【ホラー映画】映画化されたジャック・ケッチャム作品まとめ

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スティーブン・キングからの賞賛を得て注目され、2015年にはブラムストーカー賞を受賞した奇才、ジャック・ケッチャム。オブラートに包まない残虐描写や性描写で知られる彼の映画は、映像化は難しいと考えられながらも、数作映画化されているんです。

▼皆さんはジャック・ケッチャムを知っていますか?

日本では、”米国版女子高生コンクリート詰め殺人事件”とも呼ばれるシルヴィア・ライケンス事件を基にした「隣の家の少女」の作者として有名。

初期はスティーブン・キングの絶賛を受け名を上げ、2015年にはブラムストーカー賞生涯功労賞を受賞した才能の持ち主です。

ジャック・ケッチャム(Jack Ketchum, 1946年11月10日- )は、アメリカ・ニュージャージー州のホラー小説家。本名はダラス・メイヤー(Dallas Mayr)。ボストン大学卒業後、俳優、教師、出版エージェント、材木のセールスマンなどの職業を経たのち、1981年に『オフシーズン』で作家デビュー。著名なホラー作家スティーブン・キングによって賞賛される一方、Village Voiceの評論家には、暴力的ポルノ作品であると批判されている。
ジャック・ケッチャム – Wikipedia

淡々と記される暴力描写や性描写が特徴的でありながら、一方で硬派で文学的な作品が多く、映像化には向かないと言われることもしばしば。

▼結末は必ずしも読者の期待するものとは限らない

ケッチャムは、現実の暴力的な側面をそのまま、いっさいの容赦なしに描く作家なのだ。だからケッチャム作品に登場する殺人者たちは、『羊たちの沈黙』のレクター博士のような超人でも、わたしたちとかけ離れた――それゆえ安心して恐がれる――怪物でもなく、心がちょっと壊れたりゆがんだりしているだけの、どこにでもいる一般人だ。
初心者のためのジャック・ケッチャム(執筆者・金子浩) – 翻訳ミステリー大賞シンジケート

代表作『隣の家の少女』の最低最悪な読後感がすっかり有名になってしまったが、ケッチャムは明るめの結末の作品も書く。それが現実だからだ。主人公=あなたは、悲惨な最期を迎えることもあれば、危難を無事に乗りきることもある。それが現実なのだ。『隣の家の少女』の読後感が最低最悪なのは、現実には最低最悪な面があるからなのだ。
初心者のためのジャック・ケッチャム(執筆者・金子浩) – 翻訳ミステリー大賞シンジケート

必ずしもハッピーエンドを迎えない、ということは、裏を返せば娯楽的でないので、映像化には向かないのです。
でも、そんなケッチャムの作品も、少しずつ映像化されてきています。

1.THE LOST ザ・ロスト 失われた黒い夏(2006)

原作は「黒い夏」。
顔だけしか取り柄のない田舎育ちの不良少年が、レズビアンカップルを銃撃したことをきっかけに、シリアルキラーへ変貌してしまう…。

https://matome.naver.jp/odai/2149659831040751301/2149668300794804303

1965年夏、ニュージャージー州の保養地スパルタで、地元の不良青年レイはキャンプをしていた二人の女子大生に向け、面白半分に発砲した。一人はその場で絶命、もう一人も意識不明のまま4年後に死亡した。
4年後の夏、レイはまだ捕まらないでいた。刑事チャーリーはこの事件の再捜査を決意し、レイに圧力をかけて進展開を図ろうとする。
麻薬とセックスを生きがいとする鬱屈した若者レイは、追い詰められた末に破滅へと向かっていく。
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基となっているのは、シャロン・テート殺害事件

1969年8月8日に、チャールズ・マンソン率いる
マンソン・ファミリーによって引き起こされた殺人事件。

シャロン・テートを含む5人が犠牲になった。
シャロン・テート殺人事件(チャールズ・マンソン、マンソン・ファミリー) | 日本・世界の凶悪犯罪|犯罪史・犯罪者・事件簿メモ

殺害されたのは、
映画監督のロマン・ポランスキーの妻で女優のシャロン・テート

ヘアスタイリストとしてハリウッドで活躍する
ジェイ・セブリング

コーヒー王の相続人
アビゲイル・フォルジャー

アビゲイルの恋人でポランスキー監督の友人でもある
ヴォイティック・フライコウスキー

たまたま通りがかりマンソン・ファミリーと遭遇した
スティーヴン・アール・ペアレント
シャロン・テート殺人事件(チャールズ・マンソン、マンソン・ファミリー) | 日本・世界の凶悪犯罪|犯罪史・犯罪者・事件簿メモ

