【妊婦は特に要注意】知っている様で知らない「ビタミン不足」

もちもち32
現代人が陥りやすいビタミン欠乏についてまとめました。

はじめに:「ビタミン」とは?

ビタミン(英語: vitamin)は、生物の生存・生育に微量に必要な栄養素のうち、炭水化物・タンパク質・脂質以外の有機化合物の総称である
ビタミン – Wikipedia

ビタミンの必要な量はとても少ないのですが、体の中でほとんどつくることができないので、食べ物からとることが必要です。
ビタミン | 栄養成分百科 | グリコ

食べ物からとることが大事

ビタミンは、エネルギー源や体をつくる成分ではありませんが、人が健全に成長し、健康を維持する働きをしています。

大きく分けて二種類のビタミン

水に溶ける水溶性ビタミンと、水に溶けずあぶらに溶ける脂溶性ビタミンに大きく分けられます。
ビタミン:農林水産省

吸収や排泄のされ方が違う
それぞれの性質から体への取り込まれ方や代謝に特徴があります

【水溶性ビタミン 】

尿などに排出されやすく、体の中にためておくことができません。必要な量を毎日とることが大切です。
ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンの9種類あります。
ビタミン:農林水産省

【脂溶性ビタミン】

あぶらと一緒にとると吸収率が上がります。排出されにくく、とりすぎると過剰症になるおそれがあります。
ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKの4種類あります。
ビタミン:農林水産省

なるほど、ビタミンA,D,E,Kには過剰症にも注意が必要なんですね
「DAKE」とおぼえましょう

ビタミン欠乏

ビタミン欠乏症(ビタミンけつぼうしょう)とは、ビタミンの不足によって起こる症状の総称である。発展途上国においては問題となっているが、日本ではあまり問題とはなっていないも、潜在性ビタミン欠乏症というビタミン欠乏症に近い症状も先進国の間では出始めている。
ビタミン欠乏症 – Wikipedia

潜在性ビタミン欠乏症とはビタミン欠乏症の具体的症状こそ現れていないながらも、その一歩手前の状態にあることを指しています。
本当は怖い?潜在性ビタミン欠乏症 | 葉酸サプリ人気ガイド

潜在性ビタミン欠乏
潜在性ビタミン欠乏症の症状としては、全身の倦怠感や脱力感、食欲不振などのいわゆる不定愁訴

具体的にビタミン毎に欠乏するとどういった症状を出すのか見ましょう

ビタミンA欠乏・過剰

ビタミンAは体内でレチノールとして働き、皮膚や粘膜、目を丈夫にして、免疫力を向上させます。
【医師監修】妊娠中・妊婦のビタミンの摂取について | ヘルスケア大学

欠乏状態では典型的には暗い所での視力が低下する「夜盲症」となります
夜盲症以外にも
・乾燥眼炎
・感染に対する抵抗力の低下
・成長不良
・骨・歯の発育不良と変形
・皮膚や粘膜の角質化
・皮膚の異常乾燥、色素沈着
・性腺の変性退行
などがみられる

しかし、多くとればいいというものではないようです

ビタミンA摂取の上限は2700μgRE。特に妊娠初期は、過剰摂取によって胎児に奇形が生じる可能性があるので注意が必要です。

アメリカの報告では、1日に4500μgRE以上摂取した妊婦は、1500μgRE未満の妊婦に比べ、水頭症や口蓋裂などの胎児奇形リスクが3.5倍になるとされています。
【医師監修】妊娠中・妊婦のビタミンの摂取について | ヘルスケア大学

ビタミンD欠乏・過剰

ビタミンDは、骨や歯に欠かせない栄養素です。カルシウムやリンの吸収を助けて血中カルシウム濃度を高め、骨や歯へのカルシウムの沈着を高めます。
【医師監修】妊娠中・妊婦のビタミンの摂取について | ヘルスケア大学

こどもでよく見られるビタミンD欠乏「くる病」
成人では「骨軟化症」「骨粗相症」になりうる

日照不足、日光浴不足、過度な紫外線対策、ビタミンD吸収障害、肝障害や腎障害による活性型ビタミンDへの変換が行なわれない場合などに、ビタミンD3が欠乏し、カルシウム、リンの吸収が進まないことによる骨のカルシウム沈着障害が発生し、くる病、骨軟化症、骨粗鬆症などが引き起こされることがある。
ビタミンD – Wikipedia

妊婦が1日に摂取したい推奨量は7.0μgで、上限は100μgです。過剰に摂取すると血中カルシウム濃度が上昇し、食欲不振や嘔吐、下痢などの症状があらわれる高カルシウム血症、腎機能障害を起こす可能性があります。胎児の歯牙形成に異常をきたすこともあるので注意しましょう。
【医師監修】妊娠中・妊婦のビタミンの摂取について | ヘルスケア大学

ビタミンE欠乏

溶血性貧血
細胞膜が弱くなり、赤血球が破裂する

ビタミンK欠乏

ビタミンKは、出血した時に血液を固めて止血する因子を活性化します。また、骨の健康維持にも不可欠で、骨にあるたんぱく質を活性化し、骨の形成をうながすことも知られています。このため、ビタミンKは骨粗しょう症の治療薬としても使われています。さらに、血管(動脈)の健康にも役立っています。
ビタミン | 栄養成分百科 | グリコ

