「アタリ2600」とは
性能は貧弱ながら拡張性は高かった「アタリ2600」
CPU動作クロック1.19MHz、メモリ容量128バイト、カセットROM容量4Kバイト、グラフィック解像度160×192、色数16色、音源はパルス音、ノイズ音の2チャンネル。コントローラーはスティック+1ボタンにボリュームコントローラー。
コンピュータのことを知っていると衝撃を受けるほどの低性能ですが、当時は画期的でした。
その後バンク切り替えでROM容量が8Kバイト~32Kバイト、カートリッジ内臓メモリ増設で256バイト、BGM用の専用チップを搭載されたソフトもあります。
1.ET the Extra-Terrestrial(E.T ザ・エクストラ・ターミナル)
開発 アタリ
発売 アタリ
ジャンル アクション・アドベンチャー
主人公 E.T
主人公の特徴 異星人
ゲームの特徴 史上最強のクソゲー
販売数 184万本
売れ残りが埋められたという「都市伝説」を検証、2004年に発掘されてスミソニアン博物館に展示される
1983年に発生する「アタリショック」の間接的引き金となったゲームです。
落とし穴に落ちている通信機の部品3個を集め、無事宇宙船に戻るのが目的なのですが、操作性が非常に悪く落とし穴に落ちまくる、脱出しても場所が悪いとすぐ落ちる、部品を集めてもタイミングが悪いと宇宙船を呼べないなど、クリアには運が必須となり、プレイを繰り返すほどプレイヤーを絶望に追いつめるゲーム性は、クソゲーとしての本領を発揮しています。
当時の経営陣の意向はでたらめで、6週間でゲームが作られ、500万本製作され184万本売り上げたのに大赤字といった驚異的な伝説を作り上げました。
世界的に有名なクソゲープレイヤー「AVGN」さんが、かたくなに拒み続けた「E.T」のレビューを観客を集め大体的に行った動画です。ニコニコ動画では日本語翻訳されているので面白く分かり易いです。
2.Raiders of the Lost Ark(レイダース・失われたアーク)
開発 アタリ
発売 アタリ
ジャンル アクション・アドベンチャー
主人公 インディー・ジョーンズ
主人公の特徴 無謀な冒険家
ゲームの特徴 地味だけど評価の高いアドベンチャー
販売数 46万本
なにがあったか分からないが開発者の「パワード・スコットワルショウ」は現在セラピストに・・・・
同じ年に「E.T」と同じプログラマー「パワード・スコットワルショウ」によって開発されたゲームです。1981年に公開され人気となった「インディージョーンズ」の映画を元にしたゲームです。特徴的なのがふたつのコントローラを使用する操作方法で、1P側でアイテムを選択、取得し、2P側で「ジョーンズ」を移動、アイテムを使用する設計となっていました。この操作方法によって途切れの無いゲームが可能になっています。こちらは後に評価されるのですが、当時の販売数は伸び悩みました。
当時では非常に珍しいアドベンチャー要素を取り入れたゲーム設計で「失われたアーク」を見つける為に必要なアイテムを探し、使用しながら謎を解いていくしっかりとした目的のあるゲームです。
こんなマニアックなゲームを攻略している方がいます。何をしているか分からなくならない親切コメントつきです。
さすがに知らない方の方が圧倒的なため訪れる方が少ないです。
3.Battlezone(バトル・ゾーン)
開発 アタリ
発売 アタリ
ジャンル 擬似3Dシューティング
主人公 戦車(戦車長)
主人公の特徴 UFOも打ち落とす強力な主砲
ゲームの特徴 オーパーツ気味のグラフィック
販売数 不明
ワイヤーフレームが表示出来ない事から表現方法が変えられ見た目のよくなった傑作です。
どう考えてもオーパーツにしか思えない擬似3Dシューティングです。注目するところが、自分の操作する大きな戦車が描写され、キャタピラが動いている事です。さらに地平線まで描かれた背景に距離によって大きさが変化する敵です。
言い過ぎかもしれませんが、初期のポリゴンの描写を見ているような雰囲気があります。
もちろんゲーム性も高く、上部に表示されたレーダを見ながら敵と自分の位置関係を把握し、接近、迂回、後退しながら各個撃破するものとなっています。
