都市伝説 怖い話22 伝承・実話 長野県や沖縄県

Altria1123
今回は日本に伝わる伝承や実話を基にした都市伝説や怖い話をまとめてみました。長野県や沖縄の方は知っておられるかもしれないですね。

白い制服

昔、本で読んだ話ですが。日露戦争で当時、ロシア軍の機関銃手の体験。

910 :あなたのうしろに名無しさんが……:2004/02/18 21:10

二百三高地のトーチカで突撃を繰り返す日本軍に対し機銃掃射をしていたが、

黒い服の兵隊は撃つと倒れたが、白い服の兵隊はいくら撃っても倒れなかったとのこと。

当時、日本軍の軍服は黒い服で白い制服は無い。

915 :あなたのうしろに名無しさんが……:04/02/18 23:05

柳田国男の遠野物語拾遺の中の話ですね。

新潮文庫の『遠野物語』に載っています。
916 :あなたのうしろに名無しさんが……:04/02/18 23:12
第一次大戦の戦場にも謎の「白い騎士団」が出現したとか。

小銃、大砲、戦車の時代に、突如時代遅れの白い鎧兜、白い馬の騎士の集団が戦場に現れ、陣地に向かって音もなく進撃してくる。

狼狽した兵士たちは一斉に機関銃、大砲を撃ちまくるが、その白い騎士団は誰一人倒れる様子もない。
白い制服 | 【厳選】 怪談・都市伝説・怖い話まとめ

音もなく、ゆっくりと、確実にこちらに迫ってくる。

恐怖を感じた兵士は武器を捨てて一目散に逃げ出したとさ。

なんで「白い」んだろうか。

(了)
白い制服 | 【厳選】 怪談・都市伝説・怖い話まとめ

儀式

ばあちゃんちが西日本の日本海側近くの山村集落にあるんだが、

15歳の時によくわからん儀式みたいなのをやらされたな。

田舎の山全体が墓っていう墓地の作りわかるかな。

うちの家が頂上だから本家なんだろうね、山の麓に地蔵が並んでて

うちの墓までの道の途中で分家の墓が枝分かれして点在してる。
都市伝説・怖い話・怪談まとめ – 都市コワ –

ばあちゃんちのすぐ上に神社があって、雷で倒れたらしい巨木の残骸があるんだ。

残骸っていっても直径二メートルぐらいの切り株の外側だけ残っている感じ。

中は空洞で巨木の枠組みだけがあって普段は鎖で囲ってある。

15歳になって盆に帰省した時、夜中2時ぐらいに一人で行灯もって神社に行かされる。

ちなみに家の父が長男で俺がその長男な。

三人兄弟だがその年だけ弟は母方の祖父に預けて俺だけ帰省した。

神社にいくと、切り株の中に昼間用意されて縛られた赤ちゃんの猪と

馬形って呼ばれてる石の短剣が置いてある。

その短剣でウリボー刺し殺して神社の上にある墓まで引き摺っていく。

途中で全ての地蔵と分家の墓の前まで引き摺って歩きながら家の墓まで行く。

墓って行ってもたくさんずらっと並んでいて、ただの石だけの墓石もある。

その一番奥に猪置いて、墓の灯籠に火を灯して帰ってくる。

帰ってきた俺に対して、ばあちゃんじいちゃんと親は何もなかったように接する。

一切何も聞いてこないし、事前に帰ったら何も話すなと言われている。
都市伝説・怖い話・怪談まとめ – 都市コワ –

俺、当時荒れてたDQNだったんだがこれは洒落にならんぐらい怖かったな。

泣きながらしし引き摺ってたと思う。

いまだに何の儀式かわからんが、俺に子供ができたらうちの親父がやらせるんだと思う。

余談だが俺は未婚。

結婚しないことにばあちゃん異常に拘るんだよな。

帰省する度に見合い話持ってくるから最近は憂鬱で仕方ない。

田舎って怖いとこだ。
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よしゆき様

うちの地域では俺の母親が子供の頃あたりまで

男の子でも女の子でも3~4歳くらいになると必ずあやとりを覚えさせられた。

技は一種類だけで「蛾」と呼ばれるもの。

これはけっこう複雑な取りかたをするが

素早くできるようになるまで何度もくり返し練習させられたそうだ。
都市伝説・怖い話・怪談まとめ – 都市コワ –

今は産業としては成り立たなくなっているが、ここいらは昔は養蚕が盛んで

集落の裏の山(四百mほど)のなかほどに「蚕霊塔」と呼ばれる供養塔がある。

こういう供養塔は明治以降、製紙工場の近くに作られたのが多いが

裏山のはかなり古い時代のものらしい。

この山一帯には「ヨシユキ様」という妖異が棲んでいて

それは大きなカイコガの姿をしているという。

ただし普通の人間の目には見えない。

この山に子どもが入るときには必ず一本の紐を持たせられる。

母親の場合は白い毛糸の紐で、わざと切れやすいように傷がつけてある。

なぜそんなことをするかと言えば

山中では「ヨシユキ様」に祟られることがある。

背中に重しがのったようになってかたわらの藪に突っ伏してしまうことがあったら

それは「ヨシユキ様」が後ろにのっているせいだという。

こうなるともう声もたてられない。

ばさばさというはばたきの音が聞こえてきてだんだんと気が遠くなっていく。
都市伝説・怖い話・怪談まとめ – 都市コワ –

そうなったら意識があるうちに素早くあやを取って蛾をつくる。

その形のまま力を込めてプツンと紐を切ると「ヨシユキ様」は離れていくらしい。

子どもだけの場合は、これ以外に逃れる方法はなく

寒い季節だと藪の中で発見されずに死んでしまう例もあったという。

この「ヨシユキ様」というのは、郷土史などでは南北朝の頃の南朝の皇子で

戦乱の際に自害した悲運の皇族と書かれている。

それが妖異となって山中をさまよっているということらしいが

その方がなぜカイコガの姿とされているのかはよくわかっていない。

おそらく歴史の中で埋もれた話があるのだと思われる。
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私の家の奇妙な風習

