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2014/2/8 記事を公開しました
吉積信(テイルズオブシリーズ)
ロールプレイングゲームの「ロール」って役割じゃないですか。だから、ドラクエとかだと主人公はしゃべらないんですよね。プレイヤー=主人公だから、主人公はしゃべらない。「テイルズ オブ」ではこれが違って、主人公もキャラクターとして設定があって、性格もあって、しゃべっていく。だから、厳密にはロールプレイングゲームとは違うかも知れないと思って作っていて、よく言うのが「キャラクタープレイングゲーム」だと思って作っているんです。
ファンタジーで、全然違う星の話だったりするわけですが、違う星の人たちだからって全然違う考え方をしてたりすると、シンパシーを持てないものになっちゃうと思うんですよね。できればそこは親近感だとか、リアルだなっていうのを感じて欲しいところなんで、全然違う世界なんだけど、実はそこで話されていることは今風だったり。
勧善懲悪のストーリーってよくあるけど、敵にも敵で理由があって、本当はこいつ悪いやつじゃないのにな、とか、友達になれるかもしれないのになって、そういうのは本当にリアルなことだと思うので、そういうことを入れていきたいというのがあります。
岩谷徹(パックマン)
“シンプルなゲームルールで、誰でもできる”というところが大きいんでしょうね。年齢や性別を問わず。たとえば、映画にしても小説にしても広いユーザー層を持っていると、そのあとの展開がラクですよね。仕掛けをしやすいし、誰でも参加できるという特徴がある。
最終的には紙の上で議論していてもわからないから、試してみようということになった。実際作ってみないとわからないことは多いです(笑)。ゲームはすべてプレイをしてみないとわからないですからね。
小島秀夫(メタルギア・ソリッド)
映画でも小説でも、地道に取材してロケして、それでものづくりを行うっていうのが本来の筋道なんです。
当然ビデオも撮るし、写真も合計すると数万枚、サウンドも音を録ってきて、それらをもとに3Dモデルとかを作るんですが、 写真を撮るだけではまず臨場感は出ないので、それだけじゃなくて街を朝から晩まで歩いて、いろんな場所に行って、そこの匂いとか空気感とか、 特産物とか食べ物とか、そういったものをかき集めて、どの部分を取り込んでいくか考えます。臨場感を出すのに何が必要かっていうのは、 やっぱり行ってみないとわからないんです。
やっぱりものづくりの過程でその現物を見る、 現場の人に話を聞く、実際に体験してみる、そういうのは非常に重要だと思うんですね。エンタテインメントを作るには必須のプロセスです。 日本のエンタテインメントはどうしてもそこが欠落してるんですけど。小説とかでも。
森本兼次郎(ソニックアドベンチャー)
モノを創る上で何かしら自己表現がしたいと考えていて、 ゲームというメディアを使ったの自己表現の方法に制限は無いと考えていました。
藤岡要(モンスターハンター)
特に当時はアクションを前面に押し出したオンラインゲームはあまりなかったので、自分たちの強みであるアクションを活かせればチャンスがあると思っていました。
やはり「多人数で遊ぶ」アクションゲームの面白さを突き詰めていったことが奏功したのだと思います。一方で、携帯機は面白さを人に伝えやすいというのもヒットの一因ではないでしょうか。
収集や競争など、「モンスターハンター」にはさまざまな要素を取り入れていますが、根本は「面白いアクションゲームであること」と「コミュニケーションツールになり得ること」を満たすことだと考えています。
巧舟(逆転裁判)
マルクス・ペルソン(マインクラフト)
8歳で姉の助けを借り、プログラミングを始めた。彼女が雑誌にリストアップされているコードを読み上げてくれたのだ。「そうやってプログラミングを覚えた。根っからのカウボーイプログラマーなんだよ」。
ペルソンが新しいゲームに対しプレッシャーを感じないのは、彼でさえ、新たな Minecraft をつくることはできない、と考えているからでもある。「Minecraft はセンセーショナルで衝撃的だ。あれを模倣しようとするのは間違っていると思う」。
