電子書籍で読める大江健三郎がスゴイことに!

tomo1026
現代文学をリードし続ける大江健三郎先生の本が続々と電子書籍化されています。特に、2014年11月末に大量に電子書籍として発売された様子なので、まとめてみました。

大江 健三郎(おおえ けんざぶろう、1935年1月31日 – )は、日本の小説家、活動家。愛媛県喜多郡内子町(旧大瀬村)出身。東京大学文学部フランス文学科卒。大学在学中の1958年、「飼育」により当時最年少の23歳で芥川賞を受賞。サルトルの実存主義の影響を受けた作家として登場し、戦後日本の閉塞感と恐怖をグロテスクな性のイメージを用いて描き、石原慎太郎、開高健とともに第三の新人の後を受ける新世代の作家と目される。
大江健三郎 – Wikipedia

坂口恭平さんなど、大江健三郎の本を読む人たちのtweetまとめ

この冬、イッキに大江健三郎の電子書籍が発売されたようです。
調べてみるとすでに46冊も発売されていたので、まとめてみました。

実は電子書籍でもこんなにたくさん発売されていた大江健三郎


https://matome.naver.jp/odai/2141766274704856201/2141775785634393603
万延元年のフットボール
友人の死に導かれ夜明けの穴にうずくまる僕。地獄を所有し、安保闘争で傷ついた鷹四。障害児を出産した菜採子。苦渋に満ちた登場人物たちが、四国の谷間の村をさして軽快に出発した。万延元年の村の一揆をなぞるように、神話の森に暴動が起る。幕末から現代につなぐ民衆の心をみごとに形象化し、戦後世代の切実な体験と希求を結実させた画期的長篇。谷崎賞受賞。
http://urx2.nu/eQxZ
http://urx2.nu/eQy7

大江健三郎の小説は、しばしば難解だからと敬遠される。『万延元年のフットボール』もたしかに冒頭は読みづらかった。主人公のいかにも観念的な独白で始まり、状況描写や回想は妄想のようにもとれ、共感の糸口がすぐにはつかめないのだ。しかし、やがて物語の土台や骨子が定まり、登場人物の輪郭もはっきりしてくる。そうなるともう退屈しない。深い謎を引きずった奇妙な出来事が、次々とうねるように出現、展開していく。クライマックスには推理小説風のどんでん返しまである。
大江健三郎『万延元年のフットボール』~小説の本当の事を云おうか(迷宮旅行社)

『1973年のピンボール』 (せんきゅうひゃくななじゅうさんねんのピンボール) は、村上春樹の2作目の長編小説。(中略)タイトルは大江健三郎の『万延元年のフットボール』のパロディという説がある。
1973年のピンボール – Wikipedia


https://matome.naver.jp/odai/2141766274704856201/2141775785634393503
新しい人よ眼ざめよ
神秘主義詩人ウィリアム・ブレイクの預言詩(プロフェシー)に導かれ、障害を持って生まれた長男イーヨーとの共生の中で、真の幸福、家族の絆について深く思いを巡らす。無垢という魂の原質が問われ、やがて主人公である作家は、危機の時代の人間の<再生>を希求する。新しい人よ眼ざめよとは、来たるべき時代の若者たちへの作者による、心優しい魂の呼びかけである。大江文学の一到達点を示す、感動を呼ぶ連作短篇集。
http://urx2.nu/eQz9
http://urx2.nu/eQBc

彼の中期の佳作「新しい人よ眼ざめよ」を読みました。
大江には、脳に障害を持つ長男がおり、障害児を息子として持ったことが彼の中期、後期の作品や思想に顕著に影響を与えています。大江の息子と共に生きていく、という決心が感じられます。
この作品は、イギリスの神秘主義詩人ブレイクに関する論考を中心に、大江と、その息子《イーヨー》を巡る物語が展開される。大江の心配や不安をよそに、《イーヨー》は彼なりに成長し、大江を、果ては読者さえも驚かせ、そして彼の言動に読むものは息を止め、安堵し、魂を震わすのだ。
やっぱり、良い。かなり、良い。
07読書日記13冊目「新しい人よ眼ざめよ」大江健三郎 – Hello, How Low?