2017年01月19日 16:40

私の家には奇妙な風習がありまして、何故かよく宴会を墓場でやることがあります。

墓場は自宅の裏山にあり、基本的に私の家系の墓しかありません。

唯一近くにあるのは道祖神さんの碑があるだけでして、

周囲には桜や柊、榊の木が植えてあり、春には花見などを行うのか慣例になっています。

私の奇妙な体験は、私が高校生に入学したての頃でした。

自宅からかなりの距離にあり、電車と自転車を乗り継いで帰宅する頃には、すっかり日が落ちているのが基本でした。

もう桜も終わりの頃でしたが、山間にある自宅のまわりはまだ気温が低く、桜の花も満開に近い咲き方をしていました。

その日は曇りだったのか、月明かりがほとんど無い夜でした。

なのにはっきりと、桜の花だけは綺麗に見えていたのを覚えています。

新しい学校に入って間もなかったため、夜道に慣れていなかった私は、

ところどころにある街灯を頼りに自転車を漕いでいました。

十分に道は知り尽くしているし、問題もない。
私の家の奇妙な風習 : 怖い話らぼ −怪談・都市伝説まとめ−

そう思っていたのですが、慣れない道は時間ばかりが過ぎていってしまうように感じられて仕方ありませんでした。

かれこれどのくらいこうしているのやら……

普段なら30分くらいで着くはずなのに、一向にたどり着けません。まだ山道に入って半分も行っていない。

街灯の明かりを見つけ、その下で自転車を降りて少し息をつくことにした私は、何気なく自分の腕時計をのぞいてみました。

ところが、デジタル式の時計の表示板には何も映っていなかったのです。

私は首を傾げました。たしか、電車の駅で見たときには正常に動いていた筈なのですが……。

気味が悪くなり、自宅への道を急ごうと自転車に跨りました。

そして再び山道を登り始めたのですが、不思議な事に、それから進んでも進んでも自宅にたどり着けないのです。

道はよく見知った山道。

しかもほとんど一本道で、迷うわけが無いと言うのに、どうしてか自宅の明かりすら見えないのです。

これはどうにもおかしいと感じながらも進み続けたのですが、結局自宅にたどり着けず、

途中の街灯の下で再び小休止することにしました。
私の家の奇妙な風習 : 怖い話らぼ −怪談・都市伝説まとめ−

そこにはたまたま大きな桜の木があり、街頭の光をうけて一際白く輝いていました。

自転車を降りて深呼吸し、時計を再び覗き込んでみたのですが、やはり表示板にはなにも映らず、

途方にくれていたその時でした。

風は無かったのですが、枝がさざめくような音がしてきたのです。

その音は次第に大きくなり、風も無い、枝も揺れてなどいないというのに、周り中から聞こえてきだしたのです。

正真正銘気味の悪くなった私は、急いで自転車を漕ぎ始めました。

しかし、さざめきは遠ざかるどころか次第に近くなり、しまいには耳のすぐ傍で聞こえてくるようになっていました。

私にはその時の音が何かの笑い声のようにも聞こえたので、さらに気味が悪くなり、必死で自転車を漕ぎ続けました。

ですが、その直後。不可解な事に、私は急ブレーキをかけてしまったのです。

私自身はかけたつもりは無かったのですが、そのためにバランスを崩し派手に転んでしまいました。

擦り傷と打撲の痛みよりも、耳元でやかましく鳴るさざめきのほうが気味が悪く、私は思わず耳を塞いでしまいました。
私の家の奇妙な風習 : 怖い話らぼ −怪談・都市伝説まとめ−

