静岡県立浜松城北工業高(浜松市中区)教諭の蝶野宏明さん(48)が、9月上旬にモンゴル・ゴビ砂漠で開かれた「グレートモンゴリア・ゴビデザートマラソン2017」に出場し、2位のタイムで完走した。
がん乗り越え246キロ走破 浜松の高校教諭「頑張る姿生徒に」|静岡新聞アットエス
計246・8キロを6日間で走破する過酷なレース。喉頭がんを患い、3年前には大腸がんの手術も受けたが「頑張ればできる姿を生徒に見せたい」と懸命に走り抜いた。
高校1年まで陸上競技に打ち込んだ後、ノルディックスキーに転身し、全日本選手権7位。高校卒業後はトライアスロンを始め、日本代表に選ばれた。
大学でロボット工学研究に没頭し、高校教諭となった約20年前から浜松工高、浜松城北工高の教壇に立っている。
3年前に大腸がんの手術を乗り越えた後、それまで務めていた浜松城北工高陸上部の顧問を辞めた。
「時限爆弾を抱えた体。今できることを体験し、自分の口で生徒に伝えたい」。選手として復帰し、42・195キロを超えるウルトラマラソンへの挑戦を決意した。
がん乗り越え246キロ走破 浜松の高校教諭「頑張る姿生徒に」|静岡新聞アットエス
30代後半で喉頭がんが見つかったが、「教師は声を出す職業。手術はしたくない」と声帯の摘出は避け、今も経過観察中という。
昨年、大阪―東京の約600キロを15区間に分けて走るレースに出場し、トップタイムでゴール。ゴビ砂漠の大会に招待された。
現地は標高1300~2千メートル、気温は日中に30度を超え、夜間は0度近くまで冷え込む。レースは毎朝8時にスタートし、深夜までの制限時間内に35~50キロの砂漠コースを走る。
蝶野さんはロボット工学の知識や陸上の指導経験も生かし、「体が壊れないよう効率的な走りを心掛けた。楽しく走れた」と振り返る。
タイムは32時間31分31秒。各国から集まった選手約20人の中で2番目だった。
「おじさんになってもここまでやれると生徒に示したかった。これでマラソンをやめられる」と蝶野さん。
がん乗り越え246キロ走破 浜松の高校教諭「頑張る姿生徒に」|静岡新聞アットエス
今後は、マラソンや陸上競技の指導で得たデータを研究に活用し、「効率よく走ったり動いたりする人型ロボットを作り、困っている人の手助けをしたい」と夢を抱く。