ワトソンらはまず
屋敷に侵入しようとしたところを呼び止めたペアレントを殺害

その後セブリング、フライコウスキー、フォルジャー
最後に命乞いするテートをめった刺しにして殺した。

この時テートは妊娠8ヶ月であった。
シャロン・テート殺人事件(チャールズ・マンソン、マンソン・ファミリー) | 日本・世界の凶悪犯罪|犯罪史・犯罪者・事件簿メモ

友人たちが事件(ことシャロン・テートの死)に衝撃を受ける中、レイは見目麗しいシャロン・テートの突然の死にある種の興奮を覚える。

その結果マンソンファミリーの犯行を稚拙に模倣する形で、事件が展開していく。

2.隣の家の少女(2007)

ケッチャムの同名小説を原作とした「隣の家の少女」。
米国版女子高生コンクリート詰め事件と言われるシルヴィア・ライケンス事件を基としたダークな青春映画。レーティングは全年齢対象であるものの、暴力描写・性描写共に苛烈です。

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人間の心の闇をえぐり出す狂気と暴力を極限まで追求する戦慄のホラー作家ジャック・ケッチャムの衝撃の問題作を映画化した禁断のバイオレンス・ドラマ。60年代にアメリカで起きた実在の少女監禁事件をモチーフに、主人公の少年が隣の家の地下室で目の当たりにする理不尽な暴力とその凄惨な悪夢の行方を描き出す。
映画 隣の家の少女 – allcinema

1958年、アメリカ。郊外の閑静な町。ある夏の日、12歳の少年デヴィッドは一人の少女メグと出会い、心惹かれる。彼女は両親を事故で失い、妹と共に隣家のチャンドラー家に引き取られて来たのだった。しかし、やがてデヴィッドは、隣家のルースおばさんがメグ姉妹を虐待していることを知ってしまう。しかもそれは、どんどんエスカレートしていくのだったが…。
映画 隣の家の少女 – allcinema

事件の被害者となったシルヴィア・ライケンス。
原作では、「集団の中に強い個体があると弱い個体によって攻撃される」という描写があり、その後暴行が始まると、被害者がいかに強いかについて語られるシーンがある。

1965年10月26日、インディアナ州インディアナポリス警察は「女の子が死んでいる。」との通報を受けた。電話の主は声変わり前の少年で、震える声で「イースト・ニューヨーク通り3850番地」の住所を告げた。
現場に駆けつけた警官は、薄暗い家の中でマットレスに横たわる哀れなほどに痩せ細り、体中痣と煙草を押しつけた火傷だらけの少女の遺体を発見した。
少女の名前は シルヴィア・ライケンス 16歳だった。
この家の主人 ガートルード・バニシェフスキー と2人の子供。そして、その遊び友達の2人の少年が殺人の容疑で逮捕された。
[mixi]『シルヴィア・ライケンス事件』〜インディ – 20世紀の事件ファイル | mixiコミュニティ

3.Red(2008)

愛犬を失った老人の復讐の物語「Red」。本映画は日本未公開。原作は「老人と犬」です。

ジャック・ケッチャム作品としては感動的な結末を迎える作品です。「ザ・ウーマン」や「襲撃者の夜」というカニバリズム映画は公開されて、「老人と犬」は公開されないというのは不思議ですね。日本でのケッチャムのイメージと合わないのでしょうか。


https://matome.naver.jp/odai/2149659831040751301/2149668300794805903
俳優陣も豪華。ジャック・ケッチャムの映画化作品としては、今までで一番スポンサーがついたのでは?
「CSI:ニューヨーク」でリード・ギャレットを演じたカイル・ガルナーも出演しています。

原作のあらすじ

老人が愛犬と共に川釣りを楽しんでいる。
そこへ少年が三人近づいて来た。中の一人は真新しいショットガンをかついでいる。
その少年が老人に二言三言話しかけたかとおもうと、いきなり銃口を老人に向け金を出せと脅した。
老人がはした金しか持っていないと判るや、その少年は突然、銃を犬に向けて発砲し、頭を吹き飛ばした。
愛犬の亡骸を前に呆然と立ち尽くす老人。
笑いながらその場を立ち去って行く少年たち。
あまりにも理不尽な暴力!老人は”然るべき裁き”を求めて行動を開始する。
ジャック・ケッチャム/老人と犬(RED)|読書|グウタラ日記

4.襲撃者の夜~食人族the Final~(2009)

「オフシーズン」の続編「襲撃者の夜」の映像化作品。
「オフシーズン」で生き残った食人族たちが、新たな土地で力を回復するために赤ちゃんを狙う話。食人族たちの文化では、赤ちゃんには特別な力があるのです。