ですが、さざめきは耳を塞いだと言うのに、耳のすぐ傍で鳴っているようにやかましく、

気が狂いそうなくらいの音量で鳴り続けました。

どのくらい時間がたったのか。

何時の間にか意識が飛んでいた私は、もうさざめきは聞こえませんでした。

いつものように静かな夜の中で、目の前には桜や柊、榊の木が立っている風景でした。

私はどこをどうしたのか、自宅ではなく墓場の中で、墓石に寄りかかるように眠っていたのでした。

次第に鮮明になる意識とともに、私は慌てて手を合わせて、墓石に寄りかかって眠っていた非礼を詫び、

自宅への帰路に着きました。

そして、今度は数分もかからずに到着できたのです。

自宅で祖父母にその話をすると、大笑いされ「狸にでも化かされたんじゃろ」と言われてしまいました。

しかし、なんで墓場で眠っていたのか…いまだにそれだけは理解できません。

以後、このときのようなことはありませんでしたが、

山道で狸を見かけると、どうにも苦手で避けてしまうようになりました。
私の家の奇妙な風習 : 怖い話らぼ −怪談・都市伝説まとめ−

ほうりもん

ほうりもん

2017年02月04日 17:25

去年の盆前くらいに祖父が他界したとき(祖母は五年位前に他界)に、変な話を聞いた。

実家で通夜をやるので帰郷したんだが、

その夜に喪主でもある叔父さんと昔話の流れで、近所の子供が死んだ時の話が出た。

俺が小学校の時なんで、その子がどんな死に方をしたとかは全然憶えていなくて、

かろうじてそんな事もあったな~という感覚。

でも叔父さんの子供の頃に、近所で全く同じ死に方をした子供がいたらしくて、

その時の事を今でも時々思い出すと言ってた。

で、その死に方なんだが、手足が千切れて失血死なんだと。

「それ殺人じゃないの?」って聞いたんだけど、

結局犯人も見つからないし、文字通り手足が『千切れてる』から、

とても人間の仕業じゃない、野性の動物かなんかにやられたんだろう、って事で決着がついたらしい。

そんな動物いるのかなと思って首をひねってたら、

叔父さんが昔聞いた、同じ死に方をした子供の話もしてくれた。
ほうりもん : 怖い話らぼ −怪談・都市伝説まとめ−

叔父さんが小学校に入る前くらいの頃、この辺りはすごいど田舎だったらしく、田んぼの中に家々が並んでるような所だった。

でも、そういう農家の連中とは別に、何やってるんだか分からないような連中の家もあったらしい。

祖父や祖母はそういう家の人達を、『ほうりもん』って言ってたそうだ。

叔父さんはまだ子供だったし、ただでさえ人の少ない所だったから、そういう家の子供ともたまに遊んでたんだけど、

そうするときまって祖父や祖母は叔父さんに、「あそこの子供とは遊ぶな」と怒られたらしい。

叔父さんもどんな意味かは知らないそうだが、

そういう家の見分け方として、軒先に小さい三角形の紙を吊るしてあったんだと。

だから、あまりそういう家の子供と遊ぶのは嫌だったと言ってた。

で、叔父さんが小学校の高学年くらいの時に、そういう家の女の子が件の死に方で亡くなった。

それからしばらくその辺りに住んでる家の大人が、毎日集まって夜中まで帰ってこない日が続いたらしい。

外に出て遊ぶ子供も居なくなっちゃって、叔父さんも祖父や祖母に「暫く外には行くな」って言われたそうだ。
ほうりもん : 怖い話らぼ −怪談・都市伝説まとめ−

(何回か黙って外行ってたらしいが)

