産経新聞に【日本千思万考】というコラムが連載されています。
このコラムを書いているのが国際ビジネスマンだった上田和男(こうだ・かずお)氏です。
昭和14(1939)年、兵庫県淡路島生まれ。37年、慶応大経済学部卒業後、住友金属工業(鋼管部門)に入社。米シラキュース経営大学院(MBA)に留学後、45年に大手電子部品メーカー、TDKに転職。米国支社総支配人としてカセット世界一達成に貢献し、57年、同社の米ウォールストリート上場を支援した。その後、ジョンソン常務などを経て、平成8(1996)年カナダへわたり、住宅製造販売会社の社長を勤め、25年7月に引退、帰国。現在、コンサルティング会社、EKKの特別顧問。
しかしこのコラムは完全なネトウヨによる文章です。それだけならばまだしも、デタラメな記述もあります。要はトンデモな記事というわけです。今回はそんなトンデモ文章をいくつか紹介したいと思います。
①日本語は世界で唯一“植民化”されなかった言語
日本は非常に素晴らしい文化を持っていると主張する上田さん、その理由は日本語にあるといいます。
日本の文化力が、なぜ世界中で図抜けているかと問われれば、「人類史を通じて、日本語が唯一、植民化されなかった言語であり、そこに独自の客観的世界観が凝縮されているから」と答えられるでしょう。
【日本千思万考】日本語は世界で唯一“植民化”されなかった言語 国際人たる前に「立派な日本人」であれ(3/6ページ) – 産経WEST
わが日本だけは、中世は元寇の役をしのぎ、幕末の英(朝廷側)と仏(幕府側)両国の植民地化狙いを退け、内輪揉めは自らの手で“維新”したことで、中国語・モンゴル語や英仏語による置き換えを逃れてきました。戦後のアメリカ占領下でも、ヘボン式ローマ字化を通じた英語への誘導にも乗せられず、(換言すれば、識字率の高さと日本語教養力の高度成熟度が壁となって)文化大国としての日本が二千年来の母語を維持継続できたわけです。
【日本千思万考】日本語は世界で唯一“植民化”されなかった言語 国際人たる前に「立派な日本人」であれ(3/6ページ) – 産経WEST
えーっと漢字の存在は?
日本語は間違いなく、中国語から植民化されたものです。それを理解できないのが国際ビジネスマンです。
②中韓はチンパンジー民族
上田さんはネトウヨなので中韓は大嫌い。だから中韓よりもインドと手を取り合おうといいます。
動物・人類学者のお説によると、類人猿には大区分すると、攻撃的・闘争的なチンパンジー派と友好的・防御的で愛の心情を持つボノボ派の2種に分かれるそうです。人類にも同じような性癖が継承されているらしく、さしずめ中華・朝鮮両民族がチンパンジー系なら、日本・インド両民族はボノボ系といえるのかもしれません。
【国際ビジネスマンの日本千思万考】近くて遠い「反日・中韓」より、遠くて近い「親日・インド」を大事にすべし…パール判事の「知性」を思い出そう(1/5ページ) – 産経WEST
これは明確な差別記事。「日本も猿呼ばわりしている」と逃げるのでしょうが、中韓を差別するのが目的の記事なのでそんな言い訳は通用しません。しかもタイトルに「チンパンジー」と入れていたのを消す姑息ぶり。
デス・バレリーナ@Dethtooldo
見出しからコッソリ「チンパンジー」を消してやがるんだけど、謝罪も説明もナシ。
【国際ビジネスマンの日本千思万考】近くて遠い「反日・中韓」より、遠くて近い「親日・インド」を大事にすべし…パール判事の「知性」を思い出そう sankei.jp.msn.com/west/west_econ…
③オッペンハイマーは自殺した
日本に投下された原爆には多くの科学者がかかわっていましたが、それについてとんでもないデタラメを書いたことがあります。
関与した多くの科学者たちは自責の念に駆られました。研究室を離れたり、ノイローゼにさいなまれたり、核の平和利用を訴える活動に転じたり…。オッペンハイマーにいたっては「日本人に深くお詫びし、死をもって償いたい」と自死を遂げたと聞きました。
【国際ビジネスマンの日本千思万考】「日本人に深くお詫びしたい」、日本の「原発」生んだのは米物理学者たちの「原爆贖罪意識」だった(2/4ページ) – 産経WEST
オッペンハイマーは自殺していません!
1965年、咽頭がんの診断を受け、手術を受けた後、放射線療法と化学療法を続けたが効果はなかった[2]。1967年、昏睡に陥ったオッペンハイマーは、ニュージャージー州プリンストンの自宅で2月18日、62歳で死去した。
ロバート・オッペンハイマー – Wikipedia
これ以外にもデタラメがあります。
オッペンハイマーやアインシュタインほかユダヤ系化学・物理科学者たち(ナチスから逃れ米国へ移民した学者たち)によるマンハッタン計画
【国際ビジネスマンの日本千思万考】「日本人に深くお詫びしたい」、日本の「原発」生んだのは米物理学者たちの「原爆贖罪意識」だった(1/4ページ) – 産経WEST
アインシュタインはマンハッタン計画に参加していません。
ちょっと調べればわかるのに、思い込みだけで書くからこういう大恥をかくのです。ネトウヨになると考えることすらできなくなるという、良いサンプルといえるでしょう。
上田和男は早く隠居をするべきです。
関連項目