テニスラケットのガットのテンション、どうやって決めていますか?
そこそこまともに打てるようになってきた(気がする)ので、自分好みに張り上げようと調べてみると、これが諸説あって混乱…。
どれが本当かは正直わかりませんが、私と同じようにガットの張り上げテンションで迷っている方の参考になればと思い、調べた事をまとめてみました。
メーカーの推奨テンションってどうなの?
まず一番最初に目安と思えるものはラケットメーカーが表示している「推奨テンション」ではないでしょうか。
ですが、私がお世話になっているショップにおすすめテンションを聞くと推奨値より低いテンションでした。ここは何人もプロと契約しているショップのようで、信頼できるお店だと思います。
で、まずは推奨テンションってどうなの?と思って調べてみました。
テニスラケットの推奨テンションはあまり推奨できない
テニスラケットの推奨テンションはあまり推奨できない : 合うテニスラケットを選んで戦力アップ
「ラケットメーカーが自社製品について適切ではない数値を表示することなど絶対にあり得ない」と考えるのが一般常識なので、私どもがいくら「推奨テンションが適切ではない」などと言っても、すぐには納得されないと思いますが、現実問題として以下のような事例があります。
◇事例1
メーカー自身が、自社ブランドの試打用ラケットにストリングを張る際に、適正範囲の下限値を大きく下回るテンションで張っているケースが散見されます。
◇事例2・・・・・
やはり、メーカー自身も推奨テンションより低めで張るようです。
ではなぜ推奨テンションは高めに表示されているのか。
適正テンションが硬くなった原因
テニスラケットの推奨テンションはあまり推奨できない : 合うテニスラケットを選んで戦力アップ
こうなってしまった原因として最も有力な犯人候補は「ストリングマシンの性能向上」です。
現在のプロ用のマシンは30年前くらいのマシンからは想像できないほど進化しており、その結果、同じテンションで張っても、30年前のマシンとは比較にならないくらい格段に硬い張り上がりになります。
その一方で、フレーム等に記載されている「推奨テンション」の範囲は、十年一日のごとく変化しておりません。(特に海外ブランド)
メーカーの推奨テンションは硬く張りすぎてラケットを破損しないようにするための目安程度に考えた方が良いかもしれませんね。
もちろん、適正テンションを基準にという記述があるサイトも色々ありました。
そもそも同じテンションで張り上げても条件次第で固さが異なる
要はテンションとは「●●ポンドで引っ張ってガット張りますよ」ということで、硬さはガットの種類や太さ、ラケットのフェイスのサイズなど、様々な条件で変わってくる、ということです。
ガットを張る機械や人によっても変わってくるそうです。
「テンション」は、「引っ張る力」のことで、その力の大きさを表すのに「重さ」の単位を使っていますが、「硬さ」を示す数値ではないのです。
テニスガットの基本的なことについてテニスワンが解説
「張り上がったストリング面の硬さ」は通常、「面圧」と呼ばれています。
実際には、「張り上がりの硬さ=面圧」を測定する機械は30年以上も前から存在します。
「張り上がったストリング面に一定の荷重を加えてどれくらい沈むかを測定する」というとてもシンプルな構造の測定機(ラ・テスト社)ですが、シンプルなだけにわかりやすいとも言えます。
例えばあるガットを50ポンドで張ったとします。
何を基準にテンションを決めるのか、その考え方 | tennis99academy
一つは柔らかいマルチフィラメントのもの、もうひとつは硬いポリエステルのガット。同じ50ポンドで張ったとしても、張り上がり後にラケットの面を押すと明らかにポリエステルのほうが固く感じることでしょう。これはガット自体の伸びやすさ、伸びにくさに依存しているからです。
ラケットに張られたガットは同じテンションであってもその長さに比例して柔らかさも変化します。つまり同じテンションで張ってもミッドプラスよりもオーバーサイズ(フェイスサイズが大きくなる)のラケットほど張り上がりの状態ではガット面はより柔らかくなると言うことです。
ということは、ラケット・ガットの種類(材質)・張る人ごとにそれぞれ適切・好みの張り上げテンションが異なると言う事に。
ということで、テンションの数値で語っても意味がなさそうなので、緩い・硬いでどうなるのかを調べることにしました。
ガットは緩い方がよく飛ぶ
特徴としては強く張るとボールは飛ばなくなり、緩く張るとボールは飛びやすくなります。
テニス ガット テンション 初心者から上級者
これはどんなサイトを見てもそう書いてあります。
では、なぜ緩いと飛ぶのか?
