シリーズ記事
『タクラム』と田川欣哉さん。
東大のあとロンドン留学…!超級のスーパーエリート!憧れの経歴の持ち主です。ああ天才。アートより、デザインビジネスの色合いが強いです。日本はプロダクトデザインはいつも豊作。
本ではアップルの著名デザイナー、ジョナサン・アイブになぞらえて紹介されています。なんと誇らしいことでしょうか。
実はタクラムも田川さんもあまり存じ上げておらず、今回よく調べました!
スマートな工学デザイナー。とにかく綺麗な印象。
Kinya Tagawa
ハードウェア、ソフトウェアからインタラクティブアートまで、幅広い分野に精通するデザインエンジニア。主なプロジェクトに、トヨタ自動車「NS4」のUI設計、日本政府のビッグデータビジュアライゼーションシステム「RESAS -地域経済分析システム-」のプロトタイピング、NHK Eテレ「ミミクリーズ」のアートディレクションなどがある。日本語入力機器「tagtype」はニューヨーク近代美術館のパーマネントコレクションに選定されている。グッドデザイン金賞、 iF Design Award、Red Dot Design Awardなど受賞多数。未踏ソフトウェア創造事業スーパークリエータ認定。東京大学機械情報工学科卒業。英国ロイヤル・カレッジ・オブ・アートにて修士課程(Industrial Design Engineering)修了。LEADING EDGE DESIGNを経てTakramを共同設立。内閣府クールジャパン戦略推進会議委員。2015年より英国ロイヤル・カレッジ・オブ・アートにて客員教授を兼務。
People | Takram
数々の栄光。本当に文武両道とはまさにこのこと。アカデミックなところも素敵です。
Takramとは
Takramは、空港のような大きなブランドから、コアなファンを有する小規模なブランドのディレクションまで様々な規模の企業・組織のブランディングを行なっています。アナログ・デジタルを横断し、クライアントと長期間並走することで、ブランドの本質価値を磨き上げるアプローチを特徴としています。
Takramは、企業の未来研究やR&D型プロジェクトをサポートするための、豊富な知見と経験を有しています。宇宙ベンチャーをサポートして月面ローバーのデザインしたり、30年後の社会の未来研究を実施したり、新時代のための和菓子をプロトタイプしたり。ロジックとイマジネーションを組み合わせ、未来を描き出します。
Takramは常に、デザイン・テクノロジー・ビジネスの新しいスタンダードを生み出していきたいと考えています。プロジェクトに関わる実務的な内容から、哲学・思考といった抽象度の高い内容まで、著作やPodcastを通じて公開しています。
About | Takram
空港、月面ローバ、和菓子…!楽しそうな仕事ばかりです!
各界から賛辞
Takramは新しい時代のデザイン・エンジニアリングファームであり、デザインとエンジニアリングの観点から越境的アプローチを採用しています。
Dezeen | architecture and design magazine
大手海外デザインマガジンからの賛辞。
「furin」は、生物の細胞構成や協働性、意識の成り立ちといった観点からとても生物学的だ。
ルリボシカミキリの青―福岡ハカセができるまで (文春文庫) | 福岡 伸一 |本 | 通販 | Amazon
著名な生物学博士、福岡伸一さんのコメント! いろいろな角度から評価されています。
Takramの成り立ち
イギリス留学後、日本に戻り、山中俊二氏のLeading Edge Designを経て、タクラムは2006年に田川欣哉を中心に設立。コンテクストデザイナー/パートナーの渡邊康太郎が参画し、現在は4名のクリエイティブ・リードのもと、50名ものスタッフを抱える。
アート×テクノロジーの時代 社会を変革するクリエイティブ・ビジネス (光文社新書) | 宮津 大輔 |本 | 通販 | Amazon
僕らもtakramをはじめた当初は、クライアントの目は懐疑的でした。「うちにはエンジニアもデザイナーもいるし、それで問題なくモノが作れているから特にニーズはないかな」と、そういう話もすごく多かった。
takram 田川欣哉に学ぶ、《デザインエンジニア》の仕事と思想。[前編] | CAREER HACK
