思わずジャケ買い!学生探偵団が活躍する青春ミステリー小説9選+1

gesyutaruto
惹かれる表紙に惹き込まれる内容、学生探偵団が謎を解き明かしていく青春ミステリーを集めてみました。ジャケ買いしても決して期待を裏切らない、面白い小説ばかりです。

■自称・普通の高校生が主役の青春学園ミステリ

本格推理委員会

作者:日向まさみち

小中高一貫のマンモス学校、木ノ花学園で、音楽室に死んだはずの女が現れたという噂が流れた。事件の真相を確かめるべく、巨乳美女の理事長、木ノ花あざみは「本格推理委員会」を設立した。
学園一の知識量を誇る委員長の桜森鈴音、警視総監の祖父を持つ空手家娘の楠木菜摘、絶対当たる勘を持つ木下椎、委員会の使い走りで犯罪者面の城崎修。個性豊かな四人が事件の解決に挑む。

第1回ボイルドエッグス新人賞受賞作。ライトノベル的ミステリ。

推理物と言うより、仲間との関わり、大切さが描かれていて、良い意味で騙された
本格推理委員会 感想 日向 まさみち – 読書メーター

これぞ青春ミステリだ!! ライトな文体の中に想い十字架を背負った主人公や、他の登場人物の「救い」があって面白かった。 キャラクターがとてつもなく面白い
本格推理委員会 感想 日向 まさみち – 読書メーター

■日常の謎に挑む探偵たちの青春ミステリ

北乃杜高校探偵部

作者:乾くるみ

京都府宇治市の名門高校・北乃杜高校には探偵がいた。サッカー部の清水克文はクラスメイトの稲川みどりや赤倉史朗、山科桃子と共に探偵部を結成。「せうえうか」の歌に隠された秘密や嫌がらせ写真、修学旅行の殺人予告など、校内の様々な事件に挑む。

4つの短編を収録した青春連作ミステリー。

乾氏の作品としては珍しいくらい癖のない読後の爽やかな青春学園ミステリーに仕上がっている
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歴史ある名門校を舞台に選定しているためか、事件そのものは手堅く地味である。しかし論理的に謎を解き明かす様子などは本格愛がよく分かるもになっていた
北乃杜高校探偵部 感想 乾 くるみ – 読書メーター

■怪談騒ぎに隠された真実とは?

理由(わけ)あって冬に出る

作者:似鳥鶏

芸術棟にフルートを吹く幽霊が現れるらしい。そんな噂が流れ、吹奏楽部の練習に部員がやってこなくなった。吹奏楽部の部長、高島は幽霊の噂を否定するため、部員の秋野麻衣と語り手で主人公の葉山を連れて、夜に芸術練へと向かう。すると本当に幽霊が現れてしまい……。
一同は文芸部の伊神と演劇部部長の柳瀬を巻き込み、にわか高校生探偵団を結成。真相の究明に挑む!

第16回鮎川哲也賞佳作入選作品でデビュー作。シリーズ化されている。

トリックはあまりハッとさせられる感じではないけど、高校生の雰囲気とか怪談というツールの使い方が丁寧でうまく物語を構成している印象
理由(わけ)あって冬に出る 感想 似鳥 鶏 – 読書メーター

コミカルな登場人物に独特な注釈とデビュー作としては良作。トリックも上出来。エピローグが一番衝撃的
理由(わけ)あって冬に出る 感想 似鳥 鶏 – 読書メーター

■変人揃いの探偵部が活躍するユーモアミステリ

学ばない探偵たちの学園

作者:東川篤哉

生徒や教員含めて変人揃いの私立鯉ケ窪学園に転校した赤坂通。彼は文芸部に入部するつもりだったが、ひょんなことから探偵部に入ることになる。
赤坂は部長の多摩川や部員の八つ橋らと共に探偵部として活動を行っていた。そんな中、芸能クラスのアイドルを盗撮しようとしたカメラマンが密室で殺される事件が起きる。
探偵部と顧問の生物教師が殺人事件に挑む!

