琵琶湖の悪魔『オオバナミズキンバイ』が良質な肥料に!

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琵琶湖で増殖し、生態系に影響を及ぼす外来の水生植物『オオバナミズキンバイ』2014年には環境省から特定外来生物に認定。そんなオオバナミズキンバイとは?画像で詳しく解説。瀬田川流域でも繁殖が確認されています。

外来の水生植物『オオバナミズキンバイ』

オオバナミズキンバイ
中南米原産のアカバナ科の水草。

浅瀬や水辺の陸地に生え、夏場は特に成長が盛んになる。

琵琶湖では2009年に守山市 赤野井湾初めて確認

ペット用の熱帯魚が輸入される際、一緒に持ち込まれたとみられる。

国内で古くからみられる「ミズキンバイ」と同じ仲間であることが名前の由来だが、ミズキンバイは環境省のレッドリストで絶滅危惧II類になっている。
http://www.sankei.com/west/news/140408/wst1404080068-n3.html

2014年6月11日に環境省から特定外来生物に認定されました。

花は奇麗なのですが。。。

驚異の生命力

もともとは水辺に捨てるなどされたとみられるが、ちぎれた茎からも根が出るほど生命力が極めて高く、猛暑だった昨夏は茎が1日で3センチも伸びたという。
琵琶湖の“厄介者”思わぬ財産に 外来水草は強力肥料(1/3ページ) – 産経WEST

琵琶湖で増殖し、生態系に影響を及ぼすまでに。。。

滋賀県にある琵琶湖は古代湖であり、400万年の歴史の中で育まれてきた豊かな生態系の元、地球上で琵琶湖にしかいない魚や貝など約60種類にもなります。

しかし今、琵琶湖の姿は大きく変化しています。水質の悪化、外来魚の増加、水草の異常繁殖など多くの問題が起こっています。

その中でも近年、オオバナミズキンバイという水草が大量繁殖し、大きな問題となっています。
大学生の力で琵琶湖をオオバナミズキンバイから守りたい!(井上哲貴) – READYFOR (レディーフォー)

オオバナミズキンバイは5年で660倍に増え、これは25メートルプール半分程度だったものが5年間で9万2500㎡も拡大してしまうことを表しています。現在では、琵琶湖の南部で拡散してしまい、大津市や草津市、瀬田川などでも確認されています。
4ヶ月で琵琶湖はこの有り様
これだけ増えてしまうと、琵琶湖の生態系に影響を与えます。

豪雨や強風のたびに水流に乗るなどして分布域が爆発的に拡大。

21年12月時点で140平方メートルだった生育面積は、4年間で約460倍の6万4800平方メートルに増えた。

ヨシ群落への影響

ヨシは魚の産卵場所となるなど、琵琶湖の環境にとってなくてはならない存在!

ヨシ群落を覆うオオバナミズキンバイ

ヨシは水質を浄化し、魚の産卵場所となるなど、琵琶湖の環境にとってなくてはならない存在です。

しかし、オオバナミズキンバイがヨシの周りを埋め尽くしており、ヨシの芽吹きを抑えることによりヨシの成長を阻害し、また魚が産卵のため近づくことができないという問題が発生しています。
第3回オオバナミズキンバイ除去大作戦に参加しました | NPO法人IVUSA

飲み水としている下流域の住民の生活にも影響

『オオバナミズキンバイ』の繁殖によって水質が悪化してしまい、それに伴い異臭を放つようになり、琵琶湖の水を飲み水としている私たちの生活にも影響を及ぼします。

「琵琶湖」から流れ出る唯一の河川である瀬田川は中流部では宇治川と呼ばれ、京都府・大阪府境界付近で桂川、木津川と合流した後は淀川となり、大阪湾へと流れ注ぎます。下流域約1,450万人の方の水源となっています。

そんな厄介者『オオバナミズキンバイ』が良質な肥料になるという朗報が1

今までは、除去したオオバナミズキンバイは産業廃棄物として扱われ、自治体が経費をかけて処分していた。

「オオバナミズキンバイ」を原料とした堆肥の製造に、立命館大の久保幹(もとき)教授(環境微生物学)が成功した。

堆肥は良質で栄養価が高く、既存の化学肥料で栽培するより野菜の成育がよくなることを確認。
琵琶湖の“厄介者”思わぬ財産に 外来水草は強力肥料(1/3ページ) – 産経WEST

久保教授は、オオバナミズキンバイを3カ月間かけて乾燥、発酵させ、細かく粉砕。

成分を分析したところ、肥料として必要な物質の窒素とリン酸、カリウムを多く含んでいることが分かった。

これに米ぬかを混合して出来上がった堆肥を使ってコマツナを温室栽培したところ、既存の化学肥料に比べ、重さレベルで生育が1割アップしたことが確認された。

守山市は今年度、この堆肥を使って露地栽培で野菜を育て、生育状況や安全性、出来栄えなどの実証調査を行う方針。

問題がなければ商品化を目指す。

商品化できれば『一石二鳥』または『一石三鳥』に!

生産態勢や販路が確立されれば堆肥の売却益が見込め、オオバナミズキンバイの除去費用に充てることも考えられる。

原料として活用が増えれば除去が進み、生態系の保全につながる。

本来は厄介者の水草が思わぬ“財産”となる形で、生態系の保護のほか、沿岸の環境改善、除去・処分費用の削減という「一石三鳥」の効果を生むとして実用化に期待がかかる。
琵琶湖の“厄介者”思わぬ財産に 外来水草は強力肥料(1/3ページ) – 産経WEST

https://matome.naver.jp/odai/2144289258731699601
2015年09月22日