【遂に解明!】”ナマケモノ”が危険を冒してまで地上で排泄する理由

あじぽんぽんぽん
樹上でスローライフを送っている”ナマケモノ”実は排泄の時だけは、わざわざ地上に降りてから行うのです。しかしなぜ、危険を冒してまで地上で排泄行為をするのかが分かっていなかったのですが、最新の研究により遂に理由が解明されました。

まずは”ナマケモノ”という動物を知ろう

ナマケモノ(樹懶)は、哺乳綱異節上目有毛目ナマケモノ亜目 (Folivora) の総称。ミユビナマケモノ科とフタユビナマケモノ科が現生し、他にいくつかの絶滅科がある。
ナマケモノ – Wikipedia

哺乳類のほとんどは恒温動物(どんな気候・温度でも一定の体温を保つ生き物)だが、こいつは体温が変動する変温動物であり、つまり外気温によって体温が変わる。
何故コイツが哺乳類なのにこういう生態になったかというと、ヒトを含めた恒温動物とは、その体温を維持するため、一定量のエネルギーを蓄えないといけない。そのため、食物探しには躍起にならないといけなくなる。
つまり、恒温動物は体温維持のために気づかぬうちにエネルギーを消費しているのである。
ナマケモノとは (ナマケモノとは) [単語記事] – ニコニコ大百科

食性は、葉食性で木の葉や新芽を食べて生きている。

ナマケすぎて背中に”コケ”が生えている!?

ナマケモノは世界一動きの遅い哺乳類だ。あまりにも動かないため、毛にコケが生えてしまうほどである。おかげで全体的に緑がかって見える。すみかがある中南米の熱帯雨林では、身を隠すのにこの色が役に立っているのだ。
ミツユビナマケモノ | ナショナルジオグラフィック日本版サイト

森の中に暮らすナマケモノにとってコケの生えた緑色の背中は保護色となる。
特に1番の天敵となるワシなどの猛禽類を欺くのに向いている。
時には、このコケを自分で食べる事もある。

排泄は”週一回”それ以外はすべて樹の上で行う

地上に下りるのは週に1度の排尿や排便時だけで、食事・睡眠・交尾・出産などは樹上で行う。
フタユビナマケモノ|動物図鑑|神戸市立王子動物園

排泄:ナマケモノは週に1回程度、樹上から降り、地上で排便、排尿を行います。
ナマケモノは本当に怠け者なのか? – ASAPアニマルニュース

人間であれば常に便秘状態ってことになりますね。

排泄が週一回の理由

ナマケモノのウンチは週に1回程度で、木に抱きつくようなかっこうで地面におしりをつけて用を足します。草食動物らしいコロコロのウンチを排泄する様子はなんともかわいらしいのですが、ナマケモノにとっては「命がけ」のイベント、あまりにも動きがスローなため、敵に襲われて命を落とす可能性が非常に高いからです。
自殺行為も同然? ナマケモノのトイレは「命がけ」だってほんと? | ネタ・おもしろ・エンタメ | 大学生活 | マイナビ 学生の窓口

排泄はナマケモノにとっては自殺行為に等しいのです。

命を落とす危険を冒してまでなぜ地上に降りて排泄行為を行うのか?

その理由は背中の”コケ”と深い関わりがあった

”ナマケモノ”と”蛾”その切っても切れない共生関係

ナマケモノとガ、切っても切れない共生関係 研究で判明
2014年01月23日 21:54 発信地:パリ/フランス
【1月23日 AFP】ものぐさの度が過ぎて、自分の毛に生えるコケを食べ、まともに動くのは週一度の排泄の時だけ──。
そんな動物はナマケモノしかいない。
その生態を詳細にわたって観察し、名前負けしない見事な「怠けっぷり」を明らかした調査結果が、 英学術専門誌「英国王立協会紀要(Proceedings of the Royal Society B)」で発表された。
【画像】ナマケモノと蛾、切っても切れない関係!? : クリーチャー

熱帯雨林の樹上で主に樹木の葉を食べて暮らすナマケモノは、週に1度だけ、排便のために木から地上に降りる。
この際、ナマケモノは肉食動物にとっての格好の餌食となりやすく、非常に高いリスクが伴う。
だが研究者らは、ナマケモノが地面に降りて排便する際、このガが宿主の糞に卵を産み付けていることに気が付いた。幼虫は糞の中で孵化し、成虫になった後で再び樹上のナマケモノの被毛へと向かう。
ナマケモノに寄生するガは被毛内の窒素量を増やし、また少量ながら排便もする。これらが肥料の役目を果たし、被毛の小さな刻みにたまった雨水に藻が繁殖する。そしてこの藻は、普段は樹木の葉しか食べないナマケモノにとって貴重な栄養源になるという。
発表された研究論文は、「この共生関係はナマケモノの生態の根幹をなす要素であり、そのおかげでナマケモノがより怠けるようになったのかもしれない」と述べている。(c)AFP
【衝撃】ナマケモノが怠けを極め、寄生する蛾によって発生したコケや藻を食べていたことが発覚 – よっちーの小屋

餌を探すのも億劫

蛾が被毛に棲みつく

蛾が被毛内の窒素量を増やし、排便する

それを肥料として藻(コケ類)が生える

ナマケモノはそれを食べる

木から降りて排便する

排泄物に蛾が卵を産み、羽化後再び被毛へ

素晴らしい共生関係。
そして素晴らしいナマケっぷり。
ナマケモノと蛾と藻の共生関係 | モノグサにお灸

背中のコケはナマケで生えているわけではなかった!!

全てのまとめ

つまり、蛾が卵を産み付けやすいように命をかけてまで地上で排泄行為を行っている。
その結果、ナマケモノ自身の利益となる。ミツユビナマケモノにとって排泄は危険な行為かもしれないが、その利益はコストを上回るのです。
ちなみに、フタユビナマケモノの場合は、木の葉だけではなく色々な木の実も食べる。樹から降りてくる頻度はミツユビナマケモノよりも高く、どこでもためらいなく糞をする。そのため、彼らは普通の食事で栄養が足りている。

https://matome.naver.jp/odai/2147507265026748101
2017年03月22日