最大規模の石油権益の5%獲得へ調整
日本の資源大手・インペックス=国際石油開発帝石はUAE=アラブ首長国連邦・アブダビでの世界最大規模の陸上の油田権益を獲得する方向で最終調整に入っていることが分かりました。
「国際石油開発帝石、世界最大規模の陸上油田権益獲得へ」 News i – TBSの動画ニュースサイト
インペックスはアラブ首長国連邦・アブダビの国営石油会社が実施している世界最大規模の陸上油田の権益をめぐる国際入札に参加。欧米の石油メジャーや中国・韓国の企業も名乗りをあげるなか、政府としても安倍総理や宮沢経産大臣らが交渉を続けてきていて、その結果、権益の5%をおよそ1千数百億円で獲得する方向で最終調整に入っていることが分かりました。
「国際石油開発帝石、世界最大規模の陸上油田権益獲得へ」 News i – TBSの動画ニュースサイト
実現すれば、日量で8万バレルに相当する権益を確保できることになります。
日本が海外で権益を持つ自主開発油田全体の量は現在日量およそ70万バレルで、さらに上積みされることで、原油の安定調達に向け一段と前進することになります。
最大規模の石油権益の5%獲得へ調整 NHKニュース
アブダビでは、すでに海上での開発が進められていますが、陸上の場合、ホルムズ海峡を通らずパイプラインを通じてインド洋側からの輸送が可能となり、原油の安定調達につながると期待されています。
「国際石油開発帝石、世界最大規模の陸上油田権益獲得へ」 News i – TBSの動画ニュースサイト
そもそも油田権益って?
油田権益は、UAEのような産油国の油田から石油を掘って、それを売る権利のことをいう。石油を売りたい企業が産油国と契約(けいやく)を結び、どれだけのお金をかけて掘り出すか、何年間掘っていいのかなどを決めます。
今回の契約期間は2015年から40年間。
政情が安定しているUAEで大型権益を確保することで、日本のエネルギー安定調達につながります。
石油権益の5%ってどれくらい?
つまり8万バレル =12,800,000リットル。
日量12,800,000リットルが安定して供給されることになります。
酒樽1つに入る原油が約160リットルなので
一日に酒樽8万個が供給されるイメージ。
日本で一日あたりの石油消費量は455万バレル
2位 中華人民共和国(中国)1,075.6万
3位 日本455.1万
4位 インド372.7万
5位 ロシア331.3万
6位 サウジアラビア307.5万
7位 ブラジル297.3万
8位 大韓民国(韓国)246万
9位 カナダ238.5万
10位 ドイツ238.2万
単位/バレル 「BP世界エネルギー統計2014」
日本が輸入する原油の量は日量でおよそ365万バレル
このうち、20%に当たるおよそ日量70万バレルは日本企業が海外で石油権益を持つ自主開発油田で生産されています。
こうした自主開発油田は権益分については日本が優先的に輸入することができるため、紛争など不測の事態が起きても原油を安定して調達することができ、政府もエネルギー安全保障の観点から重要だとして金融支援などを通じて後押ししています。
日本は石油の8割を中東から輸入している
最大の輸入元はサウジアラビアで、2013年の1年間だけで日本は6411万キロリットルもの原油を輸入しています。
日本の国産原油産出量は年間で80万キロリットル前後。サウジアラビア1国だけで、日本国産原油の80倍以上もの原油を輸入している計算になります。
社会を維持するために欠かせないエネルギー源の一つである原油を過不足なく常時確保し、国内に供給し続けるためには、産油国への経済協力をはじめとした国際協調の推進が欠かせない。そしてそれと共に、海路の安全性に関する重要性の認識とその維持への注力、輸入先の分散化が求められる。
日本の原油輸入元をグラフ化してみる(石油統計版)(2014年)(最新) – ガベージニュース