【閲覧注意】死ぬほど洒落にならない本当にあった怖い話『田辺君と僕』

usagiman63
【閲覧注意】死ぬほど洒落にならない本当にあった怖い話『田辺君と僕』

田辺君と僕

僕が小学校3年の時、
田辺君という子と仲が良かった

田辺君はユリゲラーの真似だ!
と言って目の前でスプーンをグニャリ曲げた

僕はスプーンをもとに戻そうとしたけど
固くてダメだった

その手品のタネ教えてよと頼んだけど、
田辺君は教えてくれなかった

夏休みが終わり
学校に登校してみると、
田辺君の席がなかった

クラスメートがチラチラ僕を見てた

担任が出席を取った時、
田辺君の名前を呼ばなかった

田辺君は転校したのか?
と僕は思った

担任もクラスメートも
なぜ田辺君について何も言わないのだろう
と不思議に思った

その時、担任が僕の名前を呼んだ、
前に出てこいと言ったんだよ

クラスメートたちが
さらにチラチラ僕を見てた

誰も田辺君なんか知らないと言ってた

教室の中に知らないヤツが堂々と座ってたので
みんな気味が悪いからチラチラ見てたんだって

知らないヤツとは僕のことさ

自己紹介する前に席に座ってる僕を見て
担任はなんて神経の太い子だろうと驚いてたんだって

僕にはみんなで勉強した1学期の記憶がある

その中には当然、
田辺君とすごした記憶が鮮明にある

でも先生やクラスメートの1学期の記憶の中には
田辺君と僕は存在しない

夢日記

夢日記をつけると気が狂ってしまう。

そんな噂を聞いたことはないだろうか?

夢日記とは、夢の内容を日記に付けるというシロモノだ

こんなのはただの都市伝説だ。

君もそう思ってるのではないだろうか?

これは俺の知ってるある男の話だ

その男も夢日記をつけていた。

その内容もたわいもないもので

悪夢もあれば普通の夢、
不思議な夢とたくさんある。

夢にはいろんな種類がある…らしい

たとえば、
夢の内容に色が付いてる人もいれば
白黒で見る人もいるらしい

俺は色が付いてる派だから
白黒というのはよくわからないが
まぁ、テレビで見る
白黒テレビみたいな感じだと思えばいいのだろう。

最初に「ん?」と思ったのは
そいつが、

「そういえば、この前かしたゲームどうだった?」

と聞いてきたときだ。

ゲームなど借りていない…

強いて言うなら
2ヵ月前にちょっと興味のある大作ゲームを
2,3日借りただけだ。

それをいうと、そいつは

「ん…そうだったか、悪かった…思い違いをしていた」

と照れ笑いしながら謝ってきた。

しかし、それからのことだった

そいつは毎回のように
妙な思い違いをするようになった。

挙句の果てに

「昨日の憲法の集中講義ってなにやったっけ?
全然覚えていない」

などといいだした。

覚えてないことが異常なのではない。

憲法の集中講義が明日であるのが異常なのである。

さすがに、これは妙だなと思った。

麻薬中毒者がよく陥るときく時間概念の欠如が
徐々に見られてきた

「明日は晴れだった」

「昨日はレポートを出す予定だ」

などだ

まぁ、中学生が英語を訳すときに出てくるような
不自然で誤った日本語を考えてもらえればいい。

こいつ、麻薬でもやっているのでは?と思った俺は
医者に行くように薦めた。

さすがに

「お前、ラリってるだろ」

とは言わなかったが…

最初は頑なに医者に行くことを拒否していたそいつも
俺の執拗な説得に折れて、
俺が同伴することでしぶしぶ医者に行くことを了承してくれた。

しばらく、そいつは別室で診察を受けた後にでてきて
待合室みたいなところで二人で待たされた

すると、看護婦が
俺に診察室に来るようにと伝えにきた。

(おいおい…実は俺が狂ってたってオチか?)