https://matome.naver.jp/odai/2141766274704856201/2141775785634394103
さようなら、私の本よ!
国際的な作家である長江古義人と建築家の繁。この「おかしな二人組」は幼い頃から因縁があり、時を経て病院のベッドで再会を果たす。老人の愚行としてテロを画策する繁に巻き込まれていく古義人は、組織の青年達と精神の触れあいを深めながらも、「小さな老人(ゲロンチョン)」の家に軟禁されるのであった。二人の行き着く先には。
http://urx2.nu/eQyS
http://urx2.nu/eQyZ

https://matome.naver.jp/odai/2141766274704856201/2141775785734394203
憂い顔の童子
作家・長江古義人(ちょうこうこぎと)は、息子のアカリとともに四国の森に帰った。長江の文学を研究するアメリカ人女性ローズが同行する。老いた古義人の滑稽かつ悲惨な冒険は、ローズが愛読する『ドン・キホーテ』の物語に重なる。死んだ母親と去った友人の「真実」に辿りつくまで。『取り替え子(チェンジリング)』から続く、長編3部作の第2作。
http://urx2.nu/eQzr
http://urx2.nu/eQzB

https://matome.naver.jp/odai/2141766274704856201/2141775785734394303
宙返り(上)(下)
「後期大江文学の臨界点」ーーいとうせいこう急進派による無差別テロ計画を知り、実行を阻止するためにテレビで「すべては冗談でした」と棄教を宣言した新興教団の指導者・師匠(パトロン)と案内人(ガイド)ーー10年後、ふたりは若い協力者とともに活動を再開する。だがその矢先、案内人が元急進派に殺され、事態は急変する。 希求する魂のドラマを描く、感動の長篇小説。
http://urx2.nu/eQAE
http://urx2.nu/eQAI

https://matome.naver.jp/odai/2141766274704856201/2141775785734394403
M/Tと森のフシギの物語
祖母から聞いた、四国の森の奥深くに伝わる「壊す人」と「オシコメ」の創造の物語を、MとTという記号を用いて書き記す。時の権力から独立した、1つのユートピアがつくり出される奇想天外の物語は、いつしか20世紀末の作家が生きる世界、われわれの時代に照応していく。海外で最も読まれている大江作品。
http://urx2.nu/eQBl
http://urx2.nu/eQBm

https://matome.naver.jp/odai/2141766274704856201/2141775785734394503
キルプの軍団
高校生の僕は、ディケンズの『骨董屋』を読み、作中のキルプにひかれる。そして、刑事の忠叔父さんと一緒に原文で読み進めるうちに、事件に巻き込まれてしまう。「罪のゆるし」「苦しい患いからの恢復(かいふく)」「癒し」を、書くことと読むことが結び合う新たな語り口で示した大江文学の結晶。
http://urx2.nu/eQBE
http://urx2.nu/eQC2

https://matome.naver.jp/odai/2141766274704856201/2141775785734394603
ゆるやかな絆
わが子、光へ──真摯な魂の贈り物。 ノーベル賞作家夫妻が綴り、描く家族の共生と命の軌跡 。「この10年間に、こうしたかたちで日々の感想を書き続けた文章が──家内の絵に穏やかに傍証されるようにして──本になって残ったということは、なにより僕自身にとって思いがけないほどありがたい贈り物です(文庫版あとがきより)」
http://urx2.nu/eQCT
http://urx2.nu/eQD0

https://matome.naver.jp/odai/2141766274704856201/2141775785734394703
恢復する家族
障害を持つ子供の苦しみを積極的に受けとめ、共に生きていくことによって家族もまた癒されていく。3歳のときすでにベートーヴェンやショパンに敏感に反応し、野鳥の声に示した興味に添うかたちで音楽に出会った光さんを父のやさしい文と母のあたたかい画で綴った感動の長篇エッセイ。
http://urx2.nu/eQDg
http://urx2.nu/eQDm

