1.世界中で広がる海洋汚染
このように肉眼で簡単に見えるゴミも多いですが、
中には私たちが見つけにくい小さなゴミがあります。
その一つがマイクロプラスチックです。
2.マイクロプラスチックとは
海洋などの環境中に拡散した微小なプラスチック粒子。厳密な定義はないが、大きさが1ミリメートル以下、ないしは5ミリメートル以下のものを指す。海洋を漂流するプラスチックごみが太陽の紫外線や波浪によって微小な断片になったものや、合成繊維の衣料の洗濯排水に含まれる脱落した繊維などが含まれる。
マイクロプラスチック(マイクロプラスチック)とは – コトバンク
「マイクロプラスチック」の海水中の密度が、日本の近海では、これまでに調査が行われた世界各地の平均と比べて27倍高くなっていることが、九州大学の研究で分かりました。
日本近海のマイクロプラスチック 世界平均の27倍 NHKニュース
3.マイクロプラスチックの問題点
①有害物質の付着
表面に有害物質が付着しやすい特徴があるため、魚などが体内に取り込むと生態系に影響を及ぼすおそれがあると指摘されています。
日本近海のマイクロプラスチック 世界平均の27倍 NHKニュース
②健康への脅威
マイクロプラスチックに含まれる化学物質が、魚介類などに摂取され蓄積している可能性は避けられない。すなわち、問題は海の生物だけでなく、それらを口にしている我々の健康への脅威としても認識されるのである。
マイクロプラスチックの環境汚染 安易な使用、見直し迫る :日本経済新聞
③生活排水の汚染
マイクロプラスチック自体が、歯磨き粉、洗浄ジェル、顔用クレンザーなどに使われており、漂流プラスチックが劣化していくのとは別に、生活排水からもこの問題に拍車がかかっている
マイクロプラスチックの環境汚染 安易な使用、見直し迫る :日本経済新聞
5.対策は?
①環境低負荷型材料の開発
近年、プラスチックによる海洋環境汚染対策の一つとして石油系のプラスチックに代わる環境にやさしい材料「生分解性プラスチック」の開発・利用が急がれる。天然の素材と同じように使用後はすみやかに分解されるため環境負荷が少ない。
プラスチック情報局:協会の活動
すでに、生活用品には生分解性の素材でできたプラスチック製品が普及してきていますが、その量はまだ少ないのが現状です。現時点で、生分解性プラスチックの利用が一部にとどまっている理由は、①通常のプラスチック素材に比べて性能が劣る(70~80%程度)ことと、②価格が高い(4~5倍)ことです。このような欠点はありますが、環境の影響を考えると生分解性プラスチックは重要です。
プラスチック情報局:協会の活動
②製品への微粒子使用に反対する運動
昨年、オランダのNGO「プラスチック・スープ財団(Plastic Soup Foundation)」と「北海財団(North Sea Foundation)」は、2014年1月1日をもってパーソナルケア製品におけるマイクロプラスチック粒子の使用を禁止するよう呼びかける、「微粒子をやっつけろ」キャンペーンを開始した。
見えないゴミ「マイクロプラスチック」汚染の真相を探る – SWI swissinfo.ch
声をあげることが重要ですね!
③企業の積極的な変革
ユニリーバ社は、2015年までに自社製品から全てのプラスチック微粒子を排除すると発表した。ジョンソンエンドジョンソン社、コルゲート・パルモリーブ社、ロレアル社も後に続いた。プロクターアンドギャンブル社は、マイクロプラスチックの海洋環境への影響については独立した科学的データが不足しているとしつつも、2017年までに排除すると発表した。
見えないゴミ「マイクロプラスチック」汚染の真相を探る – SWI swissinfo.ch
⑤ごみの減量
前述の通り、マイクロプラスチックは元々大きなプラスチックごみが破損して小さくなっていったものも含まれています。このことから必要以上のプラスチックごみを出さないように私生活を改めることが重要であることがわかります。