「鯉ヶ窪学園探偵部シリーズ」の第一作目。

東川篤哉氏らしいドタバタな展開と独特の文体で読みやすく面白い!
学ばない探偵たちの学園 感想 東川 篤哉 – 読書メーター

名探偵に憧れ、被害者を自殺と認めない先輩達(特に部長)のトンチンカンな推理が面白かった
学ばない探偵たちの学園 感想 東川 篤哉 – 読書メーター

■小学生探偵が難事件をズバッと解決!

大中小探偵クラブ

作者:はやみねかおる

小学6年生の佐々井彩矢はよく3年生と間違われていた。彼は自分を普通だと思っているけど、周りは変わっていると言う。それは彼が神経質だから。些細なことがどうにも気になる佐々井が、大雑把に物事を見る大山昇としっかり者で常識人の真中杏奈と共に様々な謎に挑む。

児童向けのジュブナイルミステリで、シリーズ化されている。

神の目を持つ名探偵が目立ちたがりのただのハリボテ探偵なのかと思いきや、見ているところはしっかり見ていて、二人の名探偵という感じ。ライバルではなく補い合って真相に辿り着くところがいいな
大中小探偵クラブ -神の目をもつ名探偵、誕生!- 感想 はやみね かおる,長谷垣 なるみ – 読書メーター

学校ものを書かせたら、キャラクターの洞察力と魅力で右に出るものはいない
大中小探偵クラブ -神の目をもつ名探偵、誕生!- 感想 はやみね かおる,長谷垣 なるみ – 読書メーター

■ヤバい子供とヤバい大人の青春クライムミステリー

完全犯罪研究部

作者:汀こるもの

醍葉学園・推理小説研究部の顧問教師になった由利千早、通称ゆりっぺ。彼女はしってしまう。彼ら推理小説研究部が悪人を退治するべく「裏の活動」をおこなっていることを。部員の杉野更紗の姉を殺した犯人を捕まえるべく、完全犯罪のテクを駆使する。危険な思想を持った面々の暴走をゆりっぺは止められるのか?

「動機未ダ不明」や「少女残酷論」といった続編がある。

イラストにつられ、ラノベ系のライトなミステリー風小説だと思うと失敗します。が、しっかりしたミステリーを読もうと思うなら、若手の中ではかなりプッシュできますね
完全犯罪研究部 (講談社ノベルス) | 汀 こるもの |本 | 通販 | Amazon

重い内容をかるーくさらーりと流して腹にずどんとくるようなお話。こういう偽善ぶらないキャラクタって貴重だと思うんだよね
完全犯罪研究部 感想 汀 こるもの – 読書メーター

■個性豊かな三姉妹探偵が活躍する軽いタッチのユーモアミステリー

三姉妹探偵団

作者:赤川次郎

性格の異なる美人三姉妹。父親は出張中。ある日、三島の家が火事に!三人は何とか逃げ出したものの、なぜか焼け跡から全裸の女性の遺体が見つかる。容疑者は父親?!無実を証明するべく、三姉妹が立ち上がる!

20作以上も出ている長編シリーズ。ドラマや映画化もされている。

赤川さんの作品は大変な事件に巻き込まれたり、悲しい境遇の主人公であっても、それをはねのけるぐらい主人公が強くて前向きだから読んでいてスッキリ
三姉妹探偵団 赤川 次郎 感想・レビュー – 読書メーター

予定調和に終わるとわかっていても、きちんと読者をハラハラさせてくれるのだからさすがです。ラストでは重要問題のひとつをあえて未解決にしておいて、次作への興味をつないでいます
Amazon.co.jp:カスタマーレビュー: 三姉妹探偵団 (講談社文庫)

ライトノベルという概念が無かった時代にこれを書いたというのは、赤川次郎先生に先見性があったのか、時代が追い付いたのか
三姉妹探偵団 赤川 次郎 感想・レビュー – 読書メーター

■言葉遊びに個性的過ぎるキャラ!西尾節炸裂!

