ワイヤレスシステムの仕組み(マイク、ギター、イヤーモニター)

takasakiyuudai
ワイヤレスマイクを例にワイヤレスの仕組みについて解説します。
ワイヤレスとは音を電波にして遠く離れた場所に飛ばすことが可能な装置で、音を電波に変換して通信し、届いたら音に戻して上げられる装置がワイヤレス・システムです。
音を電波にし、電波を音にするので2つの装置「トランスミッター」と「レシーバー」がセットになります。
トランスミッター(送信機側)
ギターやマイクなどの音声を入力しそれを電波にし飛ばす役目を担うのが「トランスミッター」(送信機)という機器です。「トランスミッター」の中では音声を高周波と呼ばれる電流にミックスし電波にする役目をしています。
レシーバー(受信機側)
「トランスミッター」で発信された電波をキャッチし、元の音声に復元しアンプ/スピーカーやミキサーなどにつなげることができる機器を「レシーバー」(受信機)といいます。「レシーバー」ではアンテナで受信した多くの電波を必要な周波数の成分だけを受信しさせ、音声の成分のみを取り出す役目をしています。

これがワイヤレスの簡単な仕組みになります。

伝送方式
電波以外にも送るやり方があります。それが赤外線というものです。携帯で使ったりしますよね。
こういった送り方のことを伝送方式といいます。

ワイヤレスの伝送方式は

電波伝送方式
赤外線(光)伝送方式
です。この二つが音楽用のワイヤレスとしては一般的ですね。

赤外線伝送方式はカラオケや会議室など狭い空間でよく用いられ、壁などの障害物を透過しにくい性質をもっているので、たくさんある部屋の各場所に設置したときは便利なワイヤレスとなります。ただし、あまり楽器用途では使われません。あくまで、赤外線による伝送になるので、太陽光が入るところやプラズマテレビの前では使えませんし、受光部の埋め込みなどもあるので、個人よりも法人で使うタイプと思ってよいかと思います。

2つの伝送の方式があるということが分かったところで、変調方式に話しをしたいと思います。

変調方式
難しそうな用語ですが、簡単に言えば、伝送するにあたり音を電波に変換するやり方のことです。
変調方式は大きく言うとアナログとデジタルの2種類があります。現在主流になりつつあるのが、デジタルタイプですね。
ちょっと前にアナログテレビ放送が地デジ放送に変わりましたよね?あれと同じような感じだと思っていただければと思います。
音からアナログによる変調で電波にするやり方から、音からデジタル(数字)による変調で電波にするやり方にワイヤレスも変わってきております。数字なので、妨害波が強い場合でも、ある程度の電波を受信するだけでしっかりした音声が届けることが可能になったりするのです。
最近流行のデジタルワイヤレスとは
ではワイヤレス・システムの流れを見ていきましょう。
アナログとデジタルの変調をとても簡単に説明すると、

アナログ
アナログ信号→アナログ変調し高周波に→コンプレッサー→電波→エキスパンダー→フィルター→復調→アンプ→アナログ信号に

デジタル
アナログ信号→デジタル変調し高周波に→電波→復調→アンプ→アナログ信号に

というメカニズムになります。
では最近流行のデジタルのワイヤレスのメリットを見ていきます。

デジタルワイヤレスのメリット・デメリット
デジタルのワイヤレスのメリット
同一空間でも多くのチャンネルが使える
音以外にも情報(メタデータ)も送れるので正確な送受信が行える。
暗号化伝送によるセキュリティ対策に有効
妨害波の多い状況でもクリアな音質が可能
デジタルのワイヤレスのデメリット
アナログ音声からデジタル化の処理を行うため音の遅延が起きてしまう
電波が不安定になった場合は音声が途切れてしまう

などが上げられます。
音質は人によって意見の分かれるところなので一概に言えませんが、アナログに比べてデジタル信号処理なので音質の劣化が少なく、また、音声に要する周波数の幅が非常に狭いので多くのチャンネルが扱えるという利点は大きいですね。(周波数の幅が大きいデジタルワイヤレスもあります)

ワイヤレスで音質に影響を与えるのは”電波の強さ”、”信号から電波への変換”、”電波の受信方法”、”マイクの性能”(マイクの場合)などが上げられます。
正確な電波を届けることが音に大きく影響を与えますので、製品には必ずその目安となる数値が書かれております。ただし、レシーバーに関しては受信が強すぎるといろいろな電波を受信しかえって音声を悪くしてしまう場合があるので、製品によっては、受信の範囲が決められるものがあります。

ワイヤレスマイク関連記事

https://matome.naver.jp/odai/2142914505066006501
2015年04月16日