これがワイヤレスの簡単な仕組みになります。
こういった送り方のことを伝送方式といいます。
ワイヤレスの伝送方式は
電波伝送方式
赤外線(光)伝送方式
です。この二つが音楽用のワイヤレスとしては一般的ですね。
赤外線伝送方式はカラオケや会議室など狭い空間でよく用いられ、壁などの障害物を透過しにくい性質をもっているので、たくさんある部屋の各場所に設置したときは便利なワイヤレスとなります。ただし、あまり楽器用途では使われません。あくまで、赤外線による伝送になるので、太陽光が入るところやプラズマテレビの前では使えませんし、受光部の埋め込みなどもあるので、個人よりも法人で使うタイプと思ってよいかと思います。
2つの伝送の方式があるということが分かったところで、変調方式に話しをしたいと思います。
変調方式は大きく言うとアナログとデジタルの2種類があります。現在主流になりつつあるのが、デジタルタイプですね。
ちょっと前にアナログテレビ放送が地デジ放送に変わりましたよね?あれと同じような感じだと思っていただければと思います。
音からアナログによる変調で電波にするやり方から、音からデジタル(数字)による変調で電波にするやり方にワイヤレスも変わってきております。数字なので、妨害波が強い場合でも、ある程度の電波を受信するだけでしっかりした音声が届けることが可能になったりするのです。
アナログとデジタルの変調をとても簡単に説明すると、
アナログ
アナログ信号→アナログ変調し高周波に→コンプレッサー→電波→エキスパンダー→フィルター→復調→アンプ→アナログ信号に
デジタル
アナログ信号→デジタル変調し高周波に→電波→復調→アンプ→アナログ信号に
というメカニズムになります。
では最近流行のデジタルのワイヤレスのメリットを見ていきます。
同一空間でも多くのチャンネルが使える
音以外にも情報(メタデータ)も送れるので正確な送受信が行える。
暗号化伝送によるセキュリティ対策に有効
妨害波の多い状況でもクリアな音質が可能
デジタルのワイヤレスのデメリット
アナログ音声からデジタル化の処理を行うため音の遅延が起きてしまう
電波が不安定になった場合は音声が途切れてしまう
などが上げられます。
音質は人によって意見の分かれるところなので一概に言えませんが、アナログに比べてデジタル信号処理なので音質の劣化が少なく、また、音声に要する周波数の幅が非常に狭いので多くのチャンネルが扱えるという利点は大きいですね。(周波数の幅が大きいデジタルワイヤレスもあります)
ワイヤレスで音質に影響を与えるのは”電波の強さ”、”信号から電波への変換”、”電波の受信方法”、”マイクの性能”(マイクの場合)などが上げられます。
正確な電波を届けることが音に大きく影響を与えますので、製品には必ずその目安となる数値が書かれております。ただし、レシーバーに関しては受信が強すぎるといろいろな電波を受信しかえって音声を悪くしてしまう場合があるので、製品によっては、受信の範囲が決められるものがあります。
音を電波にし、電波を音にするので2つの装置「トランスミッター」と「レシーバー」がセットになります。