バージョンによってゲームの色に違いがあることが分かっていて、なぜか分かりませんが最終的には3種類のゲームバージョンが作られたようです。
4.Robot Tank(ロボット・タンク)
開発 アクティビジョン
発売 アクティビジョン
ジャンル ロボットFPS
主人公 ロボット戦車(パイロット)
主人公の特徴 歩くと上下に揺れるぞ
ゲームの特徴 パクリ疑惑のあるゲーム
販売数 不明
当時は完全なパクリが横行していたので、これは良心的な方です。
上記で紹介した「バトル・ゾーン」にあまりに酷似していることで、色々と製作過程に疑いを持ちたくなるのが「ロボット・タンク」です。しかし、ファミコンより数段劣っている性能で擬似3Dシューテイングを製作していることには違いがなく、そのゲーム性も当時としては非常に高いものとなっています。
注目すべきは操縦した時の動きで、ロボットの歩行に合わせて画面が上下に動く演出です。これによってロボットを操縦している感覚が伝わってきます。敵が良く動く為、簡単に撃破出来ない事、時間帯や場所を表現する背景の変化などによって目視できない条件での戦闘を再現するなど、難易度は嫌な方向に高くなっています。
「バトル・ゾーン」が自分の位置取りを考えながら各個撃破するタイプで「ロボット・タンク」は目の前の敵を効率よく倒すタイプといったゲーム性の違いがあります。
5.Seaquest(シークエスト)
開発 アクティビジョン
発売 アクティビジョン
ジャンル レスキュー・シューティング
主人公 潜水艦(艦長)
主人公の特徴 もぐり続けると窒息するぞ
ゲームの特徴 組み合わせが上手いシューティング
販売数 不明
アクティビジョンは「アタリショック」後、唯一生き残ったサードパーティーです。
画面固定型のシューテイングで背景が動くことも無く派手な演出はありませんが、複数の事に注意が必要なゲーム性を盛り込んだことで単純ながら単調にならない面白さがあります。
自分が操作するのは潜水艦で、多数の鮫と時おり出現する敵潜水艦を倒しつつ、鮫に追われるダイバーを救出するのが任務です。潜水艦にはエア残量が設定されていて、エアがなくなる前に海面に浮上して空気の補充を行う必要があります。
それぞれのタイミングが上手く設定されている為、普通のシューティングよりゲーム性が上がり適切なゲームバランスと合わせて、ストレス無く遊べるものとなっています。
6.Joust(ジャウスト)
開発 ウィリアムエレクトロニクス
移植 発売 アタリ
ジャンル 画面固定型アクション
主人公 鳥に乗った騎士
主人公の特徴 羽ばたかないと落ちる
ゲームの特徴 敵の頭上を取ることが大事
販売数 不明
日本ではこちらがパクリと言われたこともあります。
アーケードゲーム黎明期のアメリカで人気が高かったゲームで、たくさんのゲーム機に移植されているゲームです。日本向けには「HAL研究所」がファミリーコンピュータ向けの移植を担当しました。
特徴としては、自分の操作するキャラに独特の慣性を持たせた事で、それが鳥の動きと上手くマッチングしているところです。敵の頭上を取り攻撃を仕掛け、卵を回収するゲーム性は単純ながら面白く、長く遊ばれたゲームです。
「アタリ2600」版「ジャウスト」はオリジナルと比べるとグラフィックや動きなどがかなり劣化していて、中でも自機の動きや敵の動きが早く、また敵を倒した後で出てくる回収するべき卵が羽のように空を飛び続けるといった改変がされていて面白さが半減してしまっています。
アメリカで人気が高いアーケードゲームだったので「HAL研究所」がライセンス契約を結ぼうとしたのですがあっさり断られ、移植のために作っていたプログラムを元に開発したのが「バルーンファイト」という苦い経緯があるゲームです。その後ライセンスがクリアになった頃にはすでにファミリーコンピュータには「バルーンファイト」があり、時代遅れとなっていました。
7.Beamrider(ビームライダー)
開発 アクティビジョン
発売 アクティビジョン
ジャンル 擬似3Dシューティング
主人公 宇宙戦闘機(パイロット)
主人公の特徴 ナメクジ風のフォルム
ゲームの特徴 パッケージ詐欺
販売数 不明
不人気すぎてアメリカでもあまり知られていないゲームです。
ギャラクシアンやインベーダーゲームを擬似3Dシューティングにした様なゲーム性を持っています。