地面でジャンプする場合と、トランポリン上でジャンプする場合とを想定してください。トランポリン上の方が高く飛べますよね。ストリングのテンションが低く、トランポリンのように表面がより大きくしなる場合のほうがボールの飛びがよくなります。
ストリング(ガット)の選び方|テニスグッズの選び方 【テニス365 : tennis365.net 】
歪んだガットがボールを押し出す手助けをしてくれる、という感じでしょうか。
個人的にもそんな感じだろうな・・・と思っていたのですが、こんな説も。
シドニー大学のRod Cross教授はテニスに関する研究で有名ですが、Cross教授によるとガットを緩くすると2度くらいボールが上に飛ぶそうです。
ラケットのテンションを落としてもボールスピードは速くならない(テニスの物理) | 錦織圭を鼻血が出るまで応援し続けるブログ
「ボールの打ち出し角度が上がるので単純にその分飛ぶ」ということのようです。
どちらが正しいかで打ち方が変わってくるような気もしますが…。
とにかく、緩いと飛ぶ(もちろん緩すぎると飛びません)のは間違いないようです。
ガットが緩い場合の特性
・ガットが切れにくい
・ボールが良く飛ぶ
・スピンがかかりやすいと言われている(実際は分からない部分が多い)
・ボールのスピードが速くなると言われている
(これも色々な要素が絡んでくるため、断言はできないです)
・テンションを低くしすぎると反発力が弱まり、逆にスピードが遅くなる
・コントロールが悪く感じる場合もある
主に女性、子供、感触を重視するネットプレイヤーにオススメのテンションだそうです。
ガットが硬い場合の特性
・コントロールが良くなる
・ボールがあまり飛ばないため、強打する人に向いている
・ガットが切れやすい傾向にある
・体、主に肘への負担が大きくなる。テニスエルボーに注意を
主に男性でハードヒットを好む方にオススメのテンション。
結局、自分にあったテンションを見つけるためには?
まずはこれ。これは好みを見つけると言うより、一番効率の良いテンションと言うことになりますが。
「インパクトの手応えが一番軽くなるものを選べば良い」
テニスのガット張りの適切な硬さを見つけるコツ—その1 : 合うテニスラケットを選んで戦力アップ
インパクト時に発生する「手応え=衝撃」は、それ自体がエネルギーの一種ですので、衝撃が大きくなればなるほど、そこで消費されるエネルギー量が大きくなるため、ボールを飛ばすのに配分されるエネルギーが減ることになります。
簡単に言えば、「手応え=打球衝撃」がゼロであれば「球の勢い」=「スイングパワー」なのですが、インパクトで「打球衝撃」が生まれると、「打球の勢い」=「スイングパワー」-「打球衝撃」ということになるため、スイングパワーが一定の場合は、打球衝撃が大きくなればなるほど打球の勢いが弱まることになります。
この方法で普通に打って飛びすぎてアウトになる場合は、飛ばないガットにするか、パワーロスを承知で硬めに張って飛ばなくするか。逆にこれでも飛ばない場合はガットの種類かラケット自体を変えてしまうか・・・
こういう調整方法もあるのかな、と思います。
もちろん、練習したり鍛えたり、という選択肢もありますね。
そして、それぞれのレベルに応じての張り方の参考になるなと思ったのがこちら。
初心者向きの張り方は?
初心者でもわかる!テニスのガットのテンションについてレッスン★種類・選び方・張り方をわかりやすく解説!|GOIN[ゴーイン]
なんといっても初心者に最も多いミスが、コートの後ろ側にボールがはみだしてしまうバックアウトです。まだはじめたばかりの頃は打面を適切な角度で固定することが困難なため、ついつい遠くに飛びすぎてしまうんですよね。それをふせぐために硬めに張るのが基本になります。
人によってはそれを意識して力を弱めて打ってしまい、フォームが安定しないといった自体にもなりかねないので、できるだけ硬めに張って、まずはちゃんとしたフォームで打てるようになりましょう。
中級者向けなら?
初心者でもわかる!テニスのガットのテンションについてレッスン★種類・選び方・張り方をわかりやすく解説!|GOIN[ゴーイン]
この頃にはもうフォームも安定していますので、ガットのテンションについては硬めにする必要がありません。そうなるともう自分自身にあったものを選ぶ必要があります。これから先に自分がどういうプレイをしたいかで張り方を変えていきましょう!
参考までに、もしあなたがベースラインでプレイするのが好きなら、飛び過ぎないように硬めのテンションがおすすめですし、ネット際での勝負が得意ならボレーがしやすい柔らかめのテンションがおすすめになります。
上級者に向いた張り方は?
初心者でもわかる!テニスのガットのテンションについてレッスン★種類・選び方・張り方をわかりやすく解説!|GOIN[ゴーイン]
この頃にはすでに自分なりのセッティングがあると思うのでどんなものが良いのかというおすすめはありません。自分好みのもの選んでくださいね! ただし、自分のそのときの体調などもありますので、いろいろなテンションのラケットを用意して、その時にあったものを選ぶのをおすすめとさせていただきます。
まとめ
残念ですが自分にバッチリ合ったテンションを探すのは経験者でも難しいことです。
ガットのテンションは高いのと低いの、どちらが良いのか | テニス初心者におくる【困った時の処方箋】
練習を重ね、何回も何十回も色々なテンションを試してみて、ようやく自分に合ったテンションが見つかるものですので、初めはある程度の適当さを持つことが大切です。初めから完璧なテンションを見つけようとするのは、多分見つからない上に嫌気がさしてくる可能性があるのでお勧めしません。
試していくうちにベストなテンションはきっと見つかりますので、楽しみながら探していくのが良いのかなと思っています。
結局自分で色々試してみるしかない、ということですね。
とはいえ、闇雲に色々試すより、何かの基準・知識に基づいて試さないとなかなか正解にたどり着けません。
このまとめが何かのお役に立てれば幸いです。