平沢進『狙撃手』歌詞考察

ゴッド兄やん
平沢進さんの楽曲『狙撃手』の歌詞についての考察です。この曲が収録されている『BLUE LIMBO』は9.11同時多発テロ以降の紛争などに関する平沢さんなりの思いが込められたアルバムでもあります。9.11以降、紛争。そんな文脈の上で読み解いたまとめです。
http://www.youtube.com/watch?v=an2VLnLfzP0

歌詞

塔の遥か上 広告の影
赤いスーツのスナイパーを見ろ
遠のくキミを あくまで追う
ああ逃亡の展望も砕く
ヒューと 口笛吹き
路地からまた路地へと
ヒューと 逃げる演技
さあ軽やかに家路へと
DDT! DDT!

見渡すかぎり真実の墓地
さあ戦場から惨状だけ聞け
慄くキミを どこまで追う
さあ戦場から惨状だけ聞け
ヒューと 鳴咽を吐き
悪夢からまた悪夢へ
ヒューと 胸を鎮め
さあ弾道を読む静寂を
DDT! DDT!

安息の日も木陰で待つ
黄色いスーツの
スナイパーを見ろ
行き交う人 恐怖はピーク
ああ戦場の緊張にも増し
ヒューと 口笛吹き
シアターからまたシアターへ
ヒューと 恐れるフリ
さあ冷ややかに観劇を
DDT! DDT!

単語考察


https://matome.naver.jp/odai/2146245698571110501/2146314552983253403
堂々とした不正
「元のタイトルは‘赤い狙撃手’だったのですが、
赤という言葉から共産主義を連想されたりすると面倒なので、
2番目に黄色い狙撃手を持ってきたのですが、それでは‘赤い黄色い狙撃手’と、
語呂の悪いタイトルになってしまうので、‘狙撃手’にしました。
狙撃する人の服は大抵黒だとか、目立たない色だと思っていたのですが、
最近は赤い服の狙撃手をよく見かけるようになりました」
参照:http://www001.upp.so-net.ne.jp/alke-min/h-live1.htm
DDT
DDTについては歌詞カードに記載されている。
Decoy Distract and Trash
真実を隠蔽するための囮作戦の意。
口笛
この漢字は違う読み方もできる。
口笛と書いて「うそぶえ」と読ませるのだ。
DDTとも対応するので不自然ではないが、
そういった意図が込められているのかどうかは不明である

内容考察

BLUE LIMBO
蛮行と戦争の恐怖で制御される「惑星BLUE LIMBO」を舞台とするコンセプトアルバム。
アメリカ同時多発テロ事件に対するアメリカの報復攻撃に対する疑念が強く込められている。 そしてこのアルバム最初の収録曲が『狙撃手』である。
9.11絡みで考えた場合には、次のようにも読み解けるはずです。
テロ報復後のアメリカ国民の歌?
狙撃手に常に監視された生活。ターゲットとなる人々はテロ報復の惨劇を知って胸を痛めつつも、毎日楽しいふりをして口笛を吹き続けなければ撃たれてしまう。
アメリカは素晴らしい国だ、とばかりに。
現実の悲惨な戦争を知りつつも、スナイパーにうながされて人々はシアターへ。映っている映像が捏造された物と知りつつも、何もできない人々はただ虚構を冷ややかに見つめます。アメリカではキリスト教徒が多数派であることを思えば安息の日は「安息日」と考えられるでしょう。
神に祈る礼拝の日にさえ心にうしろめたさと無力感を抱えて暮らす人々。その恐怖は戦場の緊張にも増して
悲惨・・・そんな歌のように思えます

http://www.youtube.com/watch?v=XLbqrFhGuso
しかし、後の楽曲『Archetype Engine』において、「狙撃手の胸 たたき割る」という歌詞が登場。果たして「Made in Malaysia 」のarchetype engineは何故狙撃手の胸をたたき割ることが出来たのか?ここにも考察の余地がありそうです
https://matome.naver.jp/odai/2146245698571110501
2016年05月13日