https://matome.naver.jp/odai/2141766274704856201/2141775785734395203
治療塔惑星
地球のさらなる荒廃『治療塔』に続くSF!地球に帰還した「選ばれた者」の朔ちゃんと、残留し「落ちこぼれ」となった私との間に子供・タイくんが生まれた。しかし、地球環境の悪化はさらに進む。世界宗教、宇宙ミドリ蟹、新しい地球、予戒、地球酸素1/4供給機構、向こう側の知性体ーー著者初のSFである前作『治療塔』をもしのぐ圧倒的スケールの作品。
http://urx2.nu/eQEK
http://urx2.nu/eQEO

https://matome.naver.jp/odai/2141766274704856201/2141775785734395303
治療塔
「選ばれた者」たちが「新しい地球」に移住した。「残留者」たちは、資源が浪費され、汚染された地球で生き延びてゆく。出発から10年後、宇宙船団は帰還し、過酷な経験をしたはずの彼らは一様に若かった。その鍵を握る「治療塔」の存在と意味が、イェーツの詩を介して伝えられる。著者初の近未来SF小説を復刊。
http://urx2.nu/eQF3
http://urx2.nu/eQF8

https://matome.naver.jp/odai/2141766274704856201/2141775785734395403
取り替え子
国際的な作家古義人(こぎと)の義兄で映画監督の吾良(ごろう)が自殺した。動機に不審を抱き鬱々と暮らす古義人は悲哀から逃れるようにドイツへ発つが、そこで偶然吾良の死の手掛かりを得、徐々に真実が立ち現れる。ヤクザの襲撃、性的遍歴、半世紀前の四国での衝撃的な事件…大きな喪失を新生の希望へと繋ぐ、感動の長篇!
http://urx2.nu/eQFj
http://urx2.nu/eQFD

https://matome.naver.jp/odai/2141766274704856201/2141775785734395503
河馬に噛まれる
ウガンダで河馬に噛まれたことから、「河馬の勇士」と呼ばれる元革命党派の若者。彼と作家である「僕」との交流をたどることで、暴力にみちた時代を描く。若者に希望はあるのか。浅間山荘銃撃戦とリンチ殺人という、戦後日本の精神史に深い傷を残した悲痛で惨たらしい事件を、文学の仕事として受けとめた連作集。
http://urx2.nu/eQGk
http://urx2.nu/eQGm

https://matome.naver.jp/odai/2141766274704856201/2141775785734395603
鎖国してはならない
ノーベル賞作家の心を打つ魂の講演集。宗教、文学、丸山眞男、ヒロシマ、「新しい人」の思想…様々なテーマへの熟慮を通し、ノーベル賞作家の語る主題は、”日本人は鎖国してはならない”という一文へと収斂(しゅうれん)する。希望を失わず、未来へつなぐため、プリンストン、北京、ベルリン他、「この惑星(プラネット)のすべての住人」に向けて国内外で行われた、魂の講演録。
http://urx2.nu/eQGM
http://urx2.nu/eQGU

https://matome.naver.jp/odai/2141766274704856201/2141775785734395703
言い難き嘆きもて
「これを書いておかなければそのような経験や思考があったことすら忘れてしまう。つまりこのいまは、生きなかったと同じになる」。切実な思いからやさしく語られる数々の「小さな物語」。大岡昇平、武満徹らへの敬愛、言葉への真摯な考察と自作への思い。今を生きる心の姿勢と希求(ねがい)を綴る至高のエッセイ集。
http://urx2.nu/eQHf
http://urx2.nu/eQHm

https://matome.naver.jp/odai/2141766274704856201/2141775785734395803
懐かしい年への手紙
郷里の村の森を出、都会で作家になった語り手の「僕」。その森に魂のコミューンを築こうとする「ギー兄さん」。2人の“分身”の交流の裡に、「いままで生きてきたこと、書いてきたこと、考えたこと」のおよそ総てを注ぎ込んで“わが人生”の自己検証を試みた壮大なる“自伝”小説。『万延元年のフットボール』『同時代ゲーム』に続きその“祈りと再生”の主題を深め極めた画期的長篇。
http://urx2.nu/eS6Z
http://urx2.nu/eS73