ビタミンKが欠乏すると「出血傾向」が見られます
ビタミンKは、出血した時に血液を固めて止血する因子を活性化します。これが欠乏することで、出血しやすくなります。

妊娠時に摂りたい目安量は1日150μgです。

ビタミンKの場合は特に上限は設定されていませんが、妊娠末期に大量摂取すると新生児に高ビリルビン血症(黄疸などが起こる)があらわれることがあると報告されています。
【医師監修】妊娠中・妊婦のビタミンの摂取について | ヘルスケア大学

比較的頻度の高いビタミンB1欠乏「脚気」「ウェルニッケ脳症」

ビタミンB1は、糖質からのエネルギー産生と、皮膚や粘膜の健康維持を助ける働きをします。また糖質を栄養源として使っている脳神経系の正常な働きにも関係しています。
ビタミンB1 | ビタミン | 栄養成分百科 | グリコ

湿性脚気
多発神経炎
浮腫(むくみ)
心不全(脚気心、脚気衝心)
が三徴

脚気は、元禄年間に一般の武士にも発生し、やがて地方に広がり、また文化・文政に町人にも大流行し、「江戸患い(えどわずらい)」と呼ばれた。領地では貧しく白米を食することのできなかった地方武士も、江戸勤番では体面上白米を主食としたため、江戸在住期間が長引くとこの病いに罹る例が多かった。
脚気 – Wikipedia

ウェルニッケ脳症で見られる失調歩行
部分的眼球運動障害
運動失調
意識障害
を三徴とする
http://www.youtube.com/watch?v=aT-LDyymgmk

アルコールの多飲やインスタント食品の偏食による栄養の偏りなどが発症要因になる
ウェルニッケ脳症 – Wikipedia

ビタミンB3(ナイアシン・ニコチン酸)欠乏症

ナイアシンは、糖質、脂質、たんぱく質から、細胞でエネルギーを産生する際に働く酵素を補助する不可欠な働きをします。これは皮ふや粘膜の健康維持を助ける働きもすることになります。
ナイアシン | ビタミン | 栄養成分百科 | グリコ

上:ペラグラ  下:ナイアシン投与後
症状は3Ds
Dementia(認知機能障害)
Diarrhea(下痢)
Dermatitis(皮膚炎)

ビタミンB6欠乏

ビタミンB6は、タンパク質の合成を助けて皮膚や粘液を丈夫に保つ働きがあります。特に妊娠中は、つわりの原因であるアミノ酸の代謝不良を整える効果が期待できます。
【医師監修】妊娠中・妊婦のビタミンの摂取について | ヘルスケア大学

ビタミンB9(葉酸)欠乏症

葉酸は、たんぱく質や細胞をつくる時に必要なDNAなどの核酸を合成する重要な役割があります。
葉酸 | ビタミン | 栄養成分百科 | グリコ

葉酸の欠乏症は、妊娠や授乳による要求量の増加、小腸の病理的変化、アルコール中毒、メトトレキサートなどの薬剤投与によって引き起こされる。
葉酸 – Wikipedia

葉酸は、水溶性ビタミンB群の一種です。胎児の脳や神経の発達に欠かせない栄養素で、特に妊娠初期に必要となります。妊娠時の推奨量は1日あたり480μgです。水溶性ビタミンは調理によって失われがちなため、食事のほかにサプリメントで1日400μgを摂るのが望ましいとされています。ただし、上限は900~1000μg程度なので過剰摂取はしないでください。
【医師監修】妊娠中・妊婦のビタミンの摂取について | ヘルスケア大学

特に妊娠初期に必要
妊娠期に葉酸が欠乏すると、胎児に神経管閉鎖障害が起こり、重度の場合は死に至る。また、無脳児の発生のリスクが高まる。

ビタミンB12欠乏症

ビタミンB12は、葉酸と協力して赤血球中のヘモグロビン生成を助けています。また、脳からの指令を伝える神経を正常に保つ役割もあります
ビタミンB12 | ビタミン | 栄養成分百科 | グリコ

亜急性連合性脊髄変性症のしびれ症状
巨赤芽球性貧血
ハンター舌炎
末梢神経炎
亜急性連合脊髄変性症
手足のしびれや精神的落ち込み

ビタミンC欠乏症「壊血病」

ビタミンCはコラーゲンの生成を助け、皮膚や骨、血管を丈夫にしたり、免疫力をアップさせたりと、人体に欠かせない栄養素です。
【医師監修】妊娠中・妊婦のビタミンの摂取について | ヘルスケア大学

歯肉の出血およびそれに伴う歯の脱落、変化
他にも、コラーゲンごうせいの低下により
・創傷治癒の遅れ
・低色素性の貧血
・感染への抵抗力の減少
・古傷が開く
等の症状が見られる

16世紀から18世紀の大航海時代には、この病気の原因が分からなかったため、海賊以上に恐れられた。ヴァスコ・ダ・ガマのインド航路発見の航海においては、180人の船員のうち100人がこの病気にかかって死亡している。
壊血病 – Wikipedia

妊婦は鉄欠乏性貧血になりやすいため鉄分の摂取が大切ですが、その際はビタミンCも一緒に摂るようにすると効果的です。1日に摂取したいビタミンCの量は妊娠時では110mgです。
【医師監修】妊娠中・妊婦のビタミンの摂取について | ヘルスケア大学

おわりに

発展途上国や、明治以前の日本など、飢餓状態・栄養失調と関係が深い話でした。
ですが、妊婦さんやアルコール多飲者にとってはけっして現代でも無関係では無いことがわかっていただけたと思います。

妊婦さん向けです

https://matome.naver.jp/odai/2149048484222190101
2017年03月30日