ポルシェのフラグシップモデル ポルシェ911 タイプ901

makaizou

1964年の発表以来、現在に至るまで第1級の走行性能を持つスポーツカーとして知られており、ポルシェのフラグシップモデル


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1963年356の後継車としてフランクフルトモーターショーでプロトタイプがデビューし、1964年から本格生産に入った。
当初は開発コードそのままに「901」と名乗っていたが、プジョーが中央に0の入った3桁数字をすべて商標登録していたため「911」と改めた。
通称「ナロー」

0シリーズ

エンジンは新たに開発された空冷水平対向6気筒で内径φ80 mm×行程66 mm。
低騒音と高出力を兼ね備えており将来性があるとの観点から、従来のプッシュロッド式に換えてSOHCが採用された。
排気量は大きなマージンを取り、かつ手の届きやすい価格にするため1,991ccになったものの、後の市場の要求次第で2.7リットル程度まで拡大できるようになっていた。

総アルミニウム合金製のクランクケース、チェーン駆動されるカムシャフト、ドライサンプ、鉄製シリンダーライナーをアルミフィンで包んだバイラル構造シリンダー、軸流式冷却ファンなどが特徴点として挙げられる。
キャブレターはソレックストリプルチョーク40PIオーバーフロー型をツインキャブで採用していた。
クラッチはフィヒテル&ザックスが生産した砂型アルミニウム鋳物製で軸間距離は68 mm、φ215 mm単板ダイアフラム式。
全長は4163 mm。全幅は1,610 mm。ホイールベースは2,211 mm。
トレッドは前1,337 mm、後1,317 mm。ホイールは前後とも4.5J15 in。タイヤは前後とも165HR15。

暖房はヒートエクスチェンジャーに加え、補助的にメインタンクのガソリンを燃料とし、電気的に点火するエーバーシュペッヘル製燃焼式ヒーターを標準採用

911
エンジンは圧縮比9.0で130 PS(96 kW、128 hp)/6,100 rpm、17.8 kgm/4,200 rpmの901/01型が搭載されていた。
厳しいサスペンション調整に関する公差を守れず、初期の製品は非常にハンドリングが神経質となったため、11 kgもの鋳鉄製の錘2つが「バンパー補強材」の名目でフロントバンパー両側に取り付けられた。

911S(1966年7月25日発表、1967年発売)
Sはスポーツを意味する。軽合金鍛造ピストン採用、バルブ大径化とオーバーラップ引き上げ、ポート大径化、圧縮比9.8で160 PS(118 kW、158 hp)/6,600 rpm、18.2 kgm/5,200 rpmの901/02型エンジンを搭載し、リアトレッドを拡大されたモデル。
トランスミッションは5速のみ高くし911用を流用している。
新型のヒートエクスチェンジャーが使用され、暖房の効きが改善された。
ブレーキは通風式となった。

Aシリーズ

1967年8月から1968年7月まで生産された。
ホイールが5.5J15に変更された。
セミオートマチックトランスミッションであるスポルトマチック905型のオプション設定がされた。
スポルトマチック搭載車はエンジン形式が別になっているが、装着に必要なアタッチメントラグを持つ以外の差はない。
ブレーキが2系統に増えた。エーバーシュペッヘル製ヒーターはオプションになった。

911L(1968年発売)
それまでの911を改称し、Oシリーズの911Sに続いてブレーキが通風式になった。引き続き901/06型エンジン、スポルトマチック車は901/07型エンジン。
アメリカ仕様901/14、アメリカ仕様スポルトマチック車901/17。

911T(1968年発売)
Tはツーリングを意味する。圧縮比8.6で110 PS/5,800 rpm、16.0 kgm/4,200 rpmにデチューンされた901/03型エンジンを搭載しポルシェ・912の後継として発売された廉価版。
各所でコストダウンされているが、これらのコストダウンはレース車輛への改造を念頭に、すなわちレース車輛でさらに高価なパーツに交換しなければならない、もしくは改造されることが多い箇所に限定されており、レースでもそのまま使用するシリンダーヘッドや吸排気バルブやキャブレターは、低出力エンジンであるにもかかわらず全く911Sと同一である。
モータースポーツ用ベース車とも取れる構成である。