惜しむべきは立体感を出す為に用いた擬似ワイヤーフレームの背景や敵弾の色で、敵と敵弾との見分けが付きにくくなってしまっています。特に敵弾の色は紛らわしく敵と間違えてしまいます。また、操作する自機があまりにみっともなく、穴の開いたナメクジにしか見えません。
こうした問題からグラフィックを見るとどうしても見劣りしてしまいますが、当時のゲームでは珍しくボス敵がいるのが特徴で、一定数的を倒す事で現れるボスを数量に限りのある高性能ミサイルで攻撃し撃破する緊張感と変化に富む面白さがあります。
見た目を度外視してシューティングとしてみれば単調ではないので楽しめる作品です。
8.Time Pilot(タイム・パイロット)
開発 コナミ
移植 発売 コレコ
ジャンル 全方位シューティング
主人公 時空移動戦闘機(パイロット)
主人公の特徴 見た目は地味です
ゲームの特徴 無理やりすぎる劣化移植
販売数 不明
アタリショックで目が覚めた「コレコ社」が必死で移植しました。
普通では無謀とも思える移植をやってのけるのが「アタリ2600」ソフトのすごいところかもしれません。全方位スクロールシューテイングとして開発されたコナミのアーケードゲーム「タイム・パイロット」は当時の家庭用ゲーム機では易々と再現できない高度なものでした。何より難しいのが斜めスクロールで、縦と横を同時にスクロールさせることです。これはファミリーコンピュータでも特殊なプログラムが完成するまで不可能でした。(MSXではやってのけて移植されています。)
そんなゲームを無理やり移植したのですからグラフィックにオリジナルの面影は残っていません。ですが全方位スクロールが再現されているだけでも驚きです。超低性能のCPU能力でどういった演算、工夫をして斜めスクロールを実現したのかは分かりませんが、動いている事は確かです。
グラフィックのしょぼさとプログラムのすごさが両極端に現れているゲームです。
9.Solaris(ソラリス)
開発 アタリ
発売 アタリ
ジャンル 擬似3Dシューティング
主人公 宇宙移動型戦闘機(パイロット)
主人公の特徴 ポリゴンみたいです。
ゲームの特徴 驚愕の技術力で動いてます
販売数 不明
これを見ると他のゲームがしょぼくなる驚愕の出来です。
「アタリ2600」の性能の限界がどこにあるのか分からなくなる圧倒的なプログラミング技術で製作された擬似3Dシューティングです。他のゲームの追随を許さない驚愕させられる滑らかなスクロールと良く動く敵が特徴です。適切な難易度に調整されクリアすることも可能な事は当時のゲームの常識を遥かに超えたものです。しかも単純なシューテイングではなく、自由にステージが選択できるので、戦略性を持って攻略する新しい考えで作られていました。
貧弱なCPUとグラフィック能力しか持ち合わせていないはずの「アタリ2600」で動かせたのは「ダグラス・ノイバウワー」というスーパープログラマーの技術によるもので、アメリカのレトロゲーマーの中で半ば伝説のように扱われている人物です。
10.Jungle Hunt(ジャングル・ハント)
開発 タイトー
移植 発売 アタリ
ジャンル 横スクロールアクション
主人公 ジャングル探検家
主人公の特徴 生身で少女を救出する強靭な肉体
ゲームの特徴 5分でクリア ステージが短すぎ
販売数 不明
日本でもあまり知られていないタイトー初期アーケードのゲームです。
タイトーのアーケードゲームを移植したもので、プログラムデモのような横スクロールアクションなのですが、現在では考えられ無いほど短いゲームです。クリアまでの所要時間は5分程度とボリュームが圧倒的に足りません。クリア後の難易度変化も無く永遠同じステージを繰り返すことになるのはさすがにゲーム設計として手を抜きすぎといわざるを得ません。
それを「アタリ2600」用に大幅に劣化させて移植したのでより単調になっています。しかし、当時のゲーム機では表現が難しい多重スクロールを行っています。高度な処理を行っているのに肝心のプレイではキャラのチラツキがひどく、敵が見えなくなる有様ですので評価は高く出来ません。
11.Pitfall!(ピットフォール)
開発 アクティビジョン
移植 発売 アくティビジョン
ジャンル 横スクロールアクション
主人公 ハリー
