「ワインと漆器の町・塩尻市」 ~伝統的工芸品”木曽漆器”の魅力~【長野県】

暮らしのほとり舎
暮らしのほとり舎がある、長野県塩尻市の特産品「木曽漆器」についてまとめます。

伝統的工芸品「木曽漆器」とは

長野県塩尻市(旧木曽郡楢川村)とその周辺に伝わる漆器で、1975年に、経済産業省(当時の通商産業省)に伝統的工芸品に指定された。
木曽漆器 – Wikipedia

全国にある多くの漆器産地は、藩主や有力者の庇護の下発展してきましたが、木曽漆器は中山道の真ん中という地の利を活かして、一般庶民が使う生活用具としての漆器を作って発展しました。
木曽漆器の魅力/塩尻市公式ホームページ

高級品ではなく普段使いの漆器産地であったので、今でも気軽に使えるものが数多く作られています。
木曽漆器の魅力/塩尻市公式ホームページ

伝統的工芸品「木曽漆器」
経済産業大臣の伝統的工芸品の指定を受けた証「伝統マーク」

伝統的工芸品を安心して購入できるよう、経済産業大臣が指定した技術・技法、原材料で製作され、産地検査に合格した製品につけられるマーク。

伝統マークは、伝統の「伝」の字と、日本の心を表す赤丸を組み合わせた形をしている。

木曽漆器の本場・「旧楢川村」とは

木曽漆器の本場となっている旧楢川村(塩尻市)は木曽谷を貫く中山道(現・国道19号線)の北の入口に位置し、海抜およそ900メートルの高地にあります。
@木曽漆器工業協同組合 -歴史-

このため夏は涼しく冬は厳しく寒いという独特な気候は漆を塗る作業環境に良く、自然豊かな大森林は良材を育み、交通の面でも主要道路が通っているという風土と要路の二つの好環境に恵まれて400有余年という時間を費やして私たち先人が試行錯誤を経て輝かしい成果を残しそれを継承して今日に至っております。
@木曽漆器工業協同組合 -歴史-

村内の国道19号沿いに「是より南 木曽路」の碑があり、中山道の宿場として、贄川宿と奈良井宿があった。
楢川村 – Wikipedia

2005年4月1日に、塩尻市に編入合併

伝統的な技術・技法

木曽春慶塗(きそしゅんけいぬり)
自然乾燥された原木(針葉樹)をへギ包丁などを使って柾目に裂いたヘギ板で木地をつくり、薄紅色の彩漆で色づけした後、生漆を何度も摺り込む。最後に透明度の高い春慶漆を塗って仕上げる。木地のもつ柾目の美しさが際立つ。
【代表的なもの】メンパ(弁当箱)・そばセイロ・湯筒・コップ・お盆・重箱・平皿など
木曽堆朱(きそついしゅ)
木曽漆器の代表的な技法である。たっぷりと漆を含ませたタンポを使って「型置(模様づけ)」をする。型置された凸凹のできた面に彩漆を何度も塗り重ねる(通常12回~18回)。漆をたっぷりと使います。表面が平になったら、水ペーパーと砥石で塗面を研磨し、木の年輪に似た独特の模様が表れます。現在では色彩も色々あります。
【代表的なもの】座卓・お盆・茶托・菓子鉢・茶檀・箸立て・花器など
塗り分け呂色塗(ぬりわけろいろぬり)
砥石による錆研ぎを行い木曽地域では「ジヌリ・ナカヌリ」と呼ぶ独特の中塗りを施した後、多種の精製彩漆を用いて塗りわけ作業を行った後、コキ研ぎをして、上塗りをして乾燥後やわらかな木炭の粉末で磨き、さらに鹿の角の粉末に菜種油と砥の粉を混ぜて丹念に艶出しをして仕上げる。鏡面のように研ぎ澄まされた漆地に漆工の至芸を見る。
【代表的なもの】座卓・呂淵・重箱・菓子鉢・飾り棚など

長野冬季オリンピックメダル

長野五輪の金、銀、銅メダルは、「長野らしさ」の表現として木曽漆を素材に使い、県内の精密金属加工の技術で文字などを刻印。七宝焼の大会エンブレムをあしらった。
長野五輪のメダル

オリンピック至上最も美しいと評された「漆メダル」
長野県の代表的な伝統工芸である木曽漆器と日本を代表する企業セイコーエプソンの金属ベースと造幣局の鋳造と七宝の技術が融合して制作されました。
七宝面(表)
オリーブをあしらったリング状の外枠の中に『朝日』を蒔絵により表現し、一番前面には七宝焼で仕上げたエンブレムを添えました。漆面の文字は、精密金属加工技術によって形成された文字です。
漆面(裏)
漆による手法を中心にデザインされています。信州の山々の朝焼けを蒔絵で表現し、 その山並みの上に蒔絵によるエンブレムが咲き誇っています。競技種目ごとの区別化は精密金属加工技術によって形成されたピクトグラムにより行っております。

木曽くらしの工芸館内にて実物を常設展示してあります。
総合案内 | 長野冬季オリンピック入賞メダル

木曽漆器祭・奈良井宿場祭

毎年6月の第一金曜日から3日間、塩尻市楢川地区の木曽平沢を中心に行われる年に一度の大漆器市
2015年の第48回木曽漆器祭は、6月5日(金)・6日(土)・7日(日)の開催予定。(雨天決行)
木曽平沢「木曽漆器祭」
日本, 〒399-6302 長野県塩尻市木曽平沢 県道257号線
地区内のいたるところに約180店舗もの店を出し、大展示即売を行います。職人の精魂込めた銘品や逸品はもちろん、この日しか出ない製品や蔵出し物が店先に並びます。

漆器は割れることがなく、塗り直しの修理ができることから長く使用できる利点があります。
この機会に多くの方に木曽漆器を知っていただき、更には環境にやさしく日常生活に根ざした商品の提供と、おもてなしの気持ちを伝えていくことを目的に行ないます。
漆器祭・宿場祭とは | 漆器ポータルサイト

隣の奈良井では「奈良井宿場祭」が毎年同時開催されます。
奈良井宿場祭のメインイベントは「お茶壺道中」。
江戸時代徳川将軍家御用のお茶を毎年京都宇治から中山道、甲州街道を経由し、江戸まで運んだ道中行列を再現したものです。6月8日(日)正午、奈良井宿・長泉寺出発。「お茶壺道中」は、多少の雨であれば決行されますが、天候によっては変更又は中止となる場合があります。

奈良井宿
日本, 〒399-6303 長野県塩尻市奈良井 奈良井宿

木曽平沢・奈良井の両地区は、お祭り期間中の土・日は、無料のシャトルバスが行き来するので、ゆっくりと両方のお祭りを見てまわることが出来ます。
シャトルバスが混雑する場合がありますが、木曽平沢と奈良井は歩いて約30分~40分程度なので、奈良井川沿いの道をゆっくり自然を感じながら歩いて移動されるのも、おすすめです(車道を歩くので、行き交う車にはご注意下さい)。

関連リンク

https://matome.naver.jp/odai/2143074706798351001
2015年05月07日