結局、何日かすると、祖父や祖母が夜中まで帰ってこないような事は無くなったけど、

例のほうりもんの家の人たちが、少しずつ変な行動をするようになった。

叔父さんの話だと、

子供が外で遊んでいると、常に遠巻きに見つめる。

いくつかの田んぼに鶏の足?みたいなのが捨てられる。

家の前の土が掘じくり返される。

ってな事があったらしい。

そんな事があって、近隣の空気が暫くピリピリしてたある日、近所の子供(叔父さんの友達)が重い病気になったそうだ。

初めは体が痛い痛いと泣くだけだったが、その内だんだん手足が曲がってきて、とても見てられないぐらいになったらしい。

医者の診断では、「おそらくリウマチだろう。でも、こんなに酷いのは今まで見た事無い」と言ってたそうだ。

すると、また近所の大人達が夜に帰ってこなくなった。

どうも叔父さんの友達の病気は、あのほうりもんの家の人達が原因と、祖父や祖母たちは考えていたらしい。
ほうりもん : 怖い話らぼ −怪談・都市伝説まとめ−

そんな事が続いた後、ほうりもんの家の人達は近辺から姿を消してしまって、

あの友達も結局その後すぐ死んでしまったそうだ。

叔父さんの話はそこで終わり。

俺はこの話聞いて気分悪かったんだけど、叔父さんが複雑な表情してたから、なんか黙ってるしかなかった。

結局それ以上の話は聞けなかったし、

そんな強烈な事件が近くであったのに、ほとんど憶えてないのもいまいち腑に落ちないんだよな。

なんとなく変な感じはするんだけど、よく分からなくて気持ち悪かった。
ほうりもん : 怖い話らぼ −怪談・都市伝説まとめ−

おじろく・おばさ

長男以外の人間は、結婚もできず、世間との交流すら許されない。

死ぬまで、家のため、奴隷のようにこきつかわれる……

実はこれ、わが国日本に二十世紀まで実在した

『おじろく・おばさ』という因習である。

国土の七割が山である日本。

山林によって隔絶された村では、独自の文化が発生する場合が多い。

長野県の南部、飯田のあたりは、高山の多い信州の中でも特に山深いところである。

平地といえるような土地はほとんどなく、ろくな道すらないのだが、そんなところにも古くから人は住んでいる。

天竜川に沿ってぽつぽつと小さな集落がいくつか点在している。

旧長野県神原村(現下伊那郡天龍村神原)もその一つだ。

耕地面積が少ないこの村では、家長となる長男より下の子供を養う余裕がない。

なんとかして人口を制限をしなければ共倒れになってしまう。
『おじろく・おばさ』ほんとうにあった!!寒村集落の忌しき悪因習 | 【厳選】 怪談・都市伝説・怖い話まとめ

そこで、この村の人々は奇妙な人口制限法を考えたのである。

まず、一家のうち長男だけが家督を相続し、結婚して社会生活を営む。

次男以下と女の子は、他家に養子になったり嫁いだりしないかぎり結婚を許されず、世間との交際を禁じられ、生涯戸主のために無報酬で働くのである。

この村では、こうした制度が十六~十七世紀ごろから何百年も続いていたという。

こうした男は『おじろく』、女は『おばさ』と呼ばれ、家庭内の地位は戸主の妻子以下、戸籍簿には『厄介』と記され、村人と交際もせず、村祭りにも出られなかった。

こうしたおじろく、おばさは結婚もせず、近所の人と交際することもなく、話しかけても返事もしないが、家族のためによく働いて不平も言わなかったという。

怒ることも笑うこともなく、無愛想で趣味もない。

親たちも、長男以外はおじろくとして育てるのが当然だと考えていたので、別にかわいそうに思うこともなかった。
『おじろく・おばさ』ほんとうにあった!!寒村集落の忌しき悪因習 | 【厳選】 怪談・都市伝説・怖い話まとめ