主人公の特徴 軽装で移動する気楽な探検家
ゲームの特徴 同じ場面が何度も登場しすぎ
販売数 421万本
アメリカのマリオと呼ばれる絶大な人気を誇ったシリーズの元祖です。
当時のアメリカで絶大な人気を誇ったのが「ピットフォール」で日本のマリオのような存在でした。「アタリ2600」のベストゲームとして紹介される事の多いのですが、どこにその要素があるのかいまいち分かりません。
制限時間20分のなかで多く財宝を集めるのが目的の横スクロールアクションで自由な攻略が出来るのですが、思った以上に単調なゲームとなっています。32個ある宝を全て集めるのがゴールのようです。
「アタリ2600」のコントローラ、ジョイスティック+1ボタンでは表現できることも限られてくるので多くのアクションをさせられなかったのだと思いますが、明確なゴールがないと単調になりがちで、同じ面が続くので移動している実感がわきません。
421万本という驚愕の売り上げを持っているソフトです。
12.Pitfall II: Lost Caverns(ピットフォールⅡ 失われた洞窟)
開発 アクティビジョン
移植 発売 アくティビジョン
ジャンル 横スクロールアクション
主人公 ハリー
主人公の特徴 軽装で移動する気楽な探検家
ゲームの特徴 軽快なBGMで洞窟探検
販売数 122万本
アタリショック以降でも100万本超えの販売数を維持しました。
「ピットフォール」の評価を得てよりゲーム性を高めたのが続編である「ピットフォールⅡ 失われた洞窟」です。時間制限をなくし洞窟を探検する面白さを追加、きちんと目的を持ってクリア出来る作品へと変化を遂げました。「アタリショック」以降の作品とあってどうしても「ピットフォール」より販売数が少なく、評価する方も少ないので「ピットフォールⅡ」の方が劣っているように語られる事もありますが、どう考えてもゲーム性は数段上です。しかもカードリッジ内部に追加した音源によってBGMを鳴らすという「アタリ2600」では非常に珍しくリッチな音源のゲームとなっています。
専用チップの音源はクリアな音質をしていて、BGMのない寂しいゲームが多い中、特別な存在感を持っている傑作です。
日本でもプレイする方がいてクリアまでの攻略を行っています。
13.Defender II(ディフェンダーⅡ)
開発 ウィリアムズエレクトロニクス社
移植 発売 アタリ
ジャンル 横スクロールシューティング
主人公 宇宙戦闘機
主人公の特徴 レーザー砲が協力
ゲームの特徴 世界初横スクロールシューティング
販売数 不明
世界初の横スクロールシューティングは強制スクロールじゃなかったのです。
世界初の横スクロールシューティングと呼ばれるのが「ディフェンダー」でアーケードゲームから「アタリ2600」へと移植されました。しかしレーザーを発射するたびに自機が消える強烈な処理落ちのためゲームとして重大な欠点を持っていました。その続編となる「ディフェンダーⅡ」を移植する頃になると処理落ちは軽減され、きちんとシューティングとして成立しているのでこちらを紹介します。
このゲームの特徴的なところはステージがループするように作られていて、自機を左右どちらにも進行させることが出来るところです。ファミリーコンピュータで主流になる強制スクロールタイプのシューティングとは違った面白さのあるこのシリーズはアメリカでは人気を博しました。
背景や敵キャラなどは簡素でシンプルだった事もあり、見栄えは悪かったのですが、後に多数のリメイクがされていく中で、美しいグラフィックへと進化したものが発売されています。
14.Dig Dug(ディグダグ)
開発 ナムコ
移植 発売 アタリ
ジャンル 画面固定型アクション
主人公 穴掘りスペシャリスト
主人公の特徴 モグラのような人生
ゲームの特徴 見た目より難しいゲーム
販売数 不明
初期ナムコの傑作ゲーム群のひとつです。
日本とアメリカのアーケードゲームで人気のあった初期のナムコのゲームが「ディグダグ」で、地中にトンネルを掘りながら敵キャラを膨らませて破裂させるグラフィックの面白さと、ステージが進むにつれて徐々に難しくなる手ごたえのあるゲーム性を持った作品です。
