【マーケティング4.0】一流企業が昔から実践していた成功への近道

kobayakawahideaki
マーケティング4.0とは何か。3.0との違いはなにか。どんな役に立つのか、成功事例も含めてまとました。理解を深めていただくため一部をかみ砕いた表現で紹介いたします。

マーケティング4.0とは

フィリップ・コトラーのマーケティング4.0の概念
理想の自己を作るための商品やサービスを消費者に対して喚起する。
理想の人間を作ると、理想の社会ができる。
いい社会は、いい人間を輩出する。
その人間がより良い未来を作るという考え方。

マーケティングの歴史

マーケティング1.0・・・製品中心志向
マーケティング2.0・・・顧客の機能的満足
マーケティング3.0・・・顧客の価値や精神的満足
マーケティング4.0・・・顧客が享受する商品サービスを利用した結果重視・実現された姿
ITmedia

自己実現をして社会全体をより良くするため
1.0は理性的なマーケティング。2.0は情緒的なマーケティング。3.0は存在意義的なマーケティング。そして、4.0ではじめて「自己」という言葉が現れる。コトラー氏はこう言います。マーケティングは、いまや企業の一部門に留まるものではなく、社会全体をより良くするために存在するもの。それを実現する新しい方法が、自己実現であると。

マーケティングの具体例

マーケティング1.0:この商品は、カプサイシンが入っていますよ。
→成分や機能をアピールする手法

マーケティング2.0:この商品は、脂肪燃焼効果のあるカプサイシンが入っていますよ。
→性能をアピールする手法。

マーケティング3.0:この商品は、理想の体型に近づけますよ。
→効果をアピール。

マーケティング4.0:この商品は、理想の体型で周囲の人間から羨望のまなざしで見られますよ。
→自分の理想像をイメージさせる手法。

マーケティング1.0~3.0までの弱点

マーケティング1.0
この商品は、カプサイシンが入っていますよ。
→カプサイシンが何かわからない顧客に対して伝わらない。

マーケティング2.0
この商品は、脂肪燃焼効果のあるカプサイシンが入っていますよ。
→脂肪燃焼が痩せることに直結してイメージし辛い。

マーケティング3.0
この商品は、理想の体型に近づけますよ。
→痩せるのはいいけど痩せてどうなるかがイメージし辛い。

マーケティング3.0までは「顧客はカプサイシン入りサプリメントが欲しいのでなく、痩せたいから買うんだ」「より痩せられそうな商品があればカプサイシンにこだわらないだろう」という考え方。
マーケティング4.0では「顧客は痩せて、周囲の人間の眼に羨望の眼で見られたいだろう」といった考え方になる。

コトラー氏が下敷きにしていたマズローの5段階欲求説


https://matome.naver.jp/odai/2143029532801320801/2143036736066024603
マズローの5段階欲求説
1.生理的欲求(Physiological needs)
2.安全の欲求(Safety needs)
3.所属と愛の欲求(Social needs / Love and belonging)
4.承認欲求(Esteem)
5.自己実現欲求(Self-actualization)

1と2はモノ中心のマーケティング、3は情緒、4は存在意義、5が自己実現。

マーケティング4.0は、日本企業にとっての追い風になるのではないかということです。会社は自社の利益だけではなく社会的な大きな視点でマーケティングし、社員は自分の信念に従って行動する。そのすべては、社会をより良くするために、みんなが幸せになるために行うマーケティングです。
自己実現を目指す!コトラーのマーケティング4.0は日本企業の追い風 (2ページ目):日経ビジネスオンライン

マーケティング4.0を導入しやすい業種

自己実現欲求を満たした自分をイメージしやすい業種がマーケティング4.0が導入しやすい業種と言える。
・フィットネス業界
・結婚式業界
・旅行業界
・不動産業界
・転職業界
・健康食品業界
中でも健康食品業界は、薬事法や食品衛生法などの点でマーケティング2.0における効果を謳い辛かった部分があるが、マーケティング4.0によりイメージを訴求しやすくなる可能性がある。

マーケティング4.0成功事例

メルセデス・ベンツ
メルセデス・ベンツは数十年前から営業活動を通して、この車を所有することでどういった自己実現ができるのかを顧客に提唱してきた。
それは単に道具としての車ではなく、ベンツを所有することで得られる喜びによって、日常生活が華やかになることを顧客にイメージさせる活動を意図的に行ってきた。
Apple
Appleは数々の革新的な製品を世に送り出し、それに価値を感じた顧客の心を掴んだ。
日本の製品とは違う引き算の考え方で徹底的に余計な機能を排除し付加価値を追求し、Appleブランドを作り上げた。
ディズニーランド
ディズニーランドで女の子は、楽しいわくわくするといった精神的満足以上に、自分がディズニーアニメの主人公になることができる。
そういった自己実現の場を提供するサービスもマーケティング4.0に該当する。
レットブル
レットブルは、喉の渇きを潤すものではなく、理想の自分になるための飲み物である。
レッドブルは、今までの栄養ドリンクとは違う価値を生み出し、新しいカテゴリーの商品を作った。
顧客は、喉の渇きを潤すためではなく、レッドブルの持つブランドイメージに自分を近づけるために購入すると言われている。
ナイキ
ナイキは世界のトップアスリートにナイキ製品を使ってもらい、顧客はそのトップアスリートが使っているナイキ製品を見て、世界のトップアスリートが使っているから「間違いない」「かっこいい」という価値観を顧客の持たせることに成功した。
さらに、ナイキを使っている自分は「イケてる」「強くなった」と理想像であるトップアスリートに近づいた気持ちにさせるまでのブランドを作り上げた。
東京メトロ
東京メトロはCMを通じて、東京の下町などを散策する女性の様子をCMで配信してきた。
これは、CMを視聴した女性が自分自身に照らし合わせられ、親しみを感じ、東京メトロが提供する価値観と同じ価値観を共有できた例と言える。
ライザップ
結果にコミットするというキャッチコピーとCMでおなじみの完全個室のプライベートジム。
結果重視なサービスと誰でも実現可能な姿をCMで配信し、それが視聴者の実現につながったため、結果として2015年度100億円の売り上げを達成した。
スノーピーク
キャンプ用品のスノーピーク製品の質が高いことはもちろんのこと、スノーピーク製品でなければ嫌だというほどの熱烈なファンができるほどのブランドを作った。
スノーピークの場合、顧客自身が自分たちをスノーピーカーと呼ぶほどスノーピーク製品を愛している。
これは、製品が好きというレベルではなく、スノーピークを使っている自分が理想の自分であることを示している。
マツダ・ロードスター
マツダのロードスターを購入する人は、理想の自分を実現するために購入すると言われている。
ロードスターに乗っている自分が好きであって、他の車では自己実現ができない。とまで言われる。
販売台数では、他の車には敵わないもものファンの心を掴む価値観は、製品の成功モデルと言える。
https://matome.naver.jp/odai/2143029532801320801
2015年04月30日