ル・コルビュジエ 世界遺産登録(東京)

kisetumimi
日本において国立西洋美術館が世界遺産登録になった。19世紀に先をみすえた建築物件が作られていた。ロダンなど素晴らしい彫刻を一度に見ることができる。内装における建物の高さ、空間など一度体験してみてもいいのでは。

東京の世界遺産登録 2016

国立西洋美術館

ル・コルビュジエって何?

ル・コルビュジエ(1887-1965)は、スイスのラ・ショ-=ド=フォンに生まれ、当地の美術学校で学んだ後、ウィーン、ベルリンで建築・工芸の新しい運動に触れ、パリでキュビスムの影響を受けました。
1918年、理性的で秩序のある構成を目指すピュリスム(純粋主義)を唱え、画家としてデビューし、雑誌「エスプリ・ヌーヴォー」でそのピュリスム運動を展開しました。
建築は、ペレ、ベーレンスに短期間師事したほかは独学で、1927年、ジュネーヴの国際連盟本部の設計コンペティションに当選して建築家としての名をあらわしました。代表的な建築は、ポワッシイのヴィラ・サヴォア(1929-31)、マルセーユのユニテ・ダビタシヨン(1947-52)、ロンシャンの聖堂(1950-54)などがあります。

ル・コルビュジエ建築の特徴

骨組みと壁の分離、自由な平面、自由な立面、屋上庭園にあります。当美術館の本館はこれらに加え、展示室の中心にスロープで昇っていく渦巻き形の動線に特徴があります。

国立西洋美術館の表現していること

近代建築の五原則を具体的に表現していること、「無限発展美術館」の思想を体現していること
国立西洋美術館 – 日本の世界遺産

ゆったりとした空間をもつ建物

ル・コルビュジエが長年追求してきた「無限に成長する美術館(美術作品が増えても必要に応じて外側へ増築して展示スペースを確保できる美術館)」構想を実現した美術館の一つ

彫刻 展示

オーギュスト・ロダン
国立西洋美術館、本館
オーギュスト・ロダン
カレーの市民
エミール=アントワーヌ・ブールデル
弓をひくヘラクレス。
オーギュスト・ロダン
アダム。
エヴァ(イブ)。

19世紀にすでに考えたスロープ

ピロティーとなっている1階の正面入口から建物の中心となるメインホール(19世紀ホール)に入ると、スロープで2階の展示スペースへのぼり、回遊することができる。

ココもすごい

1階部分は柱だけを残して、構造体が宙に浮いたように見えるピロティ様式や、らせん状の回廊、展示作品の増加に応じて、渦が広がるように増床できる平面設計など、「無限発展美術館」の構想を体現した作品として、内外に高く評価される近代建築だ。
祝・世界遺産登録…国立西洋美術館は地震対策もスゴかった! | ハザードラボ

地震につよい 建物

20年前の免震補強技術では、強度を増すためにピロティの間に耐震壁を増築したり、柱や梁を補強するやり方が一般的。中央に吹き抜けがあり、部分的に地下もある西洋美術館のような複雑な建物の改修計画は、アメリカでも数えるほどの実績があるくらいで、日本ではもちろん初めての試みだった。

★★★
具体的には、地上3階、地下1階建ての西洋美術館に、超高層建築で使われるのと同等の高度な三次元構造の設計を導入。既存の床を撤去して基礎のまわりを掘り進め、新たに168本の杭を13〜20メートルの地下深くに打ち込んで建物を支えながら、基礎の下をさらに掘削し、50台近い免震装置を新設した。

2年間にわたる大規模改修工事を経て、巨大地震の発生で建物が横に40センチずれても揺れを吸収できるようにパワーアップした。実際に2011年の東日本大震災では、美術館周辺では最大加速度265㎝/s²(=ガル)の揺れに見舞われたが、建物内の揺れは半分以下の100㎝/s²に抑えられ、ほとんど被害がなかったという。

国立西洋美術館のチェックポイント

トップライト
天井部分にあけられた三角の明り取りの窓から自然光が差し込む明るい広場に出ます。このトップライトが最初のチェックポイントです。

見逃さないで!
「19世紀ホール」とコルビュジエ自身が名付けた天井の高い吹き抜けの空間で、そこにはロダンの彫刻作品が並んでいます。晴れた日にはこのトップライトからの自然光でホール全体が明るく見えますが、天井を見なければ気づかないで通り過ぎてしまいます。

「モデュロール」
ル・コルビュジエは建築の寸法を決める単位として「モデュロール」という身体のサイズを利用した特別の定規を提案しています。これは人間の身長を基に決めるもので、例えば人間が腕を上にあげると226cmとなり(ヨーロッパの男性を基準)、これを天井の高さとする尺度として採用しています。

ご利用案内 ぜひ上野へ

この国立西洋美術館でも内部、外壁、前庭の石畳の大きさ、柱間の幅などモデュロールに基づいていることが解りました。例えば2階の天井は、高い部分と低い部分が組み合わされています。その高さは低い天井は226cm、高い天井はその倍の高さとなっていて歩くにつれて空間の広がりや変化を楽しむことを狙っています。
この建物はたくさんの円柱で支えられ、柱の直径は当初、1階は53㎝、2階は43㎝でしたが、耐震補強で1階は60㎝、2階は55㎝と太くなっています。松の木の型枠にコンクリートを流し込んだ木目が美しい打ち放しとなっています

律動ルーバー
雨どい 建物の中に・・・
コンクリート打ちっぱなしの柱
19世紀のすぐれたたてもの

常設展

国立西洋美術館は、松方コレクションが核となって1959年に設立した、西洋の美術作品を専門とする美術館です。中世末期から20世紀初頭にかけての西洋絵画と、ロダンを中心とするフランス近代彫刻を本館、新館、前庭で年間を通じて展示しています。現在常設展示されている作品は、下記の館内地図で確認することができます。

14世紀~16世紀
[新館 版画素描展示室] ル・コルビュジエと無限成長美術館―その理念を知ろう―

2016年7月9日(土)~2016年9月19日(月・祝)
国立西洋美術館

無料観覧日における常設展示室 撮影禁止のお知らせ(2016年7月23日(土)から)[2016.07.22 up]
国立西洋美術館

■住所
〒110-0007 東京都台東区上野公園7番7号
■開館時間
午前9時30分~午後5時30分
※ただし、秋の企画展閉会日以降の開館日から春の企画展開催日までの開館期間中は午前9時30分~午後5時
毎週金曜日:午前9時30分~午後8時
入館は閉館の30分前までです。
■休館日
毎週月曜日
※ただし、月曜日が祝日又は祝日の振替休日となる場合は開館し、翌日の火曜日が休館
※年末年始(12月28日~翌年1月1日)
その他、臨時に開館・休館することがあります。詳細はこちらから
※開館時間・休館日の最新情報はトップページをご確認ください。
■無料観覧日
毎月の第2、第4土曜日、文化の日(11月3日)
※常設展示のみ無料となります。

https://matome.naver.jp/odai/2146931546239924901
2016年07月25日