「アタリ2600」版はかなり雑な移植となっていて、本来のオリジナルよりグラフィック表現がいい加減で膨らましている手ごたえがありません。敵キャラのちらつきも激しく見えなくなる事もしばしばあり、ゲームとしての持ち味が失われていることはどうしても気になります。オリジナルと比べると相当に見劣りするのですが、本来のゲームが面白いことから「アタリ2600」の中では評価の高いゲームとなっています。
15.Fatal Run(ファタール・ラン)
開発 スカルプチャー·ソフトウェア
移植 発売 アタリ
ジャンル 擬似3Dドライビングアクション
主人公 武装スポーツカー(ドライバー)
主人公の特徴 放射能汚染と戦う運び屋
ゲームの特徴 スポーツカーすぐ壊れすぎ
販売数 不明
なぜ「アタリ2600」版が作られたのか分からない時期に発売されました。
「ファタール・ラン」「破滅的な致命的な走り」といった名前を持つこのゲームは、名前の通り無謀な走りを体験できる?ラスタースクロールを使ったレースゲームです。「アタリ7800」用として開発され、妨害してくる敵車を武器や体当たりで破壊しながら街から街へ死の灰用ワクチンを届けるのが目的となっています。
当時はすでに過去のものとなっていたはずの1990年に「アタリ2600」版も同時にリリースされたのですが後継機である「アタリ7800」版と比べるとまるで別物のゲームとなっていました。武器での攻撃は出来ず体当たりのみ、自車の耐久度は低く、巨大な障害物は避けることが難しい、あまりゲームとして褒められる出来ではありませんでした。
16.Galaxian(ギャラクシアン)
開発 ナムコ
移植 発売 アタリ
ジャンル 画面固定型シューティング
主人公 宇宙戦闘機(パイロット)
主人公の特徴 連射できないのが低いのが欠点
ゲームの特徴 インベーダーゲームの後釜
販売数 不明
ナムコ初期シューティングの傑作です。
初期のナムコのアーケードのゲームタイトルの中でも有名で人気のあった画面固定型シューティングの移植となります。ゲーム機の制限から敵がオリジナルより近い場所に配置され、狭い画面の中でオリジナルに近い挙動をする敵機のせいで非常に難易度が上がっています。
特に逃げ場が少ないので敵機との衝突が多いです。しかし、初期の性能では自機と敵が同軸に並ぶだけで処理落ちが発生し、見えなくなるといった問題は乗り越えたようで、多数の敵キャラが動いてもある程度のちらつきで押さえ込むように出来ているのはかなりの工夫があったのでしょう。
17.Jr. Pac-Man(ジュニア・パックマン)
開発 バリーミッドウェイ
移植 発売 アタリ
ジャンル 迷路型アクション
主人公 パックマンジュニア
主人公の特徴 パックマンとは正式な親子ではない
ゲームの特徴 完全なるパクリ
販売数 不明
勝手に結婚させられたパックマンに子供が出来る衝撃の展開です。
こちらのゲームはナムコ非公認で作られた偽パックマンですが、悲しい事にライセンス契約を結んでアタリが移植した本家「パックマン」より数段移植レベルが高いものとなっているのでこちらのほうを本家として紹介したいくらいです。
当時のアメリカではこの「パックマン」が社会現象を引き起こすほどに有名なキャラクターとなっていて80年代の「ミッキーマウス」などと呼ばれるほどでした。こうした経緯から無断で勝手にゲームが多数開発され、無断開発された「ミズ・パックマン」と本家「パックマン」の息子「ジュニア・パックマン」までが非公式で設定されます。「パックマン」はアメリカでナムコが一切関わらない中で結婚し子供が出来ていたのです。
18.Mario Bros.(マリオブラザーズ)
開発 任天堂
移植 発売 アタリ
ジャンル 2P同時プレイ可能アクション
主人公 マリオ&ルイージ
主人公の特徴 冴えない配管工
ゲームの特徴 手抜き移植でクソゲーに仕上げた
販売数 不明
マリオがプレイキャラとして登場する初めてのゲームです。
ファミーリーコンピュータ開発以前の任天堂はアーケードゲームを開発していました。しかし、当時の任天堂の中でアーケードゲーム事業は採算が取れない状況で赤字を連発する部門だったのです。
そんな中で冴えない兄弟の配管工のゲームとして誕生したのが「マリオブラザーズ」でした。
もちろんアーケードゲーム機版は輸出を行っていたのですが、家庭用ゲームへの移植を手がけるほどの余裕の無い任天堂はアタリとのライセンス契約で移植を許可することにしたのが「アタリ2600」版「マリオブラザーズ」でした。
