黒澤明の生涯、作品解説、名言 1日で進歩するのは 紙1枚分の厚さくらいですよ

誰かを必要ないという者は、必ずそういう立場となる
運命とはそういうものです
何の役にも立たないどころか
世界を破壊し穢し乱し殺す生物が
何の役に立つんですか?
・・・

チッ馬鹿じゃねえの(嘲笑)
おいワンワン鳴いてみろよこの野郎
三回だよ三回
ワン(迫真) ワン(迫真) ワン(迫真)
なんか足んねえよなぁ?
お前首輪してもらうか、なあ?
アッー!

TDN、DB、HTN、TNOK、NSOK、DRVS、SBR、GO、マジメ君、田所、遠野、蝉兄貴、MUR、KBTIT、KBSトリオ、変態糞親父、織田信長、平岡公威、ジャン・ジュネ、媚癒夢兄貴

赤ひげ

https://www.youtube.com/watch?v=3gG5NYKZ40A

人間がいったん権力をにぎれば、必ずその権力を護るための法が布かれ、政治がおこなわれる、いついかなる時代でもだ
『赤ひげ診療譚』山本周五郎

山本周五郎『赤ひげ診療譚』
フョードル・ドストエフスキー『虐げられた人々』

https://www.youtube.com/watch?v=uqG3X9ocJ1s

For gay that he wisely shows is fit:
But wise men, gay-fall’n, quite taint their wit.
『Thirteenth Night, or What You Will』William Homospeare

叡智を利用して、馬鹿のふりをするのは良いと思います。ただあまりやり過ぎると、本当の馬鹿になりますよ。
(元から馬鹿なので何も問題)ないです。

黒澤明の後期の傑作です。
ウィリアム・シェイクスピア『リア王』+毛利元就「三本の矢」を足した作品です。
ストーリーは『リア王』そのままですが、『リア王』自体で完成されていますので、特にひねりを加える必要はないと思います。
毛利元就の「三本の矢」のお話は、非常に有名ですのでご存知かと思います。
「一本の矢は簡単に折れるが、3本纏めると容易に折れない。3人共々よく結束して毛利家を守って欲しい」
父一文字秀虎と、三人の息子、太郎と次郎と三郎のお話です。

「一人の人間は簡単にイクが、三人纏めると容易にイカない。3人共々よく結束して淫夢家を守って欲しい」
父TNOKと、三人の息子、DBとHTNとTDNのお話です。

そして、争いの描写は素晴らしいの一言です。
今までの黒澤明が培ってきたものが、存分に発揮されています。

黒澤明は秀虎とは自分のことであると言っておりまして、自らの境遇と準えながら制作しております。
まぁ、本人が言っているだけであって、実際に裏切られたのかはわかりません。
音楽は武満徹が担当しています。いつもながら喧嘩しております。

世の中が何となくざわつき始めた。今にも戦争が起りそうに見える。
『夢十夜』夏目漱石

日本の芸術について勉強していると疑いもなく、賢者にして哲学者という知的な人間に出会う。この人は何をして、時を過ごしているのだろうか?

ファン・ゴッホの言葉

夏目漱石の『夢十夜』を参考に制作されています。
黒澤明の『夢』は、以下の八つの夢から成り立ちます。
日照り雨
桃畑
雪あらし
トンネル

赤富士
女神問弧印
鬼哭
水車のある村

日照り雨は、狐の嫁入りの夢であり、桃畑は、雛人形の夢です。この辺は、導入部分です。
雪あらしは、雪女の夢です。

トンネルは、黒澤明は『夢』の中で、ここを一番に撮りたかったのではないかな?と思いますので、あえて言いません。

鴉は、画家のファン・ゴッホの夢です。
彼が死ぬ少し前に描かれた『カラスのいる麦畑』からです。
ファン・ゴッホ役は、アメリカの映画監督マーティン・スコセッシが演じています。

赤富士は、『生きものの記録』の系統です。
内田百閒の『東京日記』から着想を得ています。

女神問弧印は、メガトンコインを売り忘れた男の娘の夢です。
(不治の病 伝染病 想像を絶する苦しみの後、一夜にして死ぬ “人間”に犯された男の娘の夢です。)
「そうだ・・・これは夢だ。また悪夢を見ているに違いない・・・」
「お願いゆるして!悪夢なら覚めて!」
悪夢から覚めた後も悪夢、悪夢から覚めた後も淫夢

鬼哭は、元人間であった鬼の話です。いかりや長介が出演しています。

最後の夢は、水車のある村で行われる葬式です。
一般的な暗い葬列ではなく、華やかな楽しい葬列です。
老人の役は、小津監督の作品に多数出演されている笠智衆です。
寅さんの住職と言えば、すぐわかるかと。