https://matome.naver.jp/odai/2141766274704856201/2141775785734396503
持続する志
「被爆者の自己救済行動」「沖縄の戦後世代」他ヒロシマ、沖縄、核基地、憲法についての諸エッセイと、「安部公房案内」「中野重治の『梨の花』の文章」等戦後文学への豊かな考察を示す作家・作品論。全55篇。30代に入った著者は、己れの存在の根元に突きささる鋭い痛みの感覚をもって状況への誠実な発言を続ける。1960年代後半、『厳粛な綱渡り』後の第2エッセイ集。
http://urx2.nu/eS7q
http://urx2.nu/eS7s

https://matome.naver.jp/odai/2141766274704856201/2141775785734396803
みずから我が涙をぬぐいたまう日
天皇に殉じて割腹、自死を遂げた作家の死に衝撃を受けた、同じ主題を共有するもう1人の作家が魂の奥底までを支配する〈天皇制〉の枷をうち破って想像力駆使し放つ“狂気を孕む同時代史”の表題作。宇宙船基地より逃走する男が日本の現人神による救済を夢見る「月の男」。──全く異なる2つの文体により、現代人の危機を深刻、ユーモラスに描く中篇小説2篇。
http://urx2.nu/eS7H
http://urx2.nu/eS7N

https://matome.naver.jp/odai/2141766274704856201/2141775785734396903
僕が本当に若かった頃
障害をもつわが子と妻との日常、そして夥しい量の読書。少年の日の記憶、生の途上における人との出会い。「文章を書き、書きなおしつつ、かつて見たものをなぞる過程でしだいに独特なものを作ってゆく」という方法意識の作家「僕」が綴る、表題作等9篇の短篇小説。切迫した震える如き感動、特にユーモアと諧謔をたたえて還暦近づき深まる、大江健三郎の精神の多面的風景。
http://urx2.nu/eS9e
http://urx2.nu/eS9f

https://matome.naver.jp/odai/2141766274704856201/2141775785734397003
同時代ゲーム
海に向って追放された武士の集団が、川を遡って、四国の山奥に《村=国=家=小宇宙》を創建し、長い〈自由時代〉のあと、大日本帝国と全面戦争に突入した!? 壊す人、アポ爺、ペリ爺、オシコメ、シリメ、「木から降りん人」等々、奇体な人物を操り出しながら、父=神主の息子〈僕〉が双生児の妹に向けて語る、一族の神話と歴史。得意な作家的想像力が構築した、現代文学の収穫1000枚。
http://urx2.nu/eS9r
http://urx2.nu/eS9A

https://matome.naver.jp/odai/2141766274704856201/2141775785734397103
静かな生活
精神の危機を感じて外国滞在を決意した作家の父に、妻が同行する。残された3人の兄弟妹の日常。脳に障害を持った長男のイーヨーは“ある性的事件”に巻き込まれるが、女子大生の妹の機転でピンチを脱出、心の平穏が甦る。家族の絆とはなんだろうかーー。〈妹〉の視点で綴られた「家としての日記」の顛末に、静謐なユーモアが漂う。大江文学の深い祈り。
http://urx2.nu/eSch
http://urx2.nu/eScj

https://matome.naver.jp/odai/2141766274704856201/2141775785734397403
叫び声
新しい言葉の創造によって“時代”が鼓舞される作品、そういう作品を発表し続けて来た文学者・大江健三郎の20代後半の代表的長篇傑作『叫び声』。現代を生きる孤独な青春の“夢”と“挫折”を鋭く追求し、普遍の“青春の意味”と“青春の幻影”を描いた秀作。
http://urx2.nu/eScA
http://urx2.nu/eScC

