新作映画に違和感?『ムーミン』は昔と今とで全然違う!

kesomi
2015年、久しぶりの新作アニメ映画が公開された「ムーミン」ですが、絵柄や作風に違和感を感じるファンも多いようです。実はムーミンは、世代によって見ていたものが違うのです。

人気の『ムーミン』23年ぶりの新作アニメが劇場公開

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劇場版『ムーミン』にTV版声優が再集結高山みなみ「やっと帰って来た!」 | ORICON STYLE

23年前と同じキャスティング。当時と変わらぬ声で、昔からのファンの期待が集まりましたが…。

しかし「見慣れたムーミンと違う」と違和感の声も…

ムーミンの映画を観た。なんか私の記憶にあるムーミンとキャラが違う。え~~~と思っていたら寝ちまった。起きたらエンドクレジットが流れてた。まあいいや、それよりテレビ版を見直そうとレンタルしている。こっちのが面白い。

NAMI@NAMI_1223

週末に行き損ねたムーミン観てきた。終わった後劇場内がシーンとした不思議な雰囲気に包まれた。
多分思っていた映画と違う!なのかな?ロビーでそう話してる人がいた。
私も途中から思い出したけれど、小さい頃読んだ原作は奇妙な登場人物と暗いトーンに支配された世界だった。

違和感の原因は原作の地元“フィンランド制作”?

原作者であるトーベ・ヤンソンの生誕100周年を記念し、フィンランドで製作された全編手描きによるアニメーション
映画『劇場版ムーミン 南の海で楽しいバカンス』 – シネマトゥデイ

原作の雰囲気を大切にしたという、手描きによる温かな色調や音楽
映画『劇場版ムーミン 南の海で楽しいバカンス』 – シネマトゥデイ

原作テイストを重視し、お膝元のフィンランドで制作された新作ですが、観客の感想は賛否あるようです。

はるそん@harururune

ムーミン映画みてきた(・ω・)
フィンランド制作の映画なんだけどさ 改めてさ 日本のアニメのクオリティの高さを感じたよ(・ω・)同じ題材でもここまで違うとは(・ω・)
あと映画館でムーミン見てきた。
あれはなんていうか芸術って感じだったな・・・
制作も従来の日本じゃなくてフィンランド主導みたいだし、
なんだか違う世界観を見れたようで満足できた。

ひろびろのひなた@hirobirohinata

ムーミン南の海で楽しいバカンスを観てきた。楽しいムーミン一家とはいろいろ違うけど、原作コミックのサブカルチャーな感じが良く表現されててとても良かった!!
南の島の空を黄色で表現するって日本のアニメでは絶対にしないよ。

この“違和感”も、人によって違うようです。なぜなら…

実は“ムーミン体験”には世代差が?

今日母とムーミンの映画を観に行った。母がフローレンのことをずっと「ノンノン」と言ってるとこあたりにジェネレーションギャップを感じた
例えばムーミンのアニメ見たことある人何人かで集まって「ムーミンのopを歌いなさい」と言われたら自分だけ違うやつ歌う自信がある

主題歌も、声も、絵柄も、人によって記憶がバラバラ? 実は、世代によって“どのムーミンを見たか”が違うのです。

現在スタンダードなものは90年代の「平成ムーミン」

『楽しいムーミン一家』
1990年4月12日 – 1991年10月3日(全78話)
テレビ東京系列
製作 – テレスクリーン
制作協力 – テレイメージ/ビジュアル80

2期『楽しいムーミン一家 冒険日記』
1991年10月10日 – 1992年3月26日(全26話)

劇場版『楽しいムーミン一家 ムーミン谷の彗星』
1992年8月8日公開

ムーミン・トロール – 高山みなみ
楽しいムーミン一家 – Wikipedia

高山みなみは『名探偵コナン』や『魔女の宅急便』キキ役でおなじみの人気声優。

原作者のトーベ・ヤンソン自身も末弟で漫画を共同製作をしたラルス・ヤンソン(愛称ラッセ)と共にアニメ制作に関わっている。
楽しいムーミン一家 – Wikipedia

当時存命だった原作者姉弟が制作に関わり、原作イメージに沿ったアニメ作品でした。

トーベの絵本を参考にした、ほぼ原作の絵本の様に名倉靖博がキャラクターデザインを担当
ムーミン (アニメ) – Wikipedia

名倉靖博は『とんがり帽子のメモル』のキャラクターデザインで有名なアニメーターです。

現在でも企業タイアップなどで使用されているイラストは、この90年代アニメ版のものが多いようです。そのため一般的に『ムーミン』といえば、この90年代版のイメージが定着していると言えます。

40代以上にとってムーミンといえば「昭和版」

『ムーミン』
1969年10月5日 – 1970年12月27日(全65話)
フジテレビ系列
制作 – 東京ムービー、虫プロダクション
制作協力 – Aプロダクション