と思いながら
診察室で医者の話を聞いた。

医者は

「君は彼の親族者ではないようだけど、一応伝えておくよ
できれば、彼のご両親に伝えてほしいんだが…」

と前置きをして話し始めた

「彼から、麻薬の類の陽性反応は出なかったが、
確かに精神状態が少しおかしい。
ストレスからくる変調とも少し違うようだ…
ところで、彼は何か…その
日記のようなものを付けてなかったかわかるかい?」

俺は

「あぁ…たしか…そうだ。
夢日記をつけてるとか言ってました
内容は聞いたことありますが、
俺が英雄になってテロリストを倒すだの
懇意の女の子と結婚するとか、
他愛もないものばっかしでしたけど…」

というと、
医者は「やっぱり」と言って顔を曇らせた

そして、ある話を始めた

「これは…医学的なものではないので、
話半分で聞いてください
人間は「寝る」という行為で、
過去の記憶を整理していると考えられています。
その過程で出てくるのが「夢」だと私は考えています。
つまり、夢によっていらない記憶や
いる記憶を整理しているってことですね

そして…夢日記をつけると、
記憶の整理がごちゃごちゃになってしまうんですよ
日記をつけるという行為でせっかく消去すべきだった記憶が
形として残ってしまうんです。
そして、それがトリガーになって
記憶自体を刻みつけてしまうために、
記憶の消去とまではいかないんですよ
そのせいで、脳の容量というか…
記憶がごちゃごちゃになり
時間概念が狂ってしまうんですね…

これはただの私の仮説ですがね…
まれに夢日記をつけて
頭がおかしくなってしまったという患者がくるんで
私なりに考えてみたんですよ…
それで、彼のことなんですが夢日記をつけるのをやめれば
たまっていた記憶も整理されていくので、元に戻ると思います
夢日記をつけるのをやめさせてください」

話はそんな感じのことだった

信じるか信じないかはあなた次第だ

オレの曾爺ちゃんの話を書いてみようと思う。

と言っても曾爺ちゃんは
オレが物心付く前に死んでしまったので
爺ちゃんに聞いた話なのだけれど、
更にそれを思い出しながら書くので
辻褄合わせとかで多少脚色もするし長文なので、
色んな事をごかんべん。

オレの曾爺ちゃんは坊主だったらしい。

というか曾爺ちゃんの代まで坊主の家系だったそうだ。

そんでもって曾爺ちゃんは霊感(坊主だと法力か?)があったらしく、
除霊やら鎮魂やら何かと有名だったらしいが、
ありがたい崇高な霊力者とかって感じではなく、
変な能力は有るけれども
普通の多少目端の利く人だったようだ。

そんな曾爺ちゃんには、
人づてで何かとオカルトチックな依頼が来るらしく、
旅に出て家を空けることが多く、
爺ちゃんも寂しい思いをしていたようで、
いつも曾爺ちゃんが旅から帰ってきたら土産話を要求するのだが、
曾爺ちゃんは大抵当たり障りのない話ばかりをしていたそうだ。

まぁ、怨念やらの絡みになると
色恋沙汰や依頼者の恥部となる話になるのだから
口は堅かったのだろう。

前置き長かったけど、
数少ない旅の話の中から坊主を辞めた原因になった時の話。

そんな曾爺ちゃんに、
ある日どっかの地方から羽織袴の名士っぽい人が訪ねてきた。

曾爺ちゃんは見た目で
「祟られている」って判ったらしいが、
そんな事はおくびにも出さずに、
応接間に通して何事かと聞いてみたらしい。

その人は、某県の何処其処で
何々をしています誰々です~みたいな話を丁寧にはじめ、
話し口から名主っていうか纏め役みたいな家系って曾爺ちゃんは感じ、
その時曾爺ちゃんにお願いしたのは、
不幸な死に方をした女性の供養って位だったそうだ。

曾爺ちゃんは、
この人は隠し事が多いな~等と思いながら、
多少身の危険を感じたらしい。

霊的な危険って言うより、
殺しとかにこの人の家の者や知り合いが関わったのが
原因じゃないかと感じたそうだ。

それだと、
場合によっちゃ自分の身も危険だし。

取り敢えずその人には多少準備がかかるし
疲れたでしょって言って2・3日家に泊めて、
その間にその地方の議員さんやら親分・警察署長あたりの名前を調べ、
知人に紹介して貰って実際に電話したりして繋ぎをつくったりしたそうだ。