911S
エンジンはOシリーズと同一。スポルトマチック車は901/08型エンジン。


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911R(1967年限定発売) – レース、ラリー用特殊モデル。
デュアルイグニッション、特殊軽合金製シリンダーブロックの採用、圧縮比10.3、バルブの大径化と開閉タイミング変更、ウェーバー46IDAキャブレター採用等ポルシェ・906とほぼ同等のチューニングを受け、210 PS/8,000 rpm、21 kgm/6,000 rpmを発生する901/22型エンジンを搭載した。
ボディーはフロントフェンダー、前後リッド、バンパーがグラスファイバーに、窓がアクリル板にそれぞれ置換、内装も簡素化され、車両重量は800 kgと大幅に軽量化された。
先行試作3台と量産20台、計23台が生産された。量産型は製造をカール・バウアが担当し、窓が薄く軽量化されているなど細部が異なる。
また量産型のうち数台はワークスに残ってレースに参戦した。
1967年にムジェロ・サーキットで行なわれた330マイルレースで3位入賞、スポルトマチック搭載車がマラトン・ド・ラ・ルート(マラソン・デ・ラ・ルート)で総合優勝、1968年ムジェロで行なわれた330マイルレースで3位入賞、1969年ツール・ド・フランスで総合優勝、DOHCの916型エンジン搭載車がツール・ド・コルスで優勝。
1967年モンツァ・サーキットで本来出場予定だった906の代役でスピード世界記録に挑戦、この際持ち込まれたエンジンが挑戦開始直前に100時間耐久ベンチテストを済ませ、点検のために降ろされていたエンジンで、本来記録挑戦に使えるようなものではなかったが手違いで持ち込まれたことが判明し、時間がなかったためそのまま使用され、トヨタ・2000GTが持っていた記録を大幅に更新、連続走行15,000 km、10,000 マイル、20,000 km、72時間、90時間の世界新記録と14の2,000 ccクラス国際新記録を達成した。

Bシリーズ

1968年8月から1969年7月まで生産された。
ホイールベースが2,271 mmに延長されるなどで操縦性が大幅に改善され、ポール・フレールは「ポルシェの中古車を買おうとしている人々に、それ以前の車は考えない方がいいとわたしは助言してきた」と書いている。
185/70VR15タイヤと6J15inホイールを納めるためにホイールアーチがつくようになり、これ以降「ナロー」の俗称を使わない者もいる。
911Eと911Sの燃料供給がボッシュ製6プランジャーメカニカルインジェクションに変更され、出力が向上するとともに燃費が改善され、また点火が容量放電となって渋滞時のプラグ汚損が軽減された。
リアウィンドーに熱線が入り、オルタネーターが770 Wに大容量化されている。
エアコンがオプション設定された。

911T
クランクケースがマグネシウム圧力鋳造品に変更されることで10 kg軽量化された。ブレーキのパッド面積は前52.5 cm2、後52.5 cm2。

911E(1969年発売)
911Lからの改名。圧縮比9.1で140 PS/6,600 rpm、17.8 kgm/4,500 rpmの901/09型エンジン、スポルトマチック901/11型エンジン。

911S
170 PS/6,800 rpm、18.5 kgm/5,500 rpmの901/10型エンジン。オイルクーラーが新設された。ブレーキはアルミニウム製となりパッド面積は前78 cm2、後52.5 cm2、ライニング13 mm厚。

Cシリーズ

1969年8月から生産された。内径φ84 mm×行程66 mmに拡大し排気量2,195 cc。マニュアルトランスミッションのケースがアルミニウムダイカスト製に強化された911型となり、クラッチはφ225 mmに大径化された。マニュアルトランスミッションケースは後にマグネシウム合金製に変更された。

125 PS/5,800 rpm、18.0 kgm/4,200 rpmの911/03型エンジンに変更した。スポルトマチック装備は911/06型、US仕様は911/07型、US仕様スポルトマチック装備は911/08型エンジン。キャブレターがソレックス製からゼニス・ストロンバーグ製に置換された。

911T/2.2
125 PS/5,800 rpm、18.0 kgm/4,200 rpmの911/03型エンジンに変更した。スポルトマチック装備は911/06型、US仕様は911/07型、US仕様スポルトマチック装備は911/08型エンジン。キャブレターがソレックス製からゼニス・ストロンバーグ製に置換された。
マニュアルトランスミッションは4速が標準でオプションで5速も選択できた。
マニュアルトランスミッション車のブレーキが通風式となりこれで全車種通風式となった。
容量放電が911Tにも採用され、全車種容量放電点火となった。

