レポートが書けるっ!?都内にあるちょっとマイナーな博物館【おすすめ5選】

tate_yama
学校の課題で博物館に行ってこい!有名どころとなると周りとかぶるなんてことも…..同じ題材で書くのは嫌だな…そんなときの為にちょっとマイナーな都内で行ける博物館と課題のヒントまとめました。

◆ 印刷博物館

印刷の歴史、コミュニケーションメディアとしての印刷を考えるー
凸版印刷が運営している博物館。
2012年朝日新聞『大人が楽しめる企業博物館ランキング』第1位!!
落ち着いた雰囲気で活版印刷体験もできます。http://www.printing-museum.org

展示物に注目!

◀︎ 百万塔陀羅尼
現存する世界最古の印刷物。
数が多ければ多いほど功徳を積めるという仏教の考え方から複製が比較的容易な印刷が用いられました。
江戸時代にも札、護符などの印刷物が多く作られており、自然災害、流行病などの時に神仏に頼るしかなかったということから印刷と宗教の関わりが見えてきます。
◀ グーテンベルク 42行聖書
グーテンベルクの開発した活版印刷術により、当時は口伝であまり正確でなかった聖書の内容が、多くの僧侶に正しく理解されるようになりました。
また、のちの中世ヨーロッパでは聖書の解釈を教会が独占していたのをマルチン・ルターが母国語に翻訳し印刷されたことで庶民にも理解できるようになり、教会の権威を揺るがすことになったのです。

東洋も西洋も印刷と宗教には密接な関わりがあったんですね。

展示方法に注目!


https://matome.naver.jp/odai/2144928526443589801/2144982659541329203
ひとつの木版画ができるまでの工程がわかるインタラクティブなコンテンツ。
取っ手の部分を持ち上げると中には使った木版が入っています。

展示物の保護のため照明は暗めです。ここは珍しく作品キャプションを置いておらず、 机に埋め込まれたタッチパネルの映像を見て展示物への理解を深めるという方法をとっています。(座って見られるように椅子が机の下に収納されています)
また、プロローグ展示ゾーンでは車いすの方の目線に配慮した部分もあるので展示方法などでレポート書く場合注目してみると良いかもしれません。

◆ アド・ミュージアム東京

広告の歴史から世相が見える
常設展は江戸時代から現代の広告を展示。
入ってすぐに広がる、階段を上手く利用した展示がオシャレです。http://www.admt.jp/index.html

展示物に注目!

◀ 錦絵
駿河町越後屋 店頭美人図。
呉服店を背景に美女の立ち姿が描かれていますが、この美女たちの着物はその年の新作!まるで現代のファッション雑誌の様です。
◀ 世相と広告の関わりがわかるコラージュ展示
20世紀のヒット商品や新聞、雑誌などをコラージュで展示。思わず「懐かし〜!」と言ってしまいます。
反対側に展示してある『20世紀の広告』と比較して広告とその時代背景を知ることが出来ます。

広告の歴史を江戸時代から順に見ていくと、江戸時代では引札、明治では新聞・雑誌、大正ではアール・ヌーボーの美意識を取り入れた美人画ポスター、昭和ではラジオ・テレビCM、そして現在のネットを駆使した広告というようにマスメディアの変化を見ることが出来ます。
メディアの変化の背景には、昭和のテレビCMなどは東京オリンピックにより、家庭のテレビ普及率が90%を越えたということが挙げられるでしょう。
このように広告と時代を結びつけて考えてみるのも面白そうです。

展示方法に注目!

タッチパネルの多くが高めの位置にあり、子どもでは操作が難しそうです。カレッタ汐留という都心で働く大人をターゲットにした施設内にあることから、この博物館も大人を想定しているようですね。

◆ 文化学園服飾博物館

“衣”を通して日本と世界の文化を知る
日本では数少ない服飾専門の博物館。
服の劣化を防ぐために常設展はなく、企画展を年に4回開催しており、世界の様々な衣服を見ることが出来ます。http://museum.bunka.ac.jp

展示物に注目!

企画展なので一概に言えませんが、服から当時の出来事を知るということは面白いと思います。
実際に着られていたものなので身長がどのくらいであったのか分かったり、纏う色によって地位が異なったりと当時の人々の暮らしを知るきっかけになります。
また、日本であれば着物から洋服への変移には天皇家の苦労が隠れていたりと時代背景と照らし合わせると様々なことが分かってきます。

展示方法に注目!