なかなか世俗チックな曾爺ちゃんだと思う。

そんな対人の下準備の後は、
今度はそれなりにも準備をして、

「じゃあ行きましょうか」

って事でその人の案内で地方に向かったそうだ。

地方に着いたら

「そう言えば●●先生はここに居られるそうだから挨拶したい」

とか何とか言って、
先に手を回しておいた議員やら署長やら親分に挨拶に行き、
自分に変に手を出したら後々厄介ですよ~って臭わせておいてから、
その人の家に行くことにしたそうだ。

その人の家は街から外れて幾つか山を越えた山間の村で、
村に近づくにつれて嫌な感じが強くなってきたので、

「これは村ごと祟られているな、
女一人を供養して済むのかね?」

って思ったらしい。

村に入ると
出会う人がどいつもこいつも祟りの影響を受けている。

流石に曾爺ちゃんも
村ぐるみの事件っぽい臭いがしてきて嫌になってきたが、
こんな辺鄙な場所から逃げ出すのも大変だと思い、
一応その人の家で詳しい事情を聞いてみることにした。

その人の家は結構大きかったらしく屋敷って感じで、
曾爺ちゃんの村の纏め役っぽいって予想は当たっていたらしい。

庄屋の家系の当代ってところ。

屋敷は門に入る前から恨まれている感じが臭いまくっており、
かなり業の深いことをしてしまった家系だと思いながら
家に入ったそうだ。

部屋に案内されて、
改めて話を聞くと
供養して欲しい女性は3名。

曾爺ちゃんは
屋敷の人間がその3名の死因に関わっていると思ったので、
その辺は深くは聞かずに村に何か起こっているのか聞いてみた。

どうやら村では殺人が連続して起こっているらしい。

しかも、事件や犯人を警察に届けていなくて、
犯人は土蔵に閉じこめたり納屋に縛ってあったり、
死因も事故死・病死って事にして医者に見せずに土葬にするなど
かなりヤバイ感じの処置をしていた。

現代なら(多分当時でも)
死体遺棄&不法逮捕監禁で引っ張られるようなやり方をするからには、
村人を外に出したくない理由があると思えること。

曾爺ちゃんは突っ込み所が多すぎるのをグッと我慢(自分の身の為)して、
まずは犯人の一人会って見ることにした。

多分この屋敷にも居るのだろうが、
当代に案内されたのは屋敷から少し離れた農家の納屋だった。

納屋の中はジメっとして糞尿の臭いが酷く、
中には怯えた感じで縮こまっている女性が一人柱に縛られていて、
曾爺ちゃんは憑かれていたなって思ったらしい。

曾爺ちゃんはこの女性はもう危険じゃないことを教え、
暫く安静にしていたら今より良くは成るだろうって言いはしたが、
殺したのは多分旦那か子供だなと感じて可愛そうに思ったそうだ。

この人への祟りはもう終わっているが、
多分完全に治ることは無いだろうって思えたらしい。

曾爺ちゃんは

「供養はするが、
あなた方は供養でどうにかなると思っているのかね?」

って話したらしいが、
他に当たっても祟りがあってからは
供養さえ怖がってしてくれないからお鉢が回ってきたらしく、
どうしても供養はして欲しいって事で
曾爺ちゃんは供養することにした。

お墓の位置は村外れの山道を進んで行った山にあるらしく、
昔はそこに寺が有ったが、
廃寺となった後はそのまま村の墓地として利用しているとのこと。

案内されてそこに近づくにつれて悪寒がしてくるし、
案内していた当代はどんどん顔色が悪くなってくる。

これは半端じゃないって思い、
とりあえず墓の方向に向かって経をあげて様子を見たが、
どうにもならない感じなのである程度の道筋を聞いて当代を帰したそうだ。

当代に活を入れて返した後、
暫く進むと何かにすれ違った。

曾爺ちゃんには姿は見えなかったが、
多分彼女らの誰かだろう。

その気配は当代を追うわけでもなく、
また、自分を追う様にも感じなかったので、
気を落ち着けながら先へ進むことにした。

山の斜面を這うように進む山道を歩いていくと開けた場所があり、
斜面にそって卒塔婆や墓石が並んでいるので
ここがその墓地だろうと感じて中に入っていくと、
多くの盛り土の墓の内に
この墓がそうと判るくらいの存在感がある墓が3つあったらしい。

