マーケティング4.0とは
マーケティングの歴史
マーケティング1.0・・・製品中心志向
マーケティング2.0・・・顧客の機能的満足
マーケティング3.0・・・顧客の価値や精神的満足
マーケティング4.0・・・顧客が享受する商品サービスを利用した結果重視・実現された姿
ITmedia
マーケティングの具体例
マーケティング1.0:この商品は、カプサイシンが入っていますよ。
→成分や機能をアピールする手法
マーケティング2.0:この商品は、脂肪燃焼効果のあるカプサイシンが入っていますよ。
→性能をアピールする手法。
マーケティング3.0:この商品は、理想の体型に近づけますよ。
→効果をアピール。
マーケティング4.0:この商品は、理想の体型で周囲の人間から羨望のまなざしで見られますよ。
→自分の理想像をイメージさせる手法。
マーケティング1.0~3.0までの弱点
マーケティング1.0
この商品は、カプサイシンが入っていますよ。
→カプサイシンが何かわからない顧客に対して伝わらない。
マーケティング2.0
この商品は、脂肪燃焼効果のあるカプサイシンが入っていますよ。
→脂肪燃焼が痩せることに直結してイメージし辛い。
マーケティング3.0
この商品は、理想の体型に近づけますよ。
→痩せるのはいいけど痩せてどうなるかがイメージし辛い。
マーケティング3.0までは「顧客はカプサイシン入りサプリメントが欲しいのでなく、痩せたいから買うんだ」「より痩せられそうな商品があればカプサイシンにこだわらないだろう」という考え方。
マーケティング4.0では「顧客は痩せて、周囲の人間の眼に羨望の眼で見られたいだろう」といった考え方になる。
コトラー氏が下敷きにしていたマズローの5段階欲求説

https://matome.naver.jp/odai/2143029532801320801/2143036736066024603
2.安全の欲求(Safety needs)
3.所属と愛の欲求(Social needs / Love and belonging)
4.承認欲求(Esteem)
5.自己実現欲求(Self-actualization)
1と2はモノ中心のマーケティング、3は情緒、4は存在意義、5が自己実現。
マーケティング4.0は、日本企業にとっての追い風になるのではないかということです。会社は自社の利益だけではなく社会的な大きな視点でマーケティングし、社員は自分の信念に従って行動する。そのすべては、社会をより良くするために、みんなが幸せになるために行うマーケティングです。
自己実現を目指す!コトラーのマーケティング4.0は日本企業の追い風 (2ページ目):日経ビジネスオンライン
マーケティング4.0を導入しやすい業種
自己実現欲求を満たした自分をイメージしやすい業種がマーケティング4.0が導入しやすい業種と言える。
・フィットネス業界
・結婚式業界
・旅行業界
・不動産業界
・転職業界
・健康食品業界
中でも健康食品業界は、薬事法や食品衛生法などの点でマーケティング2.0における効果を謳い辛かった部分があるが、マーケティング4.0によりイメージを訴求しやすくなる可能性がある。
マーケティング4.0成功事例
それは単に道具としての車ではなく、ベンツを所有することで得られる喜びによって、日常生活が華やかになることを顧客にイメージさせる活動を意図的に行ってきた。
日本の製品とは違う引き算の考え方で徹底的に余計な機能を排除し付加価値を追求し、Appleブランドを作り上げた。
そういった自己実現の場を提供するサービスもマーケティング4.0に該当する。
レッドブルは、今までの栄養ドリンクとは違う価値を生み出し、新しいカテゴリーの商品を作った。
顧客は、喉の渇きを潤すためではなく、レッドブルの持つブランドイメージに自分を近づけるために購入すると言われている。
さらに、ナイキを使っている自分は「イケてる」「強くなった」と理想像であるトップアスリートに近づいた気持ちにさせるまでのブランドを作り上げた。
これは、CMを視聴した女性が自分自身に照らし合わせられ、親しみを感じ、東京メトロが提供する価値観と同じ価値観を共有できた例と言える。
結果重視なサービスと誰でも実現可能な姿をCMで配信し、それが視聴者の実現につながったため、結果として2015年度100億円の売り上げを達成した。
スノーピークの場合、顧客自身が自分たちをスノーピーカーと呼ぶほどスノーピーク製品を愛している。
これは、製品が好きというレベルではなく、スノーピークを使っている自分が理想の自分であることを示している。
ロードスターに乗っている自分が好きであって、他の車では自己実現ができない。とまで言われる。
販売台数では、他の車には敵わないもものファンの心を掴む価値観は、製品の成功モデルと言える。
理想の人間を作ると、理想の社会ができる。
いい社会は、いい人間を輩出する。
その人間がより良い未来を作るという考え方。