東京都知事候補「鳥越俊太郎」氏に対し、きわめて重大な影響を与える記事が出た。しかし、現在は「選挙中」であり、事実に基づいた報道でなければ、公職選挙法違反となる。
鳥越俊太郎氏の弁護団が出した抗議文を検証してみる。
記事内容は事実であると断定していない
記事は、『疑惑』が事実であるとは断定せず、一方的な証言と思わせぶりな記述だけで、あたかも『疑惑』が真実であるかのような印象を与えるものとなっている。
鳥越俊太郎氏の弁護団の抗議文
週刊誌としては当然の手法と言えるが、選挙期間となれば法的に大きな問題がある。それは「公職選挙法」という法律があるからだ。通常時には当然の手法でも、鳥越氏が候補者である場合、文春側は大きな過失を起こしたことになる。
公職選挙法による「表現の自由濫用の禁止」と指摘
こうした手法で有権者に事実と異なる印象を与えようとする行為は、明確な選挙妨害であり、公職選挙法148条1項但書によって禁止される「虚偽の事項を記載し又は事実を歪曲して記載する等表現の自由を濫用して選挙の公正を害」する行為に他ならず、同法235条の2に規定する罰則の対象にもなりうる行為である。
鳥越俊太郎氏の弁護団の抗議文
公職選挙法148条の1は「表現の自由」を担保するものだが、その「濫用」も認めていない。
公職選挙法148条1項(ただし以降)
ただし、虚偽の事項を記載し又は事実を歪曲して記載する等表現の自由を濫用して選挙の公正を害してはならない。
公職選挙法
この場合、文春は虚偽でないことを証明しなければならない。しかし、記事内では少なくとも事実であることを証明していない。公職選挙法の捜査は極めて厳しいものだ。
編集者・経営者も禁固刑
第二百三十五条の二 次の各号の一に該当する者は、二年以下の禁錮又は三十万円以下の罰金に処する。
公職選挙法
一 第百四十八条第一項ただし書(第二百一条の十五第一項において準用する場合を含む。)の規定に違反して新聞紙又は雑誌が選挙の公正を害したときは、その新聞紙若しくは雑誌の編集を実際に担当した者又はその新聞紙若しくは雑誌の経営を担当した者
公職選挙法
以上のように、今回のケースが、前掲のただし書きの規定に違反となった場合には、明確な罰則規定(2年以下の禁固、または30万円以下の罰金)という刑罰が、週刊文春の編集者や経営者に課せられるこよになる。
選挙妨害は明確な犯罪行為
選挙期間だけに、もしこのまま刑事告発されて、今回の記事が事実と証明されない場合は、打ちっぱなしの「文春砲だった」ではすまない。