固定席がない!?「フリーアドレス」オフィスのメリットとデメリット

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最近IT企業やベンチャー企業を中心に増えている、自分の固定席を設けず自由な席に座って仕事をする「フリーアドレス」タイプのオフィス。コスト削減や部署を超えたチーム編成が容易になるなどメリットがある一方で、社員にプレッシャーや疎外感を感じさせ、結果的に離職者を増やすといったデメリットもあるようです。

◆最近増えている「フリーアドレス」タイプのオフィス


https://matome.naver.jp/odai/2143664149889697901/2143673860164824503
「フリーアドレス」とは?
社員の固定席を設けないオフィス形態のこと。

従来のオフィスでは社員が仕事をするところは自分たちのデスクであり、管理者の目が届く場所で決められた仕事をする
人を動かすオフィスデザイン

「フリーアドレス」とは、職場で社員一人ひとりに固定した席を割り当てず、在社している社員が仕事の状況に応じて空いている席やオープンスペースを自由に使うオフィスの形態
人事労務用語辞典

「フリーアドレス」は、1990年代後半から外資系企業やIT企業を中心に導入事例が増えている
日経BPネット

日本アイ・ビー・エムが日本で初めて導入したとされている。

ちなみに「フリーアドレス」は和製英語で、米国では同様のコンセプトを「ノンテリトリアルオフィス」などと呼ぶ
人事労務用語辞典

◆「フリーアドレス」のオフィスが導入された背景

当初はコスト削減策として「フリーアドレス」を導入した企業が多かった
外回りの営業が多い企業では、日中、社内がガラガラになることがほとんど。そのため「フリーアドレス」が導入されたという。

企業の中には、外出する社員が多く出社する社員が少ないため、全員分のデスクは要らないという企業もある
All About

米国などと比べてオフィスの広さに限りがある日本で、外回りの営業や出張などで日中に不在となる席を、在席者が使うようにすればオフィススペースの利用効率が高められると、「フリーアドレス」は考案された
ナレッジマガジン


https://matome.naver.jp/odai/2143664149889697901/2143673860164825103
最近では
IT企業やベンチャー企業が「フリーアドレス」を導入しているケースも多く見られる。

◆「フリーアドレス」の”3つ”のメリット

コスト削減だけではない「フリーアドレス」のメリット
特にスピード感や創造性が求められるIT企業やベンチャー企業では、「フリーアドレス」のオフィスが有効であるケースも多い。

① コスト削減

企業側は「フリーアドレス」を導入することで、オフィスが小規模化されてコスト削減が見込める
ダイヤモンド・オンライン

② 部署を超えたチーム編成が容易になる

席を自由に変動できるので、職位や部署を超えて、その日の業務に関係する人のみでデスクを囲むなど、仕事内容に応じたコラボレーションが可能となる
ナレッジマガジン

特にIT企業では、エンジニア・デザイナー・プランナー・マーケター・営業といった異なる部署の連携が必要になることが多い。その際にスピード感を持ってチーム編成を行うことができる。

③ コミュニケーションの活性化が創造性を生む

固定されたメンバー以外とのコミュニケーションが多く生まれることで、これまで得られなかった気付きや発見といった創造性の育成につながる
ナレッジマガジン

固定されたメンバー以外とのコミュニケーションが多ければ多いほどアイデアは生まれやすくなる
日経BPネット

◆一方で「フリーアドレス」にはデメリットもある


https://matome.naver.jp/odai/2143664149889697901/2143673860164825503
「フリーアドレス」の良い点が注目されるが…
「フリーアドレス」をオフィスに導入して、失敗した企業も少なくない。

◆「フリーアドレス」の”5つ”のデメリット

① フリーと言いながら、事実上の固定席になることもある

いつの間にか、同じ部署のメンバーや、仲のいい社員同士が集まって座るようになることも多い
日経BPネット

ある会社では、課長や係長クラスが「毎日、席が替わるのは困る」とオフィスの中のいい席を占有し始めるようになり、そうすると自然に部下たちが集まってきてしまい、事実上の固定席になってしまった
総務部の「悩み」大研究

② 「フリーアドレス」にプレッシャーを感じる人も多い


https://matome.naver.jp/odai/2143664149889697901/2143673860164826303
「今日はどこに座ろうか…」
それが悩みの種になる人もいる。

席が決められていないため、席が決められている以上に、どこに座るかのプレッシャーを感じる人が多い
All About

いきなり4人掛けテーブルで仕事をしましょうと言われても人見知りな人もいるかもしれないし、ましてや中途入社の社員ではなおさらかもしれない
ITmedia

③ 自分の席が無いことで疎外感を感じる人もいる


https://matome.naver.jp/odai/2143664149889697901/2143673860164826403
会社で感じる疎外感
「居場所」がない…。

日本はどちらかといえば集団指向であり、自分の落ち着く「居場所」に強くこだわる。会社の中の自分の席は集団の中の居場所であり、居場所によって自分の役割を確認でき、集団における責任感によって、仕事に対する意欲を高めている
人を動かすオフィスデザイン

会社に自分専用の席が無ければ、社員の「居場所」を無くすことにもなりかねない。社員は自分の存在を認められていないと感じ、仕事に集中出来なくなる可能性もある
人を動かすオフィスデザイン

④ 運用が上手に行われないと、逆に非効率になる

「フリーアドレス」の形骸化した無意味な運用が横行することで、大切な時間やコミュニケーションにロスが発生し、最悪の場合は社員間の信頼関係が失われる可能性もある
人を動かすオフィスデザイン

⑤ そして、結果的に離職者を増やすことにつながる


https://matome.naver.jp/odai/2143664149889697901/2143673860164826203
会社への帰属意識が薄くなる危険性もある「フリーアドレス」
ちなみに「フリーアドレス」は周囲の環境が常に変わることからストレスを感じやすくしてしまうとも言われている。

特に、これまでのオフィス環境や組織形態に慣れ親しんだ中高年層は、「フリーアドレス」のオフィスでは疎外感やストレスを感じやすい
ナレッジマガジン

「フリーアドレス」にしたことで、結果的に社員の会社への帰属意識が薄くなり、モチベーションの低下や、離職者が増えてしまった企業もある
総務部の「悩み」大研究

◆今後、「フリーアドレス」を導入する予定の企業が注意すべき点


https://matome.naver.jp/odai/2143664149889697901/2143673860164825003
「フリーアドレス」導入には綿密な準備と適切な運用が必要となる

「フリーアドレス」を導入する予定の企業では、社員に対して導入に向けたミーティングや、導入後のサポートを行うことが求められる
ナレッジマガジン

「フリーアドレス」を成功させるためには、社員の意識変革が必要であり、自席を排除することに社員が納得することが前提条件となる
人を動かすオフィスデザイン

企業側も「何のためにオフィスレイアウトを変えるのか?」「その後、どうやってオフィスを運営し、新しいスタイルを定着させていくのか?」といった方針を明確にする必要がある
総務部の「悩み」大研究

単純にかっこいいから、流行っているから、きっと良さそうだからと「フリーアドレス」を安易に導入することは、危険かもしれない
All About

◆こんな話もある

「フリーアドレス」が何年も続いているケースは、IT関連の受託会社やコンサルタントなど、社員の大半がほとんどオフィスにいない企業などごく一部である
人を動かすオフィスデザイン

一説には「社員の1カ月間の在席率40%以下がフリーアドレス成功の条件」とも言われている。

◆参考リンク

https://matome.naver.jp/odai/2143664149889697901
2016年10月01日