【人怖語 名作】 音楽性の違いによる脱退

Ghostail
数ある幽霊より人間の方が怖い話の中でも名作と呼べる作品を紹介します。今回の作品は『音楽性の違いによる脱退』です。

『音楽性の違いによる脱退』

あるバンドメンバーの脱退にまつわる話。
ギターのTが脱退したいと言い出した事から始まった。
メンバーのみんなはTの気持ちを汲んで脱退を了承した.
だが、その後のTの行動は理解の範疇を越える恐ろしいものだった。

【注意事項】
幽霊より生きてる人間の方が怖い話を紹介します。
このお話の性質上、オチの後味が非常に悪くなる場合が多々あるので
苦手の方はご遠慮下さい。

特定をさけながら何度か書いた話です。

わかりにくいかもしれませんが…

近々この家には住めなくなる。

公式に言ってしまえばかなりまずい。
不特定多数にしか知らせることができない。

いつでも読むのを止めてくれていい。

手先が冷え切って緊張で震えるが、なんとか特定されにくく上手く書きたい。

これは某5人組バンドのメンバー脱退の話だ。

2月14日に当時のギターのT(男性)から

「ギターをやめて裏方に回りたい」

「ギターは向いてなかった。練習がつらい」

と突然言われた。

本人が言うには音響、機材などの管理をしたいという。

彼はギターを買ったばかりで音響知識はほぼないに等しい。

ギターに飽きてしまったのだろうか。

話を一旦保留し、その日はお開きとなったが、翌週2月21日に

「裏方転向の話は嘘なんだよ…」

と言われる。

この日Tは挙動不審で顔色も悪かった。

もともと彼はアレルギー持ちで、メンバーが日頃から体調を気遣っていた。

ただその日はどこか違い、おびえているようにも見えた。

よくトイレへ駆け出して何かをしているようだ。

聞かれたくない電話でもしているのだろうか。

そして練習後

「今婚約者の両親の体調が悪くて…介護が必要で…
バンドをやめたい…でも今月末のライブには出たい…」

嘘をついていたことへの怒りもあったが、やはり良い奴に思った。

結局介護の優先を考え全員が納得し、その時点でTは脱退となった。

そしてその時、言いにくくもこれまで貸していたお金を返してもらいたいと伝えた。

「わかった。今はないから3月10日の給料日になったら渡すよ」

と約束をしてお開きとなった。

そして3月10日15時頃、Tからの着信が入り

「お、お金のことで…は、話しがしたい…」

何度も噛んでしゃべっていたのをよく覚えている。

このあとすぐ仕事だったため、Tから家へ向かうと言われた。

数分後インターホンが鳴る。

モニター付きインターホンから見るTの様子はやはり挙動不審で、
ドアの向こうでインターホンに対し顔を近づけ耳を当てている。

そして通話ボタンを押し、Tが顔を離したその後ろに、ベース担当のH(女性)がいた。

それでなんとなく察した。

TとHは仲がよく、服の色を合わせたり恋人同士の様に思わせる行動が多かった。

日頃から活動において男女関係がないよう厳しく注意していた。

Tの婚約者と以前あいさつをした際

「Tをよろしくお願いします」

と言われた責任もあった。

結局予想通りかとあきれてドアを開けた瞬間、見知らぬ中年男性が立っていた。

モニターからは死角になった位置だった。

彼はレーベル会社社長M(男性)と名乗った。

玄関先で突然金の話を始め、睨み付けながらの威嚇行為をされた。

まさに暴力団である。

すぐにTの車に移動し

「Tに対しての請求は恐喝行為だ」

「2月21日の出来事は全て録音している」

「T、Hはバンドをやめさせる」

「これは集団でのいじめ行為だ」

と意味不明な恫喝と暴言が繰り返される。

そしてTからは

「自分が近くにいないときにはHの盗聴器から音声を録音した」

「自分が近くにいるときはレコーダーでメンバーの音声を録音した」

「メンバーは全員信用できない」

と全て一方的に言われる。

こちらは問題になるような事は一切言っていないと伝えた。

さらに数十分の恫喝の後、社長Mから

「今後こちらに金を請求するなら【合成編集した録音音源】を警察に届ける。
Hにはメンバーに乱暴されたと言わせる。
今後2人に何かあれば全てお前の責任だ。
今日の事、一切外に漏らすな。漏らせば命はない」

よく意味が分からないまま気づけば車が発進していた。

変な事件に巻き込まれたのだろうか。

社長MによればTは非人道的な女遊びをしていたらしい。

Hもその被害者の一人だという。

もちろん社長Mにも、たびかさなる犯罪歴があることだろう。

そして同じ車内にいながら何も語らなかったH。

Hは社長Mの言われるがままに行動していた。

こちらは金を踏み倒されたが、もう関わり合いになりたくない。

信号での停車中、不意をついて車を下り狭い通りへと駆け出した。

今現在まで社長Mから金の要求などの連絡はない。

それは自分が今までしゃべらなかったからなのか、
これ以上金を取れる見込みがなくなったからなのかは分からない。

そしてHと社長Mはどういう関係なのか。

これに関して何か動きがあれば、消されない限りネットで報告できる。

何か起きてからでないと警察も動いてはくれない。

これが公式発表もされなかった俗に言う「音楽性の違いによる脱退」の一部である。

彼らから見て無防備に綺麗事ばかり並べて活動している人間は非常にダマしやすいのだろう。

恐らく同じような手口で脅迫、恐喝を繰り返している。

こんな経験はこれまでになかった。

もちろん、個人的な収入が第一ではあるが、
震災を経験した人や病気をわずらう人のためにも始めた音楽活動だ。

復興作業も続く中、私達だけ途中で投げ出す訳にはいかない。

私達は新たにメンバーを加え、これを教訓に今も活動を続けている。

関係者はどうか被害に合わない様に注意して欲しい。

ある関係者に聞いた話によれば、社長Mは悪質なゲイだそうだ。

素人に対しソロでインディーズ契約を結んで欲しいと
言葉巧みに音楽事務所らしき場所に誘い込む。

中に入ると事務室で4人が電話応対や事務作業中で、その奥の応接室に通される。

そこで手短な説明の後

「簡単なオーディションをさせて下さい」

と入り口脇の階段から地下スタジオに案内される。

元々はライブハウスだったらしいのだが二重扉の防音室に改装してあるという。

そこに先ほど事務室にいた4人が降りてくるのだ。

その内1人は全員が入った後、二重扉に外側から鍵をかけ事務所入り口近くで車の手入れをする。

見張り役だ。

そして事がすめば「60万用意しろ」などと被害者を脅迫するのだ。

そしておどされた方は機材を盗み、オークションでの売却や
借金の踏み倒しなどで何とか金を用意する。

これはテナント費用などの維持費の為だろうか。

これは予想だが、Tは管理役として機材を抱え込み、
売却後私達から逃亡しようとしたが失敗し

「開放されたければ代わりの人間を用意しろ」

などと言われ私を売ったのだろう。

追記

SNSの更新から知ったのだが、Tはまだ音楽活動中で新しいバンドに所属しているようだ。

何か嫌な予感がして少し調べてみた。

HPを見るに、個人レーベルからCDも販売している。

投稿写真は楽しそうに写るメンバー。

レコーディング風景1人引き攣った顔で写るT。

そして、その後ろには無表情で写る社長Mの姿があった。

長文、駄文失礼しました。

思い出して体調がわるくなりましたのでこれでしつれいします。

https://matome.naver.jp/odai/2147406281283074101
2016年09月17日