京都には、1,700程度の寺院があり、観光寺院だけでも500を超えると言われています。
では、いったいどのように楽しめば良いのでしょうか?
その① スケジュールに余裕を持つ
しかしながら、そんなことをしては、せっかくの旅行が台無し。
ゆっくり過ぎても間延びしちゃいますが、一般的な所要時間プラス3割ぐらいの余裕をもって回るのがおすすめです。
各寺院の所要時間は、こちらに掲載されています。
その② 宗派を理解する
仏教はインドでお釈迦様が説かれたものですが、中国を経由して、日本へと渡ってきました。
お釈迦様が説かれた教えには、八万四千の法門があると言われ、経典も数多く存在します。それらは「仏説」と呼ばれ、いずれも真実とされていますが、数が多いため、宗派により大切にしている経典が異なるのです。
大切にしている経典が異なれば、教えの内容も異なり、安置する本尊も異なり、修行の内容も異なり、お寺の形式も異なってくるという訳です。
京都のお寺を宗派別に分けて紹介しているサイトです。是非参考にしてみてください。
その③ 寺院は、仏道修行のための根本道場であると知る
つまり、寺院は「観光客のため」のものでなく、「修行者」のために作られているのです。各宗派の修行の大枠を知り、修行者の視点で寺院を見ると、また違ったものが見えてきます。
こちらのサイトは、宗派ごとの修行内容を簡単に紹介しています。
そのため、人里離れた「比叡山」の修行が一番厳しく、中心地にある「本願寺」の修行が一番易しいということになります。
その他も、おおよそではありますが、街から離れるに連れて、修行が厳しい寺院となります。
その④ パンフレットを読み込む
しかしながら、これが非常に重要。なぜなら、パンフレットにはその寺院の魅力が漏れなく記載されているからです。
事前の予習ももちろん大事ですが、確認の意味を込めて、その場できちんろ見直しをしましょう。そうでないと、案外大切な見どころを見逃してしまうかもしれませんよ。
ここまでで「知識」はバッチリ。ここからは「見方」をご紹介。
その⑤ メリハリを付ける
その⑥ 光を大切にする
各寺院には、仏像・屏風・お庭といったものがありますが、自然光のもとでこそ美しく見えるものがあり、また太陽の位置を計算して作られたお部屋等も存在します。
またお庭は、晴れた日も美しいですが、雨に濡れる姿が殊に美しいと評されるものも少なくありません。
京都観光の際は「雨だから」と落ち込むことはありません。雨だからこそ見られる表情を大切にしましょう。
お寺によって異なりますが、一般的な良い時間帯としては、春と冬は午前中、初夏は日中、夏は日中と夜、秋は夕方となります。
その⑦ 季節を感じる
実は「季節を感じる」というのは、「空気を感じる」ということです。
春は室内を吹き抜ける風、初夏は新緑の若々しい香り、秋は落葉を踏み鳴らす音、冬は回廊の木の冷たさなどなど、それぞれの季節を肌で感じましょう。
昔から変わらない日本の四季。その昔ここで修行したお坊さんも、同じことを感じたのかなと思いを馳せるのも楽しいものです。
その⑧ 年齢を意識する
寺院の印象は、先に挙げた「光」や「季節」によって変わってきますが、それ以上に自身の「年齢」すなわち人生経験によって様々に変わってきます。
特に寺院は、現世の無常観が表現されているところが少なくありません。人生経験を積むにつれて、実感として思うところに変化があることでしょう。
その⑨ 御用達に注目する
各寺院は、それぞれ「御用達」を持っており、それは「華道」「茶道」に始まり、「仏具」「法衣」「建築」「畳」「庭師」などなど、挙げればキリがありません。
そんな中、最も身近なのが「食事」。具体的には、「ご飯」と「お菓子」。
特に和菓子は、各行事で用いられる和菓子を作るお店が必ず存在するため、是非調べて買ってみましょう。
その⑩ 礼に始まり、礼に終わる
どれだけ急いでいても、どれだけ混み合っていても、山門で必ず立ち止まり一礼をしましょう。
帰りも同様に、山門で振り返って一礼をします。もちろん、いずれの場合も帽子は脱いでくださいね。
こちらでは、詳しい作法が紹介されていますが、基本の一礼を守れば、他はそこまで厳密である必要はありません。
でも、「有名だから」という理由だけで訪れても、それは「行った」ということにしかならず、後から思い出しても、「ガイドブックの写真と一緒だったな」ぐらいの記憶しか残りません。