美少年探偵団 きみだけに光かがやく暗黒星

作者:西尾維新

私立指輪学園中等部の二年生・瞳島眉美は、10年前に一度だけ見た星を探していた。彼女は「美少年探偵団」と出会う。彼らは非公式非公開非営利に問題を解決すると言われている謎の集団だった。
団長・美学のマナブ、副団長・美声のナガヒロ、不良・美食のミチル、陸上部エース・美脚のヒョータ、指輪財団の後継者・美術のソーサク、そして主人公で語り部・美観のマユミ、個性豊かな6人が事件解決に挑む青春ミステリー。

江戸川乱歩氏の「少年探偵団」のオマージュ。「美少年シリーズ」の第一作目。

少年探偵団をもじって美少年探偵団などと大真面目に考えて、本当にそんなキャラクターを造形するのが凄いし、小ネタも満載で乱步ファンには嬉しい限り。又、単なる馬鹿話に見えて、随所で光る名セリフがあって、ドキリとさせられる
Amazon.co.jp: 美少年探偵団 きみだけに光かがやく暗黒星 (講談社タイガ): 西尾 維新, キナコ: 本

西尾維新、言葉遊びや強烈なキャラクター作りの上手さだけじゃなくて、素直に小説書くのが上手いと思う。始まりから終わりをつなぐラインが綺麗で見事ねパズルを見たよう
美少年探偵団 きみだけに光かがやく暗黒星 西尾 維新 感想・レビュー – 読書メーター

西尾維新先生の作品の魅力の一つは、ある問題や価値観に対して、ミステリのトリックのように、意外な切り口と答えを示してくれることだと思う
美少年探偵団 きみだけに光かがやく暗黒星 西尾 維新 感想・レビュー – 読書メーター

■各界が絶賛!学園の謎にハルチカコンビが挑む

退出ゲーム

作者:初野晴

幼馴染のチカとハルタは弱小吹奏楽部の一員。二人は吹奏楽の甲子園と呼ばれる「普門館」を目指していた。そんな彼らに降りかかる難題の数々。
四つの短編を収録した青春学園ミステリ。

「ハルチカシリーズ」の第一作目。

学園もののテイストと軽〜い感じの登場人物たちとは、良い意味でミスマッチな重厚なミステリーが各ストーリーに織り交ぜてあり、それが自分にはなんともツボだった
Amazon.co.jp:カスタマーレビュー: 退出ゲーム (角川文庫)

謎を解くたびに部員が一人ずつ増えていくところにゲームクリアしたような達成感。ミステリとしての出来はわからないが、登場人物、特にチカの周りに集まるアホな子たちに味があって面白かった
退出ゲーム 感想 初野 晴 – 読書メーター

■オール名古屋弁!おばあちゃん探偵が活躍するほのぼのミステリー

やっとかめ探偵団

作者:清水義範

名古屋で駄菓子屋「ことぶき屋」を営む74歳の波川まつ尾ばーちゃん。頭脳明晰で男勝りな彼女を慕って、連日、近所の年寄りたちがやってくる。
まつ尾ばーちゃんが近所の年寄り仲間たちとともに事件を解決していく、名古屋弁全開のユーモアミステリー。

やっとかめ探偵団シリーズの第一作目

「やっとかめ」とは名古屋弁、それもかなり年配の方が使う言葉で「久しぶり」という意味だそう
やっとかめ探偵団 – 小説・電子書籍 | BookLive!

軸になっているようで実はただの言い訳、あるいはつまみに過ぎない殺人事件の謎などは基本的にどうでもいいのであって、ただ我々は個性溢れるおばあちゃんたちの名古屋弁の応酬を堪能すればいいのである
やっとかめ探偵団 (光文社文庫) | 清水 義範 |本 | 通販 | Amazon

殺人事件が起こってそれを探偵が解決に導くという一見よくあるミステリーだが、主人公の探偵が74才のおばあちゃんで、かつ会話文がほぼすべて名古屋弁なのでほのぼのした雰囲気が漂う
やっとかめ探偵団 – 小説・電子書籍 | BookLive!

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2020年04月18日