世界遺産問題に関連して、金明秀さんによる「強制連行」についての簡単な説明

hiraoyogi
世界遺産登録/審査の問題が話題になっているので。

金明秀さんのツイート

「日本側が受け入れられる内容」じゃないとまでいう「朝鮮半島出身者の動員に関する部分が日本に厳しい内容」って、軍艦島などのアレが「forced labour」だったというレトリックですか…。
この記事なんか ”slave laborers” だけどなあ。/UNESCO and Japan’s Act of Forgetting | The Diplomat thediplomat.com/2015/07/unesco…
いわゆる強制連行が「当時の法令に従っ」たものだったことは周知の事実だけれども、その募集および就労の実態に「強制労働」と呼びうるようなものが少なくなかったというのも周知の事実なわけでね。とりわけ軍艦島は凄惨な状況だったことが知られているわけだし、それを否定しても始まらんだろうに。
いわゆる強制連行について、基本的なことをおさらいしておこうか。
強制連行は、(1)募集、(2)官斡旋、(3)徴用という段階で進行したのだけど、(1)~(2)は形式的には日本本土の軍需産業での就労を自発的に希望する者を募集するという体裁だった。当時、朝鮮半島南部には日本本土での就労を希望する人々がいたわけで、うまくやれば合理的な政策だったかも。
ところが、「募集」「官斡旋」に自発的に応じた人は少なかった。理由は、労働条件が悪かったから。炭鉱などでの過酷な就労内容であるにもかかわらず賃金は低かったし、期間中は移動の自由もないし。べつに自発的に渡航すれば一般的な条件で働ける以上、人気がなかったのは当然のこと。
にもかかわらず、植民地側には一定のノルマが課されたわけで、なんとか人数を埋めようとして人さらいのようにトラックに乗せて出航するというような事件も多発した。このツイートの資料に示されているのはそういう事件群。
twitter.com/wayto1945/stat…
高額の賃金と白米の食事などで騙されたケースも非常に多かった。騙して連れ出して移動の自由を奪って働かせるのは人身取引なんだよ。
iomjapan.org/act/traffickin…
一方、企業側としては不利な条件で募集した労働者が一般の労働者と交流するのを望まないから、強制連行の対象者だけを隔離して外出を禁じたり、たこ部屋のようなところに押し込めたりすることもあった。逃亡が多かったので、拷問などの暴力的な労務管理に頼ることも多かった。
就労地によっては、一般の労働者と(賃金以外には)さほどかわらない対応だったというところもあるが、過酷な状況だったという証言も多数残っている。例えば www16.ocn.ne.jp/~pacohama/kyos…
こういうのを「強制労働」と呼ばないのだとすれば、他になんと呼ぶのかね。いま日本政府が「forced labour」というレトリックを使わないようにと主張しているのだとすれば、それはけっして、日本の国益につながる話ではないと思う。
そうなんですよ。在日コリアンの歴史は日本の移民政策のプロトタイプです。歴史を論じているようで、すぐれて現代的なテーマです。 RT @zeeko3: @han_org 現在進行形の外国人実習生問題ともあまりに似通っていて憂鬱になります……。

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https://matome.naver.jp/odai/2143608756436261401
2017年12月13日