曾爺ちゃんはそこで経をあげて供養を試みたが、
ずっと空気が重く、どっからか視線をずっと感じる。

「無理だな~業が深い」

と思って屋敷まで引き上げたる事にした。

屋敷まで戻った曾爺ちゃんは、
当代に供養試みたがこのままでは祟りは収まらないことを言った。

そして、

「あなた方は業が深いので言えないことも多いと思う。
三人を死なせたのにも関わっているだろう。
しかし、祟りが無かったものが何故祟る様になったのか
何でも話せる事があれば言いなさい」

と言ってみたそうだ。

当代も言い辛かっただろうが、
話した内容はこうだった。

父にあたる先代は乱暴で狡猾な人物だったそうで、
若い頃から問題ばかり起こしていたそうだ。

それでも先々代が存命の内はまだマシな方で、
先々代が亡くなると素行に歯止めが効かなくなった。

多くの村人を巧妙に利害で巻き込みながら悪事を繰り返し、
村では誰も逆らうことが出来なくなってしまったそうだ。

祟っている3名の死にも先代は関わっているらしい。

それから先代は三年前に実の妹に殺害された。

多分これが最初の祟りじゃないかとのこと。

そして、祟りで死ぬ前に
あの3名の女性と関わりのある男に罪を着せて殺している。

もちろん私刑だ。

それ以来、
村では身内や血縁者を殺してしまう事件が
時々起こるようになった。

曾爺ちゃんはこの話を聞いて、
その殺された男をまず供養しないと
この祟りは収まらないと思ったらしく墓の場所を訪ねた。

当代の答えは、

「墓はない、埋めただけになっている」

と話し、
埋めた場所に次の日に行くことになった。

曾爺ちゃんは、
その晩は屋敷には泊まらなかった。

明日の事を考えたら
ここで気力を消耗したくないって気持ちになったらしい。

次の日、
当代と村の男数名に案内されて
その男の埋まっている場所に出かけると、
そこは村はずれの藪の中だった。

ジメジメと腐った枯れ草が覆い被さり、
枯れ草の隙間から育ちが悪い感じの雑草が生えている高さの余りない盛り土があり、
近くには申し訳程度の供え物が朽ちていた。

曾爺ちゃんはちゃんと埋葬し直して
供養しないといけないと当代に言って掘り返させた。

大して掘り返さないうちに死体は現れ、
出てきた死体はやはり普通の状態ではなく
無惨に切り刻まれていて、
五体ばらばらどころか肉片がいくつも出てきたらしい。

ただ、不思議な事に三年前に死んだはずの死体は
腐敗せずに湿り気を帯びていたそうで、
曾爺ちゃんは「呪物になっているな」と感じたそうだ。

この辺の詳しい理屈は爺ちゃんには判らないらしいが、
多分殺された男は3名の女性を弔っていた者で、
そのことで3名の霊的な干渉良くも悪くも受けていたが、
殺された後は本人の無念も重なって、
3名の祟りの呪物化したのではないかって感じの話をしていた。

とにかく、
曾爺ちゃんは男の遺体から頭髪の一部を切り取った後は
全てカメに詰めて埋め直した後に経をあげて供養した。

供養といっても成仏させた訳ではないらしいが、
成仏させるわけにもいかなかったので、
その地で安息できるように色々したようだ。

頭髪の一部を切り取ったのは、
業が深すぎる件なので、
関わった自分への祟りも有ると思い、
この男を自分も供養しないと危ないと思ったかららしい。

曾爺ちゃんは当代にこんな注意をして別れたそうだ。

・あなたの直系は、子々孫々まで男の命日の供養を欠かさないこと。
・3名の墓を除いた墓地にある他の墓を村の近くに移すこと。
・墓を移したら誰も3名の墓に近づかないこと。
・祟りや3名の霊が現れることがあったら男の墓に供物を捧げ助命の願をかけること。

曾爺ちゃんは村にはあまり長居したくなかったそうで、
旅費位にしかならない報酬を貰った後は、
来たときと同じように地元の議員さんやら
有力者に挨拶をすましてから一人で家に帰った。

そして、
家族に男の髪が入った箱をみせて
この話をしたそうだ。

もし自分が祟りで倒れた場合に、
この髪の供養を続けて貰わなければならないから。

この件で曾爺ちゃんが坊主を辞めなくてはならなかった理由は、
曾爺ちゃんがやった方法は呪い返しに近い方法であって、
それがお偉いさんにしれた時に世話になった上司?の立場を
かなり悪くしてしまったからだそうだ。

何か歴史物では
お偉い坊さんが権力者に頼まれて呪ったりする話が有ったりするが、
下端の坊主が何かすると厳しいのかな?

