世の中、あなたが思っているほど怖くないよ。大丈夫。
自分には、この人間関係しかないとか、この場所しかないとか、この仕事しかないとかそう思い込んでしまったら、たとえ、ひどい目にあわされても、そこから逃げるという発想を持てない。呪いにかけられたようなものだな。
「昨夜のカレー、明日のパン」/木皿泉
逃げられないようにする呪文があるのなら、それを解き放つ呪文も、この世には同じ数だけあると思うんだけどねぇ。
「昨夜のカレー、明日のパン」/木皿泉
人は変わっていくんだよ。それはとても残酷なことだと思う。でもね、でも同時に、そのことだけが人を救ってくれるのよ
「昨夜のカレー、明日のパン」/木皿泉
*余談
2016年、仲里依紗主演、ドラマ化。下記、リンクです。
自分が楽に生きられる場所を求めたからといって、後ろめたく思う必要はありませんよ。
中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、季節が初夏へと移り変るひと月あまりを、西の魔女のもとで過した。西の魔女ことママのママ、つまり大好きなおばあちゃんから、まいは魔女の手ほどきを受けるのだが、魔女修行の肝心かなめは、何でも自分で決める、ということだった。喜びも希望も、もちろん幸せも……。
サボテンは水の中に生える必要はないし、蓮の花は空中では咲かない。シロクマがハワイより北極で生きる方を選んだからといって、誰がシロクマを責めますか。
「西の魔女が死んだ」/梨木香歩
何が幸せかっていうことは、その人によって違いますから。 まいも、何がまいを幸せにするのか、探していかなければなりませんね。
「西の魔女が死んだ」/梨木香歩
最初は何も変わらないように思います。そしてだんだんに疑いの心や、怠けの心、あきらめ、投げやりな気持ちが出てきます。それに打ち勝って、ただ黙々と続けるのです。
「西の魔女が死んだ」/梨木香歩
そして、もう永久に何も変わらないんじゃないかと思われるころ、ようやく、以前の自分とは違う自分を発見するような出来事が起こるでしょう。そしてまた、地道な努力を続ける。
「西の魔女が死んだ」/梨木香歩
*余談
2008年、映画化。自然が美しく、癒されます。おすすめです。下記、リンクです。
困難に向かい合ったとき、もうだめだ、と思ったとき、想像してみるといい。
OL二ノ宮こと葉は、想いをよせていた幼なじみ厚志の結婚式に最悪の気分で出席していた。ところがその結婚式で涙が溢れるほど感動する衝撃的なスピーチに出会う。それは伝説のスピーチライター久遠久美の祝辞だった。空気を一変させる言葉に魅せられてしまったこと葉はすぐに弟子入り。久美の教えを受け、「政権交代」を叫ぶ野党のスピーチライターに抜擢された!目頭が熱くなるお仕事小説。
困難に向かい合ったとき、もうだめだ、と思ったとき、想像してみるといい。三時間後の君、涙がとまっている。二十四時間後の君、涙は乾いている。二日後の君、顔を上げている。三日後の君、歩き出している
「本日は、お日柄もよく」/原田マハ
愛せよ。人生において、よきものはそれだけである
「本日は、お日柄もよく」/原田マハ
本作に登場するジョルジュ・サンドの名言です。
*余談
2017年、比嘉愛未主演ドラマ化。下記、リンクです。
世界は別に私のためにあるわけじゃない。
家族という、確かにあったものが年月の中でひとりひとり減っていって、自分がひとりここにいるのだと、ふと思い出すと目の前にあるものがすべて、うそに見えてくる―。唯一の肉親の祖母を亡くしたみかげが、祖母と仲の良かった雄一とその母(実は父親)の家に同居する。日々のくらしの中、何気ない二人の優しさにみかげは孤独な心を和ませていくのだが…。世界二十五国で翻訳され、読みつがれる永遠のベスト・セラー小説。
だから、嫌なことがめぐってくる率は決して変わんない。自分では決められない。だから他のことはきっぱりと、むちゃくちゃ明るくした方がいいって。
「キッチン」/吉本ばなな
