少女たちの憧れ「ブルーマーメイド」、ではなく、その陰にひっそり存在する「沿岸警備局」を目指す少女達は、日本、そして世界を巻き込んだ大事件へと巻き込まれていく……。
国土の多くを失いつつも、海運大国へと成長を遂げた日本。
この発展を支える二つの力があった。
一つは海に生き、海を守り、海を往く「ブルーマーメイド」。
もう一つは広大な海に跋扈する悪への抑止力として、無法者への海賊行為を国家から許された者達。
人は彼等を「クリムゾンオルカ」と呼ぶ。
少女達は憧れのブルーマーメイドとなる為に大海原へと踏み出した。…しかしその先に待っていたのは理想と違う日本の命運を賭けた熾烈な戦場ヘの入り口であった。
海上安全整備局 特別警備隊(SBU:Special Boarding Unit・通称「ポセイドン(海神)」「特警隊」)その任務は海上におけるテロの対処や密輸、密航等の海洋犯罪の対処など多岐にわたる。
本作はその特殊警備隊の活躍を描くものである。
海に生き、海を守り、海を征く――――誰かの命を守るため、海の安全を守るため、彼女たちは鋼鉄を駆り海を拓く。
―――――たとえ、それが絶望に続くとしても。
横須賀女子海洋学校、航洋艦『晴風』に乗りこんだのは、入学試験を切り抜けた優秀な新入生31名と黒一点の教員が1人。学校名物の入学直後の航海演習はいつも通りのはずだった。
幼い人魚姫たちの行く末に、光はあるか
彼――宗谷 真湖は潜水艦の水雷長、男子校の三年生である。
そんな彼の元に『晴風、反乱』の報せが届き――?
今から100年ほど前、日露戦争の後日本はプレートの歪みやメタンハイドレートの採掘などが原因でその国土の多くを失った日本。その結果、海上都市が増え、それらを結ぶ海上交通などの増大に依り海運大国になった。軍艦は民間用に転用され、戦争に使わないという象徴として艦長は女性が務めた。これが「ブルーマーメイド」の始まりであり、女子学生の憧れの職業となっていった。また、空を護る為に設立された「ブルーシーバード」は、男女混合の部隊である。女子が操艦し、男子が戦闘機等の操縦を行う。しかし、この学校では艦長は女子でも男子でも構わなかった。
今から100年ほど前、日露戦争の後日本はプレートの歪みやメタンハイドレートの採掘などが原因でその国土の多くを海中に失った結果、海上都市が増え、それらを結ぶ海上交通などの増大に依り海運大国になった。その過程で軍艦は民間用に転用され、戦争に使わないという象徴として艦長は女性が務めた。これが「ブルーマーメイド」の始まりであり、女子学生の憧れの職業となっていった。また、かつての軍艦のなかにはブルーマーメイドを育てる教育用の船、教育艦として使用されるものもあった。