海に落ちたペットのインコを助けようとした男性が死亡…多発する水難事故の二重遭難の訳は

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27日朝、福井市の海岸で釣りをしていた60歳の男性が溺れて死亡しました。溺れた人を救助しようとして、逆に溺れてしまう事故が多発しています。その理由を考察します。

■ペットのインコを助けようとして溺れる事故

福井市の海岸で釣りをしていた60歳の男性が溺れて死亡

27日午前7時ごろ、福井市蓑町の海岸にある岩場で、知り合いと一緒に釣りに来ていた福井市花月の龍造寺寿秀さん(60)が溺れました。
ペットのインコが海に落ち飛び込んだ男性死亡 福井 | NHKニュース

警察によりますと、男性はペットのインコが海に落ちたため助けようとして飛び込んだということです。
ペットのインコが海に落ち飛び込んだ男性死亡 福井 | NHKニュース

■今月、このような水難事故の二重遭難が多く発生した

・鬼怒川温泉の橋から落ちた息子助けようとした父親が死亡

19日、栃木県の鬼怒川温泉の橋から落ちた2歳の息子を助けに向かったまま行方不明になっていた父親が24日午前、下流の日光市内のダムで遺体で発見された。
鬼怒川温泉の橋から落ちた息子助けに…行方不明の父が遺体で発見 – ライブドアニュース

下をのぞき込んだ際、抱いていた息子(2)を約10メートル下の河原に誤って落とし、息子を探しに行ったまま行方がわからなくなっていた。息子は消防に救助され、命に別条はなかった。
鬼怒川温泉の橋から落ちた息子助けに…行方不明の父が遺体で発見 – ライブドアニュース

・同級生3人で遊びに来た少年、海に飛び込んだ2人が死亡

大阪府泉南市で少年2人が溺れた事故で、同市内の高校2年の男子生徒2人=いずれも16歳=の死亡が確認された。
【動画】海に飛び込んだ少年2人は死亡 同級生3人で遊びに 大阪・泉南 – 産経WEST

27日午後2時15分ごろ、「少年が海に飛び込んだまま上がってこない」と、通行人の女性から通報があった。駆けつけた救急隊員が約30分後に海中で発見し病院へ搬送したが心肺停止状態だった。
海に飛び込んだ少年2人は死亡 同級生3人で遊びに 大阪・泉南- 記事詳細|Infoseekニュース

■こうした水難事故の二重遭難を防ぐには

1.慌ててはいけない

溺れた人を見つけたら、さっと上着を脱いで飛び込む……というのは、ドラマなどでよく目にするシーンでしょう。しかし、実際には一番やってはいけない救助法といえます。なぜなら、慌てた対応により二重遭難・二次災害の発生リスクが高まるからです。
1.すぐに水に飛び込んではいけない(水難事故の救助法について)

2.落ち着いて行うべきポイント

1)救助者自身の安全確保
まず、助けようとする自分自身が安全かどうか、周りの状況をよく観察しましょう。

2)周囲の協力を求める
周囲に手助けしてくれそうな人たちがいる場合には、遭難者から目を離さないまま、大声でまわりの人たちに協力を求めましょう。直接救助作業はできなくても、浮くものを探したり、救助要請の連絡をお願いするなど、手伝ってもらえることはあります。

3)救助の要請をする
そして、とにかく救助の要請をすることが先決。手の空いている人に119番するよう頼みましょう(海の事故の場合は局番無しの118番。携帯でもPHSでも可)。事故の起きている場所を正確に通報できるよう、地元の人を探すのが一番です。
2.周囲の状況を把握する(水難事故の救助法について)

3.浮くものを渡す

水難救助で大事なことは、遭難者に「浮力を与える」こと。浮くことができれば呼吸が確保できます。当然、水難者の生命の危険が減ります。

また、遭難者の気持ちも落ち着かせることもできます。多くの場合、遭難者はパニック状態にあります。パニック状態にある遭難者は、救助活動に対応できません。逆に、救助者に必死にしがみつこうとしたりして、救助を難しいものにします。
3.浮くものを見つける(水難事故の救助法について)

ライフジャケット(PFD)や浮き輪、ビーチマットがあれば理想的。しかし、次のようなものでも救命用具となり得ます。

1.5リットル程度のペットボトル
ビニール袋(スーパーの買い物袋など。空気を入れて口を縛る)
クーラーボックス
ズボン(空気を入れることによって一時的に浮き輪の代わりにできる)
ビーチボール
ビーチパラソル(開いた状態)
タオルや衣類を詰めたバッグあるいはナップサック
しまって袋に詰めたテント
3.浮くものを見つける(水難事故の救助法について)

■他にもいろいろあるが、泳いで助けるのは最後の手段なのだ

どうしても泳いで助けるしかない場合は

1)必ず救命用具を持っていく。
まずは救助者自身の安全確保が、確実で効果的な救助活動の基本。救命用具を必ず確保してから、救助に向かいましょう。

2)衣服は脱ぐ。
衣服を着たまま水中に入った場合、その衣服の重さのため、泳ぐことは困難です。

3)救助活動は距離を保ったまま行なう。
遭難者のところまでたどり着いても、すぐに近寄ることは危険です。

多くの場合、遭難者はパニック状態にあります。そのため、救助活動に協力できないばかりか、救助者に非常に強い力でしがみついたりして、救助をかえって難しいものにします。最悪の場合、抱きつかれて救助者も一緒に溺れてしまうケースもあるのです。

そこでまずやることは、十分な浮力体を与えて遭難者を落ち着かせること。用意した救命用具をつかませて、落ち着くように声をかけます。そうして遭難者が落ち着きを取り戻したら、安全な場所に誘導する。それが理想的な救助法です。
5.[最後の手段]泳いで救助に向かう場合(水難事故の救助法について)

■自分が溺れた場合

あおむけの姿勢で呼吸を確保した状態を維持
自分自身の力で助かろうともがくのではなく、助けが来るまで浮いた状態で待つほうが、命が助かる可能性が高くなるとのこと。

・パニック状態に陥ることが多いので、まず心を落ち着ける。あばれない。

・服はぬがない。体温を守るため(落ちるのは夏とは限らない)、慌ててぬいだりしないほうが良い

・バタ足、クロールといった水の上に手足を出し入れする動作はしない。

・あおむけで浮く。移動しなくてもよいから鼻と口を水面にだすようにする(呼吸の確保)

・ビニール袋、ペットボトルなど近くにあれば、浮くもの(救命用具)として利用する。(ペットボトルやビニール袋に空気を入れ、胸にかかえてあおむけになると浮くことができる。ペットボトルはふたがなくても手で栓をすれば良い。)

・疲れてきたら、ペットボトルを首の後ろで枕にする。(息ができるという事が大切)

・水中で静かに足を動かす。つまり、空中に身体を出さない動作を心がける。
8.自分自身が水難事故にあった場合の対処法(水難事故の救助法について)

■ベストは水難事故を起こさないこと

水辺は危険であると認識し、決して無理・無茶はしない
天候の変化に注意する
飲酒後は絶対に水に入らない
危険な場所に行かない
体調の悪い時は水に入らない

楽しく水遊びをするためには、危険を予測し安全に気を付ける必要がある。

https://matome.naver.jp/odai/2150383836592445801
2017年08月27日