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ストーリー
昔ながらの花嫁行列が大地主の笠井家へ向かっていた。浪路の美しさに魅せられた笠井が、借金をかかえていたことに目をつけ、金の力で浪路を嫁がせたのだった。浪路には吉野という恋人がいたが、断腸の思いでふり切って来たのである。嫁入りしてから六ヶ月の間、毎日土蔵の中では笠井が全裸の浪路を縛り上げ、異常とも思える欲望を爆発させていた、ある日、笠井の妹・秋子が笠井を訪ねてきた。秋子も子供の頃から異常な兄に、どこか似たところがあった。笠井家に信吉が奉公に来る。純情な信吉に浪路は好感を持ち、秋子は淫らな欲望を感じた。ある日、浪路は、町へ使いに行く信吉に一通の封書を託した。それは、かつての恋人・吉野へ、窮状と変らぬ思いを訴えたものだった。帰ってきた信吉を、秋子は湯殿で誘惑する。その夜、信吉が吉野から預った封書を浪路に渡そうとした時、秋子が現われそれを取りあげてしまった。翌日、土蔵の中では、浪路と信吉が縛られていた。しばらくすると、木製の檻の中で、笠井は信吉に浪路を責めさせた。そこへ、浪路への愛を慣く覚悟を決めた吉野が現れる。笠井の異常さは増し、村人を集めて吉野と浪路を抱かせた。優しく結ばれようとする二人を笠井は強引にひき離し、浪路を荒々しく犯していった。村人もその光景に興奮し、あちこちで騒動が起こり、混乱し始める。その騒ぎにまぎれて、信吉と浪路は山奥に逃げこんだ。信吉は浪路を静かに愛そうとするが、笠井の異常な愛を教えられた浪路は、苦痛を伴う愛を求めた。信吉は、そんな浪路に絶望し、姿を消した。浪路も笠井の異常な愛にたぐりよせられるように、自ら村へと向うのであった。…
キャスト・スタッフ
出演 谷ナオミ
高木均
渡辺とく子
花上晃
志賀圭二郎
田島はるか
高橋明
監督 小沼勝
原作 団鬼六
音楽 奥沢散策
脚本 いどあきお
製作 結城良煕
レビュー
1
ちょっとしたきっかけから『黒薔薇昇天』を見て谷ナオミの魅力に圧倒されました。しかし小沼勝監督作品も団鬼六の原作世界も見ていないからこれから研鑽を積んで行かなくては、と変に生真面目に考えてこの作品を手にしました。まあジャケットの彼女の姿がいかにもだったし色っぽかったですしね。没落士族の箱入り娘をセックス奴隷にして陵辱する成り上がり地主、彼女にそこはかとない思慕を寄せる奉公人、苛め心満載で彼女を責める地主の妹…。かつて子ども心に日本のSM映画ってこんな感じなのかなあと思っていたものがそのままだったので懐かしい感じがしました。同時代、角川映画の金田一耕助もののテイストに近いのでしょうか。失われた陰湿で濃密な旧家の人間関係がそこにあります。
そもそも縄で縛り上げるという行為は農耕民である日本独特のもので、西欧ならボンデージ=「革」になります。貴婦人を金と性の力で思うままに、というのは階級が明確であったかつての封建日本ならではで、1億総中流化が進んだ60年代以後はノスタルジーの対象です。そしてフリーセックス革命と大手映画会社の斜陽が重ならなければロマンポルノも成立し得なかった訳で、谷ナオミのSM映画は実に稀有な条件でありながら必然的に生まれてきた様です。ノーブルな容姿と今現在でも十分通用するグラマラスでいやらしい体つき。そして自らの内なる情欲に開眼するその抜群の演技力。伝説となったのも当然と言えましょう。団鬼六は女性を被虐的に描いているように見えて、その実彼女たちの秘めた生命の魂を讃えている様です(そして男達のちっぽけさ、哀れさも)。過去の遺物ではありません。新しい価値発見をもって再評価されるべき、日本の裏の精神文化の痕跡です。
〈追伸〉高木均がムーミンパパの声で演じてたら嫌だなあ、とおっかなびっくりで見ていたのですが杞憂でした。歪んだ情欲を持つ因業大家ぶりを発揮してかなりの熱演でしたよ。
2
昭和初期の時代設定で、士族のお嬢様である谷ナオミが、嫁ぎ先の豪農で田舎者である夫にいたぶられるという筋書きのポルノ。
でも、谷ナオミの容姿って、あんまりお嬢様ふうじゃないんだよね。
彼女をあの手この手でいたぶる、その工夫と多様性(笑)には頭が下がりますけど。
でもこの手の映画って、やはり主演女優が美しくないとなあ。
そこが最大の弱点じゃないかと。
3
金返済のため性豪の中年男(高木均)に嫁いできた士族の娘(谷ナオミ)が、彼の慰み者にされながらも本当の恋人(志賀圭二郎)に想いを添い遂げようとする。不運により被虐待者となった薄幸美人の生き様を描いているロマンポルノ。原案は団鬼六によるもの。
高木均と渡辺とく子が演じる悪役兄妹のインパクトが強烈であり、もはやサイコ・スリラーの領域に達している。トラウマ級の性体験を強いられる奉公人の童貞少年(滝沢淳)だとか、白痴の女中を演じている田島はるか(私のフェイバリット女優!)だとか、見どころは枚挙に暇がない。とにかく、芸達者が総出演しているため、登場人物の一挙手一投足がいちいちツボに入る。
本編内容は、例に違わず谷ナオミへの羞恥プレイが大半を占めているわけだが、弱者に対するイジメとしての屈辱行為ではなく、谷ナオミが強者だからこその、心のぶつかり合いであることを汲み取ることができる。「責める側は、自分の隷属者に隷属している」という倒錯関係へと着地するのも素晴らしい。
人里離れた村落が舞台のため、全編が因習めいた雰囲気に支配されているのも最高。本当にドキドキさせられる。
本編画像
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