掟に反抗して村を出る者がいなかったかというと、おじろくが村を出ることは非常に悪いことで家の掟にそむくことだ、という考えがあったため、村を出ようと思う者はほとんどなく、まれに出る者があっても人付き合いがうまくできず、すぐに戻ってきたようだ。

十六~十七世紀頃から始まったとされる『おじろく・おばさ』制度だが、もちろん現在の神原では、このような制度は存在しない。

明治五年には人口二千人の村に一九〇人、昭和四〇年代に入って三人の『おじろく・おばさ』が生きていたという。

この辺りの状況を報告しているのが、『精神医学』1964年6月号に掲載された近藤廉治のレポートである。

近藤は、現存していた男二人、女一人の『おじろく・おばさ』を取材し、彼らの精神状態を診断している。

普段の彼らにいくら話しかけても無視されるため、催眠鎮静剤であるアミタールを投与して面接を行った。
『おじろく・おばさ』ほんとうにあった!!寒村集落の忌しき悪因習 | 【厳選】 怪談・都市伝説・怖い話まとめ

以下、引用

耕作面積の少ない山村では農地の零細化を防ぐために奇妙な家族制度を作った所があった。
長野県下伊那郡天竜村では16-17世紀ごろから長兄だけが結婚して社会生活を営むが他の同胞は他家に養子になったり嫁いだりしない限り結婚も許されず、世間との交際も禁じられ、一生涯戸主のために無報酬で働かされ、男は『おじろく』、女は『おばさ』と呼ばれた。
家庭内の地位は戸主の妻子以下で、宗門別帳や戸籍簿には「厄介」と書き込まれていた。かかる人間は家族内でも部落内でも文字通り疎外者で、交際もなく村祭りに出ることもなかった。

■村の古老数人の報告
b)
数人のおじろくを知っていたが、結婚もせず一生家族のために働いて不平もなかった。
子供のころは普通であったが20才過ぎから無愛想な人間になり、その家に用事で行くと奥へ隠れてしまうものもあり、挨拶しても勝手に仕事をしているものもあり、話しかけても返事もしなかった。
『おじろく・おばさ』ほんとうにあった!!寒村集落の忌しき悪因習 | 【厳選】 怪談・都市伝説・怖い話まとめ

おじろく同士で交際することもなかった。時におじろくがおばさの所へ夜這いにいったなどという話もあったが、こういうことは稀であった。
恐らく多くの者は童貞、処女で一生を送った。怠け者はなくよく働いた。

■症例
a)女性
自分はばかだから字も読めないし、話もできないと劣等感を持つ。
近所へ遊びに行ったのは子供のときだけで、あとは暇もなかったし用事もなかった。
遊びに行きたいとも思わなかった。姉が死んでも別に悲しくもなかったが、死にかかった顔は痩せて気持ちが悪かった。
葬式にも行かなかった。
――この症例の姉が4年前食道癌で死んだとき嫌がるのを無理につれていったが表情も変わらず挨拶もせず涙も流さなかった。
帰宅後死んだ人はおっかなくて汚い、あんなものは見に行かぬ方がよかったというのみであった。

もの心のつくまでは長男と同じように育てられ、ききわけができるような年齢に達すると長男の手伝いをさせ長男に従うように仕向けた。
兄にそむくとひどく叱られた。
『おじろく・おばさ』ほんとうにあった!!寒村集落の忌しき悪因習 | 【厳選】 怪談・都市伝説・怖い話まとめ

子供の頃は兄に従うものだという躾を受ける位のもので、とくに変わった扱いをされたわけではない。
この地方では子供が小学校に行く年頃になると畑や山の仕事をどんどんさせ、弟妹がいやがるとそんなことでは兄の手伝いはできんぞと親たちが叱った。
こうして折にふれて将来はお前達は兄のために働くのだということを教えこんでいたのである。
それで成長するに従って長男と違う取扱を受けるようになったが、それは割合素直に受入れられ、ひどい仕打ちだと怨まれるようなこともなかったようである。
親達は長男以外はおじろくとして兄を助け家を栄えさせるように働くのが弟妹の当然のことと考えていたので、子供たちをおじろくに育て上げることに抵抗を感じていなかったので、不憫だとも思わなかったようである。

