人生論 トルストイ

Iwanchu

人間の生命の根本的な矛盾。

人生論 トルストイ 新潮社

生命の矛盾は大昔から人類によって意識されていた。人類の啓蒙者たちは、この内的矛盾を解決する生命の定義を人々に明かしてきたのに、パリサイの徒と学者たちがそれを人々から隠している。

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学者たちの誤解。

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学者たちは、動物的生存の目に見える諸現象を人間の生命全体の概念にあてはめ、それらの現象から生命の目的についての結論を引き出している。

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パリサイの徒や学者たちの偽りの教えは、真の生命の意味の説明も、生命のみちびきも与えてくれない。生命の唯一のみちびきとなっているのは、合理的な説明を持たぬ生活の惰性である。

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われわれの世界の人々における意識の分裂。

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意識の分裂は動物の生命と人間の生命との混同から生ずる。

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分裂や矛盾はない。それが現れるのは、誤った教えの下でだけである。

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人間における真の生命の誕生。

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理性とは人間によって意識される法則であり、人間の生命はそれに従って完成されなければならない。

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知識の間違った方向。

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誤った知識の原因は、対象を捉える誤った遠近法である。

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対象の認識しうる可能性が増大するのは、空間と時間の中におけるそれらのあらわれのためでなく、われわれと、われわれの研究する対象との従う法則が同一だからである。

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人間の真の生命とは、空間と時間の中で生ずるものとは異なる。

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動物的個我の幸福の否定こそ、人間の生命の法則である。

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動物的個我は生命の道具である。

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霊による誕生。

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理性的な意識は何を要求するか。

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理性的な意識の要求に対する裏付け。

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個我の要求と理性的な意識の要求は両立しないように思われる。

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要求されるのは個我の否定ではなく、理性的な意識に個我を従属させることである。

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愛の感情は、理性的な意識に従う個我の活動のあらわれである。

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愛の感情の発露は、自己の生命の意味を理解しない人にとっては不可能である。

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真の愛は個我の幸福を否定した結果である。

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愛は真の生命の唯一の完全な活動である。

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自己の生存の、できもせぬ改善に向けられる人間の努力は、唯一の真の生命の可能性を人間から奪ってしまう。

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死の恐怖は、生命の未解決の矛盾の意識に過ぎない。

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肉体的な死は、空間的な肉体と時間的な意識を消滅させはするが、生命の根本をなしているもの、すなわち、個々の存在の世界に対する特別の関係を消滅させることはできない。

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死の恐怖が生ずるのは、誤った観念によって限定された生命のごく小さな一部分を、人が生命と思いこむためである。

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生命とは世界に対する関係であり、生命の運動とはより高度な新しい関係の確立であるから、死とは新しい関係に入ることである。

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死んだ人々の生命はこの世で終わるのではない。

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死の迷信は、人が世界に対する自己の様々な関係を混同することから生ずる。

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目に見える生命は、生命の無限の運動の一部分である。

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地上の生存の苦しみの説明しがたさは、生命が誕生によって始まり、死によって終わる個我の生命ではないことを、何より説得的に人に証明してくれる。

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肉体の苦痛は、人々の生命の幸福のための必要条件である。

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人間の生命は幸福への志向である。人間の志向するものは与えられている。死となりえない生命と、悪となりえない幸福がそれである。

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2018年02月25日