誰が出ても活躍 工藤監督の「見る目」「やる気を引き出す力」はリーダーの鑑

ぱっとじっと
2015年のプロ野球 日本一に輝いたのはソフトバンクホークス。とにかく強かった。中心メンバーもさることながら”脇役”やさほど実績のない選手の活躍も目立ちました。なぜうまくいったのでしょうか。一般社会でも役立つヒントがありそう(20151101 発信)

日本シリーズ圧勝…ソフトバンクはほんとに選手層が厚かった

今回のシリーズを見て感じたことはソフトバンクの圧倒的な選手層です。シーズンで4番を任されていた内川聖一がケガにより出場できず、柳田悠岐も打率.158と完全に抑え込まれました。たしかに、MVPを獲得した李大浩の活躍は特筆ですが、福田秀平や明石健志、今宮健太らの伏兵たちの活躍も見逃せません。
山田の読みの裏をかいた攝津・細川のバッテリー。2つの見逃し三振がシリーズの分かれ目【野口寿浩の眼】 | ベースボールチャンネル(BaseBall Channel)

2015年シーズン、圧倒的な戦力でパリーグを勝ち抜いたソフトバンク。日本シリーズでもその選手層の厚さを見せつけました。

レギュラーとして固定されていない選手、打者としては脇役の選手が躍動しました。

レギュラーシーズンで1番での打率が2割2分台の福田秀平選手を、2戦目から3試合連続でトップに起用し成功。「(初戦の)代打で変化球をうまく打った」と、シーズンと同様に過去の実績にとらわれず、己の「目」を信じてタクトを振った。
工藤監督、黄金時代へ はばたく優勝請負人 – ホークスニュース – 西日本新聞

福田の起用については

「工藤監督の信条は『見たものしか信じない』。周囲からバントが下手と言われる選手がいても、『そうなの? じゃあ本当かどうか、やらせてみよう』となる。
日刊ゲンダイ|「1年目だから…」 SB工藤監督の“口癖”がもたらす意外な効果

2015年シーズンの戦いについて

– レギュラーは固定されていなかった

中心メンバーは固定しつつも、状態のいい選手を積極的に起用し、その選手たちもしっかりと期待に応える活躍を見せてくれました。
パ・リーグを独走! ソフトバンク工藤監督流「采配の妙」に迫る|集英社のスポーツ総合雑誌 スポルティーバ 公式サイト web Sportiva|Baseball

レギュラーが固定されているチームは強いといわれますが…

中軸は固定しつつも、1、2番には調子のいい選手、相手との相性を見て入れる。
パ・リーグを独走! ソフトバンク工藤監督流「采配の妙」に迫る|集英社のスポーツ総合雑誌 スポルティーバ 公式サイト web Sportiva|Baseball

3~6番の柳田、内川、李大浩、松田は怪我などによる離脱を除きほぼ固定でした。それから中村晃も常時出場。それ以外は入れ替えながらの起用でした。

特に故障で本多雄一が離脱してからの二塁手と、指名打者次第で入れ替わる右翼手、そして捕手には多くの選手が名を連ねた。
親子Vのホークス、中軸固定以外は多様なオーダーでチーム力を高めた工藤采配 | ベースボールチャンネル(BaseBall Channel)

二塁手について少し説明を付け加えると

ソフトバンクの二塁手といえば不調でも本多、怪我しても復帰すれば本多でした。”聖域”と揶揄する声もありました。それが今年は変わりました。

不調で外れることもあり、途中怪我で離脱し戻ってきてもポジションは用意されていませんでした。

05年の王ホークス、今季の工藤ホークスを比較すると、監督の方法論に違いがあるように思う。例えば選手起用だ。

スタメンオーダーは05年が69通り。王監督はスタメンを変更することをあまり好まなかった。これに対して、今季のオーダーは94通り(〔9月〕13日時点)を数える。「最強」のオーダーを理想としたのが「王流」だとすれば、対戦投手や選手の調子に応じて「最適」なオーダーを選択しているが「工藤流」と言えるだろう。
ソフトB強さのワケ 工藤流“最適”オーダー 勝利数球団新へ — スポニチ Sponichi Annex 野球

自らの基本方針を「石橋をたたいて渡るのは好きじゃない」と話す通り、既存の戦力に頼るばかりではなく、積極的な起用も試みた
時事ドットコム:工藤監督「強さ」追求=目指す高み、緩めぬ手綱−プロ野球・ソフトバンク優勝

– 誰が出ても活躍するという現象が起こった

選手の入れ替えがやる気を引き出すきっかけに

選手側にしてみれば、試合に使ってもらえることでモチベーションが上がりますし、自ずと競争意識が芽生え、それが選手層の厚さへとつながっていったのだと思います。
パ・リーグを独走! ソフトバンク工藤監督流「采配の妙」に迫る|集英社のスポーツ総合雑誌 スポルティーバ 公式サイト web Sportiva|Baseball

若手にとってはチャンス、レギュラーにとっては刺激となり、相乗効果を生んだ
親子Vのホークス、中軸固定以外は多様なオーダーでチーム力を高めた工藤采配 | ベースボールチャンネル(BaseBall Channel)