やはりパイオニアには苦労がつきものなのでしょうか。10年続けていまがあるのですね。
Takram独自の考え方、振り子の思考とは
振り子の思考とは、
「ひとつの枠組みにとらわれず、2つ(かそれ以上)の極の間を高速に行き来しながら、答えを揺れ動く残像のなかに見いだすことだ。」
「対象をいろいろな角度から眺めてみる。当事者としての視点、他者としての視点。軸を定め、対極からの景色を眺めると、次は軸そのものからの逸脱すら可能になる。」
正解が分からない、過去の経験が生きない時代のものづくり『takram design
ひとつの枠組みにとらわれない。大切。
1.プロトタイピング:「作ること」と「考えること」の間で揺れる振り子。
takramの実践する新しいプロトタイピングは、具体側の改善にとどまらず、具体と抽象の行き来を積極的に繰り返すことで、抽象側のレベルを引き上げるために行います。
▫︎なるほど、手を動かすことが大切。
2.ストーリーウィービング:具体と抽象との間で揺れる振り子。
ストーリーウィービングとは、プロジェクトの初期に設定したコンセプトをその後も柔軟に練り直し続け、より良いものに洗練させていく手法。
▫︎ストーリーは大事です。
3.プロブレム・リフレーミング:問いと答えの間で揺れる振り子。
初期に設定した問いに対してある答えを見いだすと、新たな、次の段階の問いが生じます。この繰り返しによって、初めて至るイノベーションがあります。
▫︎いわゆる、少し前に流行した、ゼロベース思考??
明晰な発言の数々
ただ90年代の後半になると、そうしたマルチな人たちが定年で退職し、専門職としてキャリアを積んできた人たちがリーダーとして、企業を率いるようになった。企業を全体的視点で引っ張っていく人たちが少なくなっている状況が、遺産として今なお残ってしまっています。
僕らみたいなタイプが出てきているのは、そういう状況に対する社会の反動だと思うんです。専門家だらけの組織になったことで創造性や効率性が落ちていることにみんな気づき始めている。
takram 田川欣哉に学ぶ、《デザインエンジニア》の仕事と思想。[後編] | CAREER HACK
いまの活躍は社会の反動。勉強になります。
最近よく「wicked problem」という言葉を言う人が増えています。
wickedは「いやらしい」とか「いらいらする」なんですが、wicked problemというのは、解答がそもそも存在しない問題。解決には至らなくてもbetterな状況にしていくのが、現代的な話だよねって言われています。
田川 欣哉 takram design engineering 代表 | 日本デザインセンター
Takramのクールな作品、プロジェクトの数々!
残念ながら実物を見たことがないのですが、私が気になる作品の紹介です!
Shenu: Hydrolemic System
Takramにより考案された「Shenu: Hydrolemic System」は、人体が必要とする水分を極限まで抑えるためにつくられた人工臓器を含む一連のプロダクト群です。2012年6月より、3ヶ月に渡って開催された国際現代芸術展「dOCUMENTA(13)」にて発表された本作品は、「荒廃した未来の世界における水筒」がテーマとなっています。複数のクリエイターによる「衣食住」の提案を通じて、退廃的な環境における、人間の根源的な価値観や究極的な美意識を模索することを目的としています。
Shenu: Hydrolemic System | Takram
荒廃した未来のプロダクトとは。なかなか考えさせられます。
人工臓器を人体取り入れ、生命維持に必要な最低限のキャンディーを摂取することにより、1日32ミリリットルの水分のみで生きながらえることができるという。
人体サイボーグ化計画、少量の水でも生きていける人工臓器システム「Shenu: Hydrolemic System」 : カラパイア
人体サイボーグ。キャンディーと人工臓器の組み合わせ。水が枯渇している地域で、すぐに製品化しそうです。
NS4 / TOYOTA onboard
