戦国時代の医学書『針聞書』に描かれた珍奇なハラノムシたち

lessthanpanda
今から450年ほど前、戦乱の時代から日本人はこんなゆるくて可愛いキャラクターを描いていました。それも立派な医学書の中で…。戦国時代の書物『針聞書(はりききがき)』と、その中に登場するグッズ化もされ一部で大人気の可愛すぎる”腹の虫”たちを紹介します。

東洋医学書『針聞書』とは?

針聞書(はりききがき)
今から450年ほど前、戦国時代の1568年に刊行された東洋医学(鍼灸)書。

針聞書とは、永禄11(1568)年10月11日、摂津の国(今でいう大阪府)の住人・茨木元行によって書かれた東洋医学書
針聞書 (はりききがき)とは【ピクシブ百科事典】

戦国時代に活躍した鍼立(鍼灸師)が記した奇妙な医学書、それが「針聞書(はりききがき)」。

中国から伝わっていた中国医学の「針灸」そして、虫の種類によって、どの様に針を打つかによって体内に居る「虫」の退治方法をまとめた医学書です。
1568年、日本で書かれた医学書「針聞書」が凄すぎる・・とロシアのサイトで話題に・・【画像】 : 世界の憂鬱

『針聞書』を研究する長野 仁氏(森ノ宮医療学園はりきゅうミュージアム研究員)によれば鍼灸史上、現存最古の鍼の流儀書である。
針書聞 虫の知らせ

鍼灸の歴史的にも価値がある書物です。

この資料は東洋医学の代表的なものです。東洋医学は中国で作られ、古くから日本に輸入されていきました。現在の漢方薬や針灸、あんまなどがその部類です。その中で針灸が日本で発展したことをしめす貴重な資料です。
九州国立博物館 | 収蔵品ギャラリー『針聞書』

当時としてはマジメな「医学書」だった

腹の中に棲みいろいろな悪さをする「ハラノムシ」たちをイラスト付きで解説している。

鍼立(鍼灸師)が一人前になるために知っておくべき基本をまとめたもので、4部構成から成る
針書聞 虫の知らせ

内容は以下の4部にわかれています。
1. 鍼の基本的な打ち方、病気別の打ち方などを記した聞書
2. 鍼や灸を体のどこに施すのかを示した図
3. 体の中にいる虫の図とその治療法
4. 臓器や体内の解剖図

ユニークなのは、その病気を引き起こすという「虫」の想像図がまるで図鑑の様に絵と共にその虫の解説が書かれている事です。アニメと漫画の国日本文化の原点が、いまから400年以上前の医学書から垣間見る事ができます。
1568年、日本で書かれた医学書「針聞書」が凄すぎる・・とロシアのサイトで話題に・・【画像】 : 世界の憂鬱

奇妙なハラノムシが63種登場する
J-CAST BOOKS:針聞書

針聞書の第3部には、体内にいて悪さをする“ムシ”63種のイラストが描かれています。

古来、日本では感情や行動は虫(寄生虫)が引き起こすと考えられており、永禄の時代には泣き虫や弱虫なども立派な寄生虫学として研究されていた。
針聞書 (はりききがき)とは【ピクシブ百科事典】

病気の元凶となる「蟲」たちの外形と特徴がカラフルでオリジナリティに溢れたイラストで掲載
針聞書とは – はてなキーワード

かつて、人体に突然起こる病気は、体内の「ムシ」たちが引き起こすものと考えられていました。
珍奇なムシたちが多数登場するこの本は、中国から伝わった鍼灸の日本での発展を研究する上でも非常に価値の高い資料と言われています。

「様々な虫が掲載されている本」として認識されているが、本来は針灸に関する医学書である。
針聞書 (はりききがき)とは【ピクシブ百科事典】

当時としては、いたってマジメな内容だったと思われます。

針聞書に描かれた「ハラノムシ」たち

蟯虫(ぎょうちゅう)
庚申の夜に体から出て、閻魔大王にその人の悪事を告げる虫。
気積(きしゃく)
油気の物を好み、魚や鳥も食べる。虎の腹を食べると退治できる。
肝虫(かんむし)
大悪虫。からいものが好き、背骨のある寄生虫。人の中で「そり」という病気を起こす。木香(もっこう)、白朮(びゃくじゅつ)で退治する。
脾臓の虫3(ひぞうのむし3)
脾臓にいる虫。筋を捕まれると、目まいを起こして頭を打つ。木香(もっこう)・大黄(だいおう)で退治できる。
陰虫(かげむし)
男女和合の時に出る虫。

今これが、一部で大人気

グッズや、わかりやすく解説した本なども販売されている。

九州国立博物館のミュージアムショップで、戦国期の東洋医学書「針聞書」に登場する「腹の虫」キャラクターが人気となっている。
九州国立博物館で「針聞書」腹の虫が人気キャラ : J-CASTニュース

戦国時代に書かれた医学書で想像で描かれた病の元たちの絵がゆるゆるで楽しい
恋のドンドコ針聞書 – YouTube

当時の時代からすれば非常に真面目なものなのだが、現代の人間が見ると妖怪大全にしか見えない
針聞書 (はりききがき)とは【ピクシブ百科事典】

Twitterでも話題

ゆーり@rikiy07

可愛い!欲しい!
戦国時代の針聞書に描かれた架空のむし。
こいつらの顔がなんともいえない笑 pic.twitter.com/M4m6IwZ9xP

戦友 たつや@tatsuya_sen_u

うちにある変なものその1
「きしゃく」のぬいぐるみ。
家族で九州の博物館行った時にキュンときて買ってしまった!
昔の人が人間の体の不調を引き起こす原因と考えた虫の一匹。こいつは胃の中にいるよ!「針聞書」って本に書かれているのだ。 pic.twitter.com/7Reu9kD4rV

グッズも可愛い、しかも結構バラエティ豊富

現在は九州国立博物館に収蔵されており、『針聞書』のハラノムシたちをモチーフにしたグッズもミュージアムショップで販売されている。
針聞書 (はりききがき)とは【ピクシブ百科事典】

「脾臓の虫2」のぬいぐるみ。
人が痩せたり太ったりするのは、食べ物を受けたり受けなかったりするコイツのせい。
薬を受け付けなくなる亀積(かめしゃく・左)と、肺虫(はいむし)。
気積(きしゃく・左)と、脾臓の虫3(右)。
人気の蟯虫(ぎょうちゅう)。
ぬいぐるみだけでなく、手ぬぐいや…
フェイスタオルにシール…
そしてカード的なもの。
ホルマリン漬けの標本(?)
ポストカード。
こんなもん誰に送るんや…
メタリックなフィギュアまで!
https://matome.naver.jp/odai/2142454319503840901
2016年09月11日