【2017年】要チェック!!話題の人文・社会系出版物まとめ【随時追加】

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独断で2017年の注目すべき人文・社会系の出版物をリストアップ。本年中に刊行予定の、重要な/話題の専門書の中から一般の人でも読みやすいものをセレクトします。随時追記。

哲学・現代思想

千葉雅也 『勉強の哲学』
2017年4月 文藝春秋

内容紹介

勉強ができるようになるためには、変身が必要だ。
勉強とは、かつての自分を失うことである。
深い勉強とは、恐るべき変身に身を投じることであり、
それは恐るべき快楽に身を浸すことである。
そして何か新しい生き方を求めるときが、
勉強に取り組む最高のチャンスとなる。

なぜ人は勉強するのか?
勉強嫌いな人が勉強に取り組むにはどうすべきなのか?
思想界をリードする気鋭の哲学者が、
「有限化」「切断」「中断」の技法とともに、
独学で勉強するための方法論を追究した本格的勉強論。

倉下 忠憲@rashita2

とりあえず、『勉強の哲学』はAmazonで予約注文しておいた。
東浩紀『ゲンロン0――観光客の哲学』
2017年4月 株式会社ゲンロン

内容紹介

否定神学的マルチチュードから郵便的マルチチュードへ――。
ナショナリズムが猛威を振るい、グローバリズムが世界を覆う時代、新しい政治思想の足がかりはどこにあるのか。
ルソー、ローティ、ネグリ、ドストエフスキー、ネットワーク理論を自在に横断し、ヘーゲルのパラダイムを乗り越える。
著者20年の集大成、東思想の新展開を告げる渾身の書き下ろし新著。

Lipica@Lipi_ka

ゲンロン0読み進めていくほどに、東浩紀の集大成って感じがすごい
國分功一郎『中動態の世界 ――意志と責任の考古学』
2017年3月 医学書院

内容紹介

自傷患者は言った「切ったのか、切らされたのかわからない。気づいたら切れていた」。依存症当事者はため息をついた「世間の人とは喋っている言葉が違うのよね」
――当事者の切実な思いはなぜうまく語れないのか? 語る言葉がないのか? それ以前に、私たちの思考を条件付けている「文法」の問題なのか?
若き哲学者による《する》と《される》の外側の世界への旅はこうして始まった。ケア論に新たな地平を切り開く画期的論考。

yat@yat_tay_yat

中動態の世界。とても面白かった!言語の歴史と哲学の歴史の二つの主題がソナタみたいに展開して音楽を途中で聴きやめられないのと同じく一気に読み終えてしまった。終章が文学についてなのもグッときた。

дракон@heherhere

『ゲンロン0』読み終わったら『中動態の世界』を読んで、それから『勉強の哲学』かな。充実した哲学の春ですね。
山戸俊弘『ジオコスモスの変容』
2017年2月 勁草書房

内容紹介

近代科学の創始者であるガリレオやニュートンが活躍した17世紀。天動説と地動説をめぐって論争が繰り広げられ、世界と歴史の理解が大きく変わったこの科学革命の時代に、知識人たちは化石、鉱物、火山活動、気象といったものから、地球がどのようなものだと考えていたのか。デンマーク人ステノを案内人に、「ジオ・コスモス」(大地の世界)観の変容を読み解く。

某夜気@bouyaki

山田俊弘『ジオコスモスの変容 デカルトからライプニッツまでの地球論』(勁草書房、2017)を読んだ。ピックアップした論者の生涯と主張と関わり合いから、17世紀ヨーロッパで地球をめぐる議論はどう変わっていったのかを論じている。新知識を得るとは、古い知識を見直すということだとわかる。
高村峰生 『触れることのモダニティ』
2017年3月 以文社

内容紹介

プラトン、アリストテレス以来の西洋文明の伝統では、触覚はしばしば「最も下等な」感覚と捉えられ、知的なものや詩的なものと結び付いた「高貴な」感覚である視覚と対置されてきた。本書は、モダニズムの時代の芸術、文学、哲学の検討を通じ、20世紀前半における触覚の言説やイメージがこのような感覚の伝統的な階層区分に対して転覆的機能を持っていることを示す。そしてそのような転覆は、動物と人間、原始的なものと文明的なものなどの区分の揺らぎとも関わり、この時代の西洋的な価値体系の地殻変動にも連なっている。