https://matome.naver.jp/odai/2141766274704856201/2141775785734397503
ピンチランナー調書
地球の危機を救うべく「宇宙?」から派遣されたピンチランナー二人組! 「ブリキマン」の核ジャックによる民衆の核武装?……。内ゲバ殺人から右翼大物パトロンの暗躍までを、何もかもを笑いのめし、価値を転倒させる道化の手法を用いて描き、読者に再生への希望と大笑いをもたらす。死を押しつけてくる巨大なものに立向い、核時代の《終末》を拒絶する諷刺と哄笑の痛快純文学長編である。※あとがきのカットは当電子版では掲載しておりません。ご了承ください。
http://urx2.nu/eScQ
http://urx2.nu/eScY

https://matome.naver.jp/odai/2141766274704856201/2141775785734398103
遅れてきた青年
地方の一山村に生れ育ち、陛下の勇敢な兵士として死をえらびえた筈の、あの戦争に間に合うことが出来なかった一人の野心的な青年が、やがて都会に出て、外面的には社会的な成功を充分にかちえていながらも、その内面においては、限りない絶望感と失落感にさいなまれざるを得ない、言わば現代の「赤と黒」的な主題を中心に、戦後世代に共通する体験を描出する、半自叙伝的小説。
http://urx2.nu/eSdO
http://urx2.nu/eSdT

https://matome.naver.jp/odai/2141766274704856201/2141775785734398203
日常生活の冒険
たぐい稀なモラリストにして性の修験者斎木犀吉ーー彼は十八歳でナセル義勇軍に志願したのを手始めに、このおよそ冒険の可能性なき現代をあくまで冒険的に生き、最後は火星の共和国かと思われるほど遠い見知らぬ場所で、不意の自殺を遂げた。二十世紀後半を生きる青年にとって冒険的であるとは、どういうことなのであろうか? 友人の若い小説家が物語る、パセティックな青春小説。
http://urx2.nu/eSef
http://urx2.nu/eSek

https://matome.naver.jp/odai/2141766274704856201/2141775785734398303
われらの狂気を生き延びる道を教えよ
外部からおそいかかる時代の狂気、あるいは、自分の内部から暗い過去との血のつながりにおいて、自分ひとりの存在に根ざしてあらわれてくる狂気にとらわれながら、核時代を生き延びる人間の絶望感とそこからの解放の道を、豊かな詩的感覚と想像力で構築する。『万延元年のフットボール』から『洪水はわが魂に及び』への橋わたしをなす、ひとつながりの充実した作品群である。
http://urx2.nu/eSex
http://urx2.nu/eSey

https://matome.naver.jp/odai/2141766274704856201/2141775785734398403
個人的な体験
わが子が頭部に異常をそなえて生れてきたと知らされて、アフリカへの冒険旅行を夢みていた鳥(バード)は、深甚な恐怖感に囚われた。嬰児の死を願って火見子と性の逸楽に耽ける背徳と絶望の日々……。狂気の淵に瀕した現代人に、再生の希望はあるのか? 暗澹たる地獄廻りの果てに自らの運命を引き受けるに至った青年の魂の遍歴を描破して、大江文学の新展開を告知した記念碑的な書下ろし長編。
http://urx2.nu/eSeN
http://urx2.nu/eSeP

https://matome.naver.jp/odai/2141766274704856201/2141775785734398503
見るまえに跳べ
処女作『奇妙な仕事』から3年後の『下降生活者』まで、時代の旗手としての名声と悪評の洪水の中、充実した歩みを始めた時期の秀作10編。“政治と性”の主題を初めて取り上げ、屈伏感と自己欺瞞の意識に苦悩する同時代の青年の内面を文学に定着させた表題作、政治における挫折の問題に挑んだ『後退青年研究所』ほか、『鳩』『ここより他の場所』『上機嫌』戯曲『動物倉庫』など。
http://urx2.nu/eSf9
http://urx2.nu/eSfe