「NS4」とは、2012年1月のデトロイトモーターショーにて展示された、トヨタ自動車の次世代型コンセプトカーです。最新式のPHV(plug-in hybrid system)と、エアロダイナミクス性を追求した外観を備えています。Takramはインテリアに装備されたマルチタッチスクリーンのインフォテイメントシステムのユーザインターフェース設計およびデザインとそのプロトタイプの開発を担当しました。
NS4 | Takram
我々はハードウェアとソフトウェアでの専門的知見を最大限に発揮し、コンセプトの構築からユーザインタフェースの設計・デザインまで、コンセプトカーに搭載するためのプロトタイプ開発の工程の全てに関わりました。高速なプロトタイピングを高速に繰り返すことで、コンセプトの洗練を行いました。最終的には、基板モジュール、ハードウェア、エレクトロニクス、ソフトウェアからなる、完成度の高いワーキングプロトタイプが仕上がりました。
NS4 | Takram
furin
280個ものガラス製の風鈴が天井から吊るされた空間。正三角形のグリッド状に並び、波打つような起伏を描いています。個々の風鈴は人の動きを検知し、それをきっかけに音を鳴らすとともに、蛍のような淡い光を発します。天井に近い風鈴は高音、低い風鈴は低音というように、吊るされている高さに対応して10段階の音程が割り当てられています。風鈴は相互に接続されており、音と光は波紋を広げるように周囲へ伝搬していきます。この作品は、建築家・伊東豊雄氏とのコラボレーションとして実現されました。
furin | Takram
日本建築の大家、伊東豊雄さんとのコラボレーション!
“Message Soap, in time”
いつ届くかわからないメッセージを送ろう——。
最後に手紙を送ったのはいつですか? つい最近、それとも思い出せないくらいでしょうか。 メッセージがゆっくりと相手に届くまでの時間や、相手からの返事を待つ時間は、心地よいものです。
Message Soap, in timeは、石鹸の贈り物。泡立ちのよいフェイス&ボディソープです。しばらく使うと中からメッセージが現れます。
“Message Soap, in time” | Takram
なんだかとてもロマンチック… テクノロジーから離れることも大切です。アーティスティックな側面もあるようです。
現代のインフラともなったLINEやSMSなどのインスタント・メッセージングは、簡便に瞬間的に人とつながることのできる手段です。一方で Message Soap, in time はこの対極に位置する、手紙のように時間をかける、気持ちの交換です。誕生日のしばらく前に贈ってみましょう。果たして当日に間に合うか。数日か、もしかしたら数週間の誤差を持ったメッセージです。
“Message Soap, in time” | Takram
なるほど…!SNSへのアンチテーゼというわけですね。
Lemon Hotel
「2人でカップルになりなさい。相手がいない場合は、現れるまでしばし待つ。」
このような指示に従って、檸檬ホテルを体験します。ここには、平面や立体の作品はありません。作品があるとすれば、それは鑑賞者の胸の中で、少しざわついた、遠い記憶のような何かです。
檸檬ホテルは作品であるが、1日1組、宿泊ができる。宿泊者には、レモンを効かせた新鮮な島の料理が用意される。翌朝、豊島レモンで草木染めされた布の、淡く黄色い光りのなかで、目覚めるのです。
Lemon Hotel | Takram
さらに詩的で素敵!穏やかな気持ちになれそうです。
今後の活躍に乞うご期待!!
Takramの情報
Takramは、Teamlabと比べると、越境的で、デザイン!という印象でした。テクノロジーと文学性が一緒になっているのが特長です。連続してみると面白いですね!二人とも東大出身。
お盆中になんとかと思います!
田川 欣哉(たがわ きんや、1976年 – )は、日本のデザインエンジニア。Takram代表。英国ロイヤル・カレッジ・オブ・アート客員教授。
1976年、東京都生まれ、高校時代まで熊本で育つ。熊本県立熊本高等学校卒業後の東京大学工学部機械情報工学科在籍中、就職希望先の某電機メーカーでのインターンを経験。そこでエンジニアリングとデザインの分業が進んでいることにショックを受ける。同時期にプロダクトデザイナーの山中俊治と出会い、デザインの世界に足を踏み入れる。