【気になる子】自分で身体を傷つける

ササキサヤカ
身体を傷つける子どもがいると、周囲の人だけでなく支援者である大人もひどく動揺してしまいます。しかし、動揺した気持ちのまま子どもと接してしまっては、感情的な対応になってしまうかもしれません。他の支援者と協力することで、冷静さを取り戻し、落ち着いて対応する姿勢が必要です。

①自分で身体を傷つけるとは?

爪をかみ続け、ときは血がでるくらいまでかんでいたり、髪の毛やまゆ毛を抜いて一部分が薄くなっている子どもがいます。こうした状態が続く場合は、なんらかのストレスによる神経症性の習慣である可能性があります。また知的障害や自閉症圏の問題を持つ子どもでも、上記の行動や、壁や床に頭を打ちつけたり、自分の目や顔を突いたり、手や唇をかんだりすることをくり返すことがあります。ほかにも自殺をしたいという気持ちを持っている場合や、性格に著しいい偏りを持っている場合、精神疾患を患っている場合が考えられます。

②その他に見られるサイン

○爪をかむ
○リストカットをする
○髪やまゆ毛、まつげを自分で抜く
○頭や壁に打ちつける
○手や唇をかむ
○自分で目や顔を突く
○手首にリストバンドや包帯をしている

③どんな課題が背景にあるのか

○習癖の可能性がある

自ら髪のケや眉毛を抜いてしまう抜毛は、抜くことによって快感や満足感、解放感が生じるため、やめたくてもなかなかやめられないのが特徴です。爪かみも習癖のひとつです。その行為により、自分の気持ちを和らげ、慰める場合が多いといわれています。大切な人物の喪失体験や環境の変化による新たなストレス、不安緊張を和らげる手段の喪失などが背景にあることがあります。家庭内の一次的な問題によるストレスを感じて起きることもあります。

○知的障害、自閉症圏の可能性がある

知的障害や自閉症圏の問題を抱えた子どもの場合は、周りから入ってくる情報(人の話や、目の前で起こっている出来事など)がうまく把握できなかったり、そのような情報があっても興味を持てなかったりしたときに、自己を刺激するための行動として現われることがあります。
また、快、不快に伴って激しく興奮したときに、壁に頭を打ち付けるなど自分を傷つけるような行動をすることがあります。

○自傷行為の可能性がある

手首自傷などの場合、“死にたい”という気持ちから行うこともありますが、そうでない場合も多いようです。この行為を繰り返す子は、周りの注意を引きたくて行っていると見られることが多いですが、背景に寂しさや不安など、なんらかの精神的問題を抱え、その対処行動として自傷行為を選択してしまっていると考えられます。思春期では、自傷行為だけでなく、人よくトラブルを起こすなど対人関係が著しく不安的なタイプの子もいます。この傾向が強いと、のちに“パーソナリティ障害”という性格の偏りによる精神疾患と診断される場合もあります。

④具体的な配慮と支援

○習癖の場合には

習癖の場合には、環境の調整によって改善することも多いです。そのたm、えには、子どもが何に困っているか、何にストレスを感じているかを把握しするために、学校でのこと、そして、家庭でのこと、幅広く把握するために、校内の教師と情報共有をしたり、保護者と話をしたり、その子が過ごしやすいような環境を整えていくことが支援となります。学校では髪の毛をぬかないので脱毛だと思われている子が、実は家だけで抜いているということもありますので、家庭との連携は重要です。また、抜毛の場合、髪が薄くなってしまうことは、見た目に目立つため、年齢が高くなるほど、本人の悩みも深くなります。周りの子の心ない言葉で傷つくことがないよう、配慮が必要です。

○知的障害、自閉症圏、またはその可能性がある場合

知的障害、自閉症圏、またはその可能性があある場合には、自分の身体を傷つける行動自体をやめさせようとするのではなく、ほかのことに興味や関心を向けさせることにとって、頻度を減らすことができます。その行為が、どの場面でよく出てくるかをよく観察し、そのような状況を避けるような支援を考えていきます。医療機関や教育相談機関などの専門機関との連携の上で具体的な方法を検討することも必要になってくるでしょう。

○自傷行為には

自傷行為に関しては、なぜ切ったのかなど責めるようにしてはいけません。見つかっら叱られると感じると、見つかりにくい足などを傷つけるようなこともあります。また、「注意を引くためだから、放っておいたほうがいい」といった突き放すような態度も有効ではありません。自傷は、行うことで一時の安定を得られるといわれているため、何かつらいことがあるとすぐに切ってしまう“依存状態”になる危険性があります。繰り返してしまう場合は“自傷行為でしか安定を保てなくなっている”状態だと考えられますので、不安になったり辛くなったりした時に、自傷行為に頼らずに心に落ち着ける別の方法を一緒に考えていくことが支援となります。養護教諭は、身体のことをケアするという役割がありますので、自傷に苦しんでいる子どもと関わりが持ちやすいと考えられます。傷の様子をいたわることから、自傷の依存性の話をして、今後、切らない約束をし、一緒に別の方法を考えていきます。

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2015年12月12日