【壮絶】歌詞から分かる有名ラッパーたちの人生

sengasan
2016年日本で最も興隆した音楽コンテンツは何かと聞かれれば間違いなくHIPHOPであり、日本語ラップであろう。シーンを引っ張る有力ラッパー達の歌詞から、彼らの壮絶な経験について紹介していきたい。内容が濃すぎてむせ返る程のパンチラインの応酬だが心して彼らの魂や生き様を感じてほしい。

今日本中が熱狂する日本語ラップ

2016年日本で最も興隆した音楽コンテンツは何かと聞かれれば間違いなくHIPHOPであり、
日本語ラップであろう。

その流れを作ったのはBSスカパー!で放送されている番組「BAZOOKA!!!」のコーナーであり、
今年で10回目を迎えた「高校生ラップ選手権」

更にテレビ朝日では毎週火曜深夜1時26分~1時56分で放送されている、
ラッパー達の熱きMCバトルの模様を放送している「フリースタイルダンジョン」などが挙げられるだろう。

また、以下の記事では「フリースタイルダンジョン」の大ヒットの理由について、
日本のシーンを引っ張り続けるラッパーであり、番組オーガナイザーのZeebraが語っているので
チェックしてほしい。

歌詞にみるラッパー達の生き様

しかしこの記事では、MCバトルではなく、シーンを引っ張る有力ラッパー達の歌詞から、
彼らのストリートライフの壮絶な経験について紹介していきたい。
内容が濃すぎて一般人の我々にはむせ返る程のパンチラインの応酬だが
心して彼らの魂や生き様を感じてほしい。

団地育ちからシーンの王者に、京都が生んだGHETTO KING ANARCHY

まずは、京都府出身のラッパーであるANARCHY(アナーキー)という日本のHIPHOPシーンのど真ん中の男について紹介したい。
彼の経歴については以下の記事を読んでほしい。

そんなANARCHYの数々の名曲の中から、今回は「Fate」という歌詞の一部を抜粋し、
彼の過ごしてきた日々について考えたい。

ANARCHY

”真っ暗な家に慣れた小2
隣の女の子泣き声響く
上じゃ酒飲みの怒鳴り声
白い悪魔 博打が手招きパンク
逃げ道団地 屋上からジャンプ
耳ふさぎたくなるようなニュース
例の現場並んだままのシューズ”

ANARCHYの幼少期の荒んだ生活が垣間見える歌詞である。
この歌では他にも

’’晩飯はばーちゃんの生活保護’’

という歌詞もあり、その当時のギリギリの生活が伝わってくる。
当時の経験があったからこそ、それを原動力にここまで上り詰めたのかもしれない。

“新宿スタイルはリアルしか歌わねえ” 漢a.k.a.GAMI

次は、前述した「フリースタイルダンジョン」のモンスターとしても活躍し、
日本のHIP HOPの超重要人物と言われている。
そんな漢a.k.a.GAMIのHIPHOP観については以下のインタビュー記事を参照してほしい。

今回は漢a.k.a.GAMIがMC漢名義でリリースした
「I’m a ¥ Plant」という楽曲の歌詞について触れていきたい。

“簡単な計画で現ナマをGET
民家に逃げ込むか人ゴミに消える
挙動不審者、俺をそんな目で見るな
今日のシノギは恐喝にするかお行儀良くするか
は!?ゴリ押しするさ
刺すか刺されるか、いやTHUGなら切り裂く
気付けばほらな、また誰かの策略”

ラッパーとして生きる中でのストリートでの日々の戦いを言葉巧みに描いている。
イメージしかできないがラッパーの世界で堂々と生きていくには相応の覚悟が必要であると伝わってくる。
そして漢a.k.a.GAMIが長い間、押しも押されぬ日本のHIPHOP中心人物であるのにも
計り知れない覚悟と代償があったのだと、歌詞から伝わってくる。

以下のリンクは2015年6月に発売された漢a.k.a.GAMIの自伝、「ヒップホップ・ドリーム」である。
漢a.k.a.GAMIという男の生き様、ラッパーとしての矜持そしてストリートのギラギラした現場、
について余すことなく描かれた大作となっている。

フロム川崎サウスサイド、リアルミュージック BAD HOP

次は、川崎市の幼馴染で結成されているHIPHOPクルー
BAD HOPについて書きたい。
BAD HOPについては以下の記事を参照してほしい。

BAD HOP

BAD HOPの曲の中から「Stay」という曲の歌詞を紹介していきたい。

’’ガキの頃からそうさ血の付いたカネで飯を食う
「あの子はヤクザの倅、遊んじゃ駄目」と友達の親が言う’’

BAD HOPのメンバーはもともと地元でも札付きの悪として恐れられており、
周りの一般の人間とはかけ離れていた存在であったとまざまざと見せつけられた歌詞である。

次の歌詞が、最も一般社会からかけ離れており、圧倒的なアンダーグラウンドを
まざまざと見せつけられる。

’’14でsmoke weed 15で刺青
16で部屋住み で傷は絶えずに
犯す間違い 出来ない真面目に
お巡り相手に 日々が戦い
何度もブツを捌いた
欲のため人騙した
女も金に変わった
馬鹿は喰いものになった’’

もはや意味が分からない。
こんな世紀末のような環境が日本に存在するのか、、、
しかしラッパーは嘘を歌わない。
’’リアル”であることを信条とする彼らは
自分で経験したこと以外口にすることはない。

BADHOPのクルーであり、今若手最有望株としてシーンを引っ張るT-pablowは、
人気番組『フリースタイルダンジョン』でのMCバトルでもこう歌っている。

”前歯10本折られて学んだHIPHOPと礼儀作法”

T-pablow

このような圧倒的世紀末経験が彼らのラップに説得力を生み出しているのかもしれない。
BAD HOPに対してVICEというメディアが行ったインタビューも衝撃的な映像であるので
参照して頂きたい。

https://matome.naver.jp/odai/2148116678145980001
2016年12月15日