服という360°見ることの出来る展示物のため、壁側の展示には鏡を用いて背面を見せるという工夫がなされています。

展示物の保護のためこちらの博物館の照明は暗めで、温度も低めに設定されています。その暗さを生かし順路の案内の矢印や言葉を床に投影しています。

◆ 明治大学博物館【刑事部門】


https://matome.naver.jp/odai/2144928526443589801/2144982659641331503
拷問や刑罰の歴史から人権について考えるー
明治大学にあるこの博物館は商品・刑事・考古の3つの部門で構成されていますが、その中でも有名な『ニュルンベルクの鉄の処女』と『ギロチン』が展示されている刑事部門をおすすめします。
この2つは日本ではここでしか展示していません。
拷問、刑罰ということで残酷な描写があるため、苦手な方は注意。https://www.meiji.ac.jp/museum/

江戸時代の警察・裁判・刑罰の資料展示から、現代に至るまでの刑罰の歴史が批判的な視点で展示されています。目を覆いたくなるような生々しい資料もありますが、悲惨さを知ることで『人権とは何か』を深く考えさせられます。

展示物に注目!


https://matome.naver.jp/odai/2144928526443589801/2144982659641332103
◀ 踏絵
誰もが小学校の頃に習ったことのある、キリスト教の信者を見つけ出すために使われた踏絵ですが、ここでは精神的拷問として取り上げられています。
宗教の自由が保障されている現代、今一度歴史に目を向けてみてはどうでしょう。

https://matome.naver.jp/odai/2144928526443589801/2144982659641332203
◀ 引き廻しの図
見せしめのため死罪以上の者に対する付加刑。
馬に乗せて紙幟を先頭に犯罪の場所や居住地などを引き廻すものですが、個人情報などを外部にさらす行為は現代のネット社会の問題にも言えることですね。

『ニュルンベルクの鉄の処女』と『ギロチン』は実際の大きさよりも少し小さく作られたものです。鉄の処女は史実上の使用の記録は確認されておらず、作成意図、作成年代など不明点が多いそうです。何のために作られたのか考察してみるのも面白そうですね。

展示方法に注目!

展示は 3 つの部門の1つなので小さいスペースで、すぐにまわることが出来ます。
江戸時代の捕物から始まり、拷問、自白、裁判、刑罰と続き、江戸時代以降の刑罰の歴史という流れが一方向で展示されているため順路が分かりやすくなっています。


https://matome.naver.jp/odai/2144928526443589801/2144982659641332703
刑事部門の入り口付近に説明員の方がいらっしゃるので、疑問に思ったことがあったら尋ねてみると親切に応対してくれますよ。

◆ 目黒寄生虫館


https://matome.naver.jp/odai/2144928526443589801/2144982659641332803
寄生虫を専門に扱った世界で唯一の博物館
入ってすぐにビンに入った寄生虫たちがずらりと
お出迎え。
虫など苦手な方は注意です。
1 階は多様な寄生虫の世界を扱い、2 階では人体 に関わる寄生虫を扱っています。http://www.kiseichu.org/Pages/default.aspx

展示物に注目!


https://matome.naver.jp/odai/2144928526443589801/2144982659641333503
◀ ウミエラビルに寄生されたアオウミガメ
自然界では大量発生しないウミエラビルですが、狭い場所で飼育していると大量発生してしまいカメの衰弱を招きます。
人がちょっと手を加えただけで生態系はすぐに壊れてしまうようですね…

https://matome.naver.jp/odai/2144928526443589801/2144982659641332903
◀ 蟯虫
小学生の時など検査であったギョウ虫さん。
かつて80%の子供に感染が見られましたが、 衛生環境の改善により検出率が 1%以下になったため 2015年でギョ ウ虫検査がなくなるとか ….

寄生虫の脅威から身を守るためには、食品は加熱をしっかりとすることと、衛生に注意することが重要です。世界の寄生虫の分布を見ると衛生環境に問題がある発展途上国に多く広がっていることが分かります。
寄生虫から社会問題を考えてみては?

展示方法に注目!

寄生虫は大小様々ですが肉眼ではよく見えないものもあるので、上の蟯虫のように展示物の前に虫眼鏡が置いてあるなど工夫がなされています。


https://matome.naver.jp/odai/2144928526443589801/2144982659641333103
◀ 8.8mのサナダムシ

実際に体内にいたサナダムシですが、こんなものが自分の中にいたらと考えるとゾッとしますね…。

展示のとなりには8.8mのひもが用意されており、その長さを体感できるようになっています。

自分の小腸を想像して沿わせてみるとよりリアルに感じられそうですね。

寄生虫館は入館料無料ですが、公式ホームページで”ご寄付のお願い”があるように経営に関してなかなか難しいところがあるようです。
こういったところを切り口に博物館経営について論じるのも良さそうですね。

おわりに

いずれの博物館の内容も人の営みと密接な関係にあります。
課題で行かなくてはいけないと思うと気が重くなりがちですが、行ってみると結構楽しめますよ。
博物館は入場料も安いところが多いので興味があったら是非訪れてみて下さい!

https://matome.naver.jp/odai/2144928526443589801
2016年01月09日