911E/2.2
マニュアルトランスミッションは5速が標準。
155 PS/6,200 rpm、19.5 kgm/4,500 rpmの911/01型、スポルトマチックは911/04型エンジン。
自動車高調整機能付きハイドロニューマチックストラットを装備している。

911S/2.2
180 PS/6,500 rpm、20.3 kgm/5,200 rpmの911/02型エンジン。
マニュアルトランスミッションは5速のみでスポルトマチックは用意されなかった。

Dシリーズ

1971年7月まで生産された。
911T
911E
911S

Eシリーズ

1971年8月から生産された。内径φ84×行程φ70.4mmで排気量2,341 ccに拡大された。マニュアルトランスミッションはレース用の916型をベースとし軸間距離 77mmに拡大されたマグネシウムダイキャスト製5速915型または4速915型に変更された。
クラッチがφ225 mmに拡大された。オプションのスポルトマチックも強化されつつトルク比2.2に変更された4速925型または3速925/10型に変更された。
エンジンオイルのタンクが右後輪の前に移動された。

911T/2.4
130 PS/5,600 rpm、20 kgm/4,000 rpmの911/57型エンジン、スポルトマチックは911/67型エンジン。
ヨーロッパ仕様のゼニス製キャブレターのままではアメリカの排気ガス規制に適合できず、アメリカ仕様は911E/2.4や911S/2.4と共通の6プランジャー(機械式)燃料噴射ポンプを採用し、140 PS/5,600 rpm、20 kgm/4,000 rpmの911/51型エンジン、スポルトマチックは911/61型エンジンとなった。
アメリカの排出ガス規制が厳しくなり、1973年1月よりボッシュのKジェトロニックに変更され、圧縮比8.0で140 PS/5,700 rpm、20.5 kgm/4,000 rpmの911/91エンジン、スポルトマチックは911/96型エンジンに置換された。

911E/2.4
165 PS/6,200 rpm、21 kgm/4,000 rpmの911/52型、スポルトマチックは911/62型エンジン。

911S/2.4
190 PS/6,500 rpm、22 kgm/4,000 rpmの911/53型、スポルトマチックは911/63型エンジン。

Fシリーズ

1973年7月まで生産された。
コストと使い勝手の面からエンジンオイルタンクが右後輪後部に戻された。
911T/2.4
911E/2.4
911S/2.4


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911カレラRS2.7(1973年限定生産)
グループ4のホモロゲーションを取得するため911S/2.4をベースに当初500台が限定販売されたもので、ボディを軽量化し、内径φ90 mm×行程70.4 mm、圧縮比8.5で、2,687 ccで210 PS/6,300 rpm、26 kgm/5,600 rpmの911/83型エンジンを搭載した。
ツーリング、スポーツ、レーシングの3グレードがあり、スポーツグレードの重量は960 kg。当初の生産台数はすぐに売り切り、1,000台以上が追加生産されたためグループ3のホモロゲーションも得た。
日本に正規輸入されたのはスポーツグレードのみで14台。「73カレラ」と俗称され名車として現在まで語り継がれている。
トランスミッションは5速915型のみ。
917からフィードバックされた技術で、アルミニウムシリンダーの摺動面にニッケルとシリコンの化合物を付着させた「ニカシル」めっきシリンダーにより、ボアピッチを広げること無くこの大きな内径を実現している。
ホイールはフロント6J15、リア7J15。
タイヤはフロント185/70VR15、リア215/60VR15。

ナナサンカレラは、今では数ある名スポーツカーのなかでも、またポルシェ911シリーズのなかでも、トップクラスのコレクターズアイテムとして高価で取引されている。
近年、ナロー以前のポルシェが軒並みマーケットプライスという名の評価を上げているが、ナナサンカレラの地位は不変。
「ディーノ」よりも登場がずいぶん遅かったにもかかわらず、その評価はディーノ並みか、それ以上だ。
特にポルシェファナティックにとっては、911の最高にアイコニックな存在であると言っていい。