当時のアタリでは忠実な再現よりオリジナル部分を入れ込むのが当然のように考えられていた節があり、暴れまくるファイアーボールは敵キャラより巨大でせっかくのゲームバランスを台無しにする出来となっていました。
これはどこまで信憑性があるか判りませんが、有志によって移植されたとしたら
非常によく出来ています。
19.Moon Patrol(ムーン・パトロール)
開発 アイレム
移植 発売 アタリ
ジャンル 強制スクロールアクションSTG
主人公 武装月面車(ドライバー)
主人公の特徴 ジャンプできる車両
ゲームの特徴 一度にこなす事多すぎて難しい
販売数 不明
アイレムは初期の頃から難しいゲームを作ってました。
「ムーン・パトロール」は1982年にアイレムがアーケードゲームとして開発した強制横スクロールアクションシューティングで、月面車を操縦しながらトラップを飛び越え敵UFOを撃破、ゴールへと向かうかなり難易度の高いゲームとなっています。
「アタリ2600」の移植ではグラフィックに大幅な劣化があるものの非常に良質な移植となっています。注目すべきところは多数の敵機が動き周り、弾数もたくさん表示されている中でもほとんどちらつき、処理落ちが発生しないところです。単音ではありますがBGMもあります。
プログラム技術によるものか、グラフィック強化チップのおかげかは分かりませんが良く出来ているゲームです。
20.Pole Position(ポール・ポジション)
開発 ナムコ
移植 発売 アタリ
ジャンル 擬似3Dレーシング
主人公 F1レーシングカー(レーサー)
主人公の特徴 接触すると大爆発
ゲームの特徴 レースというより障害物競走
販売数 不明
初期ののアーケードレースゲームといえば「ポールポジション」です。
ナムコがアーケードゲームとして1982年に開発したのが「ポール・ポジション」で当時としては圧倒的なグラフィックとスクロール処理が高速で描写能力で人気の高かった擬似3DのF1レースゲームです。ゲームとしては非常に難しくレースゲームが好きな方の中でも苦手とする人の多いゲームでもあります。
それを貧弱な「アタリ2600」に移植したのですからグラフィックは大幅以上に劣化しています。しかし、高速スクロールは見事に再現されていて、「アタリ2600」のゲームの中でもトップクラスの処理速度で描写を行っています。
圧倒的な性能差を越えて、それでも移植を実現させるのですから驚きです。
21.Buck Rogers – Planet of Zoom(バック・ロジャース プラネット・オブ・ズーム)
開発 セガ
移植 発売 セガ
ジャンル 擬似3Dシューテング
主人公 宇宙戦闘機(バック・ロジャー)
主人公の特徴 宇宙を舞台にした無謀な冒険家
ゲームの特徴 セガが移植しても再現は無理だった
販売数 不明
この頃のセガのアーケードゲームは他を圧倒する迫力がありました。
当時人気だったアメコミを題材に擬似3Dシューティングとして1982年にアーケードゲームとしてセガが開発したものです。後に登場する「スペースハリアー」「アフターバーナー」などの体感ゲームの元になっています。このゲームはアメリカのみで販売され、圧倒的なグラフィックが話題となりました。
それを「アタリ2600」に移植したのですがさすがに無理があって全く違うゲームとなっています。あまりの無茶移植ぶりに志半ばで敗れ去った後がたくさん見られますが、それでも断念せず販売したのはさすがセガです。
性能差を技術とアイデアで埋め合わせるのにも限界があることを身を持って教えてくれるゲームです。
22.Demon Attack(デーモン・アタック)
開発 イマジック
発売 イマジック
ジャンル 画面固定型シューテング
主人公 地球防衛戦闘機(パイロット)
主人公の特徴 連射が出来ない戦闘機
ゲームの特徴 敵の出現方法が面白い
販売数 199万本
アタリから逃げ出したプログラマーが作ったゲーム会社がイマジックとアクティビジョンです。
各社が性能の限界まで使った目新しいゲームか、どこまでも手を抜いて廉価で作れる両極端のゲームを開発していた時に、破綻無く「アタリ2600」の性能の身の丈にあった固定画面型シューティングが発売されます。それが「デーモン・アタック」でアーケードからの無茶移植ではなくオリジナルの作品です。特徴的なラスタースクロールを使った敵の登場演出は見事です。
