、金正恩氏が主導する朝鮮半島の再統一が成し遂げられる…。
あるいは、もう北が武力侵攻をおこすことが要らないほどに、南と北の溶解が進んでいるかもしれない。南北交流の活発化により韓国社会において“親北”勢力が伸長、保守勢力は切り崩される。北の意向を代弁した、北に有利になる“平和的”な南北再統一の必要性が叫ばれるようになっているかもしれない。
「金委員長は駐韓米軍の撤退を提案する」河井自民党総裁外交特別補佐(ニュースソクラ) – Yahoo!ニュース
まさに、考えうる最悪のシナリオである。
きっかけは、在韓米軍の撤退である。南北統一がこのような形で行われれば隣国への影響も大きいが、先に首脳会談を行っている中国は以前の通り朝鮮の後ろ盾となるだろう。そうすると次の矢面に立たされるのは間違いなく日本である。
なぜここへきて北朝鮮が対話攻勢に転じたのか
今までいかなる圧力にも靡かず、核開発・ミサイル実験を」繰り返してきた北朝鮮が今年に入ってから平昌オリンピックに端を発し急に方向転換をしてきた。
その理由を考える。
北朝鮮が対話路線に転じた二つの理由
経済制裁の効果
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1つ目の理由としては、核ミサイル開発を巡る国際社会の経済制裁がじわじわと効果を上げてきていることがある。中国税関総署がまとめた最新のデータによると、2月の中国への輸出額は2009年以来の低水準に陥った。中国が北朝鮮の外貨獲得源となっている石炭や水産物などの輸出品などをことごとく禁輸にしたせいだ。中国は北朝鮮の貿易額の9割強を占める最大の貿易国だ。
北朝鮮が「全方位外交」に舵を切った真の理由 | 外交・国際政治 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
対アメリカの「抑止力」を確保
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2つ目の理由として、小此木氏の指摘通り、北朝鮮が米国相手にすでに十分な抑止力を確保し、自信を持ったことが背景にあるとみられる。北朝鮮は昨年11月29日、新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)である「火星15」の発射成功を受け、「米国本土全域を攻撃できる」と主張、「核武力完成」を宣言した。
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短期的には経済より安全保障を優先
つまり、経済効果が功を奏したというのは半分の理由で、ここへきて対話攻勢に転じた理由は軍事力の確保が十分に整ったという事の表れではないかと思われる。
対アメリカの抑止力=アメリカの攻撃という事でなく、北朝鮮の攻撃の矛先は韓国と日本であるため、アメリカは迂闊に攻撃できないという事である。
先制攻撃は困難
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実際に米国は1994年の朝鮮半島第1次核危機や2003年の第2次核危機の際にも、北朝鮮への先制攻撃を検討したが、実行に移せなかった。当時、核兵器を開発中でまだ核保有国ではなかった北を、なぜ米国は攻撃できなかったのか。北朝鮮が軍事境界線からわずか40キロにあるソウルを狙って長射程砲とロケット砲を発射しただけでも、甚大な被害リスクが見込まれていたからだ。
1994年時や2003年時と比べ、今の北朝鮮の攻撃能力は核ミサイル能力を含め、格段に高まっており、日韓の被害はもっと大きくなる可能性が高い。また、北は自存自衛のための最後の手段として、核兵器のほか、炭疽(たんそ)菌や天然痘、ペストといった生物兵器、サリンなどの化学兵器のほか、既に北が示唆した電磁パルス(EMP)攻撃を行う可能性もある。北朝鮮の反撃による日韓の被害リスクを考えれば、米国の先制攻撃は到底考えられない。
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アメリカの先制攻撃には日韓への攻撃のリスクが付きまとう。
同盟国の安全を無視した攻撃を行えば、非難の矛先はアメリカに向いてくるとなる。
利用された平和の祭典
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平昌オリンピックの合同参加は韓国国内のみならず、世界的にも「北朝鮮が変わった」という認識を受けたと思う。韓国国民はこれまでの姿勢が嘘のように歓迎ムード一色に染まってしまい、南北首脳会談の実現に向かい、そしてアメリカのトランプ大統領もそれにつられてしまう形となった。
南北首脳会談の焦点
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このうち、北朝鮮が目指す「朝鮮半島の非核化」は、一筋縄ではいかない。在韓米軍の戦術核兵器は南北非核化共同宣言に基づき、1992年に撤去されている。北朝鮮のいう朝鮮半島の非核化とは、アメリカによる韓国の核の傘を外せというもの。つまり、在韓米軍の撤退を示唆している。また、北朝鮮はこれまで韓国とは核ミサイル問題を原則協議せず、米国とのみ話し合うとの立場を貫いてきたために、南北首脳会談で文大統領が金委員長を相手にどこまで北の非核化問題に詰め寄れるかに注目が集まる。
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金委員長は、非核化をちらつかせているが、実際には「行動対行動」「約束対約束」の原則にこだわり、時間を稼いでパキスタンのように事実上、核保有国として将来的に容認されることを目指しているとみられる。金日成から金正日、金正恩と親子3代、半世紀にわたって核ミサイル開発に注力してきた国がいとも簡単に「核の宝剣」(金委員長の言葉)を手放すとは考えられない。
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北朝鮮に非核化を望むのであるならば、核を韓国に持ち込む米軍の撤退を北朝鮮は進言すると思われる。朝鮮半島の非核化はそれなしでは実現できないという事だ。
目的はあくまでも在韓米軍の撤退。
その先には北朝鮮による韓国への侵攻。
もしこれを韓国・アメリカが拒めば、北朝鮮は非核化を拒む理由が出来る。
そして、米朝首脳会談が物別れに終わっても、事前に会談を行った中国が後ろ盾に立つことは間違いない。もちろんその場には日本は蚊帳の外に置かれている。
すべては金委員長の筋書き通りにここまで事は運んでいるということだ。
あとは韓国がどのような判断を下すかにかかっている。
日本が蚊帳の外に置かれているのは圧力姿勢を崩さないからである。
万が一、中国はもとより、韓国やアメリカが金委員長にコロッと騙されて経済制裁を解いてしまい、在韓米軍が米軍が撤退してしまえば最悪の事態が待ち受けている。
決して日本は蚊帳の外であってはいけない。当事国であり続け、常に朝鮮半島を注視し対応していかなければならない。