3人の話し合い
「これからどうしよっか?」
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。11巻p307
由比ヶ浜は、3人の関係性と雪ノ下の問題をどうしようかと問います。館由比ヶ浜は今後3人の関係が変わるだろうという思いを持ちつつ、覚悟を決めてこの話題を出しました。
由比ヶ浜の意志表明
「それでも、……ただのお礼だよ?」
由比ヶ浜は押し殺したような声で言うと、唇を浅く噛んで表情を歪めた。そして目元の光を隠すように、くるりと背を向ける。
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。11巻p311
特別な日に、わざわざ昔の依頼のお礼をする。確定を避けるため具体的な表現はしませんが、明確にヒッキーへの特別な思いを示しています。
由比ヶ浜の思い
「あたしが勝ったら、全部貰う。ずるいかもしんないけど……。それしか思いつかないんだ……。ずっと、このままでいたいなって思うの。」
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。11巻p313
由比ヶ浜は全部欲しいといいます。全部とは、ヒッキーと恋人になること、奉仕部としての関係を壊さないことを指しています。しかし、マンションの前でママのんに遭遇したあとの場面や、水族館で二人を見守る場面など、どこか一歩引いた部分があります。
由比ヶ浜の提案
隣に立つ雪ノ下の手をそっと取った。
「ゆきのん、それでいい?」
まるで母親が幼子に尋ねるように、由比ヶ浜は問いかける。
p315
由比ヶ浜は勝負の話を持ち出して、勝負に勝ったらすべて貰うと大義名分(免罪符)を得ようとします。雪ノ下に自分の意思がなく、決断できないということを知った上での卑怯でずるい行為です。
八幡の思い
雪ノ下が、自身の未来を誰かに委ねるなんて、そんあことあっていいはずがない。
由比ヶ浜が、ずるい女の子だなんて、そんなこと言わせておいていいはずがない。
やはり俺の青春ラブコメは間違っている。11巻p315
八幡は由比ヶ浜の提案にストップをかけます。それは今の3人の関係(各々恋愛感情をもっているのにもかかわらず、あくまで「奉仕部」としての関係を保つ)に違和感を感じ、歪なものだと感じているからです。そしてなにより由比ヶ浜が卑怯なことをするのを八幡は耐えられないのです。
雪ノ下の思い
「……私の気持ちを勝手に決めないで」
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。11巻p318
由比ヶ浜の言う「ゆきのんの問題」とは雪ノ下に自分がないということです。それは電話の場面ではっきりと示されていました。その雪ノ下が勝手に決めないで(=自分で決める)と言いました。雪ノ下は一歩踏み出したのです。