Gシリーズ

1973年8月から1974年7月まで生産された。
外観が、米国の連邦自動車安全基準 のバンパー強度規定Std215に従った5マイルバンパーの装着により一新された。
以降930型が製造中止になる1989年まで「ビッグバンパー」と俗称されたが、ノンターボモデルは901型のまましばらく生産された。
エンジンは、内径φ90 mm×行程70.4 mmの2,681 ccに拡大された。
ニカシルシリンダーで後アルシルシリンダーに変更された。
リアサスペンションアームがアルミニウム鋳物製となった。

911/2.7
カムシャフトが新型の911/97型に変更された911/92型エンジン、スポルトマチックが911/97型エンジン。

911S/2.7
カムシャフトが新型の911/98型に変更された911/93型エンジン、スポルトマチックは911/98型エンジン。

911SC/2.7

911カレラRS3.0(1975年限定発売)
109台生産され、うち50台以上がカレラRSRに改造された。
内径φ95 mm×行程70.4 mm、圧縮比10.3の2,994 ccで230 PS/6,200 rpm、28.0 kgm/5,000 rpmの911/77型エンジン。燃料供給はボッシュメカニカルインジェクション。
トランスミッションは5速915型のみ。
ブレーキはポルシェ・917から流用したアルミニウム製。
ボディ重量は900 kg。


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カレラRSR(1975年限定発売)
911カレラRS2.7をレース用に改造したもので排気量2,806 cc、300 PS/8,000 rpm、30.0 kgm/6,500 rpmの911/72型エンジンを搭載している。
ブレーキは917から流用しカムシャフトは906から流用している。
ボディ重量は900 kg。
1975年には、排気量2,994 cc、出力が345 PSまで向上している。

Hシリーズ

1974年8月から1975年7月まで生産された。
オルタネーターが980 Wに大容量化され、ヒートエクスチェンジャーが改良され、オプションだったエーバーシュペッヘル製ヒーターは廃止された。
排出ガス対策の影響でポルシェ史上初めてアメリカ市場向けのエンジンの公称性能を他の市場向けより低く称した。

911/2.7
ボッシュKジェトロニックで150 PS/5,700 rpm、24 kgm/3,800 rpmの911/41型エンジン、スポルトマチックは911/46型エンジン。
アメリカには輸出されなかった。

911S/2.7
ボッシュKジェトロニックで175 PS/5,800 rpm、24 kgm/4,000 rpmの911/42型エンジン、スポルトマチックは911/47型エンジン。
アメリカ市場向けは165 PS、23 kgmの911/43型エンジン、スポルトマチックは911/48型エンジン。
カリフォルニア向けはEGRを装着し160 PS、22.4 kgmの911/44型エンジン、スポルトマチックは911/49型エンジン。

911SC/2.7
機械インジェクションで210 PS。

Iシリーズ

1975年8月から生産された。
ブレーキのパッド面積は前78 cm2、後52.5 cm2。オートチョークを装備した。
給油ポンプが大型化され、冷却ファンが5枚羽根に強化された。
Hシリーズ911/2.7に相当するグレードは廃止され、Hシリーズ911S/2.7に相当する911/2.7と911SC/2.7に相当する911カレラ3.0のみとなった。
1976年から全車種溶融亜鉛めっきで防錆処理されたティッセン製鋼板を採用し、ボディの耐久性が大幅に向上した。
サイドミラーの角度調整が電動式となった。

911/2.7
Hシリーズの911S/2.7に搭載されていたエンジンを搭載した。

911カレラ3.0
内径φ95 mm×行程70.4 mmの2,994 cc。
オプションで前が7J15inホイールに205/50VR15タイヤでトレッド1,398 mm、後が8J15inホイールに225/50VR15タイヤでトレッド1,405 mm。

911リミテッド(1976年限定発売)
フェルディナント・ポルシェ生誕100周年を記念し500台限定。
一般の911より70万円も高価であったが日本でも50台が販売された。
外部塗装は、ダイヤモンドシルバーメタリック。
薄く色が入ったアロイホイール、布ばりシート、パワーウィンドー、フロント色ガラスが特別仕様。

Kシリーズ

1977年7月まで生産された。

911/2.7

911カレラ3.0
オプションで前が7J16inホイールに205/55VR16タイヤでトレッド1,438 mm、後が8J16inホイールに225/50VR16タイヤでトレッド1,511mm。

Lシリーズ

1977年8月から生産された。
180 PS/5,800 rpm、25 kgm/4,000 rpmのエンジン。

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2020年01月24日