夜の連続ブログ小説『この男、猥褻につき』の各話まとめDEATH!
『この男、猥褻につき』
「ああ、オヤジかぁ。ヒロキや、ヒロキ。今日の試験も難しかったけど、やれるだけのことはやったわ。明日も朝から社会科学部の試験やし、勉強せなアカンから、もうデンワ切るで。」 大学受験のために上京して滞在しているホテルのフロントで、公衆電話の受話器を置いた俺は、部屋へと向かうエレベーターではなく、日が暮れ始めた新宿の街へと
ニキビ面でオッサンみたいな老け顔の自分が、好きじゃない。 俺の顔は母親に似ていると親戚からは言われるが、母親に似ていてオッサン顔というのが一体どういうことなのか、俺には理解できない。ラグビー部の主将であることを前面に押し出して、なんとか付き合ってくれる女の子を見つけることが出来たけれども、それでも、とにかく全くモテな
少し小走りで次の曲がり角まで向かい、左側の通りを覗き込んだ。思っていたよりも細い路地だけど、この通りで間違いなさそうだ。道幅2メートルくらいの薄暗い路地には海鮮料理屋が立ち並んでいて、エビや魚を焼いている煙がモクモクと充満しているその先に、オレンジ色の豆電球で囲まれた看板があり「ファッションヘルス ワンダラー」という
ソファー席に俺ひとりになってしまった。ふと、東京という初めての土地に来て、ひとりになっている自分に寂しさを感じる。大学入試のために東京に出てきて、明日も朝から試験だというのに、俺はいったい何をやっているんだろう。本当に今、俺はここに居て良いんだろうか。 この街に、居ても良いんだろうか。 目の前には、指名されずに残っ
服を脱ぎながら俺は「今、受験のために東京に来てて、ちょっと息抜きで遊びに来た。明日も早稲田の社会科学部の試験があるから。」と、聞かれてもないのに、自分が今置かれている状況を説明した。「しっかり疲れをとって、明日のテストも頑張ってね」と元気に言う彼女の方に目をやると、もう彼女は真っ裸だった。「早稲田を受けるなんて、頭が
夜の連続ブログ小説『この男、猥褻につき』の各話まとめDEATH!
https://matome.naver.jp/odai/2144689079324129901
2016年08月19日
監修・本人/田附裕樹毎週月曜~金曜日の午後8時に最新話を更新中!