日本の長時間労働問題

響弥
改善されない長時間労働

共通の背景として存在しているのは、日本経済全体における生産性の低さである。この部分を改善できなければ、抜本的に問題を解決することは難しい。
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日本は付加価値が低く、かつ長時間労働

労働生産性に関する議論で決まって出てくるのが「日本はサービスの生産性は低いが、製造業の生産性は高い」という話である。
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日本の製造業における実質労働生産性は35.5ドルだった。製造業については英国よりは上だったものの、フランスは40.9ドル、米国は44.7ドル、ドイツは46.7ドルとかなりの差を付けられている。英国は製造業を完全に捨て去った国であり、フランスも製造業を得意とはしていない。製造業が得意なはずの日本の生産性がフランスより低く、ドイツや米国には到底及ばないという結果も、やはりショッキングである。
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。他の主要国は、生産性の上昇分のうち多くが、労働時間の短縮化や就業者数の減少ではなく、付加価値の増加によってもたらされていた(2005年から2013年までの平均値)。つまり諸外国の企業は儲かる製品やサービスをうまく作り出すことに成功し、それによって労働生産性が上昇したというパターンである。
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しかし日本では・・・

日本における付加価値要因はマイナスとなっており、物価要因でのみ生産性が上昇している。儲からない製品やサービスばかり作っているが、デフレに助けられたという構図である。就業者数の変化や労働時間の変化による影響はごくわずかなので、労働環境が改善した様子は見られない。
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IT化の遅れと人的資本への貧弱な投資が原因?

日本企業におけるIT化が遅れていることは、20年以上も前から繰り返し指摘されていることだが、状況は改善していない。
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2006年から2010年にかけての情報化資産装備率の上昇率は、日本は2.5%だったが、英国は6.0%、米国は5.7%、ドイツは4.3%だった。また人的資本への投資の上昇率に至っては、米国や英国が2%から3%程度だったのに対して、日本は何と11.3%ものマイナスだった。
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日本で長時間労働が横行しているのは、文化という面だけでなく、日本企業がそもそも儲かっていないことに起因している。低い付加価値を労働時間でカバーしているという図式だ。もしそうであるならば、日本企業のビジネスモデルを根本的に変えない限り、長時間残業の問題は解決しないだろう。
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https://matome.naver.jp/odai/2147676055486317301
2016年10月18日