おじろく、おばさ達は旧来の慣習のために社会から疎外されてしまったものである。
それは分裂病に非常に似た点を持っている。
感情が鈍く、無関心で、無口で人ぎらいで、自発性も少ない。
しかし分裂病ほどものぐさではない。
かかる疎外者がいるとその家は富むといわれる位によく働くのである。
この点分裂病とちがう。
『おじろく・おばさ』ほんとうにあった!!寒村集落の忌しき悪因習 | 【厳選】 怪談・都市伝説・怖い話まとめ

しかし自発的に働くというより働くのが自分の運命であると諦念しているようである。
こんなみじめな世界にくすぶっているより広い天地を見つけて行こうと志すものが稀なのは不思議であるが、田舎の農家には多かれ少なかれそういった雰囲気がある。
幻覚とか妄想があったようなものはないようであるし、気が狂ってしまったと言われる者もなかったそうである。
無表情で無言でとっつきの悪い態度をしていながら、こつこつと家のために働いて一生を不平も言わずに送るのである。
悟りを開いた坊主といった面白さもないし、ましてや寒山拾得といった文化遺産を残した者もない。
まことにつまらないアウトサイダーであり、ただ精神分裂病的人間に共通するところがあるという点で興味があるだけである。
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アクマガマ

それはおじいがまだ子供の頃の話。逆算するとだいたい終戦直後くらいかな。

985 :J/vgdWbU0:2012/06/28(木) 19:04:05.58 ID:7MSVCNFr0

場所も言ってしまうが、沖縄は宮古諸島の伊良部島という小さな島。

その当時はおもちゃなんて物はもちろんなくて、サザエのフタやら米軍が落とした爆弾の破片やらを遊び道具にして、海やら森やらで遊び回っていたそうな。

小さな島なので遊び場は少なく、やがて行動範囲は大人たちが「行くな」と念を押す森の奥にまでなっていった。

その日も友達数人と一緒にサトウキビを咥えながら森の中を探検していた。

すると、大将格の一人が「なんか声が聞こえる」と言い出した。

よく耳を澄ますと確かに、どこか遠くで何かが鳴いている。

奇妙に思いながらも皆、声の方向へ一直線に進んで行った。

だいぶ声が近くなって来た所で先頭を歩いていたガキ大将が急に立ち止まった。
アクマガマ | 【厳選】 怪談・都市伝説・怖い話まとめ

その視線の向こうには、何かこんもりとしたモノ。

探検隊は慎重な足取りでそれに近づいていった。

「ィィィイイイ!ィィィイイイ!」

不気味な声で泣きわめくそれは、よく見ると赤ん坊だった。

それも血塗れで、頭が大きくひしゃげ、真っ赤な目玉が両方とも飛び出していたそうだ。

その上、その赤子の周囲にはたくさんの蟹やオカヤドカリが群がり、赤子の肉や皮をついばみ、引っ張っている。

その異常な光景にしばし言葉を失くして立ちすくんでいたが、やがてガキ大将を先頭に森の出口に向かっていっせいに走りだし、転がるようにしてやっと家についた。

その時の誰一人として、その出来事について親に話したりはしなかったそうだ。

昔の沖縄は火葬ではなく風葬が行われていた。

お墓の中に死体をそのまま置くのだ。

だが、生後十日以内の早死の子は魂のアクマの子とされて、そのまま森や洞窟に捨てられてしまう。
アクマガマ | 【厳選】 怪談・都市伝説・怖い話まとめ

アクマの子の魂がまた戻って来ないように、次はまともに生まれ変わるようにと、そういった思いが込められているのだそうな。

(了)
アクマガマ | 【厳選】 怪談・都市伝説・怖い話まとめ

参考文献

琉球大学の民俗学実習に伊良部島での報告がある。2002年に調査を行っているのでさほど古いことではない。
ここにアクマガマにまつわる民俗を報告している。アクマガマとは月足らずで生れてすぐ死んだり、流産したりした新生児をいうのである。このような新生児はだめな人間、モノという意味でアクマガマ(あるいはアクマ)とよばれたという。
「人間として生れるべきものが、悪い目にあって死に、あなたはもうアクマだから世の中には出てこないで、今度生まれ変わって出てくる時には、立派な人間になって出てきなさい。」といって捨てられたという。