https://matome.naver.jp/odai/2141766274704856201/2141775785734398603
燃えあがる緑の木 第一部〜第三部
百年近く生きたお祖母ちゃん(オーバー)の死とともに、その魂を受け継ぎ、「救い主」とみなされた新しいギー兄さんは、森に残る伝承の世界を次々と蘇らせた。だが彼の癒しの業は村人達から偽物と糾弾される。女性へと「転換」した両性具有の私は彼を支え、その一部始終を書き綴っていく……。常に現代文学の最前線を拓く作者が、故郷四国の村を舞台に魂救済の根本問題を描き尽くした長編三部作。
http://urx2.nu/eSg3
http://urx2.nu/eSg5

https://matome.naver.jp/odai/2141766274704856201/2141775785734398703
死者の奢り・飼育
死体処理室の水槽に浮沈する死骸群に託した屈折ある抒情「死者の奢り」、療養所の厚い壁に閉じこめられた脊椎カリエスの少年たちの哀歌「他人の足」、黒人兵と寒村の子供たちとの無残な悲劇「飼育」、傍観者への嫌悪と侮蔑をこめた「人間の羊」など6編を収める。“閉ざされた壁のなかに生きている状態”を論理的な骨格と動的なうねりをもつ文体で描いた、芥川賞受賞当時の輝ける作品集。
http://urx2.nu/eSgp
http://urx2.nu/eSgs

https://matome.naver.jp/odai/2141766274704856201/2141775785734399203
洪水はわが魂に及び(上)(下)
50種の野鳥の声を識別する知恵遅れの幼児ジンと共に、武蔵野台地の核避難所跡に立て籠り、「樹木の魂」「鯨の魂」と交感する大木勇魚(いさな)。世界の終末に臨んでなお救済を求めず、自らの破滅に向って突き進む「自由航海団」の若者たち……。世代を異にする両者の対立・協同のうちに、明日なき人類の嘆きと怒り、畏れと祈りをパセティックに描いて、野間文芸賞を得た渾身の純文学巨編。
http://urx2.nu/eSgL
http://urx2.nu/eSgR

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「雨の木」を聴く女たち
危機にある男たちを受け入れ、励ます女たち。若者を性の暴力にむけて挑発しながら、いったん犯罪がおこると、優しい受苦の死をとげて相手をかばう娘。かれらをおおう「雨の木(レイン・ツリー)」のイメージは、荒涼たる人間世界への再生の合図である……。宇宙の木でもあれば、現実の木でもある「雨の木(レイン・ツリー)」のイメージにかさねて、人の生き死にを見つめた、著者会心の連作小説集。読売文学賞受賞作。
http://urx2.nu/eSh1
http://urx2.nu/eSh5

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空の怪物アグイー
60年安保以後、その大きな影響下に書かれた“現代の恐怖”にかかわる一連の作品を収める。「個人的な体験」と同一の設定のもとにそれとは全く逆の結末を導き出し、共通のテーマをめぐる著者の文学的格闘をうかがわせる『空の怪物アグイー』ほか、「万延元年のフットボール」につながる『ブラジル風のポルトガル語』、核時代の苦いユーモア『アトミック・エイジの守護神』など7編。
http://urx2.nu/eShm
http://urx2.nu/eShr

https://matome.naver.jp/odai/2141766274704856201/2141775785734399603
小説のたくらみ、知の楽しみ
障害のある息子との共生を祈念したこの二十年、無力な父親は、小説のたくらみを通じて初めて、現在ここにある自分をのりこえ、新しい自分を達成して、生き方の定稿を作ることができた……。日々の読書から、また創作の現場から、かつてなく自己の生活と精神の内情をさらけだした注目の長編エッセイ「小説のたくらみ、知の楽しみ」に、「核時代のユートピア」他の手紙と提言を併録。
http://urx2.nu/eSi6
http://urx2.nu/eSib