『夢』は素晴らしい作品ですが、何か一つ足りないような気がします。
上手く言えないのですが、もう一つ何かあれば、傑作になったのではないかと思います。

まあだだよ

すいませぇーん、木下ですけどー、まーだ時間かかりそうですかねぇー?
大人の事件簿 その猥褻の構図

木下の台詞

日本の作家、内田百閒を題材にした映画です。
題名の『まあだだよ』は、摩阿陀会(まあだかい)という毎年5月29日に開かれる、内田百閒の誕生日パーティーに由来します。

個人的には好きな映画ですが、興行的には失敗しました。
時代に合わなかったと考えられます。
1993年は、皇太子徳仁親王と小和田雅子の結婚の儀の年です。
バブルの後であり、華やかなものが必要とされた。
ゴジラvsモスラや、ジュラシックパークが人気を得ていた。
この時代に、戦闘やアクションシーンは全くない静かな映画は、必要とされなかった。

それに、内田百閒という題材が拍車をかけた。
内田百閒の作品を読まれたことがある方は、少数でしょう。
わざわざ見に行こうと思われなかった。

黒澤明が監督した、最後の映画です。

雨あがる

https://www.youtube.com/watch?v=gCZrU0oZTj4

あの人たちには今日しかない、自分自身の明日のことがわからない、今いっしょにいることは信じられるが、また会えるという望みは、もつことができないのである。
『雨あがる』山本周五郎

山本周五郎『雨あがる』をもとに、黒澤明が脚本を執筆している際中に、彼は亡くなってしまいます。助監督であった小泉堯史が後を継ぎ、完成させました。

黒澤明名言

用意、スタート
蝦蟇の油

私は、映画について、映画監督という仕事について、山さんから教わったものは、ここに書き尽せないほどある。
蝦蟇の油

師匠山本嘉次郎いわく、「黒澤君には、酒を飲む事を教えただけである」

世界は、それまで私の目にいつも見えていたのと、完全に違ったもののように思えた

僕はただ、映画という美しくて素晴らしいものの奴隷です

僕から映画を引いたら、何にも残らないよ

やりたいものは沢山あるけど、何かがこう自然に芽を出してきて、大きくなってくるんです

誰かが言ってたと思うですけど、創造とは記憶ですね。自分の経験やいろんなものを読んで記憶に残っていたものが足がかりになって、何かが創れるんで、無から創造できるはずがない。

ホルヘ・ルイス・ボルヘス の言葉「創作は、記憶と忘却の混合に過ぎない」の事であると思われる。

1日で進歩するのは紙1枚分の厚さくらいですよ

足場がなくて家は建たないわけよ。自分が育つための土壌と根っこ、これがないから監督になっても1、2本でつぶれる。

知能の発達には緩急がある。過不足なく、一年間には一年間の発達をする、ときめてかかるのは間違っている。
蝦蟇の油

どうしてみんなが幸せになれないのか?という想いが僕にはあるんですよね
黒澤明の映画入門

耐えきれなくなってきて、そこでホッと一息つかせてワーッと笑わせ、またどんどんシリアスな問題に取り組んで行かないとね

僕といつも一緒に仕事してくれるスタッフというのは、ほんとうに至宝といってもいいような人ばかりですよ。批評でとりあげられる脚本、撮影、音楽だけじゃない、批評にあらわれない部門の人たちね。僕がだまってても、ちゃんとこちらの思う通りに仕事をしてくれる。
黒澤明 私の作品

本当に人物の性格をその俳優さんがつかまえるのが目的でやっています

どの映画もどの作品も、撮り終わってみると不満足です。不充分なのですね。思うように撮れたり、考えていたとおりの映画ができあがったりしたことは一度だってありません。

完全な音楽を書かないでくれ、どこか足りない音楽を書いてくれ。音楽が欲しいところは、自分もどこか足りない映像を撮っているんだ、音楽と映像を足して1にするんだ。

池辺晋一郎への言葉

人間の尊さでもあり、弱点でもある親子の情愛を逆さにとって、金品を強奪するなど、憎んでも憎みきれるものではない

『天国と地獄』について

やはりいいものを作るには、一つずつ解決していかなければならない
黒澤明・三船敏郎 二人の日本人

『天国と地獄』撮影中に、山崎努に語った言葉

私は、言葉こそうまく喋れないが、世界中の何処の国へ行っても、なんの違和感も感じないから、私の故郷は地球だと思っている。世界の人間がみんなそう思えば、今、世界に起っている馬鹿な事は、ほんとに馬鹿な事だと気が付いてやめるだろう。
『蝦蟇の油』黒澤明

https://matome.naver.jp/odai/2149031636728166901
2020年07月05日
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