まぁ大体こんな感じの話。

文章が稚拙ですまない。

うちの家系には祟りのようなのは無いっぽいです。

髪の毛は結局話に出たカメに入れて埋めたらしい。

話に書いた当代がその男の人の墓を盛り土じゃなくて
墓石やら置いて綺麗に作り直した時に、
当代の家系が供養をちゃんとやってるから、
それなら呪物化した物をあまり家に置くのは良くないって事で
曾爺ちゃんが戻したらしい。

犬神とかの話からすると呪物を祀ってると地獄行きらしいですからね。

友達が埼玉に住んでいるんですが
ちょっと前に変な相談をされました。

近所に美容室があり
そこのスタッフの一人に黒い煙がついている。

最初見た時は
タバコの煙だと思って
あまり気づかなかった。

店の前を毎日通るので
店内で働いている時にそのスタッフを見たら
仕事中なのに黒い煙がついていて変だと思った。

お客さんの送り迎えの時も
黒い煙がまとわりついていたらしい。

もともと友人はそんなに見える人ではなく
やばそうな場所に行くと吐き気、頭痛、
見えても一瞬モヤモヤが見える程度らしいので
普通にずっと見えているのでなんだろうという相談でした。

私に相談してきたのは
私は霊感ゼロで全く気配も感じないのですが
知り合いにめちゃくちゃ見える人がいるので
こっちに来る機会があったら
その人に頼んで店の前を通って見てもらえないか?
という事でした。