「チャンスはピンチ。いつ、ファームへ行けと言われるか、分からないので必死でやっています」〔川島慶三〕
ソフトB工藤監督「大当たり〜!」先発抜てき伏兵V弾で初首位 — スポニチ Sponichi Annex 野球

5月17日、西武郭俊麟から放った先制本塁打についてのコメント

休み返上で選手を見る

「二軍から昇格させた選手は即起用する」との方針で、時間があれば積極的に(二軍の)雁の巣球場へ足を運び、試合観戦もしている。
ソフトバンク・工藤公康 V当確の裏にあった“広岡式管理野球”!「ヘッドコーチを置かなかった理由」 | アサ芸プラス

「試合のない移動日に、練習参加が投手数人という時も顔を出す」(スポーツ紙デスク)
ソフトバンク・工藤公康 V当確の裏にあった“広岡式管理野球”!「ヘッドコーチを置かなかった理由」 | アサ芸プラス

勝敗以上に選手のことを考えた。開幕以来、監督の休日はたった3日。〔……〕ある休日はリハビリ組が早く改善するよう知人の医師と情報交換をした。別の日はDVDの編集作業に没頭した。就任以来、各選手のデータファイルを自ら作成している。
ソフトバンクはパ最速V 工藤監督弱気叱り前向き◎ – 野球 : 日刊スポーツ

9月18日の記事

「僕が苦しいのは、大したことではない。朝から練習し、不調なら特打やバント練習に励む。選手の努力を見てきた。選手たちのおかげです」〔工藤監督〕
ソフトバンクはパ最速V 工藤監督弱気叱り前向き◎ – 野球 : 日刊スポーツ

選手の状態を把握

采配が面白いように当たった。まずは「8番・二塁」で起用した川島だ。5回1死から、左翼テラス席へ先制の1号ソロを放った。相手の先発は右腕の郭俊麟。左打者の明石や高田の起用も考えられたが「データを見ると、(郭俊麟に対しては)右打者の方が打っている。悩んだけど、昨日(16日)のスイングも強かったので」という理由で抜てき。見事に的中した。
【ソフトB】39試合目初首位!工藤監督、采配ズバリ! : スポーツ報知

たとえば5月17日の試合でのこと

采配面では打者の調子を「←」など矢印で打撃投手に書いてもらった「工藤ノート」を活用
パ最速V!工藤監督 「クドウ」だから9度胴上げ — スポニチ Sponichi Annex 野球

開幕前の宮崎キャンプ、そしてシーズンに入ってからもフリー打撃でマウンドに立つ姿を目にした。打撃投手として打者と実際に向き合うことで、ウィークポイントを見つけてアドバイスを送る。
赤坂8丁目発 スポーツ246:「名将」の予感を漂わせる、ソフトバンク・工藤監督の“人心掌握術” (1/4) – ITmedia ビジネスオンライン

打撃投手を買って出ることも

投手目線で見て、伝える。

選手とのコミュニケーション

絶妙かつ的確な“工藤流コミュニケーション”が奏功。試合中でも自ら語りかけアドバイスを送る。ある選手は「会話の中でしっかり気持ちを酌み取ってくれる監督」と、尊敬のまなざしを送るが、その手腕に球団の評価も高まるばかりだ。
“工藤イズム”で鷹の長期政権に死角なし 孫オーナー、王会長も100%アシスト – スポーツ – ZAKZAK

選手に消極的な言葉を禁じた。前向きな気持ちを習慣づけるためだ。自ら率先し、劣勢でもベンチで笑みを浮かべた。
ソフトバンクはパ最速V 工藤監督弱気叱り前向き◎ – 野球 : 日刊スポーツ

「マウンドに立つ資格ねえよ!」。時にベンチで怒号も飛ばした。弱気な姿勢を見せた投手を本気で叱った。「この世界にいられるのは短い。逃げの四球で交代では何も得るものがない。自信を失って野球が嫌いになるのは望まない。『おれにもできる』と思ってほしい。それが見せられるのはマウンドの上しかない」。
ソフトバンクはパ最速V 工藤監督弱気叱り前向き◎ – 野球 : 日刊スポーツ

ピッチャーも打たれたらどうしようとか考えてほしくないんです。調子が悪くても、オラ行け!で打たれたら「きょうはアカんかったな。あした頑張ろうか!」「ハイ、次頑張ります」とかね。野手も「空振りしてきました。すみません」「おう、次頑張れ」。そういう野球の方が、楽しい。「みんなが明るく元気に、野球は楽しく真剣に」と言ってるんです。
工藤野球「色がないのが色」その神髄は「明るく元気に 楽しく真剣に」 — スポニチ Sponichi Annex 野球

き、きびしい…早くも来季に向け、選手には課題を

「春季キャンプのテーマは強化。2月1日にテストをやる。投手でいえば持久力、筋持久力。それがクリアできていない選手はB組。やっていない人間はサヨナラだよ」
工藤監督 V3へ“非情テスト” 来春できなきゃ「サヨナラだよ」 — スポニチ Sponichi Annex 野球

頂点に立ったチームがこれだと、V3は間違いなさそう。

https://matome.naver.jp/odai/2144636973944009501
2015年11月01日