もっともっと大きくなり、いろんなことがあって、何度も底まで沈み込む。何度も苦しみ何度でもカムバックする。負けはしない。力は抜かない。
「キッチン」/吉本ばなな
一生懸命やってもうまくいくことばかりじゃないし、努力すれば許されるものでもない。
正体不明、明らかに年下。なのに「お兄ちゃん」!?結婚を控えた私の前に現れた謎の青年。その正体と目的は?人生で一番大切なことを教えてくれる、ウェディング・ストーリー。
「仕事なんて、うまくいかないのがふつうです。」社会に出れば、要領とか情熱とかそういうものでは動かせないものがたくさんある。
「春、戻る」/瀬尾まいこ
思い描いたように生きなくたっていい。つらいのなら他の道を進んだっていいんだ。自分が幸せだと感じられることが一番なんだから。
「春、戻る」/瀬尾まいこ
たまには不機嫌そうな顔もして、周りにも気を使わせてやった方がいいのよ。
地味な派遣社員の三智子は彼氏にフラれて落ち込み、食欲もなかった。そこへ雲の上の存在である黒川敦子部長、通称“アッコさん”から声がかかる。「一週間、ランチを取り替えっこしましょう」。気乗りがしない三智子だったが、アッコさんの不思議なランチコースを巡るうち、少しずつ変わっていく自分に気づく(表題作)。読むほどに心が弾んでくる魔法の四編。読むとどんどん元気が出るスペシャルビタミン小説!
そうよ、あなた、いつもニコニコ優等生過ぎるのよ。だから、なめられるの。たまには不機嫌そうな顔をして、周りにも気を使わせてやった方がいいのよ。
「ランチのアッコちゃん」/柚木麻子
ダメって思ったら、ぱっと離れて、次の手考える!いちいち落ち込まない!身をすくませているうちに、何かは出来るかもしれないじゃないですかぁ。
「ランチのアッコちゃん」/柚木麻子
*余談
2015年、蓮佛美沙子・戸田菜穂主演ドラマ化。下記、リンクです。
俺はきみに言いたいんだーきみの持っている劣等感は、単なる思い込みなんだって。
盗聴専門の探偵、それが俺の職業だ。目下の仕事は産業スパイを洗い出すこと。楽器メーカーからの依頼でライバル社の調査を続けるうちに、冬絵の存在を知った。同業者だった彼女をスカウトし、チームプレイで核心に迫ろうとしていた矢先に殺人事件が起きる。俺たちは否応なしに、その渦中に巻き込まれていった。謎、そして…。ソウルと技巧が絶妙なハーモニーを奏でる長編ミステリ。
きみのどこかに欠点があるとすれば、それは自尊心を持たずに生きていることなんだって。
「片眼の猿」/道尾秀介
人間というのは結局、記憶なのではないだろうか。姿かたちが人間をつくるのではないし、見聞きしてきた事実が人間をつくるのでもない。
「片眼の猿」/道尾秀介
事実の束をどう記憶してきたか。きっとそれが人間をつくるのだろう。そして、その事実の束をどう記憶するのかは、個人の勝手だ。自分自身で決めることなのだ。
「片眼の猿」/道尾秀介
もっと胸を張って、堂々と生きなさい。
同棲していた恋人にすべてを持ち去られ、恋と同時にあまりに多くのものを失った衝撃から、倫子はさらに声をも失う。山あいのふるさとに戻った倫子は、小さな食堂を始める。それは、一日一組のお客様だけをもてなす、決まったメニューのない食堂だった。
人は、いつも澄んだ気持ちでなんかいられないと思う。みんな、濁り具合の程度の差こそあれ、心の中を満たしているのは泥水だ。
「食堂かたつむり」/小川糸
きちんと地面に足をつけて、呼吸しなさい。あなたみたいに偏屈な子どもは、もっといっぱい遊んで、恋をして、世界を広げなさい。
「食堂かたつむり」/小川糸
悲しいのに、幸せな気持ちにもなれるのだ―。七年前、二十五才という若さであっけなく亡くなってしまった一樹。結婚からたった二年で遺されてしまった嫁テツコと、一緒に暮らし続ける一樹の父・ギフは、まわりの人々とともにゆるゆると彼の死を受け入れていく。なにげない日々の中にちりばめられた、「コトバ」の力がじんわり心にしみてくる人気脚本家がはじめて綴った連作長編小説。