星野太『崇高の修辞学』
2017年2月 月曜社

内容紹介

われわれが用いる言葉のうち、およそ修辞的でない言葉など存在しない。美学的崇高の背後にある修辞学的崇高の系譜を、ロンギノス『崇高論』からボワローらによる変奏を経て、ドゥギー、ラクー=ラバルト、ド・マンらによるこんにちの議論までを渉猟しつつ炙り出す。古代から現代へと通底する、言語一般に潜む根源的なパラドクスに迫る力作。

社会学

北田暁大(編)『社会にとって趣味とは何か』
2017年3月 河出書房新社

内容紹介

来るべき文化研究の方法規準とはいかなるものか? 気鋭の社会学者たちが問う。ブルデューの遺産を乗り越え、「ふつうの社会学」へ。

mola-mola@168200168200168

『社会にとって趣味とは何か 文化社会学の方法基準』
まだパラパラめくっただけだけど。
ヲタクについてなんとなくこういうものだろうって思っていること。
実は微妙に違うよって意外な事実が次々判明しそう。
古典小説はサブカル好きにサブカル的に読まれてるとか。
C・ライト・ミルズ『社会学的想像力』
2017年2月 ちくま学芸文庫

内容紹介

なぜ社会学を学ぶのか。抽象的な理論や微細な調査に明け暮れる現状を批判し、個人と社会を架橋する学という原点から問い直す重要古典、待望の新訳。

ならず者@HodgePodge_1987

C.W.ミルズ『社会学的想像力』が、今新訳されて出されたことは、偶然にしろ意図的にしろ、とても大きな事だと思う。読み進めて思うが、これは<いまここ>にこそ必要な「想像力」だと思えて仕方ない。

人類学

『現代思想 2017年3月臨時増刊号 総特集◎人類学の時代』
2017年2月 青土社

内容紹介

人類学のこれからを最新の知見から解き明かす

人間と自然との関係性のネットワークを再考しながら、
今とは別の生のあり方を構想する試み。
「存在論的転回」を果たした人類学の汲み尽くしえないポテンシャルを総覧。
『現代思想*人類学のゆくえ』の続編にもあたる、人類学の最前線。

石川尚彦@NaohikoIsikawa

[青土社:現代思想2017年3月臨時増刊号 総特集=人類学の時代] seidosha.co.jp/book/index.php… 昨今は人類学が熱いのか?勿論、当然のことながら買って読みます!
石井美保『環世界の人類学』
2017年2月 京都大学学術出版会

内容紹介

絶え間ない変化の中で、神霊の力に満たされた野生の領域とのつながりを創りだしてきた南カナラの人々。顕在と潜在の間を往来するその営みに焦点を当て、人々とその環世界の生成と変容の過程を描きだす。人間と野生の力との出逢いと交渉を、生物と生そのものとのパトス的な関係性としてとらえなおす、新しい「環世界の人類学」の誕生。

kamomé@goeland_argente

環世界の人類学:南インドにおける野生・近代・神霊祭祀 / 石井 美保
kyoto-up.or.jp/book.php?id=21…
石井先生が2冊目のモノグラフ。未読だけれど、彼女が断片的に公刊してきた論稿から、すごく綿密な調査に基づいていると考えられる。すごいなぁ。
里見龍樹『「海に住まうこと」の民族誌』
2017年2月 風響社

サンゴを積み上げた人工の島に暮らす人々。悠久の昔から続く南洋の長閑な風景と見まがう。だが、ひとびとの日常に深く寄り添うと、そこには絶えざる変化と切り結ぶ日々新たな生活があった。同時代を生きる者同士としての共振から新たな民族誌を展望。

niki@BLTTBLUE

まだ発売されてないのかな。読んでみたい。
里見龍樹『「海に住まうこと」の民族誌』風響社。 pic.twitter.com/Lw0xgMjs6M

美学

ボリス・グロイス『アート・パワー』
2017年2月 現代企画室

内容(「BOOK」データベースより)

商品かプロパガンダか?アートはどこから来て、今どこに向かおうとしているのか?コンテンポラリー・アートを牽引する美術批評家ボリス・グロイスによって明らかにされる美術の現在。

https://matome.naver.jp/odai/2149127792999912201
2017年04月06日