2期『新ムーミン』
1972年1月9日 – 12月31日(全52回)
制作 – 虫プロダクション

劇場版1作目(TVブローアップ版)
1971年3月17日公開

劇場版2作目(TVブローアップ版)
1972年3月17日公開

ムーミントロール – 岸田今日子
ムーミン (アニメ) – Wikipedia

岸田今日子はミステリー物や時代劇で活躍した個性派女優。ちょっと怖い低めの声でムーミン役を演じました。

フジテレビの『カルピスまんが劇場』(19:30 – 20:00)で放送が開始された
ムーミン (アニメ) – Wikipedia

『カルピスまんが劇場』は後に『ハウス名作劇場』『世界名作劇場』となった有名な放送枠です。

キャラクターデザインを担当した大塚康生の名を採り、‘大塚ムーミン’として親しまれて来た
ムーミン (アニメ) – Wikipedia

大塚康生は『ルパン三世』などで有名なアニメーターで、宮崎駿の師匠でもあります。

1970年代から1989年に通じて盛んに再放送され、ズイヨー(瑞鷹)の監修のキャラクターグッズも1989年まで制作されて周知されるに至った。
ムーミン (アニメ) – Wikipedia

「平成版」が放映されるまで20年にわたり頻繁に再放送され、ムーミンといえば誰もがこのアニメを思い浮かべました。

現在のイメージとこんなに違う「昭和版」ムーミン

ムーミンのガールフレンド
彼女の名は“ノンノン”。
「平成版」では“フローレン”と改名されました。

原作ではそもそも名前がなく“スノークのお嬢さん”と呼ばれています。

いきもの@lKlMONO

ムーミンのガールフレンドをノンノンと呼ぶか、フローレンと呼ぶかで年齢が分かれるらしい。私はノンノン。
スナフキン
スナフキンは良識ある落ち着いた大人。タバコがトレードマーク。悩みを相談してくるムーミンに、ギターを爪弾きながら人生の教訓を語ります。数々の名言を残し“理想の大人”として人気キャラクターとなりました。
「平成版」ではムーミンたちと一緒に鬼ごっこをするような少年で、タバコも吸わず、持っている楽器はハーモニカでした。

ななし@gkat_mo

スナフキンについて喋ろうとしても、昔のスナフキンと楽しいムーミン一家のスナフキンとではいろいろと違いすぎて、話し相手のスナフキンがどっちのスナフキンか確かめるところから始める。私は旧スナが一番好き。もちろん新スナも平成スナも好き。
洪水で下流の町に流されて散り散りになってしまったムーミン一家。ムーミンとミイたちは家族との再会のため劇団を立ち上げる。いっぽう警察に捕まり留置所に入れられたパパとママは脱獄を試みる。1期を象徴するような、展開が読めないカオス過ぎるお話。
2期は道徳的な作風。“達観した大人”のスナフキン。自分の感情に惑わされ悩むムーミン。教育的ともいえる良エピソード。この「昭和版」の雰囲気が、今も大人たちの記憶に刻まれているのです。

原作者のクレームで“封印”された「昭和版」

「これは、私のムーミンではありません。」
ムーミン (アニメ) – Wikipedia

原作者ヤンソンから、このように難色が示されました。

大塚康生のキャラクターデザインが、丸みを帯びており日本では可愛らしいと受け取られたが、当のヤンソンにしてみれば、シャープさが無く太ったスタイルの別ものと思われた様である。
ムーミン (アニメ) – Wikipedia

ヤンソン側のクレームを受け入れ原作に近い状態に絵を変えてノンノン(スノークのお嬢さん)のリボンを無くしたり、ムーミンたちの耳をとがらせたり、顔つきを変えたりして放送を試みたが、視聴者から『キャラクターが怖くなった。』、『つまらなくなったのはなぜ?』、『どうして絵が変わったの?』、『どうしてムードが変わったの?』という意見が
ムーミン (アニメ) – Wikipedia

国内のファンには原作風の絵柄は不評だったため、「日本国内でのみ放送する」という条件で、デザインは元に戻されました。

「私のムーミンは、ノー・カー、ノー・ヴァイオレンス、ノー・マニーです(車とカネを持たず、また争わない)。」
ムーミン (アニメ) – Wikipedia

キャラクターの絵柄だけでなく、アニメで描かれた世界観・作風も、原作者には気に入られなかったようです。

しかし、原作でも、スニフが金貨(現金)や、宝石や貴金属類等のカネ目の物が大好きでこれらを集めたり、飛行おにの帽子で変身したムーミンをスナフキン、スニフ、スノークがぼこぼこにぶん殴ったりしている。
ムーミン (アニメ) – Wikipedia

原作にも、カネ儲けをたくらむ描写やバイオレンス描写、警察に逮捕され留置所に入れられる描写や、自動車の出てくるエピソードもあり、実は原作者ヤンソンの世界観にも矛盾があるようです。
フィンランド制作の新作アニメでも、ムーミンパパが難破船で火事場泥棒をしたり、けっこう荒っぽい描写も見受けられます。

「旧作アニメーション『ムーミン』の放送、新ソフトの開発を、これを認めない。」
ムーミン (アニメ) – Wikipedia

原作者が制作に関わった「平成版」の放送以後、権利者からこのように申し入れられてしまいました。これにより長年親しまれた「昭和版ムーミン」は、再放送もソフト化もされることなく、今後もその可能性は低いとみられています。

https://matome.naver.jp/odai/2142530004405824901
2015年03月03日