知り合いに頼んだ所
そっちに行く機会があったら通ってみると言われました。

後日、電話で聞いた所

「煙じゃなくて人の顔の集まり、たまに同じのみるよ」

とあっさり言われました。

知り合いいわく美容室は、
髪の毛、水場、鏡、があるので
水場と鏡の配置が悪いと集まりやすいらしいです。

友達にまだ煙見える?と連絡した所、
スタッフと喋ってたお客さんに煙がついていって
ずっと煙を見ていたら引き返してこっちにきたから
早足で逃げたらしいです。

何日かたってスタッフの人を見ると
また煙がもどってたらしです。

お下がり

俺のうちは昔、
超貧乏で欲しいものなんか何一つ買ってもらえなかった。

着てる服は近所の子供のお下がりだったし、
おやつは氷砂糖だけだった。

そんな俺でも義務教育だけは
ちゃんと受けさせてもらっていた。

ただし、勉強道具はすべてお下がりだった。

生まれてからずっと
お下がりばかりだったから、
別になにも不満はなかったんだけど、
ひとつだけ嫌なことがあった。

それはお下がりでもらった学習机だった。

その学習机はお下がりなのに
まだ新品の光沢を保っていて、
ひきだしをあけると
木材のかぐわしい香りが楽しめた。

俺はその学習机をひどく気に入って、
暇な時間は柄にもなく机の上で
本なんかを読んでみたりした。

学習机がきて一週間くらい経った頃、
妙な体験をした。

いつものように椅子に腰掛けて
机の上で本を読んでいると、
右足にひんやりとしたものが触れた。

本を読んでいる最中だったので
足に触れたもののことなど気にしなかった。

足をひんやりとしたものに当たらないように少しずらす。

しばらくすると、
またひんやりしたものが足に触れた。

気持ち悪かったので
右足でひんやりとしたものを奥に蹴り込んだ。

すると足の先に
ぐにゃっとした変な感触があった。

視線は机上の本にありながら、
意識は机下の足先に集中した。

俺は右足をそっと動かしながら、
そのぐにゃっとしたものの表面を確かめた。

ぐにゃっとしたものは、凹凸があり、
所々に穴があいていた。

やわらかいかと思うと、
かたい所もあったりして
何なのかさっぱりわからない。

足先はなめるように
ぐにゃっとしたもの表面に触れていき、
最後に上部に達した。

そこで細い糸のようなものが沢山ある感覚を感じた瞬間、
自分の足が触れているものが何かわかった。

俺はそっと体を曲げて机の下を覗いた。

そこには青白い男の子がいた。

俺の足先は男の子の頭に触れていたんだ。

俺はびっくりして椅子ごと背後に倒れた。

でも顔は常に机の下の男の子を向いていた。

男の子も微動だにせず俺を見ていた。

立ち上がることもできず、
ハイハイ歩きで部屋を出た。

すぐにオヤジの所にいき
体験したことを泣きながら話した。

でもオヤジは全然信用してくれなかった。

もし信用してくれたとしても
うちには新しい机を買うお金なんてないので
買い換えることはできない。

結局俺は、
小学校時代ずっとその机を使い続けた。

机で勉強していると、
足にひんやりとしたものが触れることが度々あったけど、
机下を覗かないようにした。

またあの男の子がいたら怖いからだ。

いるのは確実なんだけど
見ないことでやり過ごそうとした。

中学になって
それとなく母ちゃんに聞いてみた。

俺の使っている机は誰からもらってきたのかと。

すると母ちゃんは
少し困ったような顔をしてから、
あの机は近所のワタルくんの家からもらってきたんだよ
と教えてくれた。

ワタル君は俺と同い年で
幼稚園が一緒だった。

小学校に入学する数日前に
ワタルくんは川に落ちて死んだ。

頭がよかったワタルくんは、
入学する前から勉強を始めていたらしい。

俺が使っている机で勉強しながら、
これから始まる学園生活に
ワクワクしていたんじゃないだろうか。

事情を知った俺は、
机下にいるワタルくんのことを怖がらなくなった。

ワタルくんのぶんまで勉強しようと思った。

それからもワタルくんは
俺の足に触れることがあった。

俺はワタルくんが足に触れるときは
勉強頑張れって励ましてくれていると考えた。

ワタルくんの励ましが支えになって、
俺は結構勉強ができるようになった。

少しして、中学校で野球がはやった。

俺も参加したかったんだけど
バットやグローブを買うお金がなくて困った。

俺はいつものようにオヤジを頼った。

するとオヤジはちょっとまってろと言った。

数ヵ月後、
オヤジはバットとグローブを俺にくれた。

またしてもお下がりだったけど、
気にしなかった。

これで野球ができる。

俺は野球のメンバーに混ぜてもらい、
思う存分楽しんだ。

だけどある日、
友達の一人が俺のグローブを見て言った。

「それ、ヨシロウのグローブじゃねぇか」

ヨシロウというのは、
中学で野球部に所属していた同級生だ。

野球の才能があって
中一の頃からレギュラー入りを果たしていた。

だけどヨシロウは、
つい最近死んだのだ。

帰宅途中に川に落ちて溺れてしまったらしい。

自分が使っていたグローブが
ヨシロウの物だったことを知り、俺は思った。

ヨシロウのぶんまで野球を楽しんでやろうと。

そのとき、ふと思った。

ヨシロウとワタルくんって、
何か似てるなぁと。

二人はどちらも若くして亡くなっており、
死因も死んだ場所も同じだ。

そして二人の形見を俺がもらっている。

こんな偶然ってあるのだろうか?

数ヵ月後、
再び俺はオヤジに頼みごとをした。

今度はテレビゲームが欲しいと。

するとオヤジはいつものように
ちょっと待ってろといった。

二週間後、
オヤジはテレビゲームをくれた。

またしてもお下がりだった。

オヤジからテレビゲームをもらうちょっと前に
新聞に載っていた記事を思い出した。

近くの川で近所の中学生が
溺れて死んだらしい。

体全体に寒気が走った。

その日の夜、
いつものように自室で勉強をしていると
足先に何かが触れた。

何年もの間、その何かを、
死んだワタルくんが俺を励ましているものだと思っていた。

本当は違ったんだ。

その何かは、必死に訴えかけていたのだ。

俺は今も机下を覗くことができないでいる。

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2017年01月14日