伊良部島の国仲集落ではターとよばれるところに捨てられた。そこはとても汚い山ともアクマの巣、アクマの家ともいわれ、誰も近寄るものはなかったことを聴取している。

『伊良部村史』は佐良浜集落のこととして、十日ンテ(十日満)までに死んだ新生児は、ぼろやムシロに包んで人が寝静まった夜に、大主神社(オハルズ御嶽のこと)裏側のアクマステ、ウホガー(アクマを捨てる大きな洞穴)に投げ込んだという。
アクマガマ | 【厳選】 怪談・都市伝説・怖い話まとめ

波浪が直接打ちつける海岸である。絶壁は20メートル以上の高さになる。

当日は北風が強く潮が海岸の崖に吹きつけていた。御嶽は崖に立地して背後の民家の細い路地を崖縁まで出ると、下に降りていく階段状の道になっていた。しかし、写真に見る洞穴にたどりつく道はない。アクマガマは崖上から投げ落としていたのだろうか。

アクマガマのことは池間島でも報告されている。内容は伊良部島のものとほぼ同じであるが、野口武徳さんの報告は最も衝撃的である。

「大正末年ごろまでのこととして、誕生後2週間ぐらいまでに死んだ子はアクマとよんだ。親類の男の人が斧や包丁などの鋭利な刃物で、ずたずたに切って、「二度とこんな形で生れてくな。」といいながらi-nu-ku(北の湾)の洞穴に捨てたという。」

野口さんが報告した「二度とこんな形で生れてくるな。」とは、伊良部島の民俗調査で、なぜ流産や生れてすぐ死んだ赤ちゃんを、このように粗末に扱うのかという素朴な問いに答える。伊良部島の伝承では、アクマガマを手厚く葬るとその霊が再びもとの産婦に身ごもらせるといわれた。
沖縄学事始 第8回

また、この葬式に出会う人にはアクマガマが乗り移り将来この人はアクマガマを生むといわれた。

さて、このような幼児の特殊な葬式(葬式とは到底よべない)は、伊良部島や池間島に限られているのであろうか。

事例は少ないが、池間島の対岸に位置する狩俣集落でも、幼くして死んだ子どもはアクマと呼ばれて海岸に埋められた。沖縄本島名護市汀間では7歳になる前に亡くなれば、子どもの亡がらはかごに入れて木に架けておいたといい、伊平屋島では同じく7歳以下の子どもはガジナ原のアダン山の中に一定の場所を設けて、アダンの根元に縛って風葬したと報告している。
津堅島では死産や一ヶ月以上育たなかった子どもは、子どもだけを置くチニン墓に葬ったが、そのような場合は捨てるという言葉で表現したと仲松弥秀さんは記録している。

新生児の亡がらは正式な葬儀はされず、ほぼ捨てるという状態にあったことは、沖縄のかなり広範囲に認められた民俗事象といえる。

また、新生児でもいつまでこの世で生きていたかにより、アクマガマとよばれて捨てられるか、正式な葬儀が行われるかの節目が存在したのである。
http://www.jimbunshoin.co.jp/rmj/oki7.htm

このような新生児に対する奇異とも思える処置は、もっと深いところで死後世界の観念と通底していると思われるふしがある。事例で示した津堅島や池間島、狩俣などでは一般人の葬式でも死後の供養はほとんどなく、埋葬された場所は顧みられることはなかったという。沖縄本島に近い津堅島では、死後一年目の七夕での供養が終了するとそれ以後の供養はなく祖霊一般として扱われたのである。

伊良波盛男さんは、池間島の今は埋め立てられてしまったアクマッシヒダ(アクマを捨てる浜)のことを印象的に語ってくれた。そこはユニムイ(池間湿原)に入る湾口にあった浜で、白砂が一帯に広がっていたという。興味深いのは、この砂浜でかつてはお産が行われていたという。もちろん砂の上で直にお産はできないわけで、何らかの産屋が建てられていたことが示唆された。また、このお産の浜とアクマッシヒダが隣接していた事実である。

人間として誕生するか、アクマとして捨てられるかという生と死の境界地でお産があったということになろう。
沖縄学事始 第8回

こちらもどうぞ

https://www.youtube.com/watch?v=hQxsO3K43b8
https://www.youtube.com/watch?v=bsotHItOWDo
https://www.youtube.com/watch?v=zEaxt1me32w
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2017年10月30日