https://matome.naver.jp/odai/2141766274704856201/2141775785734399503
われらの時代
快楽と不能の無限の繰返しから抜け出て、幼年時代の黄金の象徴だった天皇の現在の姿に手榴弾を投げつけ爆破しようとする少年。遍在する自殺の機会に見張られながら、自殺する勇気もなく生きてゆかざるをえない“われらの時代”。いまだ誰も捉えられずにいた戦後世代の欲望をさらけ出し、性を媒介に現代青年の行きづまりを解剖して、著者の新たな文学的冒険の出発となった長編小説。
http://urx2.nu/eShJ
http://urx2.nu/eShM

https://matome.naver.jp/odai/2141766274704856201/2141775785734399703
人生の親戚
人生の途上で堪えがたい悲しみに直面したとき、人はその事実をいかに受けとめ、その後の人生をどう生き得るのか。肉体に障害を抱えた長男と精神に障害をもつ次男、二人の息子を同時に自殺によって失った女性が、その悲惨を真正面から引き受け、苦しみの果てにたどりついた生の地平は? 魂の癒しを探り、生きることへの励ましに満ちた感動的な長編小説。第一回伊藤整文学賞受賞作。
http://urx2.nu/eSit
http://urx2.nu/eSiD

https://matome.naver.jp/odai/2141766274704856201/2141775785734399803
美しいアナベル・リイ
かつてチャイルド・ポルノ疑惑を招いて消えた映画企画があった。それから30年、小説家の私は、その仲間と美しき国際派女優に再会。そして、ポオの詩篇に息づく永遠の少女アナベル・リイへの憧れを、再度の映画制作に託そうと決意するのだが。破天荒な目論見へ突き進む「おかしな老人」たちを描く、不敵なる大江版「ロリータ」。『臈たしアナベル・リイ 総毛立ちつ身まかりつ』改題。
http://urx2.nu/eSiU
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芽むしり仔撃ち
絶望的な”閉ざされた”状況にあって、疎外された少年たちが築き上げる奇妙な連帯感。知的な抒情と劇的な展開に、監禁された状況下の人間存在という戦後的主題を鮮やかに定着させた長編。ノーベル賞を受賞した大江健三郎の処女長編。
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性的人間
性に耽溺し、政治に陶酔する右翼少年の肖像『セヴンティーン』。痴漢をテーマに“厳粛な綱渡り”という嵐のような詩を書こうとする少年と青年Jを主人公に、男色、乱交などあらゆる反社会的な性を描き、人間存在の真実に迫る問題作『性的人間』。現代社会の恐るべき孤独感を描いた『共同生活』。政治的人間と性的人間との交錯に、60年安保闘争前後の状況を定着させた3編を収める。
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水死
母の死後10年を経て、父の資料が詰め込まれている「赤革のトランク」が遺言によって引き渡されるのを機に、生涯の主題だった「水死小説」に取り組む作家・長江古義人(ちょうこうこぎと)。そこに彼の作品を演劇化してきた劇団「穴居人(ザ・ケイヴ・マン)」の女優ウナイコが現れて協同作業を申し入れる。「森」の神話と現代史を結ぶ長編小説。(講談社文庫)
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私という小説家の作り方
小説中の「僕」とは誰か? ジャーナリズムや批評家をアテにせず小説を書いていくには? なぜ多くの引用をするのか? 失敗作はどれか? ーー『奇妙な仕事』以来40年に及ぶ小説家生活を経て、いまなお前進を続ける著者が、主要作品の創作過程と小説作法を詳細に語り、作家人生を支えてきた根源の力を初めて明かにする。文学を生きる糧とする読者へ贈る「クリエイティヴな自伝」。
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晩年様式集 イン・レイト・スタイル
3.11後、それまで書いていた小説の原稿をすべて破棄した大江健三郎氏。新たに緊迫した日本を小説の舞台に選んで語り始める。老境の円熟を拒否してカタストロフ(大惨事)に挑む傑作! これまでの作家としての成果すべてを注ぎ込んで、個としての作品を超えるメタ(超越的)小説。一見”私小説”、しかし実は・・・・・・。この作品を通して大江健三郎の全人生が見えてくる。最後に引用された恐るべき予見の詩とは?
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2014年12月11日