邦題サブタイトルに”the Final”とありますが、この後に映像化される「ザ・ウーマン」も食人族シリーズです。

食人族たち。
鑑識役としてケッチャムも出演しています。

ある日の夜、残忍な殺人が起こり、女性二人が殺され、赤ん坊が行方不明になった。
同じ場所で起こった十一年前の惨劇を想起した地元の警察は全力で捜査を開始するが、警察が出払っている最中に第二の惨劇が起きる!
幸い難を逃れたクレアと少年ルーク、赤ん坊のメリッサを待っていた運命とは?
194/365日目はトンデモホラー映画「襲撃者の夜」|ゾンビの数だけ抱きしめて

基となるのはソニー・ビーン一族の伝説

14世紀から15世紀(15~16世紀という説もあり)のスコットランドで、近親相姦により48人の大家族となった一族が世間との交流を断ち、洞窟に隠れ暮らしていたという伝説がある。一切の教育を受けなかった子ども、孫世代は言葉も満足に話せなかったが、親に絶対服従し、生きるために人を殺してその肉を食べながら生き延びていたのだという。
【近親相姦48人】ソニー・ビーン! 現代でも語り継がれる、禁断の人喰い伝説とは?=スコットランド – エキサイトニュース

原作では、このソニー・ビーン一族のような食人族にも、彼らなりの文化が存在することが描かれています。

5.ザ・ウーマン(2011)

「襲撃者の夜~食人族the Final~」の続編となる「ザ・ウーマン」。原作の同名小説には、映画では語られない後日談も収録されています。

https://matome.naver.jp/odai/2149659831040751301/2149668300794807703
「強さが美しさであるなら、彼女は美しい」。
原作ではそう表現される食人族の長・ウーマン。

https://matome.naver.jp/odai/2149659831040751301/2149668300794807803
そんなウーマンを捉えて飼育するおかしな家族。

https://matome.naver.jp/odai/2149659831040751301/2149668300794807903

「MAY -メイ-」のラッキー・マッキー監督がホラー小説界の異才ジャック・ケッチャムとのコラボで撮り上げたバイオレンス・ムービー。ケッチャムのデビュー作『オフシーズン』の続編を原作とした「襲撃者の夜」に登場した食人女が再登場し、鬼畜親父と遭遇したことで辿る衝撃の顛末を過激なバイオレンス描写満載に描く。主演は「襲撃者の夜」のポリアンナ・マッキントッシュ、共演にショーン・ブリジャース。有能な弁護士クリスは森にハンティングに出かけて野生の女と遭遇、獲物として捕獲するとそのまま自宅の倉庫に手足を縛りつけて監禁する。それを妻や子どもたちにも自慢げに見せびらかすクリスは、女を家畜のように飼育し、サディスティックに調教し始めるのだったが…。
映画 ザ・ウーマン – allcinema

ウーマンはもちろん凶暴なのですが…


https://matome.naver.jp/odai/2149659831040751301/2149668300794808203
一見普通のこの家族が抱える闇にこそ、恐怖を感じる人が多いのではないでしょうか。

6.XX

気になる!
2017年に公開されたばかりの映画「XX」。女性監督4人によるホラーオムニバスである同映画の中に、1994年にブラムストーカー賞の最優秀短編賞を受賞した「The Box」を原作としたストーリーが含まれています。開けばおぞましい顔と対面することになる、謎の箱にまつわる恐怖物語。

The stand-out of the anthology, Vuckovic’s “The Box,” tells the deceptively simple story of a family whose life is changed one day on the train when the young Danny (Peter DaCunha) looks in a box carried by a fellow passenger. From that day on, Danny simply stops eating, without any reason except, as he says, there seems to be no point. His self-starvation is contagious and first his sister, Jenny (Peyton Kennedy), and then his father Robert (Jonathan Watton) also stop eating.
XX: What’s in the Box? | Horror Movie | Horror Homeroom

訳:XXの中でも注目すべきはヴコヴィッチ監督の「The Box」。この短編はシンプルな家族の物語。ある日、息子のダニー(演:ピーター・ダクンハ)は電車の中で、ある乗客が手にする箱の中身を覗いてしまう。ここから家族の人生は変化する。
その日からダニーは理由もなく食べることをやめてしまう。そしてこう語る。「(食べることに)なんの意味があるの?」。
彼の自発的飢餓は家族に伝染していく。まず彼の妹ジェニー(演:ペイトン・ケネディ)、そして彼の父、ロバート(演:ジョナサン・ワットン)へと。

母親であるスーザンを演じるのは、ナタリー・ブラウン。

その箱の中には何が入っているのか

人を変える「謎の箱」。あなたは覗く?覗かない?

▼怖そう!でも観たい!

怖いけどなぜか惹き込まれる筆力を持ったジャック・ケッチャム原作のホラー映画たち。あなたはどれを観る?

▼関連まとめ

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2017年06月06日