世の中には、帝王切開でしか出産ができない犬種が存在します
ブルドッグ(Bulldog)は、18世紀ごろの英国で雄牛(ブル)と犬を戦わせるブルベイティング(bullbaiting)という見世物が流行し、牛に対抗できる犬として開発された犬の品種の一つ
ブルドッグ – Wikipedia
開発された理由の時点で、既に悲しいですね。
品種改良って?
純系分離・交雑・突然変異などによって作物や家畜を目的に合った形質に改良すること。
品種改良(ひんしゅかいりょう)とは – コトバンク
大辞林 第三版の解説
偶然的な要素も強いので、改良には何年もの月日を要します。
近親交配により、遺伝子に問題を生じてしまう犬も。
昔のブルドッグ(オールド・イングリッシュ・ブルドッグ)
現代のブルドッグと比べると大型で四肢は長く、マズルもやや短く、それほどつぶれていない。
オールド・イングリッシュ・ブルドッグ – Wikipedia
品種改良の結果、この古い姿のブルドッグは消滅しました。
こちらが現在のブルドッグ。
どうして自力では産めないの?
骨格ががっちりしていて
頭が大きいため、産道をうまく出てこれず
窒息死したり母犬が死んでしまう等の危険性が
とても高く、自然分娩はほぼ無理です。
ブルドックは出産の時帝王切開するって本当ですか? – すべて帝王切開ですか… – Yahoo!知恵袋
胎児の頭部や肩幅の大きさに比べ雌の骨盤が小さいため自然分娩はほぼ不可能で、人の手による帝王切開での出産がほとんどである。
ブルドッグ火葬・ブルドッグ葬儀-【アメリカンペットメモリアル】自宅供養推薦
この”大きな顔”が愛犬家の人気を集めている限り、ブルドッグは「帝王切開が必須」の犬種として存続し続けるでしょう。
人間も犬や馬などと同様に、品種改良することは可能でしょうか? 【OKWave】
そして、ブルドッグには他にも問題が
人間の手により、大きく外見が変えられたブルドッグには、出産関係以外にも複数の問題点があります。
・鼻が異常に潰れておりしわが多いため、体温調節が苦手で、高温に弱い。
・下あごが出すぎて噛むことが苦手。
・しわによる皮膚病。
・呼吸困難、よだれ過多。
ブルドッグの鼻が潰れている本当の理由とは?
世間の反応
2008年イギリスBBCが品種改良の悲劇を扱った「Pedigree Dogs Exposed」を放送しました。
2008年に英国放送協会が、純血種の健康問題を描いたドキュメンタリーen:Pedigree Dogs Exposedを放送した。これにより、純血種の扱いに対して広範囲の批判が起き、ザ・ケネルクラブに批判が集中した。批判を受け、ザ・ケネルクラブは2009年に不健康の原因となる近親交配への反対を表明した。
ブルドッグ – Wikipedia
本来のブルドッグの姿を取り戻させようという動き
オールド・イングリッシュ・ブルドッグが持っていた姿を取り戻し、健康にするための改良が盛んに行われるようになった。
オールド・イングリッシュ・ブルドッグ – Wikipedia
オールディ・イングリシュ・ブルドッグ(オールド・イングリッシュ・ブルドッグ、英: Olde Engllsh Bulldogge)は、イングリッシュ・ブルドッグの19世紀初頭の姿(オールド・イングリッシュ・ブルドッグ)の再現を目的にアメリカ合衆国で作出された犬種である。
オールディ・イングリッシュ・ブルドッグ – Wikipedia
品種改良のうえの品種改良。
今後、ブルドッグはどこに向かっていくのでしょうか?
他にも品種改良の犠牲者が
ブルドッグ以外にも、品種改良の犠牲として問題を持つようになった犬はまだまだいます。
キャバリア
例えば、キャバリア。
大人しい性格になるように、様々なかけあわせをした結果、心臓の病気になりやすい遺伝を持ってしまいました。
品種改良とその影響 【OKWave】
キャバリアは心臓病(僧帽弁閉鎖不全)にとてもなりやすく、飼い主さん達の間では「避けては通れない道」とささやかれているほど発症率が高いです。基本的には老犬、そして肥満犬の場合に発症しやすいと言われていますが、小さいうちから発症することもあります(1歳ですでに33%が心臓病を持っているという話)。
キャバリアにお勧めのペット保険と、なりやすい病気について | takaの保険節約術 – お勧め保険を徹底的に比較するサイト
ダックスフンド
胴体が長いことから、腰や股関節等への負担が大きいため、ヘルニアを代表とする関節疾患にかかりやすい。上下運動(ジャンプ、高所や階段の昇降)と滑りやすい床や路面の走行、肥満、抱え方等に注意が必要。 足が短いことから、地面と腹部が近いため、夏場は熱中症になりやすい。
ミニチュアダックスフンド | 犬図鑑 | GORON
人間の都合に合わせて生き物を変化させていくということは、実は残酷なことなのではないでしょうか?