ジャンルとしては新しくないインベーダーゲーム系のシューティングですが、ステージをクリアするごとに徐々に変化していく敵の多彩な攻撃はシンプルなゲームでありながら面白いものとなっていて、不要、必要を徹底的に考え、処理落ちを発生させないゲーム性は高く評価されています。
23.Donkey Kong(ドンキーコング)
開発 任天堂
移植 発売 コレコ
ジャンル 画面固定型アクション
主人公 マリオ
主人公の特徴 仕事をしない超有名配管工が主人公
ゲームの特徴 壮絶長劣化移植で阿鼻叫喚
販売数 136万本
「コレコ社」のやり方はゲーム業界を腐らせました。
任天堂のアーケードゲーム「ドンキーコング」を「アタリ2600」に移植したのですが、肝心のドンキーコングが完全な手抜きで、ドロ人形のようになってしまっています。
さらに酷い事に全3面のゲームにもかかわらず、2面が無いばかりか3面も再現されておらず、しかもピーチ姫に近づくと強制終了する作りかけを販売しました。1面に至っても樽の動きを始めとして再現されていない部分の多い許されない移植ゲームを知名度で136万本売りさばきました。
ライセンス契約でで移植を行ったのが「コレコ社」で本当に惨いゲームを連発しています。
結果、有志の力で「ドンキーコング・リメイク」が開発されるといった珍事が起きています。
24.Donkey Kong Junior(ドンキーコングジュニア)
開発 任天堂
移植 発売 コレコ
ジャンル 画面固定型アクション
主人公 ドンキーコングジュニア
主人公の特徴 猿ですらなくなりました
ゲームの特徴 任天堂への嫌がらせが目的なのか?
販売数 不明
任天堂はなぜ、コレコ社とライセンス契約したのでしょうか?
「コレコ社」は自社ゲームを全く開発せず、アーケードゲームのライセンスを取得し、オリジナルを全く再現しない究極のクソゲームメーカーで、それの被害にあったアーケードゲームは数多く、知名度を利用して製作途中のゲームを販売する姿勢は完全な詐欺メーカーと呼んでも良いほどです。その「コレコ社」が当時「コレコビジョン」を始めとしたゲーム機の開発、販売をしているのですからあきれるばかりです。
ファミリーコンピュータで遊んだことのある方なら誰もが知っている「ドンキーコングジュニア」も全4面のうち超絶手抜きの3面しか作っておらず、しかもステージ順序も入れ替わっているなど全く語る価値の無いゲームへと変貌を遂げています。
残念ながらこれも「アタリ2600」というゲーム機の一面なのです。
25.HERO(ヒーロー)
開発 アクティビジョン
発売 アクティビジョン
ジャンル 探索型アクション
主人公 見た目のおかしなレスキュー男
主人公の特徴 背中のローターで空を飛ぶ
ゲームの特徴 「アタリ2600」最高のアクション
販売数 不明
このパッケージの絶望的ダサさは狙ったもの?
知名度は「ピットフォール」と比べると遥かに低いですが「アクティビジョン」の最高傑作と言っても良い「アタリ2600」のゲームが「ヒーロー」です。開発が1984年ということもあって「アタリショック」後の作品の為、アメリカでも知らない方の多い作品ですが、非常に高いゲーム性を持ったアクションアドベンチャーです。
主人公はプロペラを使って空に浮かぶことができ、洞窟の中を自由に探索しながら銃で敵を倒し、封鎖された道をダイナマイトで吹き飛ばしながら救助者を捜索するものとなっています。
見た目こそチープではありますが、「アタリ2600」でここまで考え抜かれたゲーム性の高いものは販売されていません。
ゲームの好きな人が考え抜いて開発した事が伺える非常に面白いゲームです。
当時は先進的なカセット交換型を採用しており、1992年までソフト開発が続けられた息の長いゲーム機でした。
しかし、当時の「アタリ」経営陣が行った非常識極まりない戦略の結果「アタリショック」が起こり、アメリカのテレビゲーム業界を崩壊させたゲーム機でもあります。
それでも最終的な販売台数は1400万台、経営さえまともだったら失敗する販売台数ではありません。むしろ大成功と呼べるものです。