平成27年度 有効求人倍率が高い職業ランキング

dogimagi
政府統計の一般職業紹介状況から平成27年度(2015年度)の職業別有効求人倍率を高い順に並べました。

有効求人倍率とは、有効求職者数に対する有効求人数の割合で、雇用動向を示す重要指標のひとつです。景気とほぼ一致して動くので、景気動向指数の一致指数となっています。
有効求人倍率│初めてでもわかりやすい用語集│SMBC日興証券

※注 有効求人倍率は様々な要因が合わさった結果としての値である。単なる求人と求職のバランスを表す指標ではない。また、職業分類の都合上、細かな職業ごとの倍率が出せるわけではないことに留意する必要がある。(まとめ作成者)

1位 「建設躯体工事の職業」 6.99倍
ビル、家屋などの建設工事に関連して、型枠の組立作業、とび(鳶)・鉄筋組立てなどの躯体関係の仕事に従事する人。
型枠大工、とび職、鉄筋作業従事者。

床や壁、梁など建物の構造を支える骨組のことを「躯体」といいます。
躯体(くたい)とは – コトバンク

型枠大工
合板製型枠の作製並びに木を用いて、コンクリートを打ち込むための鋳型となる型枠及び支柱の組立て・取付けの作業、建造物の水平・垂直の確保の仕事に従事するものをいう。
政府統計の総合窓口 GC99999999

とび職
くい(杭)打・建方・足場組み・ひき家・家屋の解体・取り壊し・けた(桁)かけなどの仕事に従事するものをいう。
政府統計の総合窓口 GC99999999

鉄筋作業従事者
鉄筋の下ごしらえ、組立て、結束、切断、屈曲、成形等の仕事に従事するものをいう。
政府統計の総合窓口 GC99999999

全国的に人手不足が叫ばれる建設業界。なかでも、建築物の躯体を司るとび・大工・鉄筋の職人不足は深刻の度合いを極め、関東地区では4割近い事業者から人手不足の声が挙がる。
追い風吹く型枠大工業界、結束強め、挽回を図る(前)~福岡地区型枠工事業福友会・池之上和夫会長:|NetIB-NEWS|ネットアイビーニュース

8職種中、型わく(土木)、型わく(建築)、左官、とび工、鉄筋工(土木)、電工、配管工は不足傾向、鉄筋工(建築)は過剰傾向となっている。最も不足傾向が大きいのは、型わく(土木)の不足率が大きい
建設労働需給調査

2位「医師、歯科医師、獣医師、薬剤師 」 6.07倍

医師不足、歯科医過剰、薬剤師均衡⇒過剰へ

医師の採用方法の上位は、大学(医局等)へ依頼75.1%、民間職業紹介事業者46.9%、直接採用(個人的に依頼、縁故)44.2%であった
日医総研ワーキングペーパー 日本医師会 病院における必要医師数調査結果

必要医師数ありの病院は50.0%、必要医師数なしの病院は50.0%であった。また、求人中の医師数(以下、必要求人医師数)ありの病院は37.0%、なしの病院は63.0%であった
日医総研ワーキングペーパー 日本医師会 病院における必要医師数調査結果

医師不足の原因
医療費抑制政策
医学部入学定員数の削減
医療の専門化・細分化
労働に見合わない給与水準や勤務環境
医療訴訟の増加や患者要求(期待度)の高まり
新医師臨床研修制度
女性医師の労働環境の未整備
平成20・21年度 勤務医委員会答申 医師の不足、偏在の是正を図るための方策 -勤務医の労働環境(過重労働)を改善するために- 平成22年3月 日本医師会勤務医委員会

※出典より見出しを抽出

近い将来、この「歯科医師過剰問題」は大きな問題となることは確実です。
第42回冬期学会 JICD, 2012, Vol. 43, No. 1 講演 歯科医師過剰問題について 須賀 康夫

当初、歯科医師不足という声を受けて(大学歯学部の)新設に賛同した歯科界であったが、この経過を見て今度は歯科医師過剰の危惧を訴えることにならざるを得なかった。
歯科医師需給問題の経緯と今後への見解 平成26年10月 公益社団法人 日本歯科医師会

需要数は2005年の23万156人から毎年微増を続けて、2028年には27万8,704人になるとして、今から約20年後の段階で13万人ほどの「余剰薬剤師」が生まれる予測になっている。
薬剤師の需要と供給 | 薬剤師インデックス

実は、数字上は薬剤師は「過剰時代」に突入しているのです。
薬剤師は将来過剰になるか | 薬剤師の仕事研究室

3位「保安の職業」 5.15倍
自衛官、警察官、海上保安官、看守、その他の司法警察職員、消防員、警備員など。
4位「建築・土木・測量技術者」 3.84倍
科学的・専門的知識と手段を応用し、建築・土木・測量における計画・設計・工事監理・技術指導・施工管理・検査などの技術的な仕事に従事する人。
この仕事を遂行するには、通例、大学(短期大学を除く)の課程を修了したか又はこれと同程度以上の専門的知識を必要とする。
5位「家庭生活支援サービスの職業」 3.8倍
いわゆる家政婦(夫)
執事やベビーシッターも該当する。
6位「接客・給仕の職業」 3.24倍
飲食物の給仕、身の回りの用務・接客・娯楽など家庭以外の場所において個人に対するサービスの仕事に従事する人。
7位 「外勤事務の職業」 3.15倍
料金又は掛金の集金、調査票への記入依頼・回収、電気・ガス・水道などのメーターの検針などの外勤事務の仕事に従事する人。
8位「生活衛生サービスの職業」 3.03倍
理容・美容・浴場・クリーニングなど個人に対する生活衛生サービスの仕事に従事する人。
9位「医療技術者」 2.96倍
診療放射線技師、臨床工学技士、臨床検査技師、理学療法士、作業療法士、視能訓練士、言語聴覚士、歯科衛生士、歯科技工士。
10位「建設の職業」 2.95倍
大工、ブロック積・タイル張従事者、屋根ふき従事者、左官、畳職、配管従事者など。
11位「運輸・郵便事務の職業」 2.94倍
12位「土木の職業」 2.82倍
13位「介護サービスの職業」 2.69倍
14位「保健師、助産師、看護師」 2.54倍
15位「飲食物調理の職業」 2.54倍
16位「包装の職業」 2.42倍
17位「販売類似の職業」 2.39倍
他人の間に立った売買の取次・斡旋の仕事、他人のための売買の代理の仕事、不動産・有価証券の売買などの仕事に従事する人。
18位「情報処理・通信技術者」 2.12倍
情報処理及び情報通信に関する専門知識・経験をもって、適用業務の分析、システムの企画、プログラムの開発、構築されたシステムの管理、通信ネットワークの構築・保守などについての技術的な仕事に従事する人。
この仕事を遂行するには、通例、大学などにおける自然科学に関する専門的訓練又はこれと同程度以上の知識と実務的経験を必要とする。
19位「自動車運転の職業」 2.11倍
20位「採掘の職業」 2.09倍
21位「機械整備・修理の職業」 2.07倍
22位「社会福祉の専門的職業」 2.02倍
福祉相談指導専門員、福祉施設指導専門員、保育士など。

有効求人倍率が1倍以上2倍未満の職業

23位 1.96倍 「電気工事の職業」
24位 1.95倍 「保健医療サービスの職業」
25位 1.90倍 「製品検査の職業(金属除く)」
26位 1.76倍 「商品販売の職業」
27位 1.74倍 「開発技術者」
28位 1.62倍 「金属材料製造、金属加工、金属溶接・溶断の職業」
29位 1.60倍 「その他のサービスの職業」
30位 1.52倍 「清掃の職業」
31位 1.42倍 「その他の保健医療の職業」
32位 1.38倍 「製品検査の職業(金属)」
33位 1.36倍 「製品製造・加工処理の職業(金属除く)」
34位 1.27倍 「生産関連事務の職業」
35位 1.21倍 「定置・建設機械運転の職業」
36位 1.19倍 「農林漁業の職業」
37位 1.17倍 「管理的職業」
38位 1.17倍 「営業の職業」
39位 1.16倍 「その他の技術者」
40位 1.12倍 「運搬の職業」
41位 1.11倍 「機械検査の職業」

有効求人倍率が1倍未満の職業

42位「生産設備制御・監視の職業 (金属除く)」 0.94倍
43位「その他の専門的職業」 0.86倍
図書館司書、学芸員、カウンセラー(医療・福祉施設を除く)、個人教師、職業スポーツ従事者、通信機器操作従事者、ヘッドハンターなど。
44位「居住施設・ビル等の管理の職業」 0.84倍
45位「生産関連・生産類似の職業」 0.84倍
塗装、紙・板・カンバス・銅版などへの絵描き・文字書き、写真現像・焼付・引伸し、製図・写図・現図など生産に関連する、又は生産に類似する技能的な仕事に従事する人。
46位「生産設備制御・監視の職業 (金属)」 0.74倍
47位「営業・販売関連事務の職業」 0.68倍
売上伝票の管理、顧客リストの作成など営業・販売に関する事務の仕事、あるいは他の営業・販売に関する事務の仕事に従事する人。
48位「その他の輸送の職業」 0.63倍
車掌、駅員、甲板員など。
49位「会計事務の職業」 0.58倍
50位「事務用機器操作の職業」 0.57倍
パソコン、複写機などの事務用機器の操作などの仕事に従事する人。定型的な文書、表などを作成する仕事、データ入力の仕事をする人など。
51位「生産設備制御・監視の職業(機械組立)」 0.54倍
52位「船舶・航空機運転の職業」 0.49倍
船長、航海士・運航士、水先人船舶機関長・機関士、航空機操縦士
(いずれも漁労船を除く)

「船舶・航空機運転の職業」 の有効求人は891人と非常に少ない。

53位「美術家、デザイナー、写真家、映像撮影者」 0.47倍
54位「機械組立の職業」 0.46倍
55位「製造技術者」 0.43倍
科学的・専門的知識を応用して、食品、電気・電子、機械、化学などの製品の生産における生産性の検討・生産準備・設備計画などの工程設計及び工程管理・品質管理、監督、指導並びに発送電など電気に係る機器又は施設の工事・維持・管理などの仕事に従事する人。
56位「鉄道運転の職業」 0.33倍

「鉄道運転の職業」の有効求人は493人と非常に少ない。

57位「一般事務の職業」 0.28倍
58位「その他の運搬・清掃・包装等の職業」 0.25倍
機械の掃除、資材の整理、官庁・学校・商店・工場・倉庫・建設現場・駅・公園・病院などの雑務、及び他に分類されない労務的作業に従事する人。

出典:一般職業紹介状況(職業安定業務統計)

統計の目的
本調査は、公共職業安定所における求人、求職、就職の状況(新規学卒者を除く。)を取りまとめ、求人倍率等の指標を作成することを目的とする。
統計の概要|厚生労働省

このランキングの有効求人倍率はすべての求人、求職、就職の状況から求められる値ではない。

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2016年07月31日