日野晃博(妖怪ウォッチ)
ドラえもんのような普遍的な作品をつくりたいと思いました。その時代の子供たちに愛され、長く続くような作品を、一から生み出したい。今の時代を映した設定やキャラクターなどを考えました。
(1988年に)「ドラゴンクエストⅢ」に出会って見方が変わりました。発売日には徹夜組が出たりして、社会現象だったのです。そんなに面白いならやってみようと思ったのです。
いざやってみたらすごく面白くて。こんなに人を感動させられるゲームというメディアはすごいんだなと思いました。ゲーム業界に入ったのはその後です。
ドラクエを作る前までは、自分の好きなゲームを制作して収入が得られればいいと思っていたのですが、ドラクエを作ってから変わりました。自分たちでドラクエのようなブランドを作らないと、ゲームを作ったことにならないのではないかと。自分たちのIP(キャラクターやゲームタイトルなどの知的所有権)を持って勝負する会社になりたいと強く感じました。
山本大介(パズル&ドラゴンズ)
半分以上は運だと思っています。どれだけ面白いと思うものを作っても、当たるかどうかわからないし、どのくらいゲームに共感してくれる人がいるかもわからない。
海外の「ダンジョンレイド」というパズルゲームにはまって、以前からこういうゲームを作りたいと思っていた。ガンホーに入ってから企画がふと思い浮かんだんです。
もちろん作るときには必ずヒットさせたいですが、10本中1本当たるか当たらないかだと思っていて、9本こけてもいいかなと。
岩野弘明(拡散性ミリオンアーサー)
志倉千代丸(シュタインズ・ゲート)
堀井雄二(ドラゴンクエスト)
「やっぱりゲームだね」とか思われないように、こだわってるんですよ。町ごとに個性や生々しさがあって、「うわ、ここはこんな町なんだ」ってなってくれないと、そこに行った気がしないじゃないですか。
ああ、僕は自分がシナリオライターだとは思ってないです。物語ももちろん作っていきますが、どちらかと言えばエンターテイナーかな(笑)。楽しんでもらえればなんぼっていうスタイルなんで、そこに人と人とのシナリオができてくれれば面白いと思うんですよね。『ドラクエ』がここまでウケてきた理由は、みんながそれぞれに自分がやってきた思い出を持ってくれてるからだと思うんですよ。ゲームって最初から、それを与えるための素材だったり、コミュニケーションツールだったとも言えるでしょう。
野村哲也(ファイナルファンタジー)
宮本茂(スーパーマリオブラザーズ)
キャラクターが生まれてそれが世間に知れてくるようになると、「好きな色はなんですか?」「好きな食べ物は?」というように、設定が細かく決まってきちゃうんですが、大体24~25歳くらいということ以外はなにも決めていませんでした。それはなぜかと言えば、その後でマリオを使ったゲームを作る時に、ゲームに沿った設定でない場合は活かせなくなってしまう。
「人はなにを面白いと感じるのか」を知らなければならない。そのためには、色々なことをしていなくては。スポーツ、音楽、なんでもいいんですけど、ともかく自分の幅を広げる活動をすること。友人がたくさんいる、相談できる人がいることも大切です。
会議では色々な役割の人が必要で、それぞれ重要なんですよ。良く解っていない人がいても、「これはこうでこうで…」と説明しているうちに、逆に自分がより明解に解ったりする。だから色々な人がいなきゃいけないんです。素直に本音で話す天然の人とかもね、それぞれ大切なんですよ。あとアイディアがまとまるのは、お風呂に入ってる時かな。
田尻智(ポケットモンスター)
ポケモンは、ぼくが子供のときに熱中したこん虫採集などの遊びがもとになって生まれたゲームです。
一人で遊ぶより、交かんすることでもっと楽しくなるのが、それまでのゲームとはちがう特色なんだ。だから、友達とポケモンでいっしょに遊んだことが、おとなになってみんなの大切な思い出になってくれるとうれしいな。
そう、ゲームの十戒を理解し守って作っていく以前に、十戒はないのである。それはビデオゲーム文化が発生してから、まだ十余年しか経っていないのだから、当たり前といえば当たり前といえるだろう。十戒はまだ作られていないのだ。作られていないものは